■掲示板に戻る■ 全部 1- 最新50 トラックバック

隔離24wwwwwwwww^^^^^^^^^♪♪

1 :(・∀・):07/02/02 18:17:44 ID:???
内藤:wwwwwwwwwwwwww
内藤は嬉しそうだ。
糞樽:wwwwwwwwwwwwww
糞樽は嬉しそうだ。
戦死:wwwwwwwwwwwwww
戦死は照れている。

内藤:真田かなぁwwwwwww黒いのwwwwwwwwwwww
内藤はにやりとした。
臼姫:・・・・・・・・・・・^^^^^^^
糞樽:まだかなぁ甘いのwwwwwwwwwwwwwwwwwww
糞樽はにやりとした。
白樽:あ、あれ・・・なんか粉っぽい・・・・・うぅ;;
戦死:お、俺は別にwwwwwwwwwwwwwwww
戦士は慌てている。
飛子:うげwwwwww焦げたwwwwwwwwwww

3人:楽しみだなぁ〜〜〜wwwwwwwwwwwwwww(い、いや俺は別にwwwwwww)
ボキッ!
臼姫:あんた達が脇でくっちゃべってるお陰で失敗したじゃない^^^^^^^どうしてくれるの^^^^^^卍卍卍卍
3人:ちょwwwwwwwww俺達のせいかypピギョワアアアアアアアアアアアアアアアア!!!
白樽:だ、駄目ですよ臼姫さん!今日は我慢しなきゃって・・・・あぁもう・・・・;;
飛子:まぁまぁwwwww調子乗りすぎなあいつらも悪いwwwwwwwwwwwwww
飛子はにやりとした。


隔離23wwwwwwwwwwwPT誘ってくださいwwwwwwwwwww
http://yy10.kakiko.com/test/read.cgi/ff11ch/1156245304/l50

まとめサイト
http://www.ssetc.ath.cx/orz/

お絵かき板
http://bbs4.oebit.jp/okwww/

内藤:舞いハニーーーーーーwwwwwチョコ馬路美味しかったwwwwwwww俺様感激感動感涙wwwwwwwwww
臼姫:何も聞こえないわね^^^^^^^^^^とっととダボイ行くわよ^^^^^^^^^♪♪♪
内藤:なぁ、当然・・・・・俺にだけ作ってくれたんだ、よな?
臼姫:あっ・・・はぃ・・そ、そう・・・です・・・・・

糞樽:白樽ちゃーん!ごめん、遅れちゃって!急いで来たんだけど・・・
白樽:あ、糞樽君!ううん、私全然待ってないよ^^気にしないで。
糞樽:/echo あぁ・・・癒される癒される・・・!俺だけのナイチンゲールwwwwwうはwwwwくっせwwwww
白樽:は、はい、これ!特製の等身大わわ、私チョ (///)
糞樽:ッピギャアアアアアアアアアア!!!!!!!!
白樽:コ・・・・・・あ、あれ?糞樽君どこ行くの〜?;;

戦死:wwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
飛子:wwwwwwwwwwwwwwwwwwww
戦死:wwwwwwwwwwwフ、フンwwwwwwww
飛子:wwwwwwwwはぁwwwwwほらコレwww昨日作ったチョコwwwwwww
戦死:とwwwwwwwwびwwwwwwwwwこおおおおーーーーーーー
戦死は飛子にルパンダイブ!
飛子:先にチョコ食えこの馬鹿wwwwwwwwwwwwww
飛子のトランスフォーム!→飛子はブーメランに戻ります。
戦死:全くしょうがねえなあwwwwwwww素直じゃない奴wwwwwwwwwwwwww
戦死はしくしく泣き出した。

2 :(・∀・):07/02/02 18:31:25 ID:???
2get
ブラウザにもよるが>>1は毎回表示されてしまうので短くまとめるべきなのである。

3 :(・∀・):07/02/02 22:16:52 ID:???
鰈に3ゲトーwwwww作品投下楽しみにしてるZEEEEEEEEwwwwwwwww

4 :(・∀・):07/02/02 23:34:15 ID:???
4ゲットwwwwwwwww
>>1乙でありますwwwwwwwwww

5 :(・∀・):07/02/03 00:09:40 ID:???
うはwwwwwwwwww>>1でバレンティオンネタktkr

6 :(・∀・):07/02/03 01:12:39 ID:???
--------Area ウィンダス森の区 チョコボ厩舎------------------

プルノノ:おや 唐栗さんじゃないか 今日は何のようだい?

プルノノ:今、Chokoboは公務に出ていてねぇ〜

プルノノ:もうじき戻ってくると思うよ

唐栗:・・・

間屯:・・・

プルノノ:戻ってくるまで そこいらで暇つぶしててもらえるかねぇ〜

唐栗:・・・

間屯:・・・

プルノノ:・・・

唐栗:・・・

間屯:・・・

間屯 は【チョコボの寝ワラ】をジッと見つめた・・・

間屯 はニヤリとしている

プルノノ:あ ちょっと チョコボの寝床に入ってもらっちゃ困るよ

間屯:気ニスンナ

唐栗:・・・

プルノノ:しょうがないねぇ〜

間屯:ドッコイショット

間屯 はその場にしゃがんで休憩している

唐栗:・・・

プルノノ:・・・

間屯:・・・

7 :(・∀・):07/02/03 01:13:23 ID:???
プルノノ:今の間屯の状態でも見てみようかねぇ〜

唐栗:!!

間屯:!!

プルノノ:カスタマイズは・・・最高クラスだねぇ

プルノノ:ツンデレは・・・ 標準よりありそうだねぇ〜

プルノノ:将来性は・・・ あるかないか、といったところだねぇ〜

プルノノ:性格は・・・夢見がちなところがあるねぇ〜 時々物思いにふけっているよ

プルノノ:健康状態は・・・ ケガをしているねぇ ルブリカントがあれば早く治るよ

間屯:ッッ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!?!?

唐栗:!!

唐栗の水マニューバ
→間屯のコンデンサーが発動
→水マニューバを消費してオーバーロードを回避した

間屯:・・・ぷしゅ〜・・・

唐栗:・・・

間屯:気ニスンナ

プルノノ:('д')

間屯:帰ルカ

唐栗 はうなずいた

プルノノ:あ ちょっと チョコボは!?お世話しないのかい?ねぇってば

プルノノ:いっちゃったねぇ〜 なんだったんだいまったく・・・

                              お終いwwwww

8 :(・∀・):07/02/03 01:16:51 ID:???
時事ネタでなくてスマン

おもいつきで書いた

反省はしていない





9 :(・∀・):07/02/03 01:17:23 ID:???
ほのぼの小ネタにワロタwwwwwwwwwwww

10 :(・∀・):07/02/03 15:12:14 ID:???
AAがなくてもKarakuriさんの雰囲気が再現されているwwwwwwww
ワラタぜwwwwwwwwwwwGJwwwwwwwwwwwww

11 :(・∀・):07/02/04 16:59:20 ID:???
〜〜赤魔子の必死なバレンティオン-お約束編〜〜

=== Area: ウィンダス水の区 ===
赤魔子 はたのもーの構え

  ワーキャーニゲテニゲテー!
         オレ、コノリョウリガデキタラアイツトケッコンスルンダ
ウワーモウダメダー

                        !
   |                    ド
  ○ /_                 |        /
  /\V  ミ `'‐、             ン!       ○ /
  `                    "j     ヽ_/ ̄         / /
              \、          /    彡 ノ   、         \/
             `'‐..、       i !         ..-'' ゛      " \_ノ
               ヽ'...     .ゝ.i     _.. .'"'"            (○  
                  ∴ .   ′!   −.,..‐                ヽ
      _. __.          .`..、丶. ‘ヽ゛
       ´´.`゙~~.''゙~´:`-゙ ニニ.、.,.'"."   _,''二'',,ニ'ニ"ニニ...... --:=''='''冖''''''''
   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄゛
             |              /○ ̄ ゙̄
             / |             ̄  「|、
         _/ ̄
      '"  / ○)
           "


白樽:あれほど人のいるところで作ってはだめですよって言ったのに・・・
赤魔子 はきょとーんの構え




12 :(・∀・):07/02/04 17:00:08 ID:???
墨攻のCMみてたらなんとなく思いついたのでwwwww
意味はそれだけですwwwwサーセンwwwwwwww


13 :(・∀・):07/02/04 19:55:10 ID:???
ヴァレンティオンシーズン到来・・・・・!!

14 :(・∀・):07/02/05 10:24:29 ID:???
同時にテロ勃発の時期でもある

あれ?赤い閃光がみえr

15 :(・∀・):07/02/05 15:04:09 ID:???
しっと団が暴れまくるのかとo(ry


16 :バレンタイン前に :07/02/05 15:50:16 ID:???
今年もあの日が近づいてきた。
いや、近づいてきてしまったと言うべきか。普段なら、くるくると
回転しいつでも最善の策を瞬時に計算できる彼女の頭は、この時ば
かりは頭の回転が限りなく鈍くなってしまうのだ。答えを出せるど
ころか、計算の途中で何だか良くわからなくなって思わず頭を抱え
てしまうほどに。
これから己の身に降りかかる決定事項「自分がいつもの自分でいら
れなくなる瞬間」は、常に冷静沈着に対処できるはずの彼女にとっ
て毎年毎年悩みの種であった。


(さて、今年はどうしようかしら…)



内藤:/sh 居間戸々似wwww西京の俺様光臨wwwwwww
内藤:/sh 舞ハニー臼姫wwwww京も綺麗wwwwwwwwww修正されないでwwww
臼姫:/sh shoutで人の名前を呼ぶな^^^^^^^^^^^このバカ^^^^^^^^^卍卍卍

臼姫はホーリーVを唱えた。

臼姫:/echo あ。

臼姫の詠唱は中断された。

臼姫:/echo とっとと、違った違った^^^^今日は違うんだった^^^^^^^^^^^

内藤:あれwwwwホーリーが飛んでこないwwwww臼姫熱でもあるの?wwww
臼姫:なんか微妙にむかつく言い方ね^^^^^^今日は気分がいいのよ^^^^^^^
内藤:臼姫笑顔でかわいすぎwwwwwいつも笑ってtぐへ

臼姫のヘキサストライクが発動。
→内藤に瀕死のダメージ。

内藤:うはwwwおkkkkwwwwwwww
臼姫:道端で変なこと言うな^^^^^^^^
内藤:…道端じゃなければいいの?
臼姫:え?

内藤は臼姫の瞳を見つめ、手を掴んで歩き出した。
引っ張られるようにしてそのあとを歩く臼姫。

臼姫:え?えっと…
内藤:臼姫かわいいなあー



・・・・

・・・

・・

17 :バレンタイン前に :07/02/05 15:51:08 ID:???
…今年もあの日が近づいてきた。
いや、近づいてきてしまったと言うべきか。普段なら、くるくると
回転しいつでも最善の策を瞬時に計算できる彼女の頭は、彼の言葉
や笑顔で簡単にショートしてしまい本来行おうとしていたことをす
っかり忘れてしまう。いつもの自分を保つことができなくなってしまう。




臼姫:/echo だ〜〜〜〜か〜〜〜〜〜ら〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
臼姫:/echo 2/14の予定を決めたいだけなのにどうしてこうなってしまうのよ…
臼姫:/echo だめだな私……

臼姫は頭を抱えながら内藤のモグハウスを出た。

臼姫:/echo 結局言い出せなかったし…2/14空けといてって言うだけでいいのに…
臼姫:/echo 今年はどうやってチョコを渡そうかなあ……
臼姫:/echo あーーーーもうバカバカバカバカ私のバカ…


頭を抱えながらも、モグハで囁かれたチョコよりも甘い言葉の数々を思
い出して臼姫は顔を真っ赤にしながら自分のモグハウスへと帰るのだった。


臼姫:/echo 敵わないなあ…

18 :バレンタイン前に :07/02/05 15:56:06 ID:???
「いいから2/14は空けときなさい^^^^^^」を卒業した臼姫ということで・・・
内藤に真面目になられるとてんで弱い臼姫が見たかったので書いてみた。

19 :(・∀・):07/02/05 16:03:38 ID:???
臼姫のイメージが若干変化の兆しwwwwwwwwww

違和感はあるめどこれはこれで(*´Д`)´'ァ´'ァ

20 :(・∀・):07/02/05 16:37:53 ID:???
時代は臼姫萌えか・・・・・あの臼姫がなぁ・・・・・まさかなぁ・・・・

【/welcome】
やっべwwwwwまじやっべwwwwwwww臼姫萌えるwwwww

21 :(・∀・):07/02/05 23:17:09 ID:???
臼姫覚醒ktkrwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww

22 :(・∀・):07/02/06 01:20:32 ID:3oqWh+XR
つまりこれは内藤(真面目)頻度上昇の兆しと共にwwwwww
臼姫照れの上昇wwwwwwwこれマジ本格的にktkrwwwwwwwwwwwww

23 :(・∀・):07/02/06 01:35:15 ID:6WqQJFlI
内藤のモグハウスを出た・・・・?
中で一体何g

24 :(・∀・):07/02/06 08:19:59 ID:???
内藤も芸を増やして来たなwwwww


25 :バレンタイン前に2:07/02/06 23:54:12 ID:???
臼姫:/echo はあ…昨日はまたいえなかったわね。
臼姫:/echo 私らしくもない。いつもみたいに強制すればいいだけなのに。
臼姫:/echo そうよ^^^^^なんか段々腹が立ってきたわ^^^^^^^^^
臼姫:/echo 内藤め^^^^^^^^^^^覚悟してなさいよ^^^^^^^^^^^^♪♪♪♪


===ル・ルデの庭===


臼姫:内藤^^^^^^^^^
内藤:うはwwww臼姫なんかコワイwwwwww俺様何かした?wwwwwwww
臼姫:今からダボイに行くわよ^^^^^^^今週の金貨まだ貰ってないわよ?^^^^^^♪♪
内藤:俺様wwwwwwwwwちょっと用事があるんだけどwwwwww
臼姫:用事?^^^^^あんたはそんなこと言う権利ないの^^^^^^^♪♪♪

臼姫はテレポホラを唱えた。

内藤:うはwwwwwwおkkkkkkwwwwwwwww

臼姫のテレポホラが発動。
→臼姫はワープします。
→内藤はワープします。
→墨樽に5876821のダメージ。

墨樽:/sh ちょwwww今の何wwwwwwww
(戦闘不能中にそのコマンドは使用できません)


===1時間後・ダボイ===


臼姫:今日も調子がいいわね^^^^^^^^♪
内藤:姫wwwwwwww金貨も取れたし俺様用事あるから帰っていい?wwwwww
臼姫:何言ってるのバカ^^^^^^^^^^^これからが本番でしょ^^^^^^^^♪
臼姫:/echo 危ない危ない、ワンクッションのつもりだったのについ金貨取りに夢中になってたわ^^;
内藤:ハニーが俺様と一緒にいたがってるwwwww修正されないでwwwwwwww
臼姫:そんなわけないでしょ^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^
内藤:じゃあ俺様帰るwwwwwwwwwwwwwww
臼姫:……^^^^^^^^^^^



内藤:ごめんハニーwwwwwwwちょっといじわるしちゃった
臼姫:ばっかね^^^^^^^^何言ってるの?^^^^^^^^^^
臼姫:別に帰っていいわよ^^^^せいぜいその用事とやらをやってれば?^^^^^^^^^^^
臼姫:別に金貨くらい一人で取れるし糞樽呼んでもいいし^^^^^^^^^^^^
臼姫:別にあんたがいなくたって

臼姫はオークにバニシュ3を唱えた。
内藤は臼姫を抱きしめた。
→臼姫にスタンの効果。
臼姫は詠唱を中断された。

臼姫:離せ^^^^^^^^^^^;;;;;;;
内藤:やだwwwwwwwwwwwwwwwww

臼姫はもがいている。
臼姫はもがいている。

26 :バレンタイン前に2:07/02/06 23:54:59 ID:???
内藤:姫wwwwww2/14空いてる?wwwwwwwwwww
臼姫:えっ^^^^^^^^^^^;;;;;;;;;;
内藤:空いてなくても空けといてくれると俺様チョー嬉しいwwwwwwwwwww
臼姫:しょ、しょうがないわね^^^^^^^^^;;空けとくわよ^^^^^^^^^^^^^^^;;;
内藤:やったwww俺様幸せモノwwwwwwwwwww

内藤は臼姫を抱く手に力を込めた。

内藤:でもごめん、今日は本当に用事があるんだw
臼姫:わ、わかったわよ、だから離しt
内藤:やだ…離したくない
臼姫:…んっ



・・・・

・・・

・・




内藤はデジョンカジェルを使った。

内藤:舞ハニーwwwwwwwwまたねwwwwwwwwwwwwwwww

→内藤にデジョンの効果。

臼姫:

臼姫は頭を抱えてその場に座り込んだ。


臼姫:/echo だ〜〜〜〜か〜〜〜〜〜ら〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
臼姫:/echo なんでこうなってしまうのよ!私から言おうと思ってたのに…

臼姫は自分の頭をぽかぽか叩いた。

臼姫:/echo ああああああああああもおおおおお内藤にペース乱されるなんて!!

臼姫は自分をぽかぽかぽかぽかぽか。
→臼姫にクリティカル!280のダメージ。

臼姫:痛い^^^^;;;

臼姫はケアル3を唱えた。
→臼姫のHPが回復します。

臼姫:/echo ま、まあ予定とは違ったけど、2/14のことは決まったしいいか…

27 :バレンタイン前に2:07/02/06 23:58:30 ID:???
調子に乗って続きを書いてしまった。
あんまりツンデレっぽくなくてただのデレになってしまった気がするorz

28 :(・∀・):07/02/07 00:45:39 ID:13LHCf/g
GJwwwwwwwwwwwwwけどこれは序章だwwwwwwww
臼姫が^^^^^から・・・・・になるのは激しくおkkkwwwwwwwwwもっと知らしめてwwwwww

29 :(・∀・):07/02/07 00:48:02 ID:???
(#´ω`#)

30 :(・∀・):07/02/07 01:26:58 ID:???
今までとのギャップがそのまま萌えに繋がるwwwwwwwwww
こいつぁグレイトだぜwwwwwwwwwwwwwwwwwwww

31 :(・∀・):07/02/07 03:09:12 ID:6jEtqfT7
>>25
糞樽が最高wwwwwwwwwww

32 :(・∀・):07/02/07 03:17:37 ID:6jEtqfT7
ごめwwwww墨樽だったwwwwwwwwwwwwwwwwwww

33 :(・∀・):07/02/07 07:37:38 ID:???
想像ダにしなかった・・・・・・まさか・・・・まさか臼姫萌えの時代が訪れようとは・・・・・





そんな俺も今日から臼姫萌えwwwwwwwwwww

すまねえ兄貴wwwwwwwすまねえ赤魔子萌え様wwwwwwwもう戻れねえよ俺wwwwwww

34 :(・∀・):07/02/07 13:30:15 ID:zRGjhPe9
てめえらネカマの陰謀に踊らされすぎwwwwwww





ナニモコナイ!?(`Д´≡`Д´)??

35 :(・∀・):07/02/07 14:42:30 ID:???
マジか??(`Д´≡`Д´)??

36 :(・∀・):07/02/07 14:49:58 ID:???
あれ・・・・?月ってヴァナには2つあるんだっけか?

37 :(・∀・):07/02/07 15:33:34 ID:???
      ,r=ヽ、 もう立ったのか!r';;;:;:;;:::;;;;;;;;;;;;ヽ、
はやい j。 。゙L゙i     rニ二`ヽ.   Y",,..、ーt;;;;;;;;;;;) きたwうはwwきたwww     
 r-=、 l≦ ノ6)_   l_,.、ヾ;r、゙t   lヲ '・=  )rテ-┴- 、
 `゙ゝヽ、`ー! ノ::::::`ヽ、 L、゚゙ tノ`ゾ`ー ゙iー'  ,r"彡彡三ミミ`ヽ.  
  にー `ヾヽ'":::::::::::: ィ"^゙iフ  _,,ノ ,  ゙tフ ゙ゞ''"´   ゙ifrミソヘ, 
 ,.、 `~iヽ、. `~`''"´ ゙t (,, ̄, frノ   ゝ-‐,i ,,.,...、  ヾミく::::::l  きたでしゅ!
 ゝヽ、__l::::ヽ`iー- '''"´゙i, ヽ ヽ,/   /  lヲ ェ。、   〉:,r-、::リ
 W..,,」:::::::::,->ヽi''"´::::ノ-ゝ ヽ、_ノー‐テ-/ i / ,, 、   '"fっ)ノ::l
   ̄r==ミ__ィ'{-‐ニ二...,-ゝ、'″ /,/`ヽl : :`i- 、ヽ  ,.:゙''" )'^`''ー- :、
    lミ、  / f´  r''/'´ミ)ゝ^),ノ>''"  ,:イ`i /i、ヺi .:" ,,. /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;`゙
    ! ヾ .il  l  l;;;ト、つノ,ノ /   /:ト-"ノ゙i  ,,.:ィ'" /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
.    l   ハ. l  l;;;;i _,,.:イ /   /  ,レ''";;;;`゙゙" ヽ_,,ノ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
   人 ヾニ゙i ヽ.l  yt,;ヽ  ゙v'′ ,:ィ"  /;;;;;;;;;;;;;;r-'"´`i,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
  r'"::::ゝ、_ノ  ゙i_,/  l ヽ  ゙':く´ _,,.〃_;;;;;;;;;;;;f´'     ll;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
  ` ̄´     /  l  ヽ   ヾ"/  `゙''ーハ.     l;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
        /    l  ゙t    `'     /^t;\  ,,.ゝ;;;;;;;;;;;;;;;i;;;;;;;;;;;;

             

38 :(・∀・):07/02/07 16:34:08 ID:???
馬鹿だなお前w
ヴァナにも月は1つしか・・・・あれ?

39 :(・∀・):07/02/07 17:55:45 ID:???
うはwwwwwwwww本気メテオ召喚wwwwww

40 :(・∀・):07/02/08 01:05:43 ID:???
姫様wwwwwwwwwwいつの間にムーンストライクをwwwwwwwwwwwwww

41 :獣様黒くなる :07/02/08 01:46:18 ID:???
いままでROMばっかだったけど投稿してみる

獣様:/sh おんなだなんて〜おもおったら
獣様:/sh お〜まちが〜いよおとこのこ〜(`・ω・´)デシュ
獣様:/sh ふたつのむ〜ねのふくらみは〜(`・ω・´)デシュ
獣様:/sh せ〜け〜いりょ〜のせいかなの〜(`・ω・´)デシュ

樽ナ:ねぇ・・獣様?
獣様:はいでしゅ樽ナしゃん(=´▽`=)
樽ナ:なにを・・・歌っているのかな?
獣様:/sh (=´▽`=)∩ 昨日教えて貰った、臼姫しゃんのテーマでしゅ
樽ナ:へ・・・へぇ・・・

臼姫>>獣様:誰に教えて貰ったのかしら^^^^^^^^^^^♪
獣様>>臼姫:(=´▽`=)∩ 糞樽しゃんでしゅ〜
臼姫>>獣様:へぇ〜そう^^^^^^^^^^^^^♪
獣様>>臼姫:あ、そうそう 糞樽しゃんはあと2時間ぐらいしたらINすると思うでしゅ(`・ω・

´)
臼姫>>獣様:あら、気が利いてるじゃないの^^^^^^^^^^♪特別に許してあげるわ^^^^^^^^^^^♪
獣様>>臼姫:ありがとうでしゅ、臼姫しゃんはとっても優しいでしゅ(=´▽`=)

臼姫:さて、と^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^♪
臼姫は超★長時間詠唱の構え

樽ナ:・・・獣様
獣様:はいでしゅ(=´▽`=)∩
樽ナ:今日はなんか真っ黒だね・・・どうしたの?
獣様:至って普通でしゅよぉ〜(=´▽`=)
樽ナ:そ・・・そうなんだ
獣様:あ、僕用事があるのでおちましゅね〜(=´▽`=)ノシ
樽ナ:う・・・うんじゃあね

Kemonosamaがログアウトしました

42 :獣様黒くなる :07/02/08 02:22:52 ID:???
続きwwww

リアル・獣様家子供部屋
獣様:ごほごほ(*X□X)
獣様:風邪引くなんてついてないよ、ごほごほ(*X□X)
獣様:PS2も母さんに取り上げられちゃったし、ごほごほ(*X□X)

トントン、ガチャ
妹獣:おにいちゃーん、おかゆ持ってきたよー
獣様:妹獣ちゃんありがとう、あとで食べるね、ごほごほ(*X□X)
妹獣:うん、ここおいとくね♪
獣様:あれ・・・そういえば今日はお義父さんも母さんも仕事の日だったよね?これどうしたの? ごほごほ(*X□X)
妹獣:お義母さんがお兄ちゃんよろしくっていってたから私が作ったの♪
獣様:へー妹獣ちゃん小学生なのにおかゆ作れるんだ、お利口さんだね、ごほごほ(*X□X)
妹獣:うん♪じゃあ、向こう行ってるね早くよくなってね〜
獣様:うん、ありがとう、ごほごほ(*X□X)

リアル・獣様家居間
妹獣:まったく・・・糞樽のヤツがお兄ちゃんや糞猫お姉ちゃんにFF教えた性で二人とも私と全然遊んでくれなくなっちゃったじゃない!
妹獣:それにお兄ちゃんは夜遅くまで起きるようになっちゃって風邪引いちゃったし!
妹獣:それもこれもぜーーーーーーーんぶ糞樽のせいよ!お兄ちゃんの幼馴染みだからってなれなれしすぎるのよね!あーーーーむかつくっ
妹獣:・・・・そういえば、糞樽って臼姫ってひとが苦手だってお兄ちゃん言ってたっけ・・・

獣様のPS2を引っ張り出して接続する妹獣
妹獣:えーと、たしかお兄ちゃんIDは・・・・でPASSが・・・・っと

獣様(妹獣):/sh おんなだなんて〜おもおったら
以下略

もすこし続く

43 :獣様黒くなる :07/02/08 02:42:41 ID:???
最後・・・と思ったら制限来たのでわける

2時間後、ヴァナ

糞樽:よう!wwwwww
内藤:うはwwwww糞樽INwwwwww
戦死:糞樽wwwwwいままでありがとうwwwwwみんなお前のことは忘れないwwwwww
戦死は糞樽を見てうんざりした
猫狩:糞樽ちん・・・いますぐ落ちた方がいいにゃ><;
死人:まったくここまで来ると自殺願望があるとしか思えませんね
白樽:糞樽君・・・短い間だったけど、私糞樽君と知り合えてホントに良かった;;
糞樽:おいおいwwwwwwどうしたおまえらwwwwww白樽ちゃんまでwwwwなんかの悪ふざけか?wwww

真黒>>糞樽:隊長
糞樽>>真黒:どうした真黒wwwwHNM沸く時間までだいぶあるだろwwwwww
真黒>>糞樽:隊長、私達はあなたを尊敬しています。そしてあなたが残してくれたこのLSは私達がしっかりと引き継いでいきますのでご安心下さい!

糞樽:・てっl 真黒 おいwwwwwおまえまでどうしちまったんだよwwwwww
糞樽:ミスwwwwターエイプリルフールは性別偽ってる臼姫wwwwww
内藤:うはwwwwww小古間で来る通れ狭間尊敬するwwwwwww糞樽小野子ダねwwwww
通風:いやwwwwwどっちかというと、もうンなこと言ってもヤツの怒りは極点だってわかってんじゃねーか?wwwww
糞樽:おいwwwwwおまえらwwwww
戦死:糞樽うぅうううううwwwwwwwwお前ってヤツはwwwwww
戦死は糞樽を歓迎した
猫狩:糞樽ちん・・・うち、今だから言うけど姫ちんに立ち向かっていってた糞樽ちんが少し格好良かったにゃぁああああ( ノ□;)
白樽:糞樽君・・・やっぱり糞樽君は最後まで糞樽君として生きるんだね;;
死人:ご安心下さいレクイエムは高貴なる私が歌って差し上げます
糞樽:おいおいwwwwwこれじゃまるで俺がこれから死ぬみてーじゃねーかwwwwww

一同は北の空を指さした

糞樽:wwwwwん?wwwwなんか北の方の空が白くないか?wwwwww
猫狩:姫ちんがホーリーを詠唱し続けてるにゃぁ><
通風:樽ナの話じゃもう2時間も詠唱を続けてるそうだぞwwwwwww
死人:かわいそうに・・・あの子は私にこのことを伝えると恐怖で失神してしまいましたよ
内藤:文部ロー野鼻死だと家静海酢裸能古良名井ってwwwwwww
戦死:じゃあwwwwww俺たち巻き込まれたくないから逃げるなwwwww
戦死は糞樽を手招きした

一同は呪符デジョンをつかった>>ワープします

44 :獣様黒くなる :07/02/08 02:44:10 ID:???
正真正銘ラストーてか見てる人いないよねこんな時間に・・・

白樽>>糞樽:さようなら糞樽君、愛してます

糞樽:wwwwwwwwwwwwwwwww
糞樽:ちょwwww全然身に覚えないんだけどwwwwwwwwww

糞樽>>臼姫:あのwwww姫様wwwwww?
(相手は詠唱最終段階に入っているため届きませんでした^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^♪)

糞樽:wwwwwwwwwwwwwwwww
糞樽:wwwwwwwwwwwwwwwww
糞樽:wwwwwwwwwwwwwwwww

糞樽:/sh なんだってんだよあのクソネカマーーーーー!!!!!!!!!!!

臼姫の2時間詠唱ホーリー^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^×200が発動
糞樽に(システム管理の人間が発狂しました)なダメージ

糞樽は存在が消え去った
糞樽:/sh ぴgy

リアル・獣様家
妹獣:ふう♪すっきりした♪


ちゃんちゃん

受験中に思い浮かんで書いた、下手な上に良く分かんないキャラを登場させてすまないと思っている

だが私は謝らない!

つ【今回の特別ゲスト】
妹獣(imokemo)
獣様のリアル義理の妹小学3年生。お兄ちゃん大好き
糞猫とは同級生で幼馴染み。
最近獣様と糞猫が糞樽がやっていたゲームFFXIにはまってしまい自分と遊んでくれなくなっているので糞樽が嫌い。
いちおう糞猫と話を合わせたいので自分もキャラは作っている(ちなみにガルカの召喚士)



45 :(・∀・):07/02/08 08:36:01 ID:???
とりあえず、内藤の台詞は読むの面倒だったので、自然にスルーしてたw


46 :(・∀・):07/02/08 09:06:32 ID:???
朝一から結構楽しませてもらったwwww


47 :41〜44:07/02/08 12:07:31 ID:???
>45
さいですかorz 他の人の読めないようで読める誤字をまねしたつもりだったんですが・・
くそ、内藤のセリフは難しいぜ(;;)精進します

>46
そういっていただけると幸いっす

てなわけで名無しに戻ります

48 :バレンタイン前に2:07/02/08 18:37:07 ID:???
>>32
すんません、糞樽の間違いっす(汗
推敲したはずなのに間違えちゃいけないとこ間違えてた…orz

49 :www受験頑張れwww :07/02/08 20:26:32 ID:???
>>47
無理に誤字を使う必要はなっすぃんwwwww
そして、話は面白かったのでもーまんたいwwwww


50 :(・∀・):07/02/08 22:52:05 ID:???
>糞猫とは同級生で幼馴染み。
え……ていうか……糞猫小3!?wwwwwwwwwww

51 :(・∀・):07/02/08 23:07:48 ID:???
書き手の数だけ世界があるんだよキットwwwwwwwwwwwww


52 :(・∀・):07/02/09 00:12:54 ID:???
        ┌――正統主義―――懐古派(ダボイ派)
        |          │
        |          └――ダーク内藤派(内藤も人間だよ)
        |
内藤信者―┼─革新主義――神内藤原理主義(内藤が世界を救うSSこそが最高だ!!)
        |          |
        |          |―内藤何て存在しないよ派(プログラム説派)
        |          |
        |          └―チョイマジ内藤派(ツンデレ臼姫共闘派とも)
        |
        └――影の薄い主人公派(使いにくいよ派)

53 :(・∀・):07/02/09 00:41:01 ID:???
影の薄い〜以外はどれも好きだな・・・・・・・

ってことは俺内藤信者の素質十分じゃんwwwwwwwうはwwwwwwおkkwwwwww

54 :(・∀・):07/02/09 01:11:45 ID:nKT1dSPV
全部おkkkwwwwwwwwwwwwwwwwwww

55 :(・∀・):07/02/09 09:58:43 ID:???
>>47
普通に漢字入れすぎなんだと思うwwwwwww

>内藤:文部ロー野鼻死だと家静海酢裸能古良名井ってwwwwwww
こことか最早何言ってるのかわからねぇwwwwwwwww

56 :業者撲滅ww :07/02/09 11:17:27 ID:???
獣様:樽ナしゃん!(`・ω・´)
樽ナ:な、なに?
獣様:今、釣りがブームらしいでしゅよ!!(`・ω・´)
樽ナ:ほほう
獣様:とっても儲かるらしいでしゅ!!!(`・ω・´)
内藤:/sh ナナナナナナナナなんだってーーーーー!!?wwwwwwwwwwwww

樽ナ:うわっ
内藤:それは本当改?wwwwwwwwww獣様wwwwwwwwwwwwwwwwww
獣様:もうガッポガッポのウッハウッハでしゅって!!(`・ω・´)
内藤:ちょwwwwwwwwwwwwwkwskwwwwwwwwwwwww
獣様:バタリアで釣りするとミスリルソードとか釣れるらしいでしゅよ!!(`・ω・´)
内藤:そんなエサで俺様がクマーーーーーーーーーーwwwwwwwwwwwwwww
樽ナ:それって・・・、
内藤:よしwwwwwwwww然は磯げだwwwwwwwwww獣様行くぞwwwwwwwwwww
獣様:あいでしゅ!!(`・ω・´)ゝ

樽ナ:あーあ、行っちゃった・・・。



内藤:/sh うはwwwwwwwwwwwww人がいっぱいwwwwwwwwwwwwwww
内藤:/sh ここが吊りスポットに違いまいwwwwwwwwwwwwwwwwww
Jkjkはミスリルソードを釣り上げた。
獣様:さっそく釣ってる人がいるでしゅよ!!(`・ω・´)9m
内藤:おkkkkwwwwwwwwwwwwwww俺様達も吊りするぜぇぇぇえwwwwwwwwwwww
Jjkkはミスリルピックを釣り上げた。

ググッ
内藤:/sh キタ─────────────────!!!!!wwwwwwwwwwwwwwww
内藤は1ギルを釣り上げた。
内藤:/sh 1ギルキタ─────────────────!!!!wwwwwwwwwwwwwww
獣様:なんでしゅってー!!(`・ω´・;)
Abcdはミスリルリングを釣り上げた。
獣様:まま、負けないでしゅよー!!(;`・ω・´)o/~ヽ
ググッ
獣様:キターでしゅ!(*´▽`)
獣様は100ギルを釣り上げた。
獣様:100ギル来たでしゅよー!!(*´▽`)ノ
内藤:/sh ギルウマ─────────────!!!!!!!wwwwwwwwwwwwwww

樽ナ:・・・・・・・・・。
樽ナ:様子見に来たけど・・・何してんだろ・・・。


57 :業者撲滅ww :07/02/09 11:18:16 ID:???
ググッ
内藤:/sh キタ─────────────────!!!!!wwwwwwwwwwwwwwww
バキッ!!
内藤:/sh オレタ─────────────────!!!!!!!!wwwwwwwwwwwwww
獣様:なんでしゅってー!!(`・ω´・;)
獣様:仇を取るでしゅ!!(;`・ω・´)o/~ヽ
ググッ
獣様:キターでしゅ!(*´▽`)
獣様はコバルトジェリーを釣り上げた。
獣様:コバルトジェリー来たでしゅよー!!(*´▽`)ノ
内藤:/sh ウマ─────────────??????wwwwwwwwwwwwwww
Kjkjはミルリルソードを釣り上げた。

内藤:お隣さんやるなwwwwwwwwwwwwwwww強敵だぞwwwwwww獣様wwwwwwwww
獣様:負けないでしゅよ〜〜!!(`・ω・´)

樽ナ:・・・テンション高いなぁ・・・。




1時間後




Jkjkはミスリルリングを釣り上げた。
Kjjkはミスリルソードを釣り上げた。
内藤:/sh キキキ、キタ─────────────
内藤はコバルトジェリーを釣り上げた。
内藤:/sh ─────────────・・・・・・・・・
内藤:wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
獣様:(´・ω・`)

ババババババババババババ

パリーン
内藤はコバルトジェリーを失った・・・。
内藤はコバルトジェリーを失った・・・。
内藤はコバルトジェリーを失った・・・。
内藤はコバルトジェリーを失った・・・。
内藤:うはwwwwwwwwwwwwおkwwwwwwwwwwwwwwwwwww
獣様:(´・ω・`)
Jkjkは錆びた大剣を釣り上げた。
竜姐はミスリルソードを釣り上げたが、食べ物じゃないので仕方なくリリースした。
獣様は1ギルを釣り上げた。
獣様:(´・ω・`)(´・ω・`)(´・ω・`)
内藤:wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww

58 :業者撲滅ww :07/02/09 11:18:54 ID:???

樽ナ:君ら何してるのさ・・・。
獣様:何って釣りでしゅよ(´・ω・`)
内藤:/sh 樽ナ君はこれがミッションに見えるの貝?wwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
樽ナ:いやいやいやいや、シャウトやめてよ。
樽ナ:相手は業者だよ?無理だと思うな・・・。
獣様:ぎょーしゃって何でしゅか?(´・ω・`)
内藤:/sh 餃子のことかい?wwwwwwwwwwwww大好物ですwwwwwwwwwwwww
樽ナ:違うから。ツール使ってRMTしてる団体だよ。
獣様:あーるえむてぃー?(´・ω・`)
内藤:/sh 自動料金預払機だよ獣様wwwwwwwwwwwコンビニとかのwwwwwwwwwwwwwwww
樽ナ:ATMでしょ、ちょっと違うし。だからそーじゃなくて・・・。

樽ナ:ズルしてお金稼いでる人たちだよ。
内藤:なななななななんですってーーーーーーー!?wwwwwwwwwwwwwwwwww
内藤:/sh ツールでお金を釣ーるwwwwwwwwwwwwwwwwwwブッwwwwwwwwwwwwwwwwwww
内藤:/sh 戦子せんせぇーーーーーーーーーーーーーーーいwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
樽ナ:だから!
獣様:ズルはいけないと思いましゅ!!(`・ω・´)-3
内藤:そーだそーだwwwwwwwwwwwwwwwwwwズルはイクナイwwwwwwwwwwwwwwwwwww
樽ナ:GMもがんばってるみたいだから、今のことろは待つしか・・・・って


内藤:/sh RMT反対ーーーーーーーーーーーーー!!!!!wwwwwwwwwwwwwwww
獣様:/sh ツール撲滅でしゅーーーーーーーーーーーーー!!!!(`・ω・´)ノ
内藤のぬすむ
→Jkjkからミスリルソードを盗んだ。
→Jkjkからミスリルソードを盗んだ。
→Jkjkからミスリルソードを盗んだ。
→Jjkkからミスリルソードを盗んだ。
→Kjkjからミスリルピックを盗んだ。

獣様の呼び寄せる
→サーベルタイガーを呼び寄せた。
→サーベルタイガーを呼び寄せた。
→サーベルタイガーを呼び寄せた。
→サーベルタイガーを呼び寄せた。
→サーベルタイガーを呼び寄せた。
サーベルタイガーはJkjkを倒した。
サーベルタイガーはAbcdを倒した。
サーベルタイガーはJjkkを倒した。
サーベルタイガーはKjkjを倒した。
サーベルタイガーはKkjjを倒した。

樽ナ:・・・・・・・・・・・・・。

獣様:悪は滅ぶでしゅ!(`・ω・´)
内藤:ミスリルソードウマ───────────────!!!!wwwwwwwwwwwwwwww
獣様:撲滅撲滅撲滅でs
内藤:うはwwwwwwwwwお

樽ナ:あ

59 :業者撲滅ww :07/02/09 11:19:17 ID:???






[+]<何故ここに呼ばれたか分かりますか?
内藤:無理wwwwwwwwwwwwwwwサポシwwwwwwwwwwwwwwwwwww
獣様:(´゚ω゚`)?



樽ナ:業者がムカツクからって、MPKはやめましょう。
樽ナ:逆にしょっぴかれちゃうぞ☆ お姉さんとの約束だ!

戦子:ネタがあると聞いてここに来ましたwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww

樽ナ:いやないよ帰ってね。
戦子:なんて冷たい子wwwwwwwwwwwwwwwwww
戦子:まぁいいわwwwwwwwwwまたクール(Cool)からねwwwwwwwwwwwwwwww
戦子:アイルビーバーックwwwwwwwwwwwbyターミ・ネーターwwwwwwwwwなんつってwwwwwwwwwww
樽ナ:




竜姐はバストアサーディンを釣り上げた。
竜姐は喜んでいる。
Oscerは喜んでいる。




終wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww

60 :業者撲滅ww :07/02/09 11:24:10 ID:???
業者だからってMPKしていいわけではありませんwwwwwwwwwwwww
MPKするとアカ停をくらっちゃいますよwwwwwwwwwwwwww
業者のせいでアカ停なんて最悪だねwwwwwwwwwww

現状、プレイヤーにできる事と言えば、ギルを買わないこと!wwwwww
周囲の知人にも買わないように広めましょうwwwwwwwwwww

RMTは買う方も処罰されることをお忘れなくwwwwwwwwwwwwwwww




61 :(・∀・):07/02/09 12:10:43 ID:???
GJwwwwwwwww

俺も業者から盗みてぇぇぇ!!wwwww

62 :(・∀・):07/02/09 16:21:57 ID:???
最初から最後まで楽しませていただきましたwwwwwwww
惜しみなくGwwwwwwJwwwwwwww

63 :(・∀・):07/02/09 17:26:25 ID:???
>逆にしょっぴかれちゃうぞ☆ お姉さんとの約束だ!

( ゚д゚) ・・・

(つд⊂)ゴシゴシ

>お姉さんとの約束だ!

(#゚Д゚) ハァ!? ダレガ、オネェサンダッテ・・・?

64 :(・∀・):07/02/09 18:40:48 ID:???
樽ナは既にお姉さん通り越してかかあ天下だnふぁsfgrん、ごめn

65 :(・∀・):07/02/09 22:42:33 ID:???
Zeid:おおおねおねおね、お姉さんだと!?
  い、妹じゃなかったのか!!!11!!

66 :(・∀・):07/02/10 01:35:06 ID:OlsCaDDy
オレは飴刻じゃないんだけど
バレンタインなんて製菓会社の仕組んだ戦略なんだから
リアルでも踊らされないほうがいいよおれは飴刻じゃないんだが

67 :赤(ry :07/02/10 02:08:53 ID:???
はて、>>66が飛んでますね?wwwwwww
どういう事でしょうかwwwwwwwwww
何か必死な臭いがしますがwwwwww


ふぅ、いつもこのときはドキドキしますwwww
投下前のこのドキドキは……もう…ハートマン軍曹に渇を入れて欲しいくらい…ヘタレ…


さていつもの事前ご注意と言うか、事前土下座と言うか


ネタバレは特に含んでいない…と思うです
ヴァレンティオンとか関係ないけど…いいのかなぁ……
合わないと思ったらスルって下さいm(__)m
凄く、長いです………m(__)m


容量とかごめんなさい。分割したがいいでしょうか
たぶん、投下し終わるまで時間かかると思うので、気が向いたら途中で言ってやってください
ていうか、長すぎて途中で貼り付けるのに力尽きるかもです…すみません、もしそうなったら許して下さい

折り返しも色々考えたましたが……ほぼ原文ままでいってみます。見づらかったらごめんなさい
序盤がまた長いんだよなあ……出来れば耐えてほs(ry


まあいいや、サア行くか!

68 :教会の幽霊 :07/02/10 02:10:38 ID:???
<序の序>

「大丈夫?wwwwww」

彼はそんな馬鹿な事を言った。


胸と腹に穴を開け、左腕が切断している。
怪我をして倒れているとは誰も思うまい。遺体が放置されている、というよりは死体が転がっているという表現が最も相応しい。
悲鳴をあげて逃げるか、立ち尽くすか、無視して立ち去るか。あるいは金目のものでもないか探るかが正しい反応だろう。
だというのにこの白い鎧を着けた金髪の男は、目の前に転がる「私」が生きていると信じて疑っていないようだ。
なんて平和な人間だ、と皮肉を込めて考えながら、私はどうすればいいのか少し戸惑っていた。

69 :教会の幽霊 :07/02/10 02:12:05 ID:???
<序>

「おい、サードだ……」
「サード……」
「珍しい、何事だ…」


私を認めると辺りが一旦静まり、そしてざわめいた。
集会所へ顔を出すのは何年ぶりか、驚くのも仕方ない。

今、控えている隊員は二十名。一般隊員は六十二名だったはずだから、四十二名は任務に出ているという事か。
いや、先日ウルガランでジャンが死んだと聞いたから四十一名か。
私が訓練した後は会わなくなったが、一年もたなかった。奴は覚えが悪かった、死ぬのは目に見えていた。

『サードは好きな食べ物とか無いっすか?』
『なぜだ』
『今度、差し入れしますよ』
『不要だ、燃料の補給に好みは無い』

訓練が終わった後でそんな会話をした事があった。
呆れた顔をしていたっけ。その後、頼みもしないのに甘い物を次の訓練に持ってきてくれた。
違うか、死んだのは腕が悪かったのではなく、その性格のせいか。
良い奴だった、だから早く死ぬ。

周りに知られない程度に小さくため息をついて、私は集会所奥の扉を目指して一直線に進む。
すれ違うたびに全員が頭を下げる。全員私が訓練した。顔も名前も覚えている。

「あの、サード、今日は一体――――――」
「貴様には関係ない」

一人、勇気を出して話しかけて来たが追い返す。
先日訓練を終えたばかりの奴だ。少し傷ついた顔をしていたが、馴れ合うわけにはいかない。

70 :教会の幽霊 :07/02/10 02:13:42 ID:???
集会所を抜けて廊下に出る。
侵入者対策という事でやたらと曲がり道が多い。私に言わせれば場所が知れた時点で終わりなのだから侵入者に備えるなんて無駄なのだが、
まあ私が入る前に完成していたので文句を言っても仕方ない。
本部は地下にある建造物なので、今は昼だというのに明りが煌々と灯っている。
集会所の天井にはクリスタルが大量に埋め込まれており、地上にあるクリスタルと繋げる事で日光を取り入れているため光度は外部と連動しているが、そこ以外は基本的に油を燃やしている。
私の知る限り百五十年以上消えた事が無いのだから、それだけは大したものだ。一年中昼も夜も関係なく油を燃やせる資金と、メンテナンスをする人間が絶えた事がないという事。

「信仰とはよほど儲かるのだな」
誰ともなしに呟いて、私は扉の前に立った。

「サード、参りました」
ノックと共に来訪を告げると、「入れ」と簡潔な返事が返されてきた。
扉を開くと火の光ではなく、陽の光が私を迎えた。集会所を除いた例外、幹部級の部屋だけに許された陽光。
書類に目を通していたセカンドは私を見ると椅子を勧めてくれた。いつも思うのだが、机を挟んでセカンドと向き合うこの椅子は、被告人になった気分を味合わせてくれる。

「ふむ、集会所の様子はどうだった?」
「二十名が食事中。特に不穏な様子はありませんでしたが」
「そうではない、彼らと話でもしてみたかね?」
「まさか、その為に進路を指定されたのですか?」

セカンドは私が訓練したときは二十二歳だったから、今は四十五歳になっただろうか。
あの頃に比べると視線がきつくなった。部隊で最も多忙であるセカンドだから、表情が険しくなるのも仕方ない。
今日、呼び出しがかかったのだが、不思議な事にセカンドの部屋へ行くまでに集会所を通る事という条件がついていた。

「少しは隊員と親睦を図ったほうが良くはないか」
「命令とあれば努力しますが……何か私の事で不具合でも起きたでしょうか」
「いや、そういうわけではない。君が何故人を避けるのかは承知している、ただ、永く独りでいると君も参るのではないかと思ってね」
「お心遣い感謝します。しかし私のことならご心配して頂く必要はありません」
「そうか。さて本来の用だが」

セカンドが一枚の書類を私へ差し出す。
目を通したところ、珍しくも無い通常の任務報告のようだった。ある香りが現場付近に漂っていたという最後の一文を除いては。

71 :教会の幽霊 :07/02/10 02:15:21 ID:???
「奴が―――!」
「とは限らん。歪みの側に金木犀の香りが立ち込めていたとあるだけだ」
「場所は―――バタリア丘陵」
「次の場所が想定できるかね?」
「いえ、これまでも出現場所は不特定でしたから。ただ、これまでの例から近日中にもう一度バタリア丘陵に歪みが出る確率は高いかと」
「どうするね」
「行きたいと思います、今はどのように?」
「我々としては予断で隊を動かすわけにはいかん。何も誰も配置しておらんよ」
「―――でしょうね」
「行くのならフォースに話しを聞いていくといい、この件は彼が直接指揮していた」
「ありがとうございます、では今日にも出ます」
「許可しよう。この件については君の自由にさせるようにと代々伝えられてきている。費用は必要かね?」
「いえ、サード用の備蓄は残っていますから」
「百年を越える資金だからな、私などよりよほど多いかもしれん」

ニヤリと、隊の財務も預かる者の顔でセカンドが笑ってみせた。どうも費用の話をしたのは社交辞令だったらしい、一銭も出さんぞとその笑顔が言っている。
聞いてくれればサード用の運用費が幾らあるか報告するのに、どうも金額を聞くと予想よりも多くても少なくても困るらしく聞かれる事はない。

「そんな事はありません」とだけ返して、私は一礼して立ち上がった。
「―――望みが叶うといいな、成功を祈っている」
「ありがとうございます」





72 :教会の幽霊 :07/02/10 02:16:34 ID:???
「フォース、私だ、サードだ」
「は、お入り下さい!」

部屋に入ると、フォースが椅子から立ち上がり、深々と頭を下げていた。
何もそこまでせずとも良いものを。

「セカンドから話を聞いた、先日のバタリアでの一件を聞かせてくれ」
「ではサードが行かれるのですね、隊員を何名かつけましょうか。何なら私が―――」
「独りでいい。それよりも事の経緯を話せ」

部隊の構成は簡潔だ。
「ナンバー」と称される幹部の第一位〜第四位。それを除けば後は全員が一般隊員となる。
本来はナンバーはサードまでしかなかったのだが、サードである私が勝手な行動をすることが多いのでフォースのナンバーが百三十年ほど前に創られた。
フォース……本来のサードの役割は部隊の実戦指揮。実戦計画から指揮までを行う。
セカンドは戦略的な指揮と内部の運営。ファーストが部隊のトップで「表」との折衝を主に行っている。
本来はファーストが全ての計画の実行を判断するのだが、不在がちであるのでセカンドが代理で最終的な認可を行っている。

ファーストもセカンドも、そしてこのフォースも私が訓練を行った事がある。
ナンバーは戦闘力に優れる者がなるわけではないが、自然とそうなる事が多い。ファーストもセカンドもフォースもなるほど飛びぬけた資質を持っていた。


「規模で言えば中程度でした、十匹程度でしたので」
「正確に言え」
「は、失礼しました。十二匹であります」
「封殺は?」
「全て問題なく。一名、指を一本飛ばされましたが、他は軽傷です。歪みの封印も成功しています」
「指を…?」
「食いつかれました。ロペスです」
「奴は注意力が低かった、指で済んだのならいい教訓だ。詳しい場所を教えてくれ」

指程度なら大した事は無い。どの指かにもよるが、さほど戦闘力が落ちることはあるまい。
フォースはバタリア丘陵の地図を出して、私に歪みのあった位置を教えてくれた。

73 :教会の幽霊 :07/02/10 02:17:19 ID:???
「金木犀の香り。実に風流ですな」
「………」
「血の匂いにも負けず、強く香っていました」
「聞くのを忘れていた、いつの話だ?」
「三日前、作戦開始は〇四〇〇、終了したのは〇四二二です」
「何名で?」
「十名、基本小隊です」
「二十二分。封印まで含めてその人数でその時間とは、見事な作戦指揮だ」
「あ、ありがとうございます! ですが私などサードの足下にも及びません」
「単体戦闘ならともかく部隊指揮については、お前のほうが上だよ。自信を持つといい」
「いえ、私など"永遠のサード"には遠く―――」
「お前までそう呼ぶのか」

少し不快に思う。最近、私の事をそう呼ぶのが広がっているのは知っていた。
なんと仰々しい称号だろうか。そのように特別視されてしまう様なことが無いように、人を避けているというのに。

「し、失礼しました。ですが、お言葉ですがサードを尊敬しているのは私だけではなく、一般隊員やファーストもセカンドも同じかと」
「困る」

異端視されるのはいい。疎まれるのもいい。だが、尊敬などされては隊が成り立たない。
英雄のように思われるのではなく、嫌われる怪物でいいのだ私など。実際そうなのだから。

「世話になった」
「あ、お待ちを! 今、飲み物を―――」
「不要だ。地図は貰っていくぞ」

手早く地図を丸め、席を立つ。フォースが慌てていたが、茶を飲む時間も必要も無い。
実情を言えば、私の事を尊敬などしているのはフォースだけだろう。こいつは訓練時から変な奴だった。
ファースト、セカンドにとって私は単体で動く便利な駒であると同時に、隊内の規律を乱しかねない危険分子。
一般隊員から見れば正体の知れない不気味な存在。そういうものだ。
そうなるように気をつけてきたのだから、そうでなくては困る。
このフォースのようにキラキラした目で見られる事こそが私にとっては不本意なのだ。

74 :教会の幽霊 :07/02/10 02:19:03 ID:???

二日後、私はバタリアにいた。
ジュノに近いお陰で、食料品などの補充は楽でいい。
野営の準備をしながら地図を広げる。現在地はフォースがつけた印から東へ十キロ。これまで、例の歪みは一度現れたら連続で現れる事が多い。その際は半径でニ十キロ以内に収まっている。
空間震動を計る装置を地図上に置く。地図の上に置いたから、その地点の歪みを計れるというわけではない。ただ他に置き場が無かっただけだ。
装置はガラス壜に聖水を入れて、祝福された針の両端に木っ端を付けて浮かせただけの簡素なもの。半径にして十キロ程度なら、歪みを感知すれば針がその方向を指すというものである。

前回の歪みから五日。現れるならそろそろの筈だが―――私はまだ歪みを捉えていない。
一日中、装置を持ってただ歩き回るしか手は無い。百五十年前となんら変わらない捜索方法。なんとまあ進歩の無い事か。
歪みが現れるのに時間的な法則もないため、諦めがつくまで歩き回り、疲れたら眠る。
馬鹿馬鹿しいが止めるわけにはいかない。



あの歪み―――金木犀の香りがする歪みの先にある、あの男を見つけるまでは。



地図を見ながら明日の計画を立てる。
宝探しではないのだから、一度探した地点を除外するというわけにはいかないが、明日は少し方角を変えてみようか。
そんな事を考えながら地図を仕舞おうとしたその時、針が揺れた。


「きた!」

針が激しく揺れる。
方角は? 西か北か東か南か? どこだ、どちらだ、針よ早く落ち着け!

だが、私がどれほど念じても針はクルクルと回り続けて一定の方角を示さない。
壊れたのか? と疑念が生じたその瞬間、目の前の夜の空間が渦を巻くように歪んだ。

「まさか―――」

目の前とは、運がいいのか悪いのか。
そんな近くに現れた事が無かったので、針の異常な動きの意味がわからなかった。私は急いで後ろに跳び、コートの内に手を伸ばす。
左手に触れる感触は冷たい銀。
私の武器にして封印の短剣の束。
急いで十本を抜き取る。

封印の短剣は止めを刺すためだけに使えばよいので、普通の隊員は敵を弱らせるまではそれぞれ好きな武器を使うが、私は短剣を自分の得物にもしている。
投擲にも使うし接近しても使う、そのまま封殺にも使えるので効率がいい。
その代わり、普通の隊員なら七本程度しか持ち歩かないところを、私は四十本常備している。肩が凝るが仕方ない。


歪みから、黒い霧のようなものが流れ出してきた。
同時に私は緊張する。
量が多い、これは―――十や二十ではきかない数になるかもしれない。

黒い霧はゆらゆらと辺りを漂っていたかと思うや、すぐに形を成そうとしていた。

「ふん、そんなに悪意が好きか」

左手で抜き取った短剣の束から二本、右手に持ち直して構える。
目の前の霧はやがて完全に固体化し、悪鬼として私の前に立ちはだかっていた。その数四。第一波で四匹とは豪勢な事だ。

75 :教会の幽霊 :07/02/10 02:19:56 ID:???
「そなたに信仰があるなら祈るがいい
 裁きは既に下されたり

 咎人に罰を
 蛇に死を

 我は剣と女神の名の下に刑を執行する!」



染み付いた宣誓。
言葉は不思議だ、言うだけで己が神の刃になれる気がする。信仰とは麻薬のようなものだとは誰の言葉だったか。

短剣を投げる。
二回転半、あやまたず魔の胸へ刃が突き刺さる。声も出さずに倒れていった。
残った三匹が私を敵と認識する。

迫る、迫る、迫る。焚き火を踏み消して奴等が迫る。
私は円を描くように距離を取る。歪みから遠く離れるわけにはいかない。

一匹が動きを読んだか、円の動きの先へ回ろうとした。
愚か者め、それがこちらの思う壺。
私はそのまま躊躇せずに魔の胸へ飛び込み、短剣を腹に突き刺す。浅かったか、魔は倒れない。
続けて胸へ二本突き込むと、ガッと血を吐くような声を立てて倒れていった。

時間をかけすぎたせいで、追ってきた二匹との距離が詰まる。
牽制の為に目測も付けずに三本を立て続けに投じる。一本が右の魔の腕に刺さったが、突進を止める事は出来なかった。
二匹同時の攻撃は完全に避けられず、右肩が獣の牙のような爪に抉られる。
爪の主は嫌な汚らわしい笑みを浮かべていた。悪意悪意悪意悪意、悪意に染まった者の顔。あの時のあの男の顔が重なる。

「笑うな―――!」

魔の、奴の顔に手をかざし魔法を唱える。
ゼロ距離からのバニシュ。勢いが抜けて後頭部を破裂させながら一匹の魔が吹き飛んだ。

最後の一匹が丸太のような腕を振り回してきた。
時間が惜しい。敢えて避けずに肩で受け止める。聞きなれた嫌な音を立てて骨が折れた。

肩を「折らせた」事で衝撃は弱まり、魔が期待したようには私は吹き飛ばなかった。
そのまま保った態勢の利を生かして短剣を正面から魔の首に突き刺す。
そこは致命の場所ではないが、動きが完全に止まる。その隙を逃さず残りの手持ちの短剣―――二本を胸に差し込む。
勝負はついた。


短剣を回収しながら、封印の儀を行う。
早くしなくては拡散してしまう。
封殺には短剣が一本が必要となる。余剰は回収しても四本はこれで損なわれた。懐のと合わせて残り三十六本。
肩の骨折は繋がりつつあるが、少し無理をすればすぐにまた折れるだろう。

最後の一体の封印の儀が終わったとき、また霧が形を取り出した。
第二波、その数六。
霧の量はまだまだまだ減らず、どうやら永い夜になりそうだ。
荒い息を無理に整えながら私は短剣を構えた。

76 :教会の幽霊 :07/02/10 02:21:27 ID:???
<1章>

内藤:今日も俺様超元気wwwwwww快食快速快便wwwwwwwwwwww
糞樽:朝っぱらから汚ねえ事叫んでんじゃねえwwwwww
内藤:健康第一wwwwww元気印の内藤誕生wwwwwwwwww
通風:今生まれたのかよwwwwww
臼姫:ほらあんたら、馬鹿な事やってないでダボイ行くわよ♪
糞樽:やだよwwwwww俺はこれから白樽ちゃんとデートwwwwwwwwwww
臼姫:あら、白樽ちゃんも行くって言ってたわよ^^^^
糞樽:なwwwwwwwwww
臼姫:えーっと、通風と猫狩と糞樽と白樽ちゃんと内藤と私。ぴったしね♪
糞樽:久しぶりの休みだから……ゆっくりしようって…………
臼姫:ごちゃごちゃ五月蝿い^^^^
内藤:おkkwwwwwwみんなでダボイングwwwwww久しぶりだねwwwwww
通風:俺、行くって言ってないんだがwwwwww
臼姫:人数ぴったりよね^^^^^^
猫狩:姫ちんと一緒に行くの久しぶりにゃ
通風:まあたまにはいいかwwwトレーニングしとかないと盗みの腕も錆びるしなwwwwww
臼姫:じゃ、テレポするわよ♪
内藤:待ってwwww俺様まだ準備がwwwwwwww
臼姫:走ってきなさい^^^^ 遅刻したら罰金だからね♪
内藤:うはwwwwwwおkkkwwwwwwww
糞樽:なんでオークの実家に俺が行かなきゃなんねーんだ………内藤だけでいいだろ両親への挨拶は………
臼姫:なんか言った?^^^^^^^^^^
糞樽:言ってないたる〜^^
臼姫:じゃ、飛ぶわよ♪ あ、内藤
内藤:なんだいハニーwwwwwwちょっと待ってくれるの?wwwwww
臼姫:遅刻、一分につき金貨一枚だから♪
内藤:うはwwwwwwwwwww


内藤は取り残された。
罰金うんぬんはいつもの社交辞令的なやり取りだとしても、置いていかれたのに変わりは無い。
だというのに、何が楽しいのか内藤は笑顔を絶やさない。


内藤:俺様最強wwwwwwwww


前後の脈絡のない独り言を叫び(叫んだら独り言になるのかはさておき)ながら内藤が走る。
ダボイへ向けてでは無い、モグハウスに置き忘れてきた両手剣を取りにである。
重い甲冑を着けたままでチョコボもかくやというスピードで走るのだから、健脚である事だけは間違い無い。


内藤:俺様急行wwwwwwwww


一陣の風、というには騒々しい音と声を立てながら内藤が戻ってきた。
その手には先ほどまで無かった槍が握られている。剣を取りに戻ったが、モグハウスに入ってすぐに目に付いた両手槍が寂しそうだったという理由で、今日は槍に変えた。
どちらも間違った選択なのでどうでもいいが。

そのままバタリアへ向けて門を走り抜ける。
ダボイがバタリアの先、ジャグナー森林にあると言う事は憶えている。何度も通ったから、というよりは帰巣本能に近い。
ただ、チョコボを使えばより楽だというのは頭から抜け落ちている。

77 :教会の幽霊 :07/02/10 02:23:11 ID:???
内藤:内藤が通りまーすwwwwwww乗客の皆様は急停止に気をつけろwwwwwwwwwww
   どけよ平民wwwwはねちゃうぞwwwwww


走る。とにかく走る。
バタリア丘陵をくまなく走る。ジャグナー森林へ向けて直線に進めばいいのに、何故か蛇行しながら走る。
途中でBaがはねられる、騒音に虎が逃げ出す、すれ違う冒険者が慌てて飛びのく。
騒音迷惑列車、内藤号の誕生である。


内藤:へい、お嬢さんwwwwwちょっとダボイまで乗ってかない?wwwwwwwww
白魔:迷惑だからやめてください………ってもういねーじゃん!


ナンパをする、ふられる前に走り去る。
ある意味効率がいい。
そんな無軌道な走りをしていた内藤が、急に足を止めた。


内藤:内藤アイwww何か発見wwwwwwwお父さんwww陽気ですwwwwww


明るくてどうする。
ここは海岸線、バタリア丘陵でも人気の無い場所。
見回しても、たまにカニが歩いている程度で何も見当たらない。
だが、内藤は迷い無く海岸線の奥へ進んで行く。


その先に、女性の死体が転がっていた。


辺り一面は血の海、当の死体からは鼓動が止まっているためか、もう血は流れ出していない。
左腕が肘先から切断され、胸と腹には杭でも打ちつけられたかのように穴が開いている。
不思議と首から上は傷一つ見当たらなかった。
見た所、二十歳前後というところのヒュームの女性。獣が相手なら食い散らかされている筈だ、とすれば徘徊しているオークにでもやられたか。


内藤:大丈夫?wwwwww


完全な死体を前に内藤が馬鹿な事を聞いた。
返事などある筈がない、あれば逆に恐ろしい。
なのに、内藤は調べるでもなく、立ち去るでもなく、ただ返事を待って立っている。さすがに笑顔は少しなりを潜めているが、それでも表情は明るいままだ。


内藤:大丈夫?wwwwww


また聞いた。
まるで相手が返事をするタイミングに困っているから、もう一度誘い水を向けるかのように。



女性:……金木犀の香りは、する?


死体が、口をきいた。

78 :教会の幽霊 :07/02/10 02:24:45 ID:???
内藤:しないよwwwwww大丈夫?wwwwwwwwww
女性:大丈夫に見えるか………?
内藤:超見えないwwwwwwパンツも見えないwwwwwwwwwwww
女性:………大丈夫だから、立ち去れ
内藤:ノーノーwwwそれは出来ないwwwwwwwwwwww
女性:何…故?
内藤:困っている人を助けるのは騎士の努めwwww女の子を助けるのは俺様の役目wwwwwwwwww
女性:……助けはいらない、去れ
内藤:助けたらお嬢さん俺様とデートしようwwwwww
女性:…断る
内藤:うはwwwおkkwwwwwwwwでも助けてあげるねwwww俺様は勇者だからwwwwwwwwww
女性:触るな!!


女性は強く拒絶した。
内藤は煩悩の塊のような男ではあるが、今伸ばした手は特に下心があったわけではない。
怪我の様子を見ようとしたか、何処かに運ぼうとしたか、とにかく第三者から見ても純粋に救いの手を伸ばしたに過ぎない。
なのに尋常ではない声音で女性は内藤を制止した。


女性:……済まない、親切は痛み入るが、放っておいてくれ
内藤:やだwwwwwww
女性:ちょ、触るな! 駄目だ、私は――――――え?


内藤は訴えを無視して女性を抱え上げた。
いわゆる、お姫様だっこである。
頑なに拒んでいた女性が抱え上げられて急に大人しくなった。呆れたとかではなく、むしろ驚きで。


女性:なんで……
内藤:ハニーにケアルしてもらおうねwwwwwwwwwwww
女性:は、ハニー?
内藤:マイハニー臼姫wwwwwwwダボイにいるからwwwwwwwwwwww
女性:ま、待て、ケアルなら貴様が出来るだろう、ナイトなのだから
内藤:勇者の俺様はケアルなんて覚えてないwwwwwwwwwww
女性:ナイトなのに?
内藤:内藤だからwwwwww


女性には意味がわからない。
彼女にとってナイトとは盾を持って仲間を守り、回復魔法と神聖魔法を使う聖騎士。だが良く見ればこのナイトは盾を持たず槍など背中に担いでいる。ナイトではないのだろうか、意味がわからない。
内藤というのは職種なのか名前なのか、それもわからない。

79 :教会の幽霊 :07/02/10 02:25:44 ID:???
女性:ナイ………内藤?
内藤:なんだいハニーwwwwwwwwwwww
女性:は、はにぃ?
内藤:発音悪いねwwwwwwハニーねハニーwwwwwさんはいwwwwハニ〜〜〜wwwwww
女性:そんなことを問題にしているのではない! 何故私が貴様にハニーなどと呼ばれなくてはならん
内藤:じゃあなんて呼べばいいの?wwwwww
女性:え
内藤:名前wwwwww
女性:あ、ああ、私は、サー……いや違う、スノ………いや、サン。そう、サンと
内藤:サンwwwwwwwwwwwwサンハニーwwwwwwwww
サン:ハニーはつけるな
内藤:サンwwwwww不思議な名前wwwwwwwwwwww
サン:名前など記号だ、どうでも良い
内藤:違うよwwwwww名前は大切なものだよwwwwwwwwww
サン:………ふん、とにかく降ろせ、腕も見つけねばならん
内藤:ダメダメwwwwwwケアルもらいまちょうねーwwwwwwwwwww
サン:気色の悪い口調はよせ! いいから降ろせ、傷はもう大丈夫だ


強がりではなかった。
不思議な事に、破れた服の合間から見える女性の肌は、先ほどまでは背中まで貫通した傷があったというのに、今は塞がりつつあった。


内藤:凄いwwwwww便利wwww羨ましいwwwwwww
サン:羨ましいだと? ふん。そんな事より降ろせ、傷の治療はいらん
内藤:でもまだ傷が残ってるよwwwwwww
サン:いいから降ろせ!
内藤:もうwwwハニーったら照れ屋さんwwwwwwwwwww
サン:口の減らぬ………っと、ぬ?
内藤:ほらwwwwww無理は駄目wwwふらふらしてるwwwwwwwww
サン:ち、神経がやられているのか。力が入らん……
内藤:はいwwwwwwwwwwww
サン:こ、こら支えなどいらん、離せ!
内藤:俺様は内藤wwww世界を救う勇者で全世界の女の子の彼氏wwwww史上最強で―――
サン:話せ、ではない!
内藤:せっかちさんwwwwwww
サン:……内藤とやら、貴様の好意はありがたいが迷惑だ、すまないが放っておいてくれ
内藤:おkkkwwwwwじゃあ怪我が治るまで一緒にいてあげるwwwwwwwww
サン:…………はぁ……わかった、怪我が治ればいいんだな。じゃあちょっと探し物を手伝ってくれ
内藤:おkおkwwwwwww探し物はなんですか〜♪wwwwww
サン:腕だ


内藤に肩を貸されつつ、辺りを探して草むらに転がっていた左腕の肘から先を見つけた。
サンは拾った左腕をじっくり観察すると、おもむろに肘に押し当てた。

80 :教会の幽霊 :07/02/10 02:26:48 ID:???
内藤:それでいいの?wwwwwww
サン:あとはこうして……………包帯を撒いておけば、いずれ繋がる
内藤:凄いねwwwwww
サン:………どうでもいいが、驚かないのか?
内藤:何を?wwwwwww
サン:何をって。何故生きているとか、腕がなぜ繋がるとか
内藤:そういう事もあるよwwwwwww
サン:見たことがあるのか?
内藤:ううんwwww初めてwwwwwwwww初体験wwwww十七の夏wwwwwwwww
サン:………貴様は変な奴だな
内藤:よく言われるwwwwwwwwww
サン:だろうな。さあもう私は大丈夫だ、後はしばらく休んでいれば問題ない。世話になったな、何も礼はできないが―――
内藤:じゃあちょっとお話しようwwwwwwwもっとわかりあおうwwwwww
サン:去ってくれ。でないと貴様にも迷惑がかかる事になる
内藤:平気平気wwwww気にしないwwwwwwwwww
サン:何処かへ向かう途中だったのだろう? 早く行け
内藤:うんwwwダボイwwwwwwwwwwww
サン:ダボイ? あんな獣人の拠点に何を
内藤:金貨ゲッティングwwwwwwwww
サン:金貨? 財宝漁りか?
内藤:ううんwwwオークから皆でぬすむのwwwwwwwwww
サン:皆で??
内藤:そそwww一緒に行く?wwwwwwwオークから沢山盗んだ人が勝ちwwwwwww
サン:いや、行かないが………変わった事をしているな
内藤:楽しいよwwwwww通風が俺様のライバルで姫が一番上手wwwwwww猫狩はぬすむのはいまいち上手じゃないwwwwww糞樽はファイガが大好きで白樽ちゃんは可愛いwwwwww
サン:そ、そうか。まあとにかく仲間を待たせているのだろう、早く行け
内藤:遅刻すると一分ごとに金貨を姫にあげないといけないwwwwwww俺様マイッチングwwwww
サン:ならば、なおさら早く行ったほうがいいだろう
内藤:サンを置いていったらもっと怒られるwwwwwwwww
サン:………


なんとはなしに腰を降ろして並んで座る格好で、会話は続く。
サンも内藤を追い返すのを諦めたようで、とにかく傷が治るまでは内藤の戯言に付き合うしかないと観念したようだ。
内藤の話は飛び飛びで前後の繋がりが難しいが、とにかく喋る量は多い。いつの間にか憶えたくも無いのにサンはBooooomerangのメンバーの名前をほぼ憶えてしまっていた。

やがて陽も中天を過ぎ傾きた頃、サンが左腕の包帯を取って状態を確認した。
見事に肘から先はくっつき、指の動きにも支障はない。いくらヴァナ・ディールであろうともこのような現象は奇異である。
なのに内藤は動じない。

81 :教会の幽霊 :07/02/10 02:27:58 ID:???
内藤:おめでとうwwwwwww
サン:……ありがとう
内藤:立てる?wwwwwwww
サン:ん………むっ…………ち、駄目だ。思ったより深くやられてるな
内藤:誰に?wwwwww
サン:魔物に――――――あ
内藤:魔物?wwwデーモン?wwwwwwwww
サン:………………まあそのようなものだ
内藤:そうなんだwwwwサンは弱いねwwwwwwww俺様が守ってあげるwwwwwwww
サン:無礼な。都合三十二匹いたのだぞ、悉く滅して封印まで施して………まあ貴様に話しても仕方ないが
内藤:大変だったんだwww
サン:封印に使った分も差し引いて、短剣の残りも四本しかない。補充しなくては
内藤:何処にあるの?wwwwwwww
サン:ジュノに行けば教会から頂ける筈だ。多少の喜捨は必要になるが………って、なんでこんな事を


さすがに疲れていたせいで思考力が落ちていたのか、サンが口を滑らせた。
言わずとも良い事を言ってしまった、と唇を噛む。
そんなサンを見て内藤は笑う。


内藤:じゃwww行こうかwwwwwwwwww
サン:え、お、おい
内藤:内藤でゴーwwwwww目的地はジュノーwwwwジュノーwwwwwww
サン:こら、触るな! いやもうそれ以前に抱えあげるな!! 走るな!!!
内藤:内藤は急に止まれませんwwwwwww
サン:って、速! 鎧着て私を抱えて、なんて速さだ
内藤:このまま俺様のモグハで愛を語り合おうwwwwww
サン:たわけ! 人攫いか貴様! あ、こら、だからジュノに入るな、ああ!


わずか数分で内藤号はジュノ上層へ通じる門を通過。
サンが慌ててコートについているフードで顔を隠す。


サン:貴様、人の話を聞け! 殺すぞ!
内藤:最強www最速wwwwこれが内藤の勲章wwwwwww


内藤は走る。
人を一人抱えているのに素晴らしい速度で走る。
物凄く揺れる。舌を噛みそうになり、仕方なくサンは押し黙り、風でフードがめくれ無いように片手で抑えた。
もう片方の手は振り落とされないように、仕方なく内藤の鎧を握ってる。
槍を背負った男が修道服をきた者を抱えて全力で駆け抜ける。どう見ても異様だが、街の人々は内藤の奇行には慣れていてあまり注目はしなかった。
やがて、教会に到着。
サンは内藤に散々文句を言った後、一人で話をするから内藤は教会の外に出るように指示した。
帰ってくれと(本気で)懇願したが、内藤は待っていると言う。

82 :教会の幽霊 :07/02/10 02:28:57 ID:???

司祭:お待たせしました、私にご用とか?
サン:お呼びたてして申し訳ありません、司祭様
司祭:いえいえ。して、ご用件は? 婚礼ですかな?
サン:………私はこのような者です

何かをサンが司祭に見せた。
それを見て司祭の顔から笑みが消える。

司祭:これはこれは、西の方でしたか
サン:如何にも
司祭:ふむ、それで? ご存知かと思うがジュノは中立地、望まれるほどの助力は出来ないかもしれぬが
サン:いえ、単にお預かり頂いている封印の短剣を出して頂きたい。少々使いすぎました
司祭:それは、お勤めご苦労さまです。して、何本ほどお入用ですかな?
サン:三十六
司祭:それはまた……もしや貴方は処理部の第三位の方ですかな? 短剣を主に扱うと聞いた事があるが
サン:……ご慧眼、恐れ入ります
司祭:よろしい、少しお待ちなさい

司祭はそう言って奥へ消えた。
サンはなんとなく教会を見回す。

同じ女神アルタナを信奉するのに、教派はいくつにも分裂している。
サンドリア国教会派、タブナジア派、アイメルト派、そしてウィンダスの神子信仰。
現在の派閥としてはウィンダスの神子信仰が最大で、ミンダルシア大陸の位置から「東」と呼ばれる。
それに対してクォン大陸ではサンドリア国教会が最大派閥となり、「西の教会」と呼ばれる。

しかし神子信仰が国家の根幹となっているウィンダスに比べると、サンドリア国教会は国教に指定こそされているものの一宗教団体に過ぎず、規模の差では遥かなものがある。
また、ミンダルシア大陸がウィンダスの言わば独占状態にあるのに対して、クォン大陸はサンドリアとバストゥークとが並立しており、宗教的空白地とも言うべき信仰の薄さのバストゥークは東と西の勢力差に拍車をかけている。

互いに女神を信奉しつつ、教義に大きな開きのある両者(あえて二元に狭めて話を進めるが)は、互いに相容れぬものながら互いを容認している状況である。
色々と思うところはあるが、教義を押し付ける事はせずに互いにそれぞれ信仰を守ろうというのである。表上は。

かくして政治的に中立地帯であったジュノ公国は、宗教的にも中立にしておこうと三国間と教会で協議がなされ、ジュノの教会は特定の宗派というものを持たない、言ってみれば儀礼的なものとなった。
なにせ司祭はジュノの公務員(ただし諜報部)というのだから、果たして信仰とは何かというものである。


サン:だが、賢い


完全に神を放逐せずに、適当に居場所を設けて民衆に安心を与える。
政治的に上手いと言える。政治に宗教を絡ませない状況を作り出している。
ジュノ大公とはやはり油断できないなとサンが結論付けたところで、司祭が戻ってきた。

司祭:お待たせいたしました。ご所望の品、サンドリア国教会の祝福されし銀の短剣でございます
サン:助かります。これは些少でございますが、今後の運営にお役立てください

どうせ貴様の懐に入るのだろうがな、と思いながらサンが司祭に袋に入れた金貨を渡す。
司祭も礼を述べて金貨を受け取る。神への感謝の言葉がサンドリア国教会式だったのは、司祭の如才なさを現していた。

83 :教会の幽霊 :07/02/10 02:30:14 ID:???
サン:では、これで
司祭:そうそう、一つ喜捨のお礼に教えて差し上げましょう
サン:は…?
司祭:ご存知のように、当教会は中立。中立ゆえに各宗派からの預かり物を保管する事も良くある
サン:ええ、この短剣もそうですから
司祭:つい昨日、ウィンダスの方もこちらにおいでになり、同じように預かり物を引き出されていきました
サン:ほう……十四課ですか?


司祭は無言で微笑む。
これ以上の情報は喋れないというわけだ。勿論、荷物が何であったかなど論外である。
しかしその笑顔はサンの言った事を肯定していた。


サン:貴重なお話、感謝致します
司祭:いえいえ


ウィンダス情報部十四課。
政治と宗教が一体化しているウィンダスにおいて、情報部は西の処理部と同様の仕事を行う部署である。
その中の十四課は「手」と称されている実力行使を主としていた。
これまで西の処理部と十四課は何度となく対立、協力を行ってきた。
魔との戦いを除けば、処理部内での死亡率のトップにあがるのが十四課との衝突である。お互い様の事ではあるが。

気にはなるが、今回の目的で衝突することはあるまい。
本部へ報告だけ行っておこうと決めて、出口へ向けて歩き出した途端にサンは倒れこんだ。
十四課の話が出て忘れていたが、立つ事は出来てもまだ満足に歩けない状態だった。


サン:つ………
司祭:これは、大丈夫ですかな
サン:触るな! いや………失礼しました、事情により誰にも触れられたくないのです、どうかお赦しを
司祭:それは…構いませんが、しかしそのご様子は、怪我をなさっておられるのでは?
サン:………申し訳ありませんが、表に居る男―――内藤をお呼び頂けないでしょうか
司祭:内藤!?
サン:ご存知ですか?
司祭:あ、いや、彼とその仲間は、その、ジュノでは有名でしてな。はあ、第三位殿は内藤と懇意なのですか
サン:懇意などではありません。何故ジュノでは有名なのです?
司祭:………しばらく…いや、一日ジュノに住めばわかります
サン:はあ
司祭:まあよろしい、呼んできて差し上げましょう、それが貴方の望みなら


なにやら不安になるような事を言って司祭が扉へ向かった。

84 :教会の幽霊 :07/02/10 02:31:13 ID:???

サン:変わっているとは思ったが、どうやら仲間も似たり寄ったりか。さっさと別れるに限るな
内藤:ただいまwwwww
司祭:こら、ここは神の家であってお前の家ではないと何度言えば………!
内藤:神の家ならやっぱり俺様の家wwwwww内藤教バンザイwwwwwwww
司祭:戯言ぬかしとらんで、さっさと出て行け
内藤:サンは?wwwwwwwwww
司祭:サン? 第三位の事か? そうだった、彼女がお前を呼んだんだった
内藤:ただいまwwwサンwwwwエッチな事されなかった?wwwwwww
サン:こ、こら、失礼な事を言うな!
内藤:だってエロそうだもんwwwこのおじさんwwwwwwww
サン:司祭様だ! 人を見た目だけで判断するな!
内藤:ほらやっぱりエロ顔でしょwwwwwww
サン:―――あ
司祭:……申し訳ないが………出来るだけ早く退出願いたい
サン:す、すみません。すぐに出ます、ほら内藤、肩を貸してくれ
内藤:面倒だからこうしようよwwwwwwww
サン:こらまた! 抱えるな! やめろ恥ずかしい!!
内藤:結婚式みたいだねwwwwwww
サン:縁起でもない事を言うな!
内藤:じゃあ花嫁は貰っていくねwwwwwwwバイバーイwwwwwwwww


あらゆる雰囲気を打ち破る男、内藤。
後に残されるのは虚脱感。


司祭:疫病神が!! 第三位も変な男と関わりおって………
   ……………しかし、あの第三位があれほど感情を表に出すとは……話に聞いていたのと随分違うな


後に残されるのは、何処か苦笑せずにいられない空気感。
それは、微笑ましいというのに近似した雰囲気だった。

85 :教会の幽霊 :07/02/10 02:32:10 ID:???
<2章>

内藤と名乗る男は私を抱えてジュノを走る。
何故走るのか、何処へ走っているのかわからない。足が満足に動けばさっさと逃げ出すのだが、まだ痺れたように感覚が遠い。
思ったより傷は深かったようだ。

纏わりつかれるのは諦めるとしても、せめて目立たぬように行動して欲しいのだが、絶望的なほどに内藤は私の話を聞いてくれない。いや、一応聞いてはくれるのだが、聞き届けてくれない。

だが、それにしても人に触れたのはどれだけぶりだろうか。
ましてや痛みを伴わずにいられるなど、初めての事だ。
他人の体温というものを長く忘れていた私は、ほんの少し、心地よさを覚えている………困った事だ。

「着いたよwwwwww」と、気付けばジュノの冒険者用レンタルハウス前。
私は少し慌てた。この男はまさか自分の部屋に私を連れこむ気なのだろうか、恩は体で返せなどと言いだすのだろうか。

「貴様、何のつもりだ! こんなところに私を連れてきて何をする気だ! わ、私はまだ―――」
「家、借りてないの?wwwwww」
「あ……」

どうやら下衆な発想をしてしまったのは私のほうらしい。
内藤は私がレンタルハウスを借りていると思って、送り届けてくれただけのようだ。

「すまん」
「何が?wwwwwww」
「いや、その、とにかくすまん。しかし私は冒険者では無い、レンタルハウスは借りていない」
「そうなんだwwwwウチ来る?wwwwwwww朝までベッドでフィーバーwwww」

………謝ったのは早計だったかもしれない。
けど体は痛まない、どうしてなのか意味がわからない。

「外へ、バタリアへ戻ってくれ」
「寒いよwwwwwww」
「いいから。私は野営するから、バタリアに置いて欲しい」
「おkkkwwwwwww」

本当に、大事な願いは聞いてくれるから不思議だ。

「ちょっと待っててねwwww」

そう言うと内藤は私を道端に置いて、レンタルハウスへ向かって駆けて行った。
やっぱり人の話は聞いていないのかもしれない。

「ペットのように置き去りにしおって……」

内藤と離れたせいで少し風が冷たい。
これが嫌いだ。
誰かが傍にいると、居なくなった時が寒い。

夜空を見上げて見る。
周りが明るいため少なく見えるが、昔と変わらない星の形が見えた。
でもいつかは星も形を変えていくのだろう、何もかもが変化する。私だけが変わらない。

86 :教会の幽霊 :07/02/10 02:33:03 ID:???



『一緒に来い』
『え……?』
『暗くて嫌な場所だが、少なくとも一人じゃないぜ』
『私が…?』
『なんだ、教会っていうのが引っかかるか? 信じる神様が違うか?』
『い、いえ、そういうわけではありませんけど』
『半ば脅しになっちまうけどな、このままならお前さんは封印しないといけなくなるぜ』
『封印………とは』
『石棺に詰めて地下深くに埋めるかな』
『少し……困ります』
『だろう? 俺としても綺麗な女をそんな目に合わせたくない』
『私は……女などでは………』
『それはどうでもいい。どうだ妥協案だ、俺達と来い』

手が伸ばされた。

『お前には家が必要だ、自分以外の人間がいる家が』
『家……』
『でなけりゃ本当に、いつかは意志をなくして彷徨うだけの幽霊になっちまうぞ』

彷徨う幽霊、私の名前

『汚い仕事だが、たまに良いこともある。情報も集まりやすい』
『けど、私は……』
『本来は抜ける事は出来ないが……俺が許してやるぜ、どうしようもないくらいイヤになったら抜けていい』

矛盾してる。
さっきは封印するって言った癖に。
だけど、この場限りの嘘を言っているわけではないのは目を見てわかった。

少し考えてから、私は手を握り返した。
やっぱり痛かった。けど、温かかった。




87 :教会の幽霊 :07/02/10 02:33:45 ID:???
「どうしたのwwwwww」

気がつくと内藤が目の前に立っている。私の手は内藤の手を握っていた。
どうやら少し眠っていたらしい。遠い昔の事を夢に見ていた。私が夢を覚えているのは珍しい。

「なんでもない。遅いぞ、何をして――――――なんだそれは?」
「枕と毛布と歯磨きセットwwwwwwwちゃんとサンのもあるよwwwwwwww」
「………まさか貴様も外で寝るつもりか?」
「勿論wwwww」
「困る………」
「いいよwwwwww気にしない気にしないwwwwwwwwwww」
「………怪我が治れば、もう私の事に構わないと約束してくれるか?」
「その後はデートしようねwwwwwwww」
「…………」


私は折れた。
本当を言えば、脅してでも離れる事は可能だったと思う。
いや、一人になったときに這ってでも逃げ出せた。けど、待ってしまった。

どうしてだか自分でもわからない。
一緒にいては邪魔だし、何よりこの男に迷惑がかかる。場合によっては、殺さなくてはならなくなるというのに……

88 :教会の幽霊 :07/02/10 02:35:18 ID:???

「違う、そっちじゃない。右、そう、そこ」
「おkwwww」
「いいぞ、そのまま、ゆっくり…」
「ここ?wwwwww」
「ああ、いい感じだ」
「みなぎってwwwきwwwたwwwぜーーーwww!!!wwwwww」
「もう着いた」


計画していた野営地についた。
私を抱える内藤は、足は速いが方向感覚がむちゃくちゃで、座標を言っても真っ直ぐ走ってくれない。
まあお陰で随分と広い範囲で歪みの測定ができたから怪我の功名ではあるが。

とにかくゆっくり走ってくれと頼み、手で方角を示しながらようやく昨夜計画していた野営地に辿りついた。
無理にこの場所でなくとも良かったのだけど、人目を避けたり探索ルートの関係から場所の変更はしたくなかった。何より一度決めた事を変えるのが嫌だった。

「はいwwwwwwwwww」
「……ありがとう」

何処から取り出したのかわからないが、羊肉の串焼きを内藤が差し出してくれた。
焚き火で炙ると香ばしい匂いが漂った。よく考えてみると昨夜歪みが発生したせいで丸一日以上、何も食べていない。
魔物の出現は四波続き、総計で三十二匹現れた。個人で対応するには少し数が多すぎた、なんとか奴らの封殺と歪みの封印は施したが、こちらも酷くやられた。
おまけに私の追っていた金木犀の香りは漂っていなかった、早い話がはずれだったわけだ。

「疲れた………」

ふと独り言を言ってしまった。
今だけの事ではない、これまでの年月を思い出して、つい弱音が出た。

「今日はもう寝ようよwwww明日また頑張ろうwwwwwwwwwwwww」

人前で弱音など吐いた事は無いのに……この男が居たのを忘れていた。
こんなに騒がしいのに、不思議と一緒にいるのが当然のように思えてしまう瞬間がある。どこか木々のざわめきのようだと私は思った。

89 :教会の幽霊 :07/02/10 02:36:04 ID:???
「これまで―――まあ不本意な面もあったが―――とにかく世話になった、感謝している」
「いいよwwwww俺様とサンの仲だもんwwwwwwwwwwwwww」
「明日には傷も治る、朝になればお別れだ。今は何の礼も出来ないが、いずれ改めて謝礼を送らせて貰おう」
「…………」
「何か欲しいものは無いか? 特に無ければ…ああそうだ、金貨を取りに行こうとしている途中だったな、それで良ければ―――」
「………zzZzzZ」
「もう寝たのか!?」

なんて、単純な男だろう。何処までも平和な男だ、この寒いのに大の字になって転がっている。
自分で持ってきた枕も毛布も使っていない、何の為に持ってきたんだ。それにしても野営に枕を持ち出してきた人間は初めて見た。

「…………」

無防備に寝姿を晒している内藤に毛布をかけてやりながら、ふと、その顔に触れてみた。

「痛く………ない」

これまでは布越しだったからかと思ったが、直接肌を触れてみても痛みは走らなかった。
どうしてだろう。一体、何者なのだろう?
……知りたい事はある。けど、明日は内藤と別れなくてはならない。
こんな平和な顔をした人間を、これ以上踏み込ませるわけにはいかない。絶対にだ。

「………うーんwwwwzzZZzz……姫wwwwwもうwwwwwうはwwwwwwwwwwwzzZ……」
「…ふん」

内藤の頬をつねってから、私も横になった。
寝言が煩いから黙らせようと思ってやったことであって、断じて他の意味は無い。

90 :教会の幽霊 :07/02/10 02:37:38 ID:???


「!!」
「おはようwwwwwご飯にする?wwwwお風呂にする?wwwwそれともwwwおwwwれwwwさwwwwま?wwwww」
「何時だ!?」
「えっとwwww十時くらいwwwwはいwww目をつぶってwwwwwww」
「え?」
「おはようのチューwwwwwww」
「するか馬鹿!」


十時、十時、十時だと!?
私が、十時、しかも内藤が起きていたのに気づかずに寝ていただと!?
何という事だ、いくら疲れていたとはいえ弛んでる。もし敵が―――魔物だけではない、モンスターでも近寄っていたらどうするというのだ。
情けない……気を引き締めなくては。


「足はどう?wwwwwwwwwwww」
「ん? ………あ」


いつの間にか立ち上がっていた。そのまま屈伸してみる―――支障無し。
ブーツの中で爪先を動かしてみる、五指ともにしっかりと可動してる。


「動く。うむ、完治した」
「良かったwwwwwwwwww」

本当に、嬉しそうに内藤が笑った。
その笑顔は―――


『生きてるか!!』
『………はい……私は死にません』
『そうか、良かった』

昔、崩れた建物の下敷きになった私を捜し出して、笑ってくれた人を思い……出した
あの時差し出された手は……潰された体の痛みのほうが強くて、痛くなかった。

91 :教会の幽霊 :07/02/10 02:38:24 ID:???

「サン?wwwwwwww」
「………昔……ファーストが」
「wwwwwwwwwwww」
「同じように笑って……くれた」
「wwwwwwwwwwww」
「…………すまん、どうかしてる」
「良かったねwwww思い出せてwwwwwwwwww」
「……ふ、貴様には何もわかるまい」
「うんwwwでも良い事でしょ?wwwwwwww」


きっと内藤の言うとおりだ。
だけど素直にうなずくのが癪で、私は無視して荷物をあらためるフリをした。


「さて…………世話になったな。これでお別れだ」
「なんで?wwwwww」
「なんでって、約束しただろう」
「デートの?wwwwww」
「違う、傷が治れば―――」
「デートしようってwwwwwwwwwwwww」
「そんな約束はしていない」
「どうしたの急にwwwwww」

恩のある人間にこういう事は言いたくないが、だけど一緒に居ては内藤が危ない。
仕方なく口にした。

「迷惑なんだよ、ついてこられると」
「うはwwwおkkwwwwwwww」
「……ジュノのレンタルハウスへ謝礼は送る、さよなら」

荷物を拾い、振り返らずに歩き出す。
少し胸が痛む、けど気持ちを切り替えないと。私にはやるべき事がある。

92 :教会の幽霊 :07/02/10 02:41:09 ID:???
<3章>

サンは空間震動を計る装置―――外見には単なる水の入った壜を持って歩き続けていた。
昨夜は偶然からはずれの歪みと遭遇したが、目的の金木犀の香り漂う歪みは見つかっていない。

サン:記録では後三日がタイムリミットか

彼女が追う歪みは、これまで一度発生すれば近隣にもう一度発生する事が多い。
その際の間隔はこれまで最長で九日。

サン:少し休もう

もう昼の二時を過ぎている、四時間は歩き詰めだった。
彼女自身が意識しているかは不明だが、独り言が多くなっている。どこか寂しさを覚えているようだった。

サン:あいつ―――内藤は無事にジュノに戻っただろうか……

臼姫、通風、糞樽、猫狩、白樽、戦死、赤魔子、竜姐、赤爺、獣様、樽ナ、死人、歌樽、文句、ガ姫、ガ白、糞猫、暗樽、餡子、隆起、巴姫、イ寺、任邪、猫忍、娼館子……他にも黒いもやっとした奴とか、たくさんたくさん。
とにかくたくさんの仲間が内藤には居るらしい、同じ時間を生きる仲間が。

壁だけになった建物の跡によりかかって座り込んだ。
どうしてか、内藤が喋っていたどうでもいい事ばかりが思い出される。

サン:おかしな奴だった………
ジャス:これはこれは、西の第三位殿とは珍しいですな
サン:―――!
ジャス:このような場所で何をされておいでです?
サン:……仕事です、貴方こそこんな場所で何を? 東の管轄ではありますまい
ジャス:最近、この付近で闇の渦が発生したと聞きましてね
サン:答えになっておりませんぞ、ジャスマ=ジマド殿。なぜ管轄を越えて来られた
ジャス:なに、魔を払うのに西だ東だと言い募る事こそ不毛でありましょう。奴らは私達の共通の敵、我らの願いは世の平穏である筈です
サン:……確かに。至らぬ言葉でした、お赦し下さい
ジャス:私と貴方の仲です、構いませんよ

タルタルの男は薄く笑いを浮かべて鷹揚に頷いた。後ろにはヒュームの男性が二人控えている。
サンも既に立ち上がっていた。

ジャス:それで、貴方が今回の闇の渦の封印に?
サン:昨夜のものの事でしょうか、であれば私が封印しました
ジャス:ほう、さすがは西の教会処理部第三位、封印など一人で十分という事ですか
サン:まさか、てこずりました
ジャス:ま、貴方であれば魔物程度が何匹かかろうと問題ありますまい


ジャスマ=ジマド。ウィンダス情報部十四課、その七人いる主任の一人である。
服装はサンが修道士の服であるのに対し、ジャスマはウィンダス連邦の制式礼服である。彼は正式な公務員だからだ。
後ろのヒュームの男二人はジャスマの部下なのだろう、抑えてはいるが剣呑な気を発している。


93 :教会の幽霊 :07/02/10 02:42:17 ID:???
サン:昨夜の歪みを計測してウィンダスから参られたのですか? いくらなんでも早いようですが
ジャス:用がありましてな、ジュノへ滞在しております。なんなら今夜、食事でも如何ですか? その後ろの男性と共に
サン:え―――


振り返ると、有り得ない姿がそこにあった。


内藤:ごちそうさまwwwwwwwwwwww
サン:な―――
ジャス:ふむ、教会の方にしては珍しい服装をしておられる。もしやお友達ですか?
内藤:おれさ―――
サン:部下です!!!!!! 下がっていろ無礼者、貴様が口を利いて良いお方ではない!
ジャス:いえいえ、構いませんよ
サン:(この―――馬鹿! 話は後だ、とにかく何も喋るな、いいな、本当に殺すぞ!!)
内藤:(おkkkwwww)
サン:―――事後処理が残っていまして、折角ですが食事はまたの機会に
ジャス:それは残念、後ろのお友達だけでも如何ですか?
サン:友達などではありません、訓練中の部下です。現在は偽装を行っているまで
ジャス:ほう―――まあそうでしょうな、西の教会の処理部の方が一般の者と行動を共にする筈が無い
サン:ええ、それより―――
ジャス:退魔の他に、暗殺、破壊工作などなど教会の暗部を司る処理部ですからな、一般人に正体が知られれば始末するより無い
サン:……
ジャス:ふふ、火器に魔法に、果ては呪いまで使って目的を達成する為に手段を選ばず。そんな存在が知られては事ですからな
サン:…ええ、本当に
ジャス:私はまだしばらくジュノへ滞在しております、是非ともお尋ねあれ。宿はジュノ教会へ伝えておきましょう
サン:機会があれば伺いましょう
ジャス:友好は深めても損はありませんからな、では御機嫌よう
サン:お気をつけて……


ジャスマ=ジマドは意味ありげに内藤に視線を送ると、ヒュームの男二人を促して立ち去った。
その背中が見えなくなってからサンは背後を振り返ると、内藤の頬を思い切り引っ叩いた。

内藤:ナイスキックwwwwwwwww
サン:この、馬鹿者! 何故ここにいる!
内藤:心配だったからwwwサンは弱いしwwwwww
サン:だから後をつけたと言うのか、たわけ!
内藤:怒っちゃイヤンイヤンwwwwww
サン:馬鹿が! 話を聞いたろう、私が何をしている人間か!
内藤:暗殺とかwwww教会って怖いねwwwwwwww
サン:貴様は……! 馬鹿が……私は貴様を殺さねばならん……
内藤:サンには殺せないよwwwwww


その言葉が何かに触れた。
ぞわ、と何かが揺れた。

94 :教会の幽霊 :07/02/10 02:43:54 ID:???

サンが懐に両手を伸ばす、引き出した時には両手の指の間に三本ずつ、銀に輝く短剣が握られていた。
ペーパーナイフのように柄まで薄い短剣、それを腕を振って一気に内藤に投じた。
ガッガッガッと連続して六本の短剣が内藤の鎧に弾かれもせずに突き刺さる。その勢いに押される形で内藤が仰向けに倒れこんだ。
声も立てず音も立てず、サンが奔る。跳びはしない、隙が生まれるから。

サン:……そなたに信仰があるなら祈るがいい 裁きは既に下されたり 咎人に罰を 蛇に死を 我は剣と女神の名の下に刑を執行する

内藤が首を起こすよりも早く、サンが内藤の首に短剣の刃を当てていた。
見下ろす瞳は感情を見せず、ただ事実のみを映す器官となっている。
さすがに内藤も身動きはしなかった、動けば反射的に首を切り裂かれる事を理解している。
だが、それでも口は止まらない。

内藤:サンには殺せないよwwwwww
サン:………
内藤:俺様の罪はなに?wwwwww
サン:無知、無思慮、無分別。そして知らなくて良い事を知った
内藤:うはwww
サン:祈りは済ませたか? ならば死ね
内藤:まだ終わってないwwwwww
サン:………

内藤の言葉など無視して、サンが短剣を持つ手に力を込める。
その瞬間、


内藤:イヤならやらなくていいんだよwwwwww


馬鹿な男が馬鹿な事を言った。
手が、止まった。
『どうしようもないくらいイヤになったら抜けていい』
そんな、昔聞いた言葉がやけに鮮明に思い出されて、サンの手が動かなくなった。


サン:…………
内藤:ほらwwww無理でしょwwwwwww
サン:………どうして……
内藤:wwwwwww
サン:どうして……そんな目で…私を見る
内藤:エロい目?wwwwww
サン:………だが、自由にするわけには……いかない


サンは内藤の首筋から短剣を離すと、自らの左手の平に奇妙な模様を短剣で刻みこんだ。
そして聞き取れない言葉を唱えつつ左手を内藤の額に押し当てる。


サン:呪いをかける
内藤:恋の魔法?wwwww
サン:血の流れの止まる呪いだ、私から遠く離れると貴様の血は粘度を増し、やがて血栓となる
内藤:うはwwwwよくわからないwwwwwwwww
サン:私から逃げようとすれば、いずれ死ぬ。そういう事だ
内藤:おkkkwwww赤い糸で首を締められてるんだねwwwwwwww


半ば呆れながらサンが内藤から身を離す。
不思議な事に、内藤の額にもサンの手の平にも血の跡はついていなかった。

95 :教会の幽霊 :07/02/10 02:45:11 ID:???
サン:怒らないのか?
内藤:何を?wwwww
サン:貴様を殺そうとした事を、そして呪いをかけた事を。もう……普段の生活には戻れないんだぞ、仲間とも会えない
内藤:皆と会えないの?wwwwww
サン:私が会わせない
内藤:やきもち?wwwwwwwww
サン:……貴様の口から私や、処理部の事が漏れるのを防ぐためだ
内藤:うーんwww皆と会えないのはイヤンwwwwwwwでもサンがそうしたかったなら仕方ないねwwwwwwwww
サン:……………行くぞ
内藤:二人きりになれるところ?wwwwwwww俺様www心と体の準備がまだwwwwwww
サン:歪みを探す
内藤:なにそれwwwwwww
サン:…………いいだろう、貴様もどのみち処理部に入らなくては生かしてはおけない。入隊前に教えておいてやる

96 :教会の幽霊 :07/02/10 02:46:29 ID:???
サン:サンドリア国教会、処理部。それが私の所属する隊であり、貴様が生きていたいなら入る隊だ
   主な任務は魔の封殺、暗殺、破壊工作、情報収集、世論の操作など。教会の部ではあるが政治とも密着しており、任務の内容は多岐に渡る
サン:本部の場所はいずれ連れて行くまで秘匿としておこう
   ここでは魔の封殺について説明しておく。内藤、魔物とは何かわかるか?
内藤:デーモンwwwww
サン:姿形は似るが、少し違う。世界と言うものが幾つかあるのは知っているな?
   第一から第八まであるとされる世界、第一世界が我らの住む世界だな
   他は割愛して、第四世界、いわゆる魔界と呼ばれる世界がある
内藤:地獄だよねwwwww
サン:違う。地獄とは第三世界……天界にある獄、言ってみれば牢のようなものだ
   魔界とはマナの源とも言われている世界で、そこには魔物達も住んでいるとされる
   我々の世界と魔界とは接続される事があり、そういう場所では魔力が満ち溢れる。知っているかはしらないが満月の泉などが有名だな
   話は逸れるが魔法というのは魔界に満ちる力を活用する事からついた呼称だという説もある
サン:さて、我々の世界と魔界とは接続される事があると言った
   その際、魔力だけではなく魔物が流入する事がある。それを封殺する事が我らの主な任務となる
内藤:なんで?wwwwwwみんなでやっつければいいのにwwwwwwwwwww
サン:……処理部ではなく表の教会でも退魔は行っている
   だが、彼らの言葉や技ではそれら魔物を退ける事ができないのだ。奴らに神の言葉は通じない、何故なら幽霊や悪魔とは違うからだ
   しかし、世間ではそれらは同一視される。魔物に対しても教会に解決を願うのだ
   司祭や司教、ましてや地上における神の代行者たる教皇らが退魔に失敗する事は許されない。だから我らが陰で始末をつける
内藤:なんで隠れるの?wwww
サン:要するに体面のためだ。神の言葉が通じない相手だからといって、手段を選ばず戦うようでは信仰は得られない。人は奇跡が好きだ
内藤:うはwwwwwww
サン:話を少し戻そう、魔物は一説によれば純粋な存在なのだそうだ
   魔界においては、形すら為しておらず霧のような姿で漂っているらしい。それが我々の世界に現れた時、変容する
内藤:なんでwwwwww
サン:奴らは、影響を受けやすい。この世界に満ちる悪意に触れたとき……容貌は悪魔のように形をとり、そして凶暴化する。それが魔物だ
内藤:悪意がなければならないの?wwwwwwww
サン:そんなことは……ありえない…………世界は悪意に満ちている
内藤:可哀想wwwwww
サン:………魔物は基本的に不死だ。倒したとされたところで、いずれは霧に戻り、そしてまたすぐに悪意に触れて魔物となる
   だから奴らを完全に滅するためには封印が必要なのだ
   手段を選ばず奴らを活動停止に追いこみ、そして封印する。そうすれば再生はしない。これが封殺となる
   ここまではいいか?
内藤:おkkwwwちょっと眠いけどおkkkkkwwwwwww
サン:ここまでわかったのなら、歪みとは何かも想像はつくだろう
   我々が歪みと呼ぶもの、それが我々の世界と魔界とが繋がる地点だ
   流入した魔物を封殺すること、そして歪みを封印する事はセットだと思っていい

97 :教会の幽霊 :07/02/10 02:47:22 ID:???
内藤:闇の渦ってなに?wwwwwさっきのタルタルが言ってたwwwwww
サン:西と東とで呼び方が違うだけで、同じ物を指している
内藤:西www東?www南と北もあるの?wwwwwwwww
サン:簡単に教えよう、西はサンドリア国教会。東はウィンダスだ
内藤:仲良しさんwwwwww
サン:裏では殺しあうほどにな
   同じ女神アルタナを信奉しながら、教義は大きく違う。政治的な駆け引きもあり、衝突はしょっちゅうだ
内藤:うはwwwwwwww
サン:規模で言えばウィンダスのほうが遥かに強大だ、何せあちらは政教が完全に一体化しているからな
   さっきのタルタルの男、あれはジャスマ=ジマドと言って、ウィンダスの情報部十四課…処理部と同じような任務を行う課の主任だ
内藤:ご飯に誘ってくれたねwwwwww食べに行こうwwwwwwww
サン:毒でも仕込まれるのがオチだ
   あの男、何度か任務で衝突した事があるが、陰険な奴だ。常に何かを企んでいる
   貴様が今、こういう目にあっているのもあいつのせいでもあるんだぞ
内藤:なんで?wwwww
サン:あいつ、貴様が処理部の人間ではないとわかっていて、処理部の事を喧伝しはじめた
   処理部の事を隠さねばならない私が、貴様を始末するのを楽しみにしているのさ
内藤:俺様恨まれてる?wwwwwwwww
サン:恨まれているのは私だろう、これまで何度も奴の邪魔をしてやっているからな。そのせいで昇進できないでいるんじゃないか
   貴様を始末させようとしたのは、単なる私への嫌がらせだろう
内藤:うはwwwwひどいwwwwwwwwwww
サン:どうせ今もどこかで私たちの事を見張っているはずだ
   私が貴様を見逃しでもしたら、即座に西へクレームをつけてくるに決まっている
   そして貴様を殺して恩でも売ってくるだろうさ
内藤:wwwwwww
サン:事がこうなっては貴様に選択肢は二つしか無い。入隊して嘘を事実とするか、一般人として死ぬか
内藤:サンについて行ってあげるwwwwwwww女の子を助けるのが俺様の役目だからwwwww
サン:………私の事はサードと呼べ、処理部内での私の位だ。通常、部内では位持ちは名前では呼ばない決まりだ
   私は処理部第三位、呼称はサードとなる
内藤:三番目に偉い人なんだwww凄いねwwwwwww
サン:偉くはない、長く生きただけだ
内藤:じゃあ、これから教会に戻るんだよねwwwwww
サン:いや、私の仕事につきあって貰う
内藤:おkkkwww初仕事wwwwwwww
サン:これから最長で三日、この近辺で歪みの発生を探す。通常は発生した後に任務が始まるが、今回は特別だ
内藤:初仕事にして特別wwwwさすが俺様wwwwww
サン:もし戦闘が始まっても貴様は手を出すな、死ぬぞ
内藤:雷神ラムウの力が宿った槍が火を吹くぜwwwwwwwwww
サン:ラムウなら雷だろう、とにかく手を出すな。何が起きようと、私がどうなろうと手を出すな
内藤:あwwwwもう一つ聞いていい?wwwwww
サン:なんだ
内藤:教会の人はみんな、サンみたいに怪我が治るの?wwwwwwケアルいらずwwwwwwwww
サン:………私だけだ、普通は死ぬ。あと私の事はサードと呼べ
内藤:おkkwwwww
サン:では行くぞ、探索の続きだ
内藤:あwwwwサンwwwwwwwww
サン:サード
内藤:サードwwwww
サン:なんだ
内藤:お昼にしない?wwww俺様おなかペコペコwwwwwwwww

98 :教会の幽霊 :07/02/10 02:48:47 ID:???
<4章>

結局、今日の探索は空振りに終わった。
気分も乗らないので、むしろ今日は見つからないで良かったのかもしれない。

一人、なんの罪もない人間を部隊に引き込んでしまった。
処理部は暗部。
死ぬまで表の人間とはまともに関わる事もなく、死んでからも表に帰れない。そんな場所だ。
配属されるのは基本的に世間では死んだ人間か、初めから存在しない人間。誰もが何かの事情を抱えてる。

私も、かつては幽霊だった。比喩ではない。
彷徨う幽霊。世界各地で目撃される歳をとらないヒュームの女幽霊。

噂は広がり、教会が動いた。
実行部隊―――当時は処理部はそう呼ばれていた―――が調査に動き、あっさりと私は捕まった。
そして処理されようとした寸前で、当時のファーストが私を部隊に拾った。

私の例は特殊だとしても、大体が世間で罪を犯した者や、世間で生きていてはまずい者。そういった者の集まりが処理部。
そんな中に、内藤を連れこんでしまった。
私と関わったばっかりに、私がさっさと撒いてしまわなかったばっかりに。


「すまない」

笑いながら眠る内藤に謝る。
相変わらず悩みとは無縁の顔をしている。

「……ごめんなさい」

幼い頃に母から、謝るときは「ごめんなさい」と言うようにいわれた憶えがある。
だからどうも「すまん」では本当に謝った気になれずに言い直した。

「おkkkwwwwwwwwzzZwwwwww」
「寝てる……よな?」
「オーイエスwwwwオーイエスwwwwwwカモンwwwwwwZzzZ」
「………」

仲間に引き込んだ事で、逆に距離が出来てしまった気がする。
私はサードで、内藤は仮隊員。規範は示さねばならない。

そっと、内藤の頬に指を伸ばして止めた。
また、触れてみたい。
けど、そんな馴れ合いはあってはならない。

「……距離を作っているのは、私か」

99 :教会の幽霊 :07/02/10 02:49:56 ID:???
私は普通の人間では無い。人間であるかすら怪しい。
簡単に言えば私は不死身だ。そんな生き物が世間と折り合って生きていける筈が無い。
他に選択肢が無かったというのもあるが、処理部に入ったのは隠れて生きるのにも都合が良かった。

だが、世間からのはぐれ者の集まりである部内にあっても、私はやはり異端だ。
周りの人間が傷付き死んでいく中で、私だけが変わらない。変わらずにあり続ける。
そんな私を集団は嫌う。集団は異分子を嫌うものだ、何度か殺されそうになった。死ななかったが。

実験動物扱いされずに済んだ事だけは助かったが、それも時間の問題。歴代のファーストは私を庇ってくれたがそれが永遠に続くとは限らない。
自分の身は自分で守るしか無いと悟った。
私は第三位に昇り、ある程度の自由を得るとじっくりと時間をかけて保身の策を練った。

新人隊員の訓練にあたり、隊員一人一人の人間性を把握。同時に私に対して恐れを抱かせる。
サードの執務室を地下のさらに地下に移し、完全な孤立を図る。そして外に抜け出る通路を複数作成、逃げ道の確保。
隊を率いる事を極力減らし私と隊員が関わる時間を減らし、新たなナンバー、フォースを創設してサードの業務を代行させた。

やがて上官も含めた隊員の全てが私の元訓練生となった。
ただし私は上のナンバーに対しては絶対に逆らわない。規律を守る事で、私が制御可能な存在である事を示さなくてはならない。

こうして私は処理部において、あまり見かける事はないが未知の存在ではなくなった。規律に従う化け物。
隊員と関わる事が少ないおかげで反感や嫉妬を買うような事もなく、比較的安全に暮らしている。
代償として独りになってしまったが、それは仕方ない。

「けど…………失敗したかなあ」

危険視される事は無くなったが、最近は私の事を隊の守り神的な存在に思っている者が増えた気がする。
入隊してからずっと変わり無くあり続ける存在。得体の知れない不気味な存在だったはずが、むしろ伝説化してきている感じだ。
面映い以前に、危険。上から見たらそんな存在は邪魔でしかない。
やがて隊規を乱す存在として始末されるかもしれない。その場合には私とて自分を守らなくてはならない。

「………もう、辞めてもいいですかファースト……これ以上はお互いの為にならない気がします」

そうすれば隣で眠る男も、あの地下に連れて行かずに済むかもしれない。
処理部の事を周りに知られるわけにはいかないから、それなりの口封じは必要だけど―――

「そんな都合のいい術は無い。だったらいっそ………私と二人で逃げ暮らすか? 貴様が嫌でなければ」
「おKwwww姫wwwwzzZwwww殴らないでwwwwwwwwwww」
「ふ……臼姫と言ったか…………せめて夢で逢瀬を楽しむといい」

もう一度、横になる前にその幸せな寝顔にごめんなさいと謝った。




100 :教会の幽霊 :07/02/10 02:51:03 ID:???
「起きろ」
「うーんwwwwwwお早うハニーwwwwwwwwwww」
「寝ぼけるな、身体を温めるぞ」
「おkwwwwおいでwwwwwwwww」

内藤は上半身を起こして両手を目一杯広げた。根本的に勘違いしている。
根が助兵衛だから、解釈がそっち寄りになるのだろう。

「体操代わりに身体を動かすと言っているんだ、さっさと立て」
「朝からなんて恥ずかしいwwwwwwwwwww」

夜明けすぐ。寒さのせいもあって身体が固い。
ほぐしておかないと、いざの時に怪我をする確率が増える。
脳を覚醒させるためにも、隊では朝からの鍛錬を欠かさないようにしている。

「武器を構えろ」
「体操じゃないの?wwww」
「体操代わりと言っただろう。組み手だ、貴様の実力を知る必要もある、本気でこい」
「サンは何使うのwwwwwwwww」
「サード」
「サードwwwwwww」
「私の得物は短剣だ、今日は投げはしないから貴様は好きに戦え。魔法を使ってもいい」
「女の子は傷つけられないよwwwwww」
「そう言うのは追い詰めてから言うんだな、こないならこちらから行くぞ」

とは言いながら短剣は右手に一本、逆手に構える。
まずは攻めの能力を見たいので、こちらは防御重視。

短剣は銀で出来ているせいで硬度は低い。銅よりも柔らかい。
武器や防具などというのは硬ければ硬いほど良い。というものではないが、銀の短剣というのは戦闘には明らかに不向きだ。
内藤の実力次第では、ここで一本が使い物にならなくなるかもしれない。

「       はっ!」

間合いを詰めて腹を柄で突く。
怪我をさせるわけにはいかないので、隊員相手にはこうする癖がついている。
まあ今ほどゆっくりとした攻めを食らう奴はまず存在しな―――

「うはwwwぽんぽん痛いwwwwww」
「………おい」
「こんなプレイ初めてwwwwwwwww」
「まさか……と思うが……今の、わざと喰らったんだよな?」
「全然見えなかったwwwwwwwww」

目の前が本当に暗くなった。嘘だと言ってくれ。
素人だって何らか反応するだろ、目の前に敵が迫ってきて武器を大振りすれば!

「貴様、冒険者だったんだよな?」
「ううんwwwww勇者wwwwwwwww」
「よく今まで生きてこれたな……あ、そうか、さては魔法が得意なのか。うむ、それにしても酷い反応だったが、それならまあ話は少しわかる」

何故か当人ではない私が虚しい言い訳をしている気がするが、そうでなくてはいくらなんでもおかしい。
隊内にも魔法戦に特化した奴がいる、きっとその類なんだ。槍は飾りなんだ。

101 :教会の幽霊 :07/02/10 02:52:14 ID:???
「よし、では好きな魔法を撃ってみろ。遠慮はいらん、私は対魔能力が高い」
「痛いよ?wwwwwwwwww」
「む、やはり自信があるのだな、では念の為にモンスター相手に撃って貰おうか」
「おkwwwwそれなら本気だせるwwwwwwww」

私も魔法は得意だが、どちらかと言うと敵に接近してから回避不能状態で叩きこむ事が多い。
内藤が魔法タイプだというのなら、これから二日の間に戦闘が発生した場合は、後方から支援させるか。

近場を少し捜し歩いて、一匹の剣虎を発見した。
この近隣では強い部類に入るモンスターだ。旅人を襲う事もあるし、倒すのに遠慮はいらない。

「よし、あれが手頃だろう。私はここで見ているから好きな方法で倒してこい」
「おkkwwww俺様に惚れるなよwwwwwwww」

そう言い残すと内藤は槍を構えて駆けていった。魔法はどうした?
相変わらず足だけは早い、見る間に虎へ間合いが詰まる。足の早さを生かしたヒットアンドアウェイの戦法だろうか。

「カモンタイガーwwwww俺様が退治してやるwwwwwかかってこいwwwww」

えええ!?
足を止めて真正面から向き合ってる、足の早さを全然生かしてない。完全に殺しまくってる。
なんだ、なんなんだ、何をするんだ、どう戦うんだ?

「俺様に光あれwwwwwwwwww」と変な詠唱でフラッシュを撃ってる、やっぱり近接戦闘なのか?
一応、魔法は成功したらしく、虎は目をやられて前足を無闇やたらと振り回している。

「おkkwww今日は朝からハードプレイwwwwwww燃えてwwwきwwwたwwwぜwwwwwww」

大声を出したせいで虎に居場所がばれて爪の一撃をモロに喰らってる。何をやりたいんだあいつは。

「うはwwww終生のライバル出現のやかんwwwwww」

その終生のライバルは内藤に危険を感じてないのか、じゃれるように内藤を前足で転がしてる。

「やめてwwww俺様朝から二回は無理wwwwww若くないwwwww」

どうやら腹は減ってないらしく、虎は内藤に噛付きはしない。いや、食べたら腹を壊すと本能が危険を察知しているのかも。
やがて虎は遊び飽きたのか、内藤にマーキングして遠くへ去っていった。
私は倒れている内藤にゆっくりと近づき、見下ろした。

「おい………」
「惚れた?wwwwwww」
「惚れるか!」
「強敵だったwwwwwあれは虎のキングだったねwwwwwww立ち向かう俺様かっこいいwwwwww」

頭が痛い、物凄く痛い。

「もういい、貴様は絶対に戦闘に参加するな。いずれ一から教えてやるから覚悟しておけ!」
「夜のテクニック指南wwwwww」
「戦闘だ! こら臭い、近寄るな!」
「ご褒美のキスは?wwww」
「馬鹿な事言ってないで、海で体を洗ってこい!」

内藤が鎧のまま海に飛びこんで溺れかけて、さらに無駄な時間を過ごした。
馬鹿だ馬鹿だと思っていたが、物凄い馬鹿だ。極まってる。
こんなのとファーストを重ね見てしまった自分が情けない。

102 :教会の幽霊 :07/02/10 02:53:19 ID:???
「朝食は抜きだ。さっさと探索に入るぞ、ついてこい」
「サンwwwwwww」
「サード!」
「サードって可愛くないwwwwwww」
「決まりだ」
「似合ってないよwwwwww」
「……うるさい、サンだって変な名前だと言ってただろうが」
「サンは似合ってないけど可愛いwwww」
「似合うはずもない、サンというのも―――そんな事はいい、用はなんだ」
「そのコートwwwww貸してwwwwwwww」
「何故だ、冷えたのか?」
「直してあげるwwwwwwww」
「直す?」
「穴が開いてるよwwww俺様が塞いでwwwあwwwげwwwwるwwwwww」
「妙な言い方をするな。そうか、先日やられた時の。だが別に不具合はない、構わん」

二日前、内藤に「見つかってしまう」前の夜の戦闘。
あの時に魔物に腹と胸を貫かれたんだった、傷は塞がっても服は直らない。中に着ているシャツは替えがあったがコートは穴開きのままだ。
左腕も切断されたけど運よく袖は落ちずに済んだが、穴開きは確かに少しみっともない。
直してくれるというのを無下に断る理由もないが、それにしてもタイミングというものがある。せめて昨夜言えばいいだろうに。

「どうせ手先も不器用だろう、いずれ自分でやる」
「すぐ出来るよwwwwwご飯食べてる間にwwwwwwww」
「要は腹が減ったと言いたいのか」

こういうやり取りは、実は嫌いではない。
少しシャレの効いた物言いというのは気分を変えさせてくれるから。

「ふむ、武器の調子を見ておくのも悪くないか。それにしても妙なところで知惠が回るな、少し驚いたぞ」
「知恵?wwww俺様はサンの背中が寒そうって思っただけwwwwwww」
「まあそういう事にしておいてやろう、どうせ直してくれるなら丁寧にやれよ」
「おkkwwwwさあお嬢さん脱いでwwwwwwwwww」
「…………貴様、本当に助兵衛だな」
「エロスwwwクロスwwwwwwwそれが俺様ジャスティスwwwww」
「針と糸はあるのか?」
「あるwwwたくさんwwwwwww」
「しかし、何で埋める? いくらなんでも黒いコートに白い布とかはイヤだぞ」
「ちょっと丈を短くしてもいい?wwww二センチくらいwwwwwww」
「まあそれくらいなら」
「おkkwwww裾をつめてそれを使うねwwwwww同じ色だから多い日も安心wwwww」

103 :教会の幽霊 :07/02/10 02:54:08 ID:???

この男がそんな器用な事を出来るとは思っていないので、いざとなったら私が取り上げて直そう。
そう覚悟してコートを脱いで渡した、その際に内に縫い付けてあるホルダーから短剣を全て抜き取る。
十本の束が四つ、総数四十本。
それぞれの癖を見分けて、曲がりがあるようならなるべく直して均一に揃えておきたい。手に持っている間はそれほど気にならないが、投げると軌道が変わってしまうからだ。

「ほら、頼んだぞ」
「おkkwwwwwこれがサンの匂いwwwwwwwwww」

手にした短剣を内藤の周りに六本、連続で投げ込むとさすがに黙った。




「驚いたな、貴様の本職は仕立て屋か?」
「勇者wwwwww」

本当に驚いた。
内藤は朝食を食べたいだけかと思っていたが意外と真剣で、コートを直している間は一切何も食べなかった。

腹と胸を貫通されたから、コートには背中と合わせて四ヶ所も穴が開いていたのに、見事に塞がっている。
でこぼこして不細工になるかと思っていたのだが、綺麗に平らだ。
つめた裾の先も綺麗に縫ってあって糸のほつれもない。プロでもこうは出来ないだろう。

「これはいい、感謝するぞ」
「おkwwwwさあwwwありがとうのチューwwwwwwwww」
「パンでも食ってろ、馬鹿」

捨てる予定だったシャツも縫って貰おうかと思ったが、やめた。
何されるかわかったもんじゃない。

104 :教会の幽霊 :07/02/10 02:55:51 ID:???
<5章 序>

内藤:今日も楽しかったねwwwwwwww
サン:今日も空振りだった
内藤:寒くないかいハニーwwwwこっちにおいでwwwwwww
サン:死ね
内藤:うはwwwwwSだねwwwwwwwww
サン:まったく、探索中もずっと喋り続けおって
内藤:まだまだ沢山あるよwwwww
サン:ふん、遠隔地からホーリーを撃ったり、古代魔法を右手と左手で同時に撃ったりだと、とんだ与太話をしおって
内藤:飛子は喋るwwwww
サン:ブーメランが口を利くか
内藤:赤魔子は何でも爆発するしwww竜姐とオスカーは目に入ったものは何でも食べるwwwwwwww
サン:その双子と子竜は捕まるだろ、常識的に考えて
内藤:通風は俺様のキュートでタイトなヒップを狙っててwwww猫狩はやきもち焼いてるwwwwww
サン:腐った関係だな
内藤:明日は巴姫達の事を話してあげるねwwwwあそこにはもう一人の俺様と俺様の弟子もいるのwwwwwww
サン:貴様と貴様の弟子か……世も末だな
内藤:寝る前にサンの事を教えてよwwwwww
サン:サードだ。喋るような事はない
内藤:たくさんあるよwwwwwwww
サン:無い。貴様もあまり過去を思い出すのはよせ、戻れない世界を思い出しても苦しむだけだ
内藤:そんな事ないよwwwww
サン:………いずれわかる

今日もまた空振りだった。
簡単な夕食を済ませ、焚き火を前に二人で寝る準備をしている。

内藤:サンは何を捜してるの?wwwww
サン:サード
内藤:可愛くないwwwwwサードwwwwwwww
サン:捜しているのは歪みだ、言っただろう
内藤:それを見つけたらwww何かが終わる?wwwwwww
サン:え……?

炎の向こうでいつもと変わらない笑顔。
なのに、見透かされている気がして、サンは言葉を繋げられなかった。

内藤:今より幸せになれるんだよねwwwきっとwwwwww
サン:…………
内藤:だったら手伝ってあげるwwwwwwww
サン:…………
内藤:全部終わったらwww皆に会わせてあげるwwwww楽しいよwwwwwwwww
サン:…………

サンは膝を抱え込んだ。

105 :教会の幽霊 :07/02/10 02:56:49 ID:???

サン:幸せには……なれない
内藤:なれるよwwwwww
サン:……見ろ

燃え盛る炎の火元、赤く輝く炭をサンは握り締めた。
人肉の焼ける匂いが強く立ち込める。

サン:こんなになっても私の体は再生する………私は、死ねない化け物なんだ
内藤:皆はそんなの気にしないよwwwwwwwwww
サン:だが死ぬ。死ねば別れる。そうしたらまた独りだ
内藤:一緒に死にたい?wwwwwwww
サン:………ふ、ふ、ふふふ………最も愚かしいのはな、それでも死ぬのはイヤだと思っているという事だ
   私は死ねないから独りで、独りはイヤだと思いながら、死にたくないと思ってる。矛盾した化け物だ
内藤:だからwwww捜してるの?wwwwwwww
サン:見つかっても……何も変わらない………けどそれしか私には残ってないだけだ
内藤:俺様は皆のところに帰るよwwwwww
サン:?
内藤:そしたら殺されるんだよねwwwwサンにwwwwwwwww
サン:………ああ
内藤:だったら教えてwwwwww全部wwwwwwww死ぬならいいよねwww教えてくれてもwwwwww
サン:本気か? ただ私の過去を知りたいだけで死ぬのか
内藤:本気ーwwwwwモンキーwwwwwww
サン:何故、そんなに知りたがる
内藤:好きだからwwwwwwwww
サン:………臼姫はどうした
内藤:姫も好きwwwwwwwwwwww
サン:浮気者は地獄に行くんだぞ……
内藤:皆で行けば怖くないよwwwwwwwwwwwww
サン:ばか…


これまでサンは自分の生い立ちを話した事はただ一人に一度しかない。
あのファーストに話すまでも一年以上必要だった。
内藤とはまだ出会って三日、はっきり言って内藤という人間の得体もしれない。
なのに―――その目が何故か懐かしくて


サン:私が生まれたのは――――――

106 :教会の幽霊 :07/02/10 02:57:54 ID:???
<5章 始>

天晶暦六百四十年 十二月二十五日 夜。クォン大陸のある山脈の中ほどにある小屋で赤子が生まれた。女の子だった。
雪が―――降っていたらしい。

その頃の記憶は無い。
一番古い記憶は、父の頭。そしてそれより少し下に母の姿。肩車をして貰っていた。

親子三人、誰とも出会う事は無かった。
私たちは三人で生きていた。世界は小屋と庭、そして森と湖と山だけ。他に何も無い。

父と母は何でも作った。
服も家具も料理も何もかも自分たちで作る。
それが私には当然の事だったし、何の疑問も無かった。

春は野を歩き
夏は水で遊び
秋は森の実りを楽しみ
冬は三人抱き合うように眠る
何も無かったけど、何も足りないものもなかった。

字は母から習った。
母はとても賢かったし、たくさん魔法を知っていた。
怪我をすれば治してくれるし、明日何処へ行けば獣がいるかも占って外れた事が無かった。
金木犀の香りが好きな人で、どういう方法かわからないけど、いつも部屋は金木犀の香りがしてた。

父は力が強い人だった。
刃物なんかなくても薪を割れるし、獣を仕留めるのも素手。
私に教えてくれる事はあんまりなかったけど、とても優しくて大きかった。


幸せだった。



ある日、私が十八の時。
一冊の本を天井裏で見つけた。

本、というものの存在すら知らなかったが、文字は読めた。
なんて事はない童話。
だけど私は、世界はもっと広いものだと言う事を知った。知ってしまった。

山を降りてみたい、世界を見てみたいと両親に言ってみたけど、反対された。
ずっと反対されて、私も諦めてた。

一年が過ぎた。
私は十九になった。

いつもは父としか出掛けなかったけど、もう大人という事でその頃は一人で森に入る事があった。
なぜ突然思いついたかわからない。
空を見て、雲が流れるのを葉を落とした森の木々の隙間から覗いた時、衝動が走った。


このまま山を降りてみよう。


走った。
陽が暮れるまでには帰らないといけないから、急いだ。
途中、木に記しをつけながら走った。帰り道に迷わないように。

107 :教会の幽霊 :07/02/10 02:59:21 ID:???
やがて、私は村を見つけた。
家が沢山あった。
人が沢山いた。

すっかり興奮した私は村へ走っていった。
恐れる事など何もなかった、童話の中で村人は優しかったから。

今考えると、私の格好は特に汚いとか貧相だったという事はないけど、少し時代が古かったのだと思う。
私は奇異の目を向けられていた。
でも村人はやっぱり親切だった。
どうしようかと道の真ん中で立ち止まっていた私を、皆が心配して何処から来た、お腹は空いてないかと気遣ってくれた。

私は父と母しか知らない。
初めてみる色んな人達、初めてみる自分より小さい子供達、初めてみるおじいちゃん。
とにかく話した、ずっとずっと話し続けた。

山に住んでいる事、父と母の事、母の容貌、母の年格好、母は魔法を使うのか………
いつの間にか話題は母の事ばかりになっていたけど、気にもしなかった。
とにかく喋る事が楽しくて仕方なかった。

やがて陽の傾きに気付いて私は慌てた。
もう帰る時間。
さよなら、と慌しくお別れして私は山へ帰った。

両親には内緒にした。
だって喋ったら叱られる。ううん、私が約束を破って山を降りたと知ったら悲しむと思ったから………

状況の変化は早かった。
早過ぎて気付く事さえ出来なかった。

次の日、私はまた山を降りようと計画してた。
けど、その日は水を汲みに行く日だった。森とは方角が違う。

森で何も採れなかった事はあっても、水は枯れる事は無い。
サボったらさすがに両親も気付く。
だからその日は山を降りるのは諦めた。

何回か湖と家を往復した
そして昼時、家に帰ると

母が、血だらけになって倒れてた。
傍に、昨日見た村人が何人か、やっぱり血だらけで倒れてた。
そして、父が―――――――――父じゃなくなっていた。

体は黒く変色して、所々、棘のようなものが生えている。
顔も変わってしまって、口には牙が生えて、目は釣りあがって真っ赤。
とても普通に思えなかった。

何が起きたのかわからない私は
とにかく父が病気になってしまったと思った。

何があったのか、大丈夫かと聞こうとした
駆け寄った
次の瞬間

私は父に、その腕で胸を貫かれて殺された。


天晶暦六百六十年 十二月二十四日 二十歳の誕生日の一日前の出来事。

108 :教会の幽霊 :07/02/10 03:00:26 ID:???
<5章 転>

その日のうちだったのか、何日か経った後なのか良くわからない。
夜、私は目が覚めた。

悪い夢を見た、と思った。
けど現実だったとすぐ思い知った。
母と村人の死体は転がってて、父の姿は無かった。

泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて
泣き疲れて感情の起伏が無くなってから、母と村人を埋葬した。
人は死んだら土に還るんだよって聞いてたから。

そして私は父を捜そうと決めた。
何があったのか、どうして母と村人と、そして私を殺したのか聞きたかった。

村に降りた。
村人は私を見て逃げた。
理由がわからない、何故あんなに親切だった人達が私から逃げるのかわからない。

やがて何人かが固まって近寄ってきた。
手には冷たい鉄の武器を持っている。

私は斬られ、突かれ、また殺された。
けど、意識は切れなかった。
やがて動かなくなった私の足を、村人が掴んだ。

その瞬間、何かが動いた
体の中で、何かが蠢いた
激痛が走る、それは刺されるより痛い
まるで体が二つに裂けそうに痛い
魂を引き裂かれそうな痛み

斬られても刺されても我慢できたのに
その痛みには耐えられなくて掴まれた腕を払った
足を掴んでいた村人が、私の足に手首から先を残して倒れた。

それから先、また記憶が飛ぶ。
気付けば血にまみれた死体が幾つか転がっていた。

私が殺した事だけは何故かすぐわかった。
私は、逃げた。

もう山へは帰れない、村にも行けない
私はあても無く歩き続けた。




109 :教会の幽霊 :07/02/10 03:01:17 ID:???
それから五十六年後、私は教会に捕まる。
当時は実行部隊と呼ばれていた部署に。

私は父を捜しながら、自分の状態と世間と言う物を少しずつ知っていっていた。
どうやら私は死なないし、歳もとらなくなったらしい。
けど人に触れると激痛を感じるようになってしまっていた。そしてそれが酷い時には意識が飛び、人を傷つける。

死なないとは言ってもお腹は空くし、喉も渇く。
世間では何をするにもお金というものが必要だった。
多少困ったけど、それは意外となんとかなった。

上手いように人の世を渡っていたつもりだったが、やはり身を隠すというのは並大抵の事では無い。
世間では彷徨う幽霊が噂になっていた。
彷徨うヒュームの女幽霊。


ある町で食料を買っていった女が、三十年後にまた同じ姿で食料を買いにきた
海賊に殺されて海に捨てられた女が、幽霊になって海賊に復讐した
ある探検家が出会った女が、十年後に出会った時も同じ姿をしていた
他にもたくさん。


次第に幽霊の噂は広がり、やがて教会も黙っていられなくなった。
そして実行部隊が調査を命じられた。

本当は幽霊ではない私は、死なないというだけで他は普通の人間とさして変わり無い。
あっさりと捕まった。後で聞くと調査開始から捕獲まで一ヶ月も掛からなかったそうだ。

殺そうとしても死なない私は、最後の手段として封印―――石に閉じ込めて埋める―――されそうになった。
その頃はもうどうでも良くなっていた。
人に触れる事も出来ず、歳も取らず、ずっと孤独。父の手がかりも見つからない。
さすがに疲れてた。

身動き出来ないのは困るけど、もういいかと思った。
これで動かなくなる口実が出来たのかも、と。

けど、処分される直前に当時のファースト……第一位が私に手を差し出した。
私はどちらかと言えば、ファーストに惹かれて差し出された手を握った。

不思議な人だった。
ファーストなのに前線に立ちたがり、何処其処に顔を出す。
あまり腕は立たないけど、掃き溜めのような部隊を人間の集団らしくしていたのはあの人の力だった。
豪快で、雑で、そのくせ人の気持ちに敏感で優しくて、あの人がいるならもう少し頑張ってみようか。皆にそう思わせる人だった。

私にとっても不思議な人だった。
触れると体が痛くなるのは他の人と一緒だったけど、耐えられない痛みじゃなかった。
笑顔が、好きだった。


110 :教会の幽霊 :07/02/10 03:02:12 ID:???
でも死んだ。
最悪なのは死んだ原因が私だった事だ。

ある日の作戦で私たちは失敗した。
元々が無茶な計画だったのだけど、当時の私たちは計画を拒否できない。
現在であれば、ある程度は部で計画の可否判断ができるが、当時は実行するのみの部隊だった。

実作戦内容は自分達で立てられたので、せめて実害を抑えようとしていた。
だから、計画通りの失敗ではあった。

仲間を逃がす為に数名が囮となり、敵に囲まれた。
私は不死者、こういう時に切り込むのは自分と決めていた。
ファーストはそれをいつも叱っていた、顔に傷が入ったらどうするって。

不死者に、化け物に、そんな気遣いをしてどうするというのだろう。
たとえ傷が入っても、すぐ治りもするというのに。

だから今でもわからない。
なんで、ファーストが私を庇って死んだのか。
最後の言葉は、顔に傷が入らなくて良かったな。そんな、殺したいくらい馬鹿な言葉。

雨が降っていた
私の足元でファーストは事切れた
触れてみた
もうファーストに触れても痛みは感じなくなっていた
触れても痛くない人間は死体だけだ

思い切り強く抱いた、痛みが欲しかった
痛みで、こんな体は裂けてしまえばいいのにと抱き続けた。



111 :教会の幽霊 :07/02/10 03:03:09 ID:???
それから先はあまり重要では無い。
実行部隊が処理部に名称が変わったり、私は保身の為に第三位になったり。

ああ、戦いになっても顔だけは傷付かないように気をつけてる。
特に理由は無いけど、なんとなく守ってやりたくて。

父はまだ見つからない。
けど、金木犀の香りのする歪みが発生する事がある。
そこでは父に似た魔物をみかけるそうだ。

幾つかの事例から察するに、父は魔界と現世界を繋げようとしているのではないかと推測される
恐らく憎んでいるのだろう、こちらの世界を。

父と母と私についても推測は成り立った。
父は魔界の人だったのだと思う。ただし、奇跡的に悪意に触れなかった。
そして、奇跡的に悪意を持たない母と出会い、私が生まれた。
わからないのが母の生い立ちだが、もう調べようも無い。

私は人として育っていたが、私が村人を家へ誘いこんだせいで父は悪意に触れ、魔物化した。
そのまま魔物に堕ちた父は母と村人を殺し、私を殺した。
その瞬間、何らかの理由で私の中の魔の部分が顕在化したのだと思われる。

私は人の持つ悪意―――悪人という意味ではない、人が潜在持つ善と悪の片側に触れると体が痛むようになった。
霧の魔物と違い、空を漂う悪意に感染する事はないが、人に触れると駄目だ。
痛みの許容値を超えると……私の半身は暴走する。


父にあって何をしたいのか、良くわからない。
どうして母を殺したと問い詰めたいのか、ただ謝りたいのか。

だけどそれしか無いから
目的が何も無いから、まだ捜してる。

不死となったあの日、十九の最後の日から二百二十四年、私はまだ彷徨っている。

112 :教会の幽霊 :07/02/10 03:05:04 ID:???
<5章 終>

サン:こんなところだ、つまらないだろう?
内藤:wwwwwwwwwwww会えるといいねwwwwww
サン:そう……………かな
内藤:きっとwwwww何かが終わってくれるよwwwwwwwwwww
サン:ああ終わる、終わるだろう。その先に何も無い終わりがくる
内藤:そしたら何か始まるwwwwwwwww
サン:ふ、適当な事を言うな
内藤:なら俺様が何か見つけてあげるねwwwwwwwww
サン:貴様が?
内藤:今度は俺様が楽しい目的を見つけてあげるwwwwwwwwwwww
サン:見つからなかったら?
内藤:ずっと一緒にいてあげるwwwwwww
サン:…………ずっと、は無理なんだよ。でも………ありがとう
内藤:俺様を信じなさいwwwwwwwwww勇者は万能の神wwwwww
サン:ばか、もう寝るぞ。まったく、つまらん話が長引いてしまった
内藤:お休みwwwww
サン:ああ、おやすみ

二人がそれぞれ毛布に包まって転がる
焚き火は、もう消えかけていた。

内藤:そうそうwwww俺様ねwwwwwwファットがなんでサンを庇ったかわかるよwwwwwww
サン:…………………………………………………………ばか。ファットじゃない、ファーストだ
内藤:うはwwwwwwwwwwwwwww
サン:……同じ事はするなよ、決して
内藤:ねえwwwサンwwwwwwwww
サン:なんだ
内藤:約束しない?wwwwwwwww
サン:………………何を?
内藤:俺様がサンの目的を見つけるからwwwwwサンは何にも負けないってwwwwwwwwwww
サン:………………………忘れたのか……貴様はどうせ死ぬ……………殺す……
内藤:うはwwwwww忘れてたwwwwwwwwww
サン:でも、それくらいなら…………約束してやってもいい……負けなければいいんだな
内藤:おkkkwwwwwこれでサンは無敵だねwwwwwwwwwwww
サン:ふん………無敵なんてものはない
内藤:俺様俺様wwwwwwwww
サン:ばか、貴様は弱すぎる…………………それと……私の事はサードと呼べ
内藤:うはwwwwおkkwwwwwwwww
サン:もう寝ろ………明日も探索だ

静寂、夜風、星空、完全に消えた火
背中を向けて眠る二人

サン:……………………………………………………………………………………………………おい
内藤:なにwwwwwww
サン:………………寒い
内藤:wwwwwwwwwwwwwwwwww手を握っててあげようか?wwwwwwww
サン:………………頼む
内藤:はいwwwwwwww痛くない?wwwwwwwwwww
サン:………………平気


静寂の中、夜風は薄く駆け抜け、雲は流れて満天の星空。
完全に消えた火の隣で少し近寄って眠る二人、伸ばした手が繋がっていた。

113 :教会の幽霊 :07/02/10 03:06:57 ID:???
<6章>

余計な事を喋ってしまった。
私は、たぶん魔法をかけられたんだと思う。口が滑る魔法を。

いや、冷静に考えれば理由はつけられる
・喋っても、馬鹿だから理解しているのか微妙
・五月蝿いだけで無害
・なんだかんだ言っても恩人
・自分の事を良く喋る
・存在感があるような無いような
・どうせ殺す相手
・少し……ファーストに似た感じ

これだけ揃えばついつい、口も滑ろうというものだ。
だけど、今なら喋らない。だからやっぱり昨夜は魔法をかけられたんだと思う、天然馬鹿の魔法に。

喋ったのは悔やまれるとしても、手を握ったのはあんまり気にして無い。
悔やむのは言っても仕方ない事を言ったからで、手を握ったのは、私がそうしたかったからだから。
………と言っても特に深い意味はない。寒かったからで、他意はない。無いと言ったら無い。

不思議な男だ。
寒いと訴えられれば普通は毛布でも被せてくれるか、火でも起こしてくれるか、その、他の方法を思いつくだろう。
普段はそう言う事ばっかり言ってるくせに。昨夜は私が望んだ事を察してくれた。
本能で生きてるっぽいから勘が鋭いのだろうか?

「ばかだな………」

逃げれば殺す。
遠く離れればすぐ死ぬ。

「…………解呪式…」

まだ寝ている内藤の額に手を当てて、呪いを解いた。

一度発生した呪いは効果を何処かに発生させるまで消えない。
普通は術者に返る。呪い返り。通常の呪術者は己の身代わりを用意しておくが、私には不要だ。

「っ…………」

内藤の額に当てた腕の血管が、固まっていく。
肘まで固まって止まった。普通ならこれで腕は壊死して放っておけば全身に広がるが、私は死なない。
痛いけどもう慣れた。


これで内藤は私から逃げても死なない。
私が内藤から逃げても死なない。



114 :教会の幽霊 :07/02/10 03:08:11 ID:???
何処にジャスマ=ジマドの目が光っているかわからないので、ここで離れるわけにはいかないが、いずれ機を見て逃がそう。
殺しが出来なくなったわけじゃない。ただ、このばかは殺したくないと思ってしまった。
処理部にばれたなら、もう辞めよう。そして命を狙われる内藤を連れて逃げよう。
こんな奴と関わったばっかりに………と、腹は立たない。どの道、もう潮時だったのだろう。

「私の次の目的、か」

見つけてくれると言ってくれた。
どんな無理難題を持ってくるのだろう、或いはこのばかを生かす事がその目的になるかもしれない。
そう思うと少し楽しい気分を味わった気がした。

まだ辺りは薄暗い夜明け前。
内藤が起きるまでに火を起こして朝食でも作ってやるかと、寝姿を眺めた時、それに気付いた。

内藤の上、一メートル。
空間が、歪む。

「内藤!!」

まだ起きない内藤の鎧を掴み、力任せに投げ飛ばす。
ニメートルは飛んだか、夜露のせいもあって着地した後もえらく長く滑っていった。

空間は歪む、歪む、渦巻くように歪む。
一昨日よりさらに大きく歪んでる。

「ち、いくらなんでも………」

歪みの封印に四方を囲むため四本の封印短剣が必要になる。
残り三十六本、一匹につき一本の封印短剣が必要なので単純に三十六匹までしか封殺できない。
先日の規模で三十二匹だったのに、今回のは四十を越えるかもしれない。

退くか?
だが、ここで退いたら……魔物が拡散する。街を襲う。

「……………可能な限りここで減らす!」

懐に両手を伸ばして、銀の刃を手に取った。
投げは使わない。もし外れて失ってしまったら、その分だけ仕留める数が減る。

歪みから霧が流れ出てきた、やはり―――数が多い。
第一波、七匹!!

「そなたに信仰があるなら祈るがいい
 裁きは既に下されたり

 咎人に罰を
 蛇に死を

 我は剣と女神の名の下に刑を執行する
 私は――――――何者にも負けない」

決まりきった宣誓に一言、昨夜の約束を付け加えた。少し、強くなれた気がする。

115 :教会の幽霊 :07/02/10 03:09:15 ID:???
奔る。無駄な物を一切廃して、出現した魔物の一匹に向かって直線に奔る。
まだ出現したばかりで状況を掴めていない魔物の額へ、封印式を唱えながら短剣を突き刺す。
短剣が分解すると同時に致命傷を喰らった魔物も分解して消えた。

停止同時封殺、致命傷を与えると同時に封殺を行う技法。
致命傷を与えそこねていたら、純粋に一本の短剣が無駄になる。普段は使わない技だが、今は時が惜しい。

残った六匹が私めがけて駆け寄ってくる。
仲間をやられた怒りではない。純粋に、目の前の生き物を殺したいだけの悪意に従って。


「生まれたての小僧ども、第三位の全力を見せてやる―――!」


一匹、足の早い奴が他の五匹より半歩抜け出して私に迫る。
その出足を、横蹴りで蹴り潰した。
膝を砕かれた魔物が一回転して倒れこむ。こいつの止めは保留して、残り五匹を迎え撃つのを優先する。

五匹がほぼ同時に襲ってきた。
どいつもこいつも真似たようにその腕を槍のように伸ばしてくる。
後ろには下がらない。滑りこむように奴らの足元をくぐり抜けてかわす。

五匹のうち、一番左の奴が反応が早かった。
振り返って背後に抜けた私を確認すると、一番左の魔物が宙に飛んだ。

「馬鹿が」

翼が生えているわけでもないのに、宙へなど飛ぶな。
私は重力に従って落ちてくる魔物の胸に遠慮なく短剣を突き入れる、当然ながら動きの幅の限られた相手の攻撃など喰らわない。
同時封殺完了、残り五匹。動けるのは四匹。

時間をかければ無傷で抜けられるだろう。
だが時間をかければ第二波が出現する。
ならば猪突。私以外の者には、死ぬ事のある者には不可能な攻撃手段を選択。

右手に剣を、左手に魔法を。そして両足には魔法剣を!


116 :教会の幽霊 :07/02/10 03:10:19 ID:???
「は      !」

七回、右の奴の胸に短剣を滅多やたらに突き刺す。
最後の一回を深く刺したところで、左の奴にゼロ距離でバニシュを喰らわせる。
左脇を削られた。内臓を痛めたか、血が食道を駆け上ってくる。

「ぐ……」

呑み込む。
吐き出したら呼吸が乱れる。

「       やっ!!」

右の回し蹴り、雷を纏った右足が三匹目の頭を吹き飛ばす。
私の足も雷で引き裂かれているが、構わない。どうせ私は不死者、痛みさえ耐えればいい。

最後の一匹に獣のように姿勢を低くして迫り、あっさりと同時封殺を施した後、倒れている残りの奴らも封殺した。

「計七匹封殺完了……魔法剣解除」

バチバチッと両足を包んでいた雷が消えていく。
少しでも次の波に備えて傷を回復させておきたかった。だが二秒も経たずに次の波がきた、次は少なめ五匹。

「金木犀の香りは………くそ、血の匂いでわからん」

口内に広がる血の香りが鼻腔に抜けて、鼻が利かなくなっている。

「………パパ……」

この波の終わりに会える?
会いたい、会って―――――――――貴方を―――

「―――封殺する、そなたらに信仰があるなら祈るがいい!」

形を成した五つの魔に安らぎを与える為、私は再び奔りだした。


117 :教会の幽霊 :07/02/10 03:11:29 ID:???
<7章>

第二波をサンが迎え撃つ。いや、迎えるのではなく攻め撃つ。
とにかく時間をかけたくない、回復より早く次の傷が入る。

サンは不死者。
だが、疲れないわけではない。

心臓は停止しても再起動する。
体を引き裂かれても再接続する。
損なわれた部分は補完される。

ただそれだけと言えばそれだけである。
人間離れした技も、魔法も、全て長年培ってきたもの。
決して身体能力や心肺機能が魔物より上回っているわけではない。


集中力はいつにも増して高まっている。
百年以上戦い続けてきて、今この瞬間が間違いなく彼女の最強であった。

だがそれでも疲労は溜まる。
次第に反応速度が鈍る。見えていても身体が遅れる。
時間の経過と共に、身体を犠牲にしての戦いを余儀なくされていっていた。



一方、内藤はどうしていたか。

この馬鹿はあろう事か、投げ飛ばされた際に打ち所が悪くてしばらく気を失っていた。
意識を取り戻すまで二分はかかった。

内藤:おはwwwwwあれ?wwwwwwwwww

近くにいたはずのサンが居ない。
辺りを見回しても姿が見えなかった。

そんなに遠くに投げ飛ばされたわけでは無い。ここはバタリア丘陵、丘だらけ。
丘の上で野営していたため、投げ飛ばされた勢いで草スキーのように丘の下まで滑ってしまっていたのだ。

内藤:俺様捨て子?wwwwwwwwうはwwwそんなわけないwwwwwwww

とにかく立ち上がった。
槍は近くに無い。

内藤:ラムゥゥウウウウウ!wwwww

大事なものらしい。
けど、さすがに槍よりもサンのほうが気になって居たらしく、辺りをサンを求めて見回す。

見当たらない。
けど、丘の上で戦いの音が響いてる。

内藤:俺様wwwww最強wwwwwwwwwww

内藤は丘を駆け登った。

118 :教会の幽霊 :07/02/10 03:12:59 ID:???
サン:第二波計五匹……封殺完了……ハァ………帰還地点設定………解除

デジョンでの帰還地をその辺に仮設定していたのを解除する。
サンはそうやって擬似的な瞬間移動を使って、敵を撹乱していた。
体力的に負担は無いが、帰還地の設定とデジョンの多用は魔力消費が大きかった。

サンの魔法は多岐に渡る。
精霊、神聖、暗黒。だが、回復魔法は使えない。
資質が向いていなかったし、死なない彼女が無理に覚える必要がなかったからだ。

サン:……覚えておくべきだったかな…………

次の波が発生するのを見ながら、反省する。
傷の治りや体力、魔力の回復よりも魔物の発生間隔が短い。

サン:あと何度続くのか……いや、何度続こうが全て潰す!

果ての見えない戦いは心を挫く。
しかし、弱気こそが大敵であると誰よりも知っている。
己を鼓舞して立ち上がる。まだ先日の数にも及んでいない、もっと戦えるはずだ、と。

サン:第三波、九……いや十。飽きもせずわらわらと出てきおって………悔い祈れ、我は女神の剣なり!


通常の隊員であれば魔物一匹と同格。
腕の立つ者でも守りを重視して二匹とそれなりの時間、渡り合う事が出来る程度。
ナンバーなら運にもよるが三〜四匹が、同時に相手を出来る限度である。

死なないという利点を最大に生かす戦い方のお陰もあるが、それでも彼女の戦闘能力は高い。
戦闘というものが、経験の蓄積量が最も重要であるという生きた見本であった。

サン:バニシュガ!

光撃魔法を目くらましにして、集団に突っ込む。
一対多の戦いは相手を撹乱させることが肝要である。

戦術、戦闘術においては、彼女が言ったように生まれたてといえる魔物はサンに遠く及ばない。
身体能力は高いが、経験値はゼロに等しいからだ。
長く年月を経ればそれだけ強力な魔物に成長するが、まだ育っていない。
そこに彼女の勝機があった。


サン:ふん、遅い!


慢心ではない。
ただ、忘れていた。
戦いの前に呪いを受けていた事を。


サン:なっ


防御の為に挙げた左腕が、落ちた。
ただの壊死ではない、呪いで骨まで死んでいた。

無防備な顔面に魔物の爪が迫る。
右腕は別の魔物の胸に短剣を刺しこんだ直後で動かせない。


119 :教会の幽霊 :07/02/10 03:14:36 ID:???
かわせない絶対の速度だった。
サンが目を閉じる。
その瞬間に考えたのは、ごめんなさいファースト。という謝罪の言葉だった。


衝突音


だが、衝撃は無い。
恐る恐る開いたサンの瞳に映ったのは、あの時の、ファーストの背中だった。


サン:え…………



「大丈夫か?」



サン:ファ…………内藤!!
内藤:大丈夫?wwwwwwww
サン:ば、ばか、おまえ……なにを…………
内藤:勇者wwww降臨wwwwwww爆誕wwwwwwwww最強wwwwwwwww
サン:血が…………………
内藤:ああぁかぁぁぁいwwwwおと〜〜〜このぉぉwwwwwwww


馬鹿は歌いながら倒れた。
鎧のお陰で貫通はしなかったが、腹をやられてる。

一つだけ内藤の名誉を守るなら
内藤は痛みも恐怖も知っている、飛び込んだらどうなるか理解した上での行動だった。


サン:うそ………だって……約束しただろ! どうして私なんかを!?
内藤:


内藤を抱かかえて逃げようとした。
けど、左腕が無かった。


サン:手………っ……誰か………誰か!


仲間が死ぬなど良くある事。隣で同僚が果てても顔色一つ変えずに戦闘を継続する彼女は、時に機械とまで言われていた。
その機械が、うろたえている。
立ち向かった方が結果的に安全を確保出来ただろうに、内藤を抱え込むかのようにしてうずくまっている。

魔物は止まってくれない。
闖入者に戸惑いはしたが、獲物が増えただけの話。
悪意に笑いながら魔物たちが倒れた内藤と、座り込んだサンを貫こうと腕を振り上げた。



120 :教会の幽霊 :07/02/10 03:15:54 ID:???
ジャス:撃ちなさい


瞬間、サンと内藤を囲んでいた七匹の魔物が吹き飛ぶ。
火器にあらず、爆炎の魔法の勢いで聖なる弾丸を打ち出す、半魔半機のウィンダス式封印武器、魔砲弾。
二人のヒュームの従者が乱れ撃ちに撃ちまくる。

その威力は散弾に等しく、魔物は身体を引き千切られながら吹き飛ばされる。
西と東の勢力差を見せ付けるような高性能さは、その弾丸自体に封印式と発現機能が内包されている事に止めをさす。
サンの使う封印短剣にも封印式は込められている。だが、その発動には念の導入と式の発動詠唱が必要だった。
しかし、この弾丸は相手に触れた瞬間に自ら封印式機能が発動する。急所を打ち抜かれた魔物は、同時に封殺されていった。


サン:ジャスマ………
ジャス:奇遇ですねえ、第三位殿。傷ついた貴方も美しい
サン:た、頼む。内藤を助けてやってくれ、お前なら回復魔法を使えるだろう!?
ジャス:そのような役立たずは要らないでしょう?
サン:頼む! なんでもするから!
ジャス:ふふ、ふあはははは、機械と呼ばれた第三位殿が懇願ですか、ははは、これはいい
サン:ジャスマ!!!
ジャス:くく、いいでしょう。女性の頼みは断れません、助けて差し上げましょう


ジャスマ=ジマドは、ぎりぎり命が助かる程度の回復魔法を内藤に施した。
周りでは二人の従者が出現し続ける魔物を、まだ蹴散らしている。


ジャス:少々、大きすぎましたかね
サン:なに? 何を言っている
ジャス:こちらの話です。さあ第三位殿、約束を守って頂きましょうか
サン:?
ジャス:なんでも言う事を聞くと言ったでしょう? まさか忘れたわけでもありますまい
サン:………何を望む
従者:ジャスマ様、闇の渦の封印、完了しました
ジャス:ご苦労、装置の回収をしておきなさい
従者:はっ
サン:装置? 封印に使ったのか?
ジャス:闇の渦の発生装置ですよ
サン:な……に?
ジャス:眠りなさい


トスッとサンの胸元に何かが突きたった。
一本の注射器。どういう仕組みか、自動でサンの体内に何かを流しこんでいく。


サン:なに……を……………
ジャス:貴方は不死身。だがそれだけだ、別段毒に強いわけでもない
サン:貴様………
ジャス:安心なさい、ただの睡眠薬ですよ。よく眠りなさい、長く長く、ね



121 :教会の幽霊 :07/02/10 03:27:18 ID:???
<8章>

『お前、名前は?』
『え?』
『名前だよ名前、いつまでもオイだのオマエだのじゃ不便だろうが』
『私は…構いませんけど』
『お前なあ、名前は大切にしろよ。あれはな、世界と自分とを結びつけてくれる大事なもんだ』
『……すみません』
『本当の名前を言うのがいやなら偽名でいい、仮の免許みたいなもんだ』
『……ファーストの呼びやすい名前で』
『いいのか?』
『はい』
『トカゲとかイモリとかでいいのか?』
『……それが言いやすいなら』
『冗談だ、ばか。まったく、まさか俺が名付け親になるとは思わなかったぜ』
『…………』
『んーーーーーーーー………………………』
『…………』
『んーーーーーーーー………………………』
『…………』
『……………………セクシーなのと可愛いのとどっちがいい?』
『ファーストはどちらが好みですか?』
『セクシーなほうがいいなあ』
『ではそちらで』
『でもお前には似合わねえなあ』
『どうせ……セクシーじゃありませんから』
『怒るなよ、お前にはそうだな、綺麗な名前がいいな』
『はあ…』
『スノー』
『え?』
『いや、すのー、すのう、スノウのほうがいいな』
『……スノウ』
『どうだ、いい名前だろ』
『ありがとうございます』
『なんだ、もうちっと喜べよ』
『あ……すみません………嬉しくないわけでは……』
『本当かあ、スノウ?』
『ほ、本当です……少し、感じが似てる気がしますし…』
『本物の名前にか?』
『ええ』
『気が向いたら教えてくれよ、そっちの良い名前もよ。な、スノウ』

結局、本当の名前は言えなかった。
言いたくなかったわけじゃない。ただ、ファーストに呼んで貰うのはスノウが好きだったから。


私の本当の名前は



122 :教会の幽霊 :07/02/10 03:29:05 ID:???
『よく似合ってるわ』
『本当?』
『ええ本当よ』
『ママありがとう!』
『おや、洋服をご新調ですか、お嬢様』
『パパーーーー! 可愛い? わたし可愛い?』
『凄く可愛いよ、お嬢ちゃん』
『ママとどっちが可愛い?』
『うーん、難しいなあ』
『あら、パパは優柔不断ねえ』
『ゆーじゅーふだんねえ』
『どっちか選ばないとだめかい?』
『そうよ、おっしゃってくれないと晩ごはん抜きよ』
『ごはんぬきー、ごっはんぬきー』
『参ったなあ』

名前、名前、名前。
私はパパの名前もママの名前も知らない。

ねえ、名前が無いから居場所が無かったの?
世界とパパが、世界とママが離れちゃったの?

どうして私を連れて行ってくれなかったの?
私には名前があったから連れて行ってくれなかったの?

どうしてパパとママと私は離れたの?
どうして私を置いて行ったの?
どうして私を残して逝ったの?

わかってるの、私が悪いの
私が言いつけを守らなかったから
私がパパとママの家を壊したの
私が私の家を壊したの


『お前には家が必要だ、自分以外の人間がいる家が』
『家……』
『でなけりゃ本当に、いつかは意志をなくして彷徨うだけの幽霊になっちまうぞ』


私はやっぱり幽霊です
ずっと彷徨っています
せっかくおうちが出来たのに
私はずっと目的も見つけられず――――――

『見つけてあげるwwwwwwwwwww』

何を?

『見つけてあげるwwwwwwwwwww』

だから何を?

おい、何処へ行く

おい待て

待って

独りに―――しないで

123 :教会の幽霊 :07/02/10 03:30:30 ID:???


「…………っ……」

目が、覚めた。
何か色んな夢を見てた気がするけど思い出せない。まあ、いつもの事だ。
きっと、長く生きすぎたせいで記憶が多すぎて、夢が煩雑になり過ぎてるんだろう。

えっと、ここは何処だ? 本部?
なんで本部に居るんだ私は。
眠る前、何をしてたっけ………………………………バタリアに居たんじゃなかったか?

「…………内藤!!」

あのお人好しのばか、約束を守らないばかは何処だ!
血を流してた、早く医者に―――

「お目覚めですか、第三位」
「え、ジャスマ? なんで本部にお前が居る?」
「ふふ、混乱しているようですね。ここは西の本部などではありませんよ、私の屋敷です」
「な……ぜ……私がお前の、あ、いや、失礼。貴方の屋敷に……?」
「お連れしたからですよ、私が眠らせてね」
「……………………………………………………………………………………貴様!! よくも私を!! 内藤はどうした!!!」
「ジャスマ、お前、貴方、貴様。どれかに統一して欲しいですな」
「答えろ!」
「生きていますよ、お友達は。いずれ会わせて差し上げましょう」
「ふざけるな、私が内藤に会うのに貴様に指図されるいわれは無い」
「えらく感情的ですな、第三位? まだ状況も把握できないとはナンバーが泣きますぞ」
「なに………」


なるほど、ジャスマに指摘されるのも当然だ。
私の右手は鎖に繋がれている。ふむ、鎖は上に伸びて、巻き上げ機に繋がっている。
拷問でもするときは、身動きできないように巻き上げて宙吊りにでもするのだろう。
両足にもご丁寧に重りが巻かれている。左手に鎖が繋がっていないのは、単純に左手が無いからだ。

部屋は六メートル四方といったところか、結構広めだ。
石造りで出入り口は一つしかなく、通風孔もなし。窓が無いためおおよその時間もわからない、灯りは松明だ。
壁には呪印が施されている、あれは魔法封じ。どうやら完全に拘束されているようだ。

「貴様の屋敷と言ったな、ウィンダスか?」
「いかにも」

という事は、飛空挺で運んだか。
少なくとも一日は経過しているだろう。それなのに左腕がまったく再生していないのは何故だ。
我ながら出鱈目な話だが、紛失したとしても一日もあれば少しは生えてくるのだが。

「腕はこちらで預かっていますよ、ほら」

ジャスマが私の左腕を指揮棒のように振り回した。
自分の体の一部を振り回されるのは、あまり気分の良いものではない。

「この悪趣味な格好もお前の仕業か」
「気に入りませんか? 貴方は女性だと言うのに色気が足りませんでしたからな」

何処から引っ張ってきたのか、私は白いふわふわした服に着替えさせられていた。絹だ。
手は動かないので確認できないが、どうも下着まで着替えさせられているようだ。

124 :教会の幽霊 :07/02/10 03:31:44 ID:???
「いや大変でしたよ、貴方は意識を失っても誰かが触れると大暴れしましてね。お陰で部下が二人死にました」
「ほう、あのヒュームの二人か。腕が立ったのに残念な事だ」
「ま、貴方を手に入れる代金だと思って諦めましょう。それにしても意識がなくとも抵抗するとは、素晴らしい戦闘本能と鍛錬ですな」

どうも根本的に勘違いしている。
私も知らなかったが、どうやらあの他人に触れられると走る激痛、そしてそれが酷い時に起きる無意識の殺戮は、はなから意識が無くとも発動するものらしい。
まさか今更、自分に関して新しい発見があるとは思わなかった。いちいち教えてやろうとも思わないが。

「ん? じゃあ私の服を着替えさせるのにも何人か死んだのか?」
「カカシを使いました、運ぶのも風呂に入れたのも着替えさせたのも。どういうわけか無機物には手を出さないらしい。
ご安心なさい、誰も貴方の体には触れていませんよ。まあ観察はさせて頂きましたが」
「ふむ、万死に値するな。後で殺してやろう」
「貴方が言うと冗談に聞こえませんな」
「状況は把握した。私は私の道具も武器も奪われ、貴様に完全に拘束されたのだな。おまけに片腕まで人質だ」
「さすがは第三位殿、立ち直りが早い。付け加えるなら、貴方のお友達も人質です」
「あれに人質の価値はないぞ、まあそう聞いても解放はしないだろうが」

性格が悪かろうが陰険だろうが、ジャスマ=ジマドが情報部十四課の主任である事は間違いない。
腕は一流だし、人質を逃がすようなへまはすまい。

「目の前で刻んでみせても同じ事を言えますかな………ああ、なんてつまらない台詞だ。こんな寸劇はもう止めましょう」
「そうだな、互いに本音で語ってもいい頃だ。で、何が望みだ」
「不死」
「簡潔だな。それで、なぜ私を捕らえる」
「貴方は不死なのでしょう?」
「さあ、どうかな」
「とぼけるのはお止しなさい、これまで何度か貴方を殺したはずです。だというのに平然とまた別の作戦で出くわす。不死以外に説明つかない」
「まあ妄想するのは自由だ。で、調べる為に私を解体でもするか?」
「いえいえ、推測はついているのですよ。貴方は魔物となんらかの契約をしていますね?」
「………ほう」
「貴方は金木犀の香りのする魔物、それと何らかの契約を結んでいるのでしょう? それを教えて頂けませんか?」
「金木犀? なんの話だ」
「我々の情報収集能力をなめて貰っては困りますな、貴方が追っているのは知っていますよ」
「ふん、あれは私も探しているが見つからん」
「それについてはご心配なく、手はあります」
「というと? ご教授願いたいが」
「わかりませんか、意外と鈍いですな。バタリアに現れた闇の渦、あれは偶然とお思いですか?」

あんな短期間にしかも二回も連続で私のすぐ側に現れた歪み。いくらなんでも妙だと思っていたが、あれは仕組まれていたか。
そうか、フォースが封印した歪みもこいつが作ったものなのだろう。そして金木犀の香りを振りまいて私をおびき寄せたのか。
まんまと引っかかったのは情け無いが、それにしても歪みを発生させるとは一体―――?

「世界を繋げるには、どちらの世界にも関わりのあった物が必要になります」
「うん?」
「簡単ですよ、魔物そのものが鍵」
「よくわからん。装置と言っていたと思うが、それで魔界と現世が繋がるのか?」
「ウィンダスではマナの枯渇を心配していましてね、研究が盛んです。現在のところクリスタルを用いた装置で空間の存在を曖昧にする事で魔界と現世を繋げるところまでは成功しています」
「驚いた、大したものだ」
「尤もマナよりも魔物の流入が激しくて実用化はしていませんが」
「触媒が魔物というのがまずいのかな」
「そのような技術的な話はどうでもよろしい、今は私の質問に答えなさい」
「いや興味深くてな、すまない。で、質問はなんだったかな」
「貴方が不死となった契約の内容ですよ」

少しいらついたようにジャスマ=ジマドが目を細める。
いい気味だ。

125 :教会の幽霊 :07/02/10 03:34:18 ID:???
「教えてやってもいいが、それをウィンダスの全員に広めるのか?」
「まさか。情報とは独占して初めて価値があるのです」
「じゃあこの件はお前の独断か」
「ええ、だから安心なさい。不死の法は私と貴方だけの秘密です」

別にそんな事は心配していない。
さて、この勘違いをどうやって利用してやろうか。

「話せば私と内藤を解放するか?」
「まあすぐと言うわけにはいきませんが、帰して差し上げましょう」
「約束は守れよ。では教えてやろう、不死になるためにはな」
「……………」
「奴に殺される事さ」

嘘じゃない。本当でもないが。
少なくとも私は一度殺されてから不死になった。

「………やはり、そう簡単には教えて頂けませんか」
「おい、悪い癖だぞ。取引か拷問の結果じゃないと相手の言うことを信じられないのか」
「黙れ馬鹿者め、素直に言えば痛い目を見ずに済むものを」
「拷問か。お前、実は趣味でやってるんじゃないか」
「………死なないとあれば、少々考えねばなりませんな」
「楽しくて仕方ないという顔だな、地が出てるぞ」
「黙れ!」

何処から取り出したか、細い剣をジャスマが私の胸に突き刺す。
さすがは情報部主任、性癖はどうあれ腕はいい。見事に私の心臓を貫いている。痛みがワンテンポ遅れてやってきた。

「ぐ………痛いじゃないか、ジャスマ」
「折角の服が血に汚れますな、やはり切ったり突いたりは趣味じゃない」

そういうと奴は扉を叩いた。覗き窓が開いて男の顔が見える。
ジャスマが何か指示を出すと、うなずいて何処かへ歩いていった。
やがて扉が開き、ヒュームの男が二人、水槽を運んできた。どうでもいいがこいつは部下にヒュームを使うことが多い。

「さあて第三位、いえいえもう知らぬ仲じゃない、スノウ殿とお呼びしましょう」
「不快だ、貴様にその名を呼ばれるのは」
「なんですかなその目は………ふん」

激痛が走る。
右目を剣で突かれていた。脳には達していない。
器用だなと、我ながら変な事に感心しながらジャスマを睨みつける。

126 :教会の幽霊 :07/02/10 03:35:39 ID:???
「貴方は呪いも使うそうですからな。世の中には邪眼というものもあるらしい、変な目つきで私を見ないことだ」
「お前の目つきのほうが、よっぽど変だと思うが。劣情か?」
「………痛みはあるでしょうに、よくまあそんなにも減らず口を叩けますな。さすがは機械と呼ばれるだけある」

呆れたように奴が言う。
部下の二人は私の事を良く知らないのか、眼を潰されても平然としている私を不気味そうに見ている。
「上げろ」とジャスマが指示を出すと部下の一人が私の背後の壁に歩み寄って、レバーを操作した。

じゃらじゃらと音を立てて鎖が巻き上げられる。
片腕が釣られて、足が宙に浮いた。そのまま二メートルほど上昇して巻上げ機が止まる。
足下に水槽が動かされた、なるほど水責めか。

「おいジャスマ」
「なんですかな、スノウ殿」
「だからその名で呼ぶな。折角の服を濡らす気か?」
「なあに替えはありますよ。降ろせ」

部下がまたレバーを操作すると、私は水槽に落とされた。
まだ寒いと言うのに、水に落とされるとはついてない。

「重りのせいで浮く事は無い。しばらく溺死を楽しむと良い、また後でお会いしましょう」
「……………」

さすがに、この責めはきつい。
私は私の体がどうなっているか考えた事があるが、たぶん不死ではない。
死んでも蘇るだけだ。魔物が死ねば霧となってまた再生するように、私も死んでから蘇るのだと思う。だから死なないわけじゃない。

ごぼっと肺から空気が抜ける。
腹腔と肺に水が流入する。苦しい、本気でこれは苦しい。空気が欲しい。

地獄のような苦しみの後、私は溺死した。
そして蘇る。蘇るが、またすぐに溺死する。酸素が足りずに脳がぼーっとしてきた。
よくまあ、こんな事を考えついたものだ………さすがに…………厳しい…………煉獄だ………………ふん…………負けるか………
たしか…………あのばか……………約束した…………………し………




127 :教会の幽霊 :07/02/10 03:37:31 ID:???
<9章>

内藤:ここ何処wwwww俺様は誰wwwwwwwww俺様は勇者内藤wwwwwwwwwwww
内藤:ぽんぽ痛いwwwwww姫wwwwケアルプリーズwwwwwwwwwwwww

ケアルは受けたが治療は受けていない。
魔物にやられた腹が、ずきずきと痛む。内藤は内藤でそれなりに苦しんでいた。

ジャスマ=ジマドにとってみれば内藤は脅迫に使う道具の一つに過ぎず、完全な治療も優遇も必要の無い存在であった。
なので扱いもぞんざい。監視していた限り、大した能力も持っていないので、とある部屋に放り込んだだけである。
一応、鍵をかけて閉じ込めてあるが手錠も足枷もつけてはいない。
持ち物は没収したが、武器も無ければ盾もなし。針と糸と後はトカゲの尻尾とか意味不明な物ばかりだった。面倒なので鎧もそのままである。

内藤:目が覚めたら超VIP待遇wwwwwさすが俺様wwwwwwwwwww
監視:うるせえ、黙ってろアホ
内藤:うはwwww従者がいたwwwww苦しゅうないwwww茶を持ていwwwwwwww
監視:そこに水があるだろうが、それ飲んで静かにしてろ
内藤:仕方ないwwwwゆるしてあげるwwwwwwwwwまだ慣れてないもんねwwwww
監視:何にだよ
内藤:俺様の従者にwwwwwwww

扉の外から大きなため息が聞こえてきた。
一応、監視が一人ついているようだ。逃がさない為というよりは、死んでは価値が無くなるからというところだろう。
それにしても監視役も不幸である。痛めつける事も出来ない監視対象なのに、やたら五月蝿いときている。

監視:はぁ〜、俺もあっちの姉ちゃんを見ときたかったなあ
内藤:女の子もいるの?wwwww
監視:なに人事みたいに言ってんだよ、お前の連れだよアホ
内藤:サン?wwwwww
監視:サンって言うのか? あの綺麗な顔した姉ちゃん。いまいちイメージとあわねえな
内藤:だよねwwwwwwwww俺様もそう思うwwwwwwwwwwwwwwww
監視:どっちかって言うと――――――って黙れ黙れ黙れ、人質が勝手に喋ってんじゃねえ

どうも監視役としてのこの男は、今ひとつ能力が高くないようだ。
だからこそ、あまり重要ではない内藤の監視に差し向けられたのだろう。
話を聞いている限り、基本的な人柄は極悪というわけでもなさそうで、恐らくジャスマ=ジマドの手下になって日も浅いと思われる。

内藤:サンは元気してた?wwwwwww俺様が助けたのwwwww大丈夫だよねwww怪我してなかった?wwwwwww
監視:んんー、左腕は無かったな。可愛そうによ、あれじゃメシ喰うのも不便だろうなあ
内藤:くっついてなかった?wwwwwwww
監視:はあ? アホかお前。粘土じゃねえんだ、切れた腕がそうそうくっつくかよ
内藤:wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww

ここでふと、内藤はサンに受けた呪いを思い出した。
遠く離れてしまうと死んでしまう呪い。だがまだ内藤は生きてる。

内藤:俺様wwww生きてるwwwwwwライフイズビューティフルwwwwwwwwwww
監視:何言ってんだ、このアホは

一応、内藤の中ではそれなりに連結した記憶なのだが、それを周りに説明もしないし、突然口にするから脈絡が無いように感じられる。
仮に内藤が全てを説明しようとしても、次から次に連想される記憶に従って話が飛び飛びになって、説明にならないのが常ではあるが。

128 :教会の幽霊 :07/02/10 03:38:43 ID:???
監視:あーあ、可哀想によ。唯一の味方のはずの彼氏がこんなアホじゃあな
内藤:サンがどうかしたの?wwwww
監視:お前、自分の状態がどうなってるかわかってないだろ
内藤:スイートに滞在中wwwwwwwwww
監視:そんな殺風景なスイートがあるかアホ。お前は監禁されてんだよカ・ン・キ・ン
内藤:キロ幾ら?wwwwwwww
監視:換金じゃねえよアホんだら、お前は、えっと、誘拐されてんだよ
内藤:誘拐wwwwうはwwwwwww俺様高いよwwwwwwwwwwwww
監視:扉に鍵がかかってんだろ、で俺はお前の監視ってわけだ
内藤:従者wwwwww
監視:違うわボケ
内藤:サンはどうしてるのwwwwwww俺様のハニーwwwwwwwww
監視:別のところでジャスマ様が問い詰めてる
内藤:ジャスマジャスマwwwwwwああwwwwあのエロそうなタルタルwwwwwwwwwwww
監視:………アホ、本人に聞かれたら殺されるぞ
内藤:エロタルがサンと二人きりwwwwww心配wwwwwwwwwww
監視:可哀想によお、今頃どんな拷問受けてるやら
内藤:wwwwwwwwwwwwwwwww出してwwwwwwww
監視:はあ?
内藤:すぐ出してwwww俺様をここからwwwwwwww

扉の向こうで、少しだけ中の人間を見直した雰囲気が漂ってきた。
言う事は支離滅裂だし、どうやら本当に頭のおかしい人間だと思っていたが、一緒に捕まった女性を心配する気持ちは本物のようだ。
少し居心地が悪くなったのは、やはりこの監視の男が根が善良な為だろう。

監視:………心配するな、少しは痛い目に遭うかもしれないがよ、すぐに会えらあ
内藤:やだwwwwwww今すぐ出してwwwwwwwwwwww
監視:おとなしくしててくれよ、騒ぐなら俺もお前を抑えないといけなくなる
内藤:wwwwwwwwwwwwwww

しばらく扉をガチャガチャと揺らしていたが、どうも無駄とわかって一度思い切り扉を殴りつけてからは大人しくなった。
馬鹿に思える内藤でも一応知恵はある。今は大人しくしていないと、会えるものも会えなくなるかもしれないと思ったのであろう。

監視:………死んでねえだろうな
内藤:俺様は死なないよwwwwwww絶対にwwwwwwwwwwwwwwww
監視:傷が痛んだら言えよ、死なせるわけにはいかねえからな
内藤:愛?wwwwww俺様のヒップを狙ってる?wwwwwwwww
監視:アホ

ここら辺のやりとりは条件反射のようなものである。
口を動かしながら自分の持ち物を探している辺り、なんとかしようという意識は確実にある。ただ、残念ながら何も見つからなかった。

内藤:俺様の持ち物は?wwwwwwwww
監視:預かった。持ち物つってもゴミしかなかったが
内藤:思い出はプライスレスwwwwwwww
監視:タダならゴミだな

もっともな言い分ではある。女性にはもてないだろうが。




129 :教会の幽霊 :07/02/10 03:40:33 ID:???
ジャス:上げろ
部下:は
サン:…………
ジャス:どうしました、不死身の第三位。まさか息の根が止まったわけではありますまい
サン:……
ジャス:ふむ、逆さにしてみなさい

部下が天井から下がっているフックに足枷を引っ掛ける。
そのまま手の繋がれている方の鎖を緩められると、サンは逆さに宙吊りになった。
ほんの少し経って、サンが強く咳き込みだした。五分以上はそうやって咳き込んで、ようやく水も出て落ち着いた頃、ジャスマが語りかけた。

ジャス:蘇生しましたか
サン:………や……あ………久しぶりだな……ジャスマ
ジャス:水の中にいる貴方は人魚のように美しかったが、陸に上がると濡れネズミですな。楽しんで頂けましたか?
サン:……………………
ジャス:起きなさい

ジャスマがサンダーの魔法を唱える。
雷撃に打たれ、サンが意識を取り戻す。

ジャス:さすがに堪えましたか
サン:………低血……圧でね
ジャス:ふむ、マグロでも吊り上げたような格好ですな
サン:いい………趣味だ…
ジャス:戻せ

部下がやや乱暴にフックから足枷を外す。人形のようにぶらぶらと揺れてサンの視界が上下を取り戻した。

サン:どう……した………逆さ吊りは……拷問の……常套だろう?
ジャス:………大したものですな、スノウ殿。これだけの責めの後にその強気、いくら不死とは言え感嘆に値する
サン:褒めても……褒美は無いぞ
ジャス:そしてその回復力、素晴らしい本当に!
サン:………………馬鹿が…
ジャス:さあ、三時間は苦しんだのです、そろそろ教えてくれる気になりましたか?
サン:ふ………言ったろう……………………殺されろ………と
ジャス:まだ足りなかったようですな、今度は一晩いかがですか
サン:……………………
ジャス:ふふふ、はははは、さすがに懲りているようですな。ですが手を緩めるわけにはいきません
サン:………嬉し……そうだな
ジャス:誤解ですよ。ただまあそうですな、時間はたっぷりあります
サン:…………
ジャス:ふむ、二度目の鞭の前に少し飴を差し上げましょう
サン:………?
ジャス:お友達に会わせて差し上げますよ、入れなさい

扉が開き、一人の男が部屋へ入れられた。
この場面で出てくるのは当然ながら内藤である。
いくら舐められているとは言え、さすがにこの場では後ろ手に手錠をかけられて、ジャスマの部下が一人ついている。

130 :教会の幽霊 :07/02/10 03:41:53 ID:???

内藤:wwwwwwwwwwwwお早うwwwwサンwwwwwww
ジャス:くはっ! くくくはははははははは!!! なんとまあ友達思いの男だ、この姿を見てお早うときましたか!
サン:や………あ……怪我は…………?
内藤:俺様勇者wwwww大丈夫wwwwwwwwwwwwww
サン:………そう……か
内藤:負けそう?wwwwwwwwwwwwww
サン:……………………………ふ………私は……………無敵…………だろう?
内藤:うんwwwwwwwでも少しピンチだねwwwwwwwwwwww
サン:……なに……………それほどでも……ないさ
ジャス:さ、これくらいでいいでしょう。降ろせ

無慈悲にジャスマ=ジマドが部下に命じる。
再びサンは水の中の住人に戻った。内藤はまばたきもせずにじっと見つめる、目はそらさない。
サンが内藤に苦しんでいると悟られまいと表情を強張らせた。大丈夫、私は負けないから、と。
内藤はその目を、じっと見つめてた。

ジャス:一つ教えておきましょう、この方の名前はスノウ。サンなどという名前ではありませんよ
内藤:サンがサンって言ったからサンだよwwwwwwwww
ジャス:ふむ、まあいいでしょう。そのサンが不死の秘密を喋ってくれないと貴方もいずれ死にますよ、少しは頼んでみたらどうです?
内藤:おkkkwwwwwwwサンwwww俺様は勇者だよwwwwwwwwww
ジャス:? 報告は受けていましたが、少々頭が弱いようですな。もういい、連れて行け
内藤:勇者な俺様の役目は?wwwwwwwちょっと待っててねwwwwwwwwwwwwwwww

内藤は再び部屋の外へ連れられて行った。
水槽の中でサンは内藤の遠い声を聞いていた。

勇者の………役目…………?…………………

『女の子を助けるのが俺様の役目』

サン:…………!…………!!!……!

水中で酸素も足りない、何を言っているかわからない。
意訳すれば、やめろばか、おとなしくしてろ、死ぬぞ、やめてくれ。と言ったところか。
だがその声にならない声は、当然ながら内藤に届かなかった。



131 :教会の幽霊 :07/02/10 03:43:03 ID:???
監視:……可哀想だったなあ、おい
内藤:wwwwwwwwwwwwwww
監視:お前、何か知ってるなら言ってやれよ。そうすれば助けて貰えるかも……
内藤:wwwwwwwwwwwwwww
監視:何されたか知らねえけどよ、あんな真っ青な顔色して
内藤:wwwwwwwwwwwwwww
監視:はぁ〜ぁ、やだやだ。仕事とは言えやだねえ、こんなのは
内藤:うはwwwwwww
監視:おっとっと、大丈夫か
内藤:ごめんねwwwwww足がふらふらwwwwwwwww
監視:良いって、お前も怪我してるからな
内藤:wwwwwwごめんねwwwwwwwwwwww
監視:良いから良いから、ほらしっかり歩け


再び、内藤は監禁部屋へ連れられてきた。
監視の男が部屋の一歩外で内藤の手錠を解く。


監視:ほら、中に入れ
内藤:wwwwwwwwwwwwごめんねwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww


内藤がすいっと背後に居た監視の男の、そのさらに後ろに回った。
この動きは通風相手にいつもやっている。


監視:え、うわ!
内藤:静かにしててねwwwwwwww
監視:な、て、てめえ!!?
内藤:俺様wwwwこれからサンを助けないとwwwwwwwwwお願いだから少し静かにしててくれない?wwwwwww
監視:ばっ


監視の男を部屋に押し、内藤は扉を閉めて盗んだ鍵で施錠した。
たとえ後ろ手に手錠をかけられていようと、ぬすむ技術は一級品だった。ナイトにはこんなマネは出来ない。


内藤:お願いwwwwww少しでいいからwwwwwwwwwww従者の事も助けてあげるからねwwwwww
監視:ばかやろう、ふざけんな!!! おい出せ、俺を出せ!!!!
内藤:後でねwwwwwww


そう言い残すと内藤は走り去った。
その方角は、今来た方向と違う。サンが閉じ込められている部屋の方向ではない。

監視:馬鹿、そっちじゃない! って違う、出せ馬鹿、アホ! …………あ〜あ…………誰が従者だアホが………こりゃクビだな……

そう言いながら監視の男は床に寝転がった。
どうせクビならしばらく黙っていてやるか、と、この男も何処かずれている。
内藤に関わる人間は何処かしら普段の姿からずれていくのかもしれない。
それが本意か不本意か、それはわからないが、何故か床に転がっている監視の男は苦笑いしながら少し楽しそうだった。

132 :教会の幽霊 :07/02/10 03:44:57 ID:???
<10章>

死ぬ
生き返る
死ぬ
生き返る
死ぬ
生き返る


脳が………動かない………頭が……馬鹿になってる。
時間…………の経過もわか…らない。
苦痛だけ…が絶え間………なく襲って………くる。

行か………ないで………
…………誰………を…………?
……ママ…………?
…………パパ…………?
…ファー………スト…………?
…………内………藤………?


『サードは好きな食べ物とか無いっすか?』
わたし………くるみ………………すき……


『セクシーなのと可愛いのとどっちがいい?』
かわいいの…………すき………


『凄く可愛いよ、お嬢ちゃん』
ほん…………と………?………


『痛くない?wwwwwwwwwww』
あた…………た……か…




133 :教会の幽霊 :07/02/10 03:46:13 ID:???
「起きろ、第三位!」
「……行か…………ない……で……」
「狂ったか? おい、しっかりしろ」
「………………………………」
「見えているか第三位、今から貴様の会いたい奴を呼んでやる」
「………………………」

ジャス……マ?
ん………む……………血が……巡りだしたな………

「おは……よ………酷い……顔だ……な」
「ええ、そうでしょうよ。事情がありましてね、早急に闇の渦を作る必要があります」
「ん…………?」

どうもまだ……頭が動かない
早い言葉についていけ…ない

「隠していても勘付くでしょうから教えて差し上げますよ、貴方のお友達が逃げ出しました」
「む………?」
「貴方を捨てて逃げたのですよ、おめでとう! くそったれ!」

そうか………うむ……それは………良かった
あいつ、意外と頭がいいじゃないか。うん、刺激で目が覚めてきた。そうか内藤は逃げたか。良かった、本当に。

「ふ……ふふ…………残念……だったな」
「ええまったく残念ですよ、こうなれば私の独断もばれるのは時間の問題、賭けに出なくてはなりますまい」
「賭け………?」
「貴方の腕を触媒に、金木犀の魔物を呼ぶのですよ。こうなれば直接交渉して不死の法を授けて貰うしかない」
「………何故……急ぐ?」
「まだ寝てますな? 貴方のお友達の口から私の名前が出れば、表沙汰にはならなくとも情報部の調査が入る。そうなれば計画が露見する!」
「……………ざまみろ」
「第三位!! 教えなさい、何をどうすればいいのですか、どうすれば不死になれるのですか、もう時間が無い」
「…………殺さ……れろ」
「………………あのお友達が逃げてもう丸一日が経過しています、本当に時間が無いのですよ」
「一日………? えらく……悠長だな…」
「新人の職務怠慢ですよ、あの愚図はあろうことか閉じ込められた部屋で寝てました。まったく信じられないクズだ」
「はは……は、上司に…似たな」
「…………教えなさい第三位、スノウ、私に不死の法を、如何に契約を結べばいいのかを。共に永遠を生きましょう」
「共に………………?」
「ええ、私と貴方とで永遠を生きましょう、共に歩んで行きましょう。そうして時間をかけて選別した仲間を増やし、不死の国を作るのです」
「…………断る」
「何故だ! そんなに私が嫌いか!」
「………………………」
「仕方ない、やはり賭けで動くしかないか。呼び出しますよ、いざとなれば貴方は生贄だ」
「………そう、上手くいくか……な? 交渉など……不可能と思うが」
「その時はその時、不死は諦めて魔物を封殺しましょう。貴方が呼び出した魔物を始末することにしますよ」
「なるほど……私に押し付ける気か…………私はどうする……?」
「水の中では貴方の活動も鈍る事は実証済みです、重りをつけて海の底に沈めてあげますよ」

ふむ、なかなか悪くない手だ。
強引ではあるが、こいつなら周りを言いくるめるだろう。
私を捕らえた独断はあるが、それも結果次第でどうとでもなる。

「なるほど。だが、そう上手くいくかな?」
「ウィンダスの封殺技術と十四課主任の肩書きを舐めない事です、始めますよ」

134 :教会の幽霊 :07/02/10 03:48:16 ID:???
ドクン、と胸が鳴る。
まさか本当にここにパパが呼び出される?
展開が早すぎる、事態は把握できているが心の準備がまったく出来てない。
私は、どうすればいい? 何が出来る?

相変わらず私は右腕一本で宙に釣られている状態で、身動きできない。
右目は再生しているが、左腕は――――――左腕は、何か変な筒に入れられている。

「お前達は四方に散って魔物の出現に備え、私が合図したら一気に封殺しろ。それまでは手を出すな」

ジャスマが部下の四人に指示する。相変わらず部下はヒューム。
もしかすると十四課の道具の機械部分はバストゥークからの技術流入があるのかもしれない。
なんて事を考えている場合じゃない、どうしよう、どうしよう、どうしよう。

「見ていなさいスノウ、これから呼び出します。これがウィンダス式特異点発生装置!」
「っ…………」

私の腕の入った筒を、なにやら怪しい台座にジャスマが設置する。
ガチャガチャと台座についているスイッチを操作して、ジャスマが呪を唱える。

「さあ繋がりますよスノウ! マナの根源、魔界の門! 見なさい、これが不死の登竜門だ!!」

私の腕が筒の中で分解されていく。うむ、気色悪い。
仕組みはまったくわからないが、私の腕はやがて粉のように細かくなって消えていった。
直後、私の目の前に歪みが発生しだした……!

「座標までは調整できます、規模は運任せですが」

ジャスマが何か喋っている。
だが私はもうそんなものは耳に入っていない、歪みからあの香り、懐かしいママの好きだった香り、金木犀の香りが―――

「ふふ、ははは、成功だ、来るぞ金木犀!」
「――――――!」

歪みの内側から、腕が伸びて歪みの縁を掴む。
魔界にありながら姿を保っていた?
歪みを広げようとしている?

135 :教会の幽霊 :07/02/10 03:49:46 ID:???
「さあ、私に不死を与える魔物よ! 出でよ!」

馬鹿な、ウィンダスの装置も理解できないが、魔物の―――パパの力も理解を超えてる。
物理的な力で歪みを広げるなんて、世界の壁を自力で広げるなんて、ありえない。そんなの魔物なんて枠を超えている。

「ジャスマ……閉じろ! 境界が切れる―――世界が千切れるぞ!!」
「あ――――――渦を封じなさい!!」

さすがに事態を察したか、ジャスマが部下に指示を飛ばす。
四方に散っていたジャスマの部下がそれぞれ一発ずつの弾丸を渦に投げ、式を唱える。

「待ちなさい! あの化け物が出るまで完全には封じるな!」
「馬鹿、そんな事を言っている場合か!」
「黙れスノウ、貴様は黙って見ているがいい」

歪みは点だ、世界の境界の隙間と言っていい。
だがそれを広げて境界線を切るなんて、世界を構成する線を掴んで広げるなんて無茶を可能にするなんて尋常じゃない。
交渉だと? いざとなれば封殺だと? 二つ世界を物理的に繋げるほどの相手に何を言っている。

「出てきたぞ―――閉じろ!!」

四人が式を強める。
腕が震えている。ジャスマは賢明ではあった、念の為に四人を配置したのは正解だ。
やがて狭まる歪みから、顔――――――面影のある顔が覗き、肩が―――私を乗せてくれた肩が見え、そして――――――爆発音が響いた。


「なんだ、何事だ!?」
「今のは上から聞こえたぞジャスマ、上でも何かしているのか?」
「いや、そんな事は――――――誰か状況を知らせろ!!」
「ジャスマ様、ご報告します―――何者かが敷地に侵入して、や、屋敷を破壊中!」
「な――――――」

136 :教会の幽霊 :07/02/10 03:51:42 ID:???
<11章>

糞樽:どけよwwwwwwwww
私兵:貴様らこそ散れ、ここは進入禁止だ
臼姫:糞樽、もういいわよ♪
糞樽:ん?wwwwwww
臼姫:面倒だからやっちゃいましょ♪
糞樽:いやほらwwwここ俺の地元だしwwwww一応穏便にしたいんだけどwwwwwww
通風:おーいwwwなんか怪しい地下への階段見つけたぞwwwwwってお前らまだそんなとこで何してんだよwwwwwww
私兵:き、貴様! いつの間に敷地内に入り込んだ!
通風:あ?wwwwザルじゃねーかwwwwwこんな見張りwwwwwwww
私兵:侵入者だ! 警笛鳴らせ!
通風:うざwwwwwwwwwほらwwwお前らもさっさと中に入れwwwwwwwww
臼姫:命令してんじゃないわよ^^^^^^
猫狩:はう〜、通風ちん格好いいにゃ〜〜〜〜
糞樽:そうか?wwwwwwwあーあーあーwww怪力がwww鉄の門をハンマーで吹き飛ばしてるよwwwwwww
臼姫:ちょっと撫でただけよ♪
私兵:捕らえろ! 殺しても構わん!
糞樽:#wwwww僕は悪くないたる〜〜〜ファイガ〜〜wwwwww
私兵:うお!? 気をつけろ、奴ら抵抗するぞ!
臼姫:あーもー面倒臭い、全部ぶっ壊すわよ^^^^
通風:やだやだwwwwwwスマートじゃねえなあwwwwwww
臼姫:ホーリー♪
糞樽:サンダガーwwwwフレアーwwwwwwww
私兵:ぎゃあああああ、屋敷が、屋敷が
猫狩:内藤ちん、早く行くにゃ
内藤:おkkwwwwww行って来るねwwwwwwwwwwwちょっと待っててwwwwwww
臼姫:あんたまた待たせる気? 遅刻の金貨はもう六千八百四十枚溜まってるんだから、急ぎなさいよ^^^^
内藤:うはwwwwwおkkkwwwwwwwwwwww
通風:あいつwwwww会えなかった時間をずっと数えてたのかwwwwwwwww
猫狩:ラブラブにゃね〜〜
臼姫:糞樽!
糞樽:ん?wwwwwwww
臼姫:ちゃんと時間を計っておきなさいよ、一枚だって取り逃さないんだから♪
通風:純粋に金の亡者なんじゃねえか?wwwwww
猫狩:ふぅ〜通風ちんは女心がわかってないにゃ〜
通風:そーかー?wwwwww
私兵:き、貴様ら……こんなことをしてタダで済むと……
戦死:なあアンタwwwwww
私兵:なんだ!
戦死:内藤って知ってるか?wwwww今走ってった奴wwwwwwwww
私兵:犯罪者など知るか…!
戦死:あのバカなwwwww笑ってたけどwwwああ見えてかなり怒ってんだぜwwwwww
私兵:な、なにをだ
戦死:知らねえwwwww
私兵:お、お前ら、事情も知らずにこんな事を仕出かしたというのか!?
戦死:あのバカがさwww腹から血出してwwwwww助けてくれってwwwwwwww十分だろ?wwwそんだけでwwwwwww
私兵:馬鹿な、お前らのやっている事は犯罪だ!
戦死:あ、そうwwwwww後で聞くわwwwwwwwwwwwww
飛子:内藤だから特別ってわけじゃないんだぜwwwwww他の誰が同じ事なってても、やっぱこうするよなwwwwww
戦死:そそwwwwww
私兵:ぶ、ブーメランが喋った?
戦死:知らないのか?www俺のブーメランはグラマーで、内藤はバカなんだぜ?wwwwww
私兵:な、なに?
飛子:戦死、俺も意味がわかんねえんだけどwww
戦死:ウチらじゃ常識ってことだwwwwwwじゃ、お邪魔するぜwwwwwwww
私兵:ま、まて
戦死:ウチの連中が揃ってなくて良かったなあwwwwww全員居たら水の区が全壊してたかもしれねえぞwwwwwww

137 :教会の幽霊 :07/02/10 03:53:06 ID:???
ぽろぽろと涙を流しながら戦死が歩き去る。
相変わらず行動と言動が合っていない。
やがて瓦礫すら吹き飛ばして八割は更地となった屋敷跡で、Booooomerangのメンバーがなんとなく集まった。

戦死:派手にやったなあwwwwwwww
糞樽:僕じゃないたる^^
通風:キモwwwwwwwwwお前調子に乗って古代ガンガン撃ってたじゃねえかwwwww
糞樽:事故じゃね?wwwwwww
猫狩:姫ちん、内藤ちんを追っかけないのかにゃ?
臼姫:待ってろって言ってたでしょ、じゃあ待つわよ♪

夕暮れ時、騒ぎに人が集まってきている。
恐れをなしてか遠巻きではあるが、確実に姿を見られている。だというのに誰一人として隠れようとはしていなかった。




138 :教会の幽霊 :07/02/10 03:54:28 ID:???

ジャス:ち……何が起きたか知らんが、構わん、私さえ不死になれさえすればいい!
サン:馬鹿が……
ジャス:黙れ! 貴様に、死ぬ事のない貴様に何がわかる!
部下:ジャスマ様、出ます!
ジャス:よし、私が交渉する。お前達はいつでも撃てるように構えていろ
部下:は


今や足まで完全にこちらの世界に出現した魔物に、一歩ジャスマ=ジマドが歩み寄る。
並みの魔物ではない、その姿の周りが歪んで見えるほどの存在感があった。
これほどの魔物を前に平然として見せているジャスマ=ジマド。どれほど性根が歪んでいようと心胆は並みの物ではなかった。

ジャス:金木犀の魔よ、我に不死の法を授けよ!
魔物:………
ジャス:どうした! 応えろ!

魔物が首だけをジャスマ=ジマドに向ける。
その目は赤く爛々と輝き、明らかに敵意を剥き出しにしていた。

魔物:************!
ジャス:ち、化け物が、言葉も通じないか!

魔物がジャスマ=ジマドに腕を伸ばす。
完全に殺る気だ、蛇のようにしなやかにジャスマ=ジマドの胸へ爪が伸びる。

ジャス:速い………撃て! 急所は外せ!

毬のように軽く飛んで魔物の一撃をかわしてジャスマ=ジマドが部下に命じる。
実を言えば、今の一撃でかなりジャスマ=ジマドは肝を冷やしている。かつてないほどの速さと力を目の前の魔物に感じている。
だが、それでも不死への憧れが強い。

四人の部下が魔砲弾の狙いをつける。
それが、遅かった。

魔物の腕が本当に伸びた。
その先で二人の部下が声も出さずに絶命する。
狙いなどつける必要はなかったのだ、ただ無闇やたらに撃っていてもどうせ急所は外される。
それほどの速さを魔物は持っていた。

部下:ひ……
ジャス:化け物が……!

ジャスマ=ジマドが顔を歪めたその時。
恐ろしいほど空気の読めない男が部屋へ入ってきた。

139 :教会の幽霊 :07/02/10 03:55:30 ID:???

内藤:うはwwwwwwwクライマックスwwwwwwwwww
監視:うわ、こんな場所に俺を連れてくんなよ
内藤:だって従者でしょwwww
監視:助けてくれたのは礼を言うけどよ、従者じゃねえよアホ
内藤:サンを助けるねwwwwww
監視:バカ! 危ねえぞ、入るな! ああ、あーあーあーあー、俺は入らねえからな!
内藤:控えておれwwww従者よwwwwwwwwww
サン:内藤!?
内藤:うはwwwwサンwwww下着が透けてエロティクwwwwwww
サン:みるな、ばか!
内藤:おkkkwww今外してあげるねwwwwwwww
サン:鍵は?
内藤:あの従者が見つけてくれたwwwwwwww
サン:従者? ジャスマの部下じゃないのか?
内藤:俺様の気高さにひれ伏したのwwwwwww

なにやらのんびりしているが、部屋の中は殺伐としている。
ジャスマ=ジマドと二人の部下が、もうなりふり構わずに魔物との死闘中である。
通常の魔物なら魔砲弾をかわせもせずに身が削られていくというのに、この金木犀の魔物は軌道を読むのか一発も当たらない。
弾切れを狙っているのか、魔物はあまり攻めてこないのがせめてもの救いであった。

内藤:おkkkwwww外れたwwwwwwwwwいこwwwwww
サン:ありが……待て、貴様、逃げたんじゃなかったのか?
内藤:逃げてないよwwwちょっと寄り道しただけwwwwwwwwww
サン:? まあいい、貴様達だけで外へ逃げろ。私はあれをどうにかしないといかん
内藤:wwwwwwwww会えたんだ?wwwwww
サン:………ああ
内藤:良かったねwwwwwwwww
サン:いいから行け!
監視:おい待てよ姉ちゃん、いくらなんでも無理だって。ジャスマの旦那に任せようぜ
サン:従者、黙っていろ
監視:誰が従者だ! いいからこっち来い!
サン:貴様らだけ行け、私はあれを……………あれを…………封じる義務がある
監視:かあ、姉ちゃんの方も頭がパーかよ! おい、せめてこれを着な。靴は悪いが見つからなかったけどな
サン:ありがたい


監視の男がサンにコートを投げる。
内にある銀の短剣もそのまま残っている。残数は二十五本、これだけあれば―――――――

140 :教会の幽霊 :07/02/10 03:56:48 ID:???

サン:う……む
監視:見ろ、ふらふらだろうが! 片腕も無いってのに何が出来る、おいアホ、その姉ちゃん担げ!
内藤:従者wwww生意気wwwwwwwww
サン:こら、抱えあげるな! 聞け!
内藤:やだwwwwwwwww
監視:こっちだ、急げ!
サン:く、ジャスマ! それは二百年以上生きている。お前では勝てん! 逃げろ!!


ジャスマ=ジマドの目が驚きに見開かれる。
まさか、そんな、馬鹿な、と。
そんな長い間生きている魔物と出会った事は無い。魔物は年月を経れば経るだけ強力になる。二百年、そんな馬鹿な!


サン:ジャスマ!
ジャス:………だとしても………不死は私のものだ!!
サン:馬鹿野郎!!
監視:早くしろよおい、頼むよ
内藤:おkkwwwww行こうwwwwwwwwwww
サン:ジャスマ……




141 :教会の幽霊 :07/02/10 03:58:06 ID:???

通風:さあこれからどうするwwwwwwww
飛子:お前ら見事に犯罪者だなwwwwテロリストだwwwwwwwww
臼姫:あら、私を捕まえられる奴がどこにいるのかしら♪
糞樽:オークピアッサーが弱点だろ?wwwwwwww気をつけろよwwwwww
臼姫:^^^^^^^^^^
糞樽:ぎゃあああああああああ
戦死:降ってきたな

陽も落ちかけて気温が下がってきている。
寒い寒いと思っていたが、とうとう雪が舞い降りてきた。

猫狩:綺麗にゃ〜
戦死:お前も大概ズレてるよなwwwwwwwww
通風:糞樽wwwwww白樽ちゃんは大丈夫か?wwwwwwwwww
糞樽:いてててwwwwwwああ大丈夫だwww
通風:龍王の墓に一人で行ったんだろ?wwwwだ〜〜いじょ〜〜ぶかな〜〜〜wwwwwww
糞樽:なんだよwwwその言い方はwwwww白樽ちゃんなら一人でも大丈夫だってwwwwwwwww
猫狩:にゃ〜、信じる二人は強いのにゃ〜〜
通風:ちぇwwwwつまんねえwwwwwwww
内藤:ただいまwwwwww
戦死:おかwwwwwwwwwww誰だそれwwwwww
内藤:俺様の従者と俺様の彼女の一人wwwwwwwwwwww
監視:ああもう、誰が従者だ。っておいなんだこれ、屋敷が無くなってる!?
サン:誰が彼女だ
臼姫:ふ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ん、綺麗な人じゃない^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^
通風:おwwwwww三角関係wwwwwwwwwwww
猫狩:なんだかワクワクしてきたにゃ♪
臼姫:猫^^^^^^^^^^^^
糞樽:まあとにかくこの場から離れようぜwwwwwwもう用は無いんだろ?wwwwwwww
サン:待て、貴様らは一体なんだ
通風:あwww俺だめwwwwwwこういう高ビな女は駄目wwwwwwwww
サン:口癖だ、許せ
通風:いーやwwwお前は命令するのが癖になってるwwwwwww軍人かwwwwww
サン:いや、違うが………私の事はどうでもいい、貴様らは何者だ
内藤:えっとねwwwこれが俺様のヒップの敵www通風wwwwwwwww
通風:殺すぞてめえwwwwwww
サン:あ、ということは………この生意気そうなのは糞樽で、そこの馬鹿っぽいのは戦死か
糞樽:おいwwwwwwww
戦死:酷いなwwwww

戦死は喜んだ。

142 :教会の幽霊 :07/02/10 03:59:07 ID:???

飛子:戦死wwwまた違ってるwwwwwww
サン:ぶ、ブーメラン!?
監視:なんだこれ……
臼姫:あんたら文句言ってんじゃないわよ、当たってるじゃない♪
サン:となると、そこのやきもち焼きそうなのが猫狩で、ハンマー持ってる勇ましいのが臼姫か
猫狩:はにゃにゃ…
糞樽:ぶははははwwww臼姫はハンマーとセットなのかwwwwww特徴わかってるじゃねーかwwww
内藤:凄いwwww当たってるwwwwwww俺様のナイスティーチャーが良かったんだねwwww
臼姫:内藤、後で覚えてなさいよ^^^^^^
内藤:うはwwwwww
糞樽:さwww話は戻すけどwwwさっさと離れ――――――


その瞬間、ガン、と何かが割れるような音がして地面が爆ぜた。
地下室のあった場所が、その内側から弾け飛んだ。
視線を奪われた内藤達の目の前に、小さな、赤い毬のようなものが落ちてきた。


通風:………首?
監視:ジャ……ジャスマ……様?

ジャスマ=ジマドの血まみれの首。
何故かその表情は、笑顔が張り付いていた。

サン:………内藤
内藤:なに?wwwwww
サン:降ろしてくれ
内藤:wwwwwwwwwwwwはいwww
臼姫:………ケアル♪
サン:ありがとう臼姫、少し楽になった
臼姫:左手は?
サン:まだ、無い


サンが懐に右手を伸ばす。
二本、柄を重ねるようにして短剣を握りこみ、順手と逆手に刃を構える。
その視線の先、土煙の中に、異形の影が見えた。

143 :教会の幽霊 :07/02/10 04:01:28 ID:???
<12章>

ジャスマ。お前、魔法封じの呪印を壁に施していたのを忘れていただろう?
馬鹿だな……戦力の半分を失った状態で戦うなんて。


「決して手を出すな……アレがお前達を傷つけるのも…………アレをお前たちが傷つけるのも………許せん」
「何言ってんだ、この高ビはwwwwwww」
「………いいのね?」

臼姫が念を押す。
私の答えは決まっている。

「私が――――――止める」
「…………わかった、しっかりやりなさいよ♪」
「おいwwwいいのかよwwwwwwwあれすげえ気配だぞwwwwwwwwwww」

糞樽がそれでも口を挟む。聞いていた通り、なんだかんだと人が良いらしい。

「行かせてあげようwwwwwww」

内藤が全てを抑えるように言ってくれた。

「そうかwwwwおいwww下がるぞwwwwwwwじゃ、頑張れよwwwwwwwwwwww」

戦死がまとめる。なるほど、確かに彼らは良い仲間のようだ。

「ありがとう。戦死、飛子、糞樽、通風、猫狩、臼姫、内藤。それと、従者」
「いやだから」
「さwwww行こう従者wwwwwwww」
「ああもう」
「ファイトにゃーーー!」

背後に遠ざかる気配を感じながら、妙に寂しさは感じなかった。
二百二十四年ぶりの再会、パパが目の前にいる。

逢ったらどうしようかと、ずっと考えてた。
謝りたかった?
責めたかった?

だけど私には義務がある。
教会の一端として果たさなければならない義務が。
貴方は魔物、そしてその腕で歪みを発生させる力を持つ。

「……………信仰が無いのは知っている
 裁かれるべきはきっと私

 けどそれでも
 止めなくてはならない

 もうこれ以上、過ちを見過ごすわけにはいかない
 私は負けられない、第三位と約束の二つ名にかけて!」

144 :教会の幽霊 :07/02/10 04:04:35 ID:???


奔る。
敵は私だと認識させる。
金木犀の香りがはっきりと鼻腔をくすぐる。

「          はっ!!」

順手に握った短剣を眉間に投じた。
奴はよろけもせずに前へ踏み出してきながら短剣をかわし、私に迫る。やはり強い!

身体がぶつかる寸前に奴の胴体から槍のように棘が飛び出してきた。
間一髪、横に跳ぶ。

「変形するのね……お互い長く生きすぎた、そう思わない?」

返事の変わりは爪。
伸ばしてきた腕がこめかみの横を突き抜ける。
そのまま前へ出るつもりだったが、伸びる腕の途中に鎌のような突起が生えて顔面を襲ってきた。
逆手の短剣で受けながら、身体を宙返りさせて勢いを逃す。

どうやら棘は身体の至る部分から自在に出せると思ったほうが良さそうだ。
相対的に見て速度はあちらが上。力も上。
私が勝っているのは経験だけか、だがそれもこれほどの異形を相手にどこまで通じる―――?

「エンサンダー!」

裸足の右脚に雷の魔法剣をかける。
肌を破って血が飛び散る。

「帰還地設定。我は帰る、此の場所へ」

瞬間移動用にデジョンの帰還地を適当に配置。

「全部、見せてあげる。私がどうやって生きてきたか」

袖に仕込んだ鋼線を伸ばす。
締める事も出来るし、使いようによってはこれが鋭利な刃物と化す。どちらかと言えば暗殺用。

「ホーリー!」

内藤に聞いている臼姫のホーリーには遠く及ばないが、それなりに威力はある。
だが、奴は易々と一歩退いて直撃を避けている。魔法も知るか、さすがは魔の世界の住人。

「っ    !」

駆ける。
私の得意は接敵してからの加撃、リーチでは伸腕の奴には勝てない。
奴の赤い目が光った。瞬間、目の前を炎が包む。精霊魔法まで扱う! それも睨むだけで!

「      !」

構わず突っ込む。髪が焼ける、肌が焼ける。だがそれだけだ、顔だけ守ればいい! どうせ治る!
炎の壁を突き抜けて距離を詰める。
初めて、奴が少し意表を突かれたような仕草を見せた。私の事など知らないのだろう、私が不死者になったなど憶えてもいないのだろう。

145 :教会の幽霊 :07/02/10 04:05:31 ID:???

「    っや!」

逆手に持った短剣を投じる。
続けて三本、懐から抜き出して連続で投げる。狙うは胴、四方を囲むように投げて完全回避を封じる。

奴は腕を振って短剣を薙ぎ払った。まるで空間が裂けるかのような凄い振り。
だけど隙が生まれた、もう一度懐に手を伸ばして順手に短剣を抜く。
腕が伸びてきた、降る雪を切り裂きながら私の首を狙ってくる。それを首を振ってかわしながら鋼線を巻きつけて、引く!

「*********!!」

腕を切断されて奴が跳んで下がる、私は影のように追う。
片腕同士、見た目は五分。
バランスが取れないのか、下がった先で奴が少しよろめいた。

「とった!」

短剣を胸に突き刺す―――

「………あ…」

寸前、腕が――――――奴の腕が再生して、私の胸を、あの日のように貫いてる。

「………がっ……………デ、ジョン!」

下がる、消えて下がる。
再び距離が開いた、七メートル。
目の前から消えて設定した帰還地に現れた私を見て、奴は警戒したように近づかない。

「………凄い…私より……………凄い再生力……ふ……ふふ…………不死も私より上か」

嬉しい、何故か凄く嬉しい。
きっと私は狂ってる、パパが私以上である事がこんなにも嬉しいなんて。

「楽しい? 私、凄く楽しいよ」

久しぶりだもの、パパに遊んで貰えるなんて

「ねえ!」

私の声に誘われたか奴が間合いを詰めてきた。
なんて速さ、その巨体が羽のようだ。

受ける。
腕を棘を蹴りを魔法を。

完全に受け流す事は出来ない一撃一撃が私を襲う。
やっと一人前と認めてくれたかのように容赦ない。
ああそうか、私は大人になったんだ、本気でパパと喧嘩できるくらい。

146 :教会の幽霊 :07/02/10 04:08:08 ID:???

『スノウ、お前は左が弱いんだよ、ほらちゃんと見ろ』


知ってる? 私には師匠がいたんだよ。
だから今ではもう左からの攻撃を捌くのは得意。


『お前は魔力がつええな、戦い方に組み込んでみたらどうだ』


この光の魔法も炎の魔法も全部、教えてもらった。


『……あのな、顔は傷つけるんじゃねえよ。なんでって? ばか、女は顔を守るもんだ』


「馬鹿な言葉。でもね、そう叱られるのが大好きだった――――――デジョン!」


押されて下がっていたところで瞬間移動、奴の背後に跳ぶ。
背中が見える、大きな背中。
手は空手。短剣を取り出す暇は無い、その背中を思い切り魔法剣を纏った右足で蹴り飛ばす。

「こっちよ」
私はこっち、見失わないで。



義務なんて何処かに飛んでしまってる、哀しみなんて遠ざかってる、今は楽しくて仕方ない。
このままずっと、私のお喋りを聞いていて欲しい。全部聞いて欲しい。
二百年! 私が何をしてきたのか、どうやって生きてきたのか聞いて欲しい。



百年以上握り続けてきた銀を懐から取り出す。
触れた瞬間に一本一本の癖がわかるくらいになったよ。

「******!」

奴が両腕を目の高さにあげた。魔法?
そのまま両腕を広げ――――――歪みを発生させてる!

「凄い……魔界を繋げるのね―――三点、簡易封印儀!」

正三角のそれぞれの頂点を成すように短剣を投じる。
速さを調節して投げた短剣は、歪みを囲むように同時に頂点に達する。

「圧縮封印式解除――――――閉じよ、則りは此処に守られる!」
「*****************!!」

歪みを封じられて怒った?
こんなふうに、幾つも幾つも幾つも幾つも幾つも、何年も何年も何年も、封印してきたの。
これが私の今の仕事!


147 :教会の幽霊 :07/02/10 04:09:22 ID:???
「それだけじゃない―――この手は―――」

何人も、普通の人間の血も吸ってきてる。
私の手は綺麗じゃない。
でも暗くて嫌な仕事ばっかりだったけど、たまには良い事もあったんだよ。

「はぁ………っぁぁぁぁぁぁっぁぁぁぁぁぁあ!」

声を上げて突っ込むなんて、物凄い無駄。
力を入れる瞬間だけ、整息の補助で声を出せばいいのに―――なのに、嬉しすぎて!

短剣に鋼線を巻きつけて投げる。
同時に円を描くようにステップを刻む。
首を狙った短剣は当たり前のようにかわされたけど、首を支点に鋼線が巻きつく。
切断できるほど強くは巻けていない、ならば

「サ――――――」

雷撃が鋼線を伝わって私を襲う。サンダー。
効いた。腕を伝い脊髄を伝い、脳まで突き抜けた。
内耳に霹靂が響き、頭が真っ白になる。

私がしようとしたした事を私より速く、私より強く、パパに先にやられた。
なんて戦闘センスだろう、これが二百年を生きた力!


「でもまだよ………まだ………聞いて!」


ああそうか。
私の話を本当に理解できるのって、同じ時間を生きてきたパパだけだもんね。
ずっと喋りたかったんだ、聞いて欲しかったんだ、受け止めて欲しかったんだ。
欲しい欲しいばっかり言ってごめんなさい。


「でもいいでしょ? 私は娘なんだもの、少しは甘えさせて!」





148 :教会の幽霊 :07/02/10 04:10:36 ID:???
<13章>

臼姫:……………
通風:……………
猫狩:……………
糞樽:…………………………すげえな
戦死:………なんだこれ、幻でも見てるのか?
監視:人間……じゃねえ………
内藤:サンは人間だよwwwwwwwwwww
飛子:不死身って奴だなwwwいやホント感心するわwwwwwww
糞樽:なんてまあ………wwwすげえ殺し合いだwwwwwwww
内藤:あれねwww殺し合いなんかじゃないよwwwwww
糞樽:じゃあなんだよwwwwww思い切り殺る気まんまんじゃねえかwwwwwww
内藤:喧嘩wwwwwwwww
糞樽:ばっかじゃねえのwwwwwwwww
戦死:内藤、お前いい加減教えろよwwwwなんなんだあいつらはwwwwwwww
内藤:ダメwwwwww秘密wwwwwwwww喋ったらサンが困るwwwwwwwww
通風:けwwwとんでもねえケチだなお前wwwwwwww猫、状況はどうだwwwwwwww
猫狩:…………………
通風:ダメだこりゃwwwwww完全に気を飲まれてるwwwwwwwwww
臼姫:………負けるわよあの娘
通風:お?wwwww
臼姫:元々、戦う前から弱ってたし。仮に全快でも実力差……って言うか回復力が違いすぎる♪
糞樽:なんで嬉しそうなんだよwwwwwwww
臼姫:だって、それでも負けないんでしょ^^?
通風:なんでだwwwwww
臼姫:内藤が動かない♪
内藤:さすがマイハニーwww俺様ラブリングwwwwwww戦死のお腹はデブリングwwwww
戦死:なんでだwwwwwww
監視:待て待て待て待て、さすがに無理だろ! あの姉ちゃんも人間離れしてるけど、あの魔物は本気でやべえって、なんとかしようや!
内藤:ダメwwwwwwwww見てるって約束したからwwwwwwwwww
監視:なんなんだよ、それはよお


死闘は続く、死なない二人の闘いが続く。
恐れをなしていた見物人も少しずつ戻ってきていた。


通風:どうでもいいがwwwwwwあれって人に見られるとまずいんじゃねえの?wwwwwwwww
糞樽:もうじきwwwそれどころじゃなくなるさwwwwwww
通風:間に合うか?wwwwwwww
臼姫:ま、糞樽のお手柄よね、これだけは♪
戦死:人目に触れたらまずそうだってだけで大層な手を考えたなwwwwwwww
糞樽:お前らとはココが違うのよwwwwココがwwwwwwwwwwww
白樽:お待たせ!
糞樽:あ、お帰り白樽ちゃん! 大丈夫だった? 怪我してない? お腹空いてない?
白樽:大丈夫だよ^^
内藤:何してたの?wwwww誰かとデート?wwwwwwwwwww
糞樽:冗談でもぶっ飛ばすぞwwwwwwwwwwww
白樽:うわ、すごいねこれ。焼け野原?
戦死:白樽ちゃんってwwwwなんかだんだんと染まってきたなwwww俺たちにwwwwwwwww
通風:この惨状みて感想これだけだもんなwwwwwww
飛子:女は強いんだよwwwwwww
臼姫:それで、どうだった^^?
白樽:ばっちりです^^ ほら、見えてきた

149 :教会の幽霊 :07/02/10 04:12:35 ID:???

暮れかけた空に黒点が一つ、次第に近づいてきている。

監視:なんだあれ……………げ、げ、げ、げげげげげげ、り、龍!?!!?
糞樽:おーおーwwwww張り切ってるぞwwwwwwwwww
戦死:ストレス溜まってたんじゃねwwwww
通風:相変わらずでけえなwwwwww

黒龍がウィンダスの空を舞う。
豪快にブレスを吐いて急降下、野原と化した一帯をなぎ払った。
見物人は龍の飛来にパニックを起こして逃げまどう。
やがて龍は、場に残ったのが内藤達と戦い続けている影しかなくなるまで好き勝手暴れると、彼方へ向って飛び去っていった。
不思議と家屋の一つも壊していない。

臼姫:またね♪
白樽:あれで良かった、糞樽君?
糞樽:ばっちりwwwwwさすが白樽ちゃんwwwwwww最高wwwwwwwww
監視:な、なんだったんだ、なんなんだあの龍は
内藤:友達wwwwwwwwww
監視:な
戦死:今度また何か持ってってやらないとなwwwwwwww
飛子:あwwww爪研ぐのがいいぞwwwwwwそういう細かいのが喜ぶんだよwwwwww
通風:岩石でも持ってけってのかよwwwwwwww
糞樽:白樽ちゃん、悪いんだけど
白樽:…………糞樽君達は残るんだね?
糞樽:これだけやって逃げるわけにもいかないしwwwwwwwww
臼姫:ストーリー的にはどんな感じにする^^?
通風:そういうのは俺に任せろwwwwwいいかwwこの屋敷の持ち主が悪魔召喚やっててwwwたまたま見かけた俺たちが――――――
猫狩:あ、はいにゃ、はいにゃ!
通風:んだよ猫wwww急に復活してwwwwwwww
猫狩:えっとね、とある国の姫様がその儀式のイケニエにされそうになってたってどうかにゃ
通風:却下wwwwwwツッコマれると困るwwwwwwwwwwww
猫狩:ぶーーーー
監視:………………はぁぁぁぁ、仕方ねえ。俺も証言してやるよ
内藤:ガンバレ従者wwwwwwwww
臼姫:何をよ従者♪
監視:従者じゃねえって……俺はあの屋敷に雇われたばっかだったんだ。そっち側の証言者になってやるよ、話は適当に作れよ
通風:おkwwwwお前見所があるじゃんwwwwww最後は龍が出てきて屋敷をぶっ壊していったってとこでいいよな?wwwwww
戦死:だなwwww悪いけど悪役になって貰おうwwwwwww
臼姫:ちょっと前後がおかしいけど、大丈夫かしら^^?
通風:細かいところなんて全部吹っ飛ぶさwwwwそれくらい龍はインパクトでけえってwwww後は口先三寸wwwwwwwww
糞樽:そういうわけで、しばらく事情聴取とかで忙しくなると思うんだwwwww
白樽:んもう。じゃあ差し入れ持っていってあげるね。あそこで闘ってる人………あの人にもよろしく言っておいて^^
糞樽:うんwwwwww
白樽:じゃ、会いにいくからね、いじめられても負けないで!
通風:なんか監獄に入れられるのと勘違いしてねえ?wwwwwww
糞樽:いいんだよwwwww差し入れが楽しみだwwwwwwwお前らにはやらんwwwwwwwww
通風:ケツの穴の小せえ事言うなよwwwwww
内藤:通風は大きいのが好きだもんねwwwwwww
通風:おまえほんと殺すわwwwwwww
監視:あーあ、お前らと関わったばっかりに職はなくなるわ重要参考人になるわ、散々だ
内藤:大丈夫wwwww従者は俺様が守ってあげるwwwwwwwwwwww
監視:だったら仕事くれ仕事
内藤:勇者様の壁wwwwwww
監視:捨て駒かよ!
戦死:まwww運が悪かったって思ってくれよwwwwwジュノに来たら一杯奢るからさwwwwwwwwww
猫狩:通風ちん
通風:なんだ猫wwwww
猫狩:そろそろ終わるにゃよ
通風:ん

150 :教会の幽霊 :07/02/10 04:14:06 ID:???


狩人は目が良い
視力だけではない、状況の流れを読む眼力に優れる
射抜く眼が終わりが近いと捕らえていた


通風:ふふんwwwあの女が負けたらwwww俺らがあの不死身の化け物の相手するのかwwwww
糞樽:厄介だなwwwwww白樽ちゃん帰しててほんと良かったわwwwwwwww
内藤:手を出したらダメだよwwwwwwwww何があってもwwwwwww
戦死:こっちにあの化け物がきてもか?wwwwwww
内藤:うんwwwwwwサンは負けないからwwwwwww
臼姫:仲良しなのね^^^^^^^^
内藤:うんwwwwwwwww困ってる女の子wwwwwwwwwwwww
臼姫:私の財布も困ってるの、何処かの誰かが遅刻の罰金を払ってくれなくて^^^^
内藤:今夜ベッドで払うねwwwwwwwwww
臼姫:あら、私の家に入るには金貨が一万枚必要なのよ♪
通風:バカップルは静かにしてろwwwwwww
戦死:じゃあお前も黙らないとダメじゃんwwwwwww
飛子:だなwwwwwww
通風:単なるバカも黙れwwwww俺は――――――
猫狩:決まるにゃ!


151 :教会の幽霊 :07/02/10 04:15:17 ID:???
<14章>

「はぁ………」

息が漏れる。
私の短剣は奴の胸に突き立っている。

お喋りはここまで。ごめんね、ずっと私の事ばっかり喋って。
でも嬉しかった、泣きたいくらい楽しかった。
飢えが、満たされた。もうお腹いっぱい。
出来ればパパの話も聞きたかったけど

「ごめんなさい………もうこれまでみたい」

私の腹と胸に棘が六本突き抜けている。
心臓が止まる、これでもう、しばらくは身動きできない。
パパは胸の傷なんてなんともない、やっぱり強いね。

ずるっと短剣から手が離れる。
意識が遠ざかる、これからまたしばしの眠りに落ちるんだ。
どうせなら眠るまで抱いていて欲しいなあ。

「また……次会えるのは………どれくらい先……か………な」

うつ伏せに倒れこんだ。
パパは無言。
そっか、聞こえなかったか。
まいっか、またいつか、遠い時間の先で会えるんだし。



ゆっくりと、意識が遠のいて世界が黒く染まっていく………





152 :教会の幽霊 :07/02/10 04:16:09 ID:???
『いいか、本当のチャンスってのは一度しかねえんだ。その時が来たら絶対に逃すな』

………………なんですかファースト、何を言ってるんですか?

『いいかいお嬢さん、怖くても逃げちゃダメだよ』

なあにパパ?

『……ル』



『……エ………ル』

マ――――――マ?

『…………パパを、止めてあげて』

魔法?
何これ、なんて魔法?

『魔女の蘇生術って言うの。一度だけ、貴方が本当に生きたいとき、少しだけ手助けしてくれる』

なに、それ?

『貴方が五歳のときにかけた魔法、私の命をわけた魔法。さあ立ち上がって前を見て』

眠いの

『いいえ、この魔法が動いたという事は、貴方は本当は立ち上がりたいはずよ』

本当、は?

『こんな日が来るのを私は薄っすらと視えてた。だから私は魔法をかけておいたの』

みえ………?

『立たないといけないでしょ? もしかして、好きな人でも出来た? なら、さあ、勇気を出して』

まって、マ………






153 :教会の幽霊 :07/02/10 04:17:27 ID:???
「マっ…………………………………」

体が、動く。
何か夢を見た、何だか体が温かい。

「どうせ死なないのに……どうして今なの……? 何を言っている………私は……」

パパの背中が見えた。
その先に、ばかが一人で立ちはだかってるのが見える。
ああもう、あのばかは。どうして剣も盾も持たずに、何をしているんだ。

「俺様wwwwオマエ傷つけないwwwwwwwwwオマエwww俺様傷つけないwwwwwwww」

何か呪文みたいに叫んでる。
まったく、ばかなんだから、私が言った事をそんなに大事にしなくていいのに。
お前がそんなだから、私も約束を破れないじゃないか。

そっと立ち上がった。
ああ、せっかく内藤が直してくれたコートが穴だらけだ。

ねえ、ママ。パパは本当は止めて欲しいんだと思う?
私にその資格があると思う?

膝ががくがく揺れてる。
ああ、凄く眠い。
だと言うのに足が止まってくれない。

おうちに帰りたい
あの頃のおうち
あの小さな小屋
ママにただいま
パパにおかえり
みんなで並んでおやすみなさい
何も無かった、だけど何も足りないものもなかった
あの頃に、帰りたい

「………私は無理………でも…………パパは帰してあげるね」

あの家に
小窓が可愛いあの家に
金木犀の香るあの部屋に
今、帰してあげる

そしてね、もう一つ、パパに聞いてもらいたい事があるの
私、変な人に会ったよ

何言ってるかわからなくて、えっちで、おしゃべりで、すごくたよりにならない

でも、あたたかいの
どうしようもないくらいあたたかいの

いま、パパの目の前にいる人
ねえパパ、その人は殺しちゃだめ
やくそくしたの、わたしにたのしいことを探してくれるって
そのかわり、私はまけたらだめなんだって


だから―――――――――――――――

154 :教会の幽霊 :07/02/10 04:18:50 ID:???


「……圧縮封印式解除…………閉じよ、汝が家は此処にあらず…………ごめんなさい………」

やけにあっさりと、封印の短剣はパパの背中から急所に入り
私の同時封殺は簡単に成功した

銀の短剣がその身に秘めた封印式を解放して弾け飛び
ゆっくりとパパが振り返る
じっと私を見つめている
瞳の赤光が次第に弱まっていく

手を伸ばして、その胸に触れてみた
すごく、あたたかい

そんな私をパパはじっと見つめてる
私を焼き付けるように見つめて―――


「………………どうしたんだい、お嬢さん。涙なんか流して」
「パ…………………」
「折角の美人さんが台無しだよ」

声に…………ならない………

「長い……悪い夢をみてたみたいだ」

もう死んでもいい
夢中で胸にすがりついた

「………苦労させたようだね」

いいの、そんな事はどうでもいいの
だって私のせいだもの

「ごめ………ごめん…………ごめん……なさい…………パ……………パ…………ごめん…………な……さ……」
「いいんだよ、全ては偶然だったんだ。お前が生きてくれただけでパパもママも幸せだ」

言葉が…………何も浮かばない

「家はあるのかい?」

家………あるよ
ファーストがくれた家が
たくさん人がいるの、私の部屋もあるの

「良かった……安心した」

待って、行かないで
言葉を終わらせたらパパが行っちゃう
なのに、何も口に出来ない……
行かないで行かないで行かないで!

「綺麗な格好して………花嫁さんになるのかい?」
「え………」

もう――――――目が―――見えてない?
血に染まった白い服が
きっと、パパの目には白いドレスと赤い模様にしか見えてないんだ

155 :教会の幽霊 :07/02/10 04:20:02 ID:???

「…………………うん、好きな……人がいるの」
「そうか、幸せにね。ママとずっと見守ってるよ………」

行か…………ないで

「わた………わたし………だ………だい……じょうぶ……………安心して……パパ」

行って欲しくないのに
どうしてこんなお別れの言葉を言うの

「愛してるよ―――――――――」

羽が風に飛ばされるように
パパは、きっとママの許へ行ってしまった
残り香が風に舞って消えていった

雪が、降っている

私が生まれた日も降っていたらしい

そんな、どうでもいい事が頭に浮かんだ








156 :教会の幽霊 :07/02/10 04:21:28 ID:???
<15章>

内藤:サンwwwwwwwwwww
サン:………………
内藤:帰ろうwwwwwwwwwカゼひくよwwwwwww
サン:………………終わった
内藤:うんwwww長かったねwwwwwwwwww
サン:………………うん、永かった
内藤:お父さんwwww幸せそうな顔してたよwwwwww
サン:そう………見えた?
内藤:うんwwwwwwwwwwwww
サン:…………良かった


臼姫:さあさあ、折角のところ悪いんだけど、飛ばしてあげるからここから消えなさい♪
サン:?
臼姫:後始末があるでしょ、こっちでやっておくからあんたらは行きなさい♪
サン:あ、でも………
臼姫:全部任せなさいって^^ それにあんたの為にやったんじゃないんだから♪
サン:?
臼姫:私たちは、そこのばかに手を貸しただけ。お礼も何も全部こいつが払うから心配しなくていいわよ^^
内藤:うはwwwwwwwwおkkkwwwwwwwww
臼姫:何処がいい? ラテーヌでいいでしょ、もう面倒臭い♪
サン:あ……………あ、待って

歩き出そうとしてサンが倒れた。
完全に足にきてる。

サン:…………っ………あ、こらまた………
内藤:いいからwwwwwwほらwww花嫁さんみたいwwwwwww
サン:………そうだな…

内藤に抱えあげられて戦闘の跡地に進んだ。
帰還地の設定を消さなくてはならない。
これほどの状況にあっても、まだそれを考える事が出来たのは、冷静というよりもむしろいじましい。

サン:帰還地点設定………解除
内藤:おkkkwwwwww帰ろうwwwwww
サン:…………待って、降ろして
内藤:忘れ物?wwwwwww
サン:そこにいて………

ゆっくりと、足を引きずりながらサンが歩いた先に、十四課主任の首が転がっていた
もう硬くなっている瞼を無理に下ろして、その顔についている血をサンは拭いてやった

157 :教会の幽霊 :07/02/10 04:22:48 ID:???
サン:ジャスマ………


ジャスマ、お前は悲しい男だったな
だが、お前は私より人間らしい人間だった

私の不死は、私にしか体現できないものだ
他の誰にも分けてやる事は出来ない、不可能なんだ

そして私と同じ不死を得たところで……人と触れ合えぬ孤独が待つだけだ
それに…実を言うとな、私は不死ではない

半魔の私は、致命傷と同時に封印を受ければ死ぬよ
完全じゃないんだ

なら、もし私の不死が皆にいきわたっても
結局人は殺しあうだろう
むしろ自然死がないだけに、殺し合いが横行すると思う

それは、地獄だ

ごめんな、ジャスマ
正しくお前に伝えていれば、お前も思い止まってくれたかもしれない

私の不死の法は誰にも伝えない
完全ではない不死は、地獄を産むだけだ

さよなら、ジャスマ=ジマド
お前は共に永遠を生きようと言ってくれたな
どのような意図があれ、あの言葉は、私は、本当は、少し嬉しかった

憎む相手だとしても、共に歩む者がいれば、きっと心は少し楽になるのだと思う
だから、ありがとうジャスマ、私と行こうと言ってくれて。私とパパを会わせてくれて
そしてごめんな、お前に不死はやっぱり耐えられなかったと思うよ
せめて私に出来る事は祈ってやる事だけだ、いいだろう?


サン:―――女神よ、どうかこの者の罪を許し給え………願わくば、貴方の御許へ……魂が召されん事を

158 :教会の幽霊 :07/02/10 04:24:11 ID:???

内藤:優しいねwwwwサンはwwwwwww
サン:残酷だよ、私は
内藤:そうwwwwwでもいい子だよwwwwwwwww
サン:…………ありがと
内藤:さwwww帰ろうwwwwwww
サン:うん




臼姫:ふ〜〜〜〜〜〜ん、お姫様だっこねえ^^^^
サン:す、すまない。その、足が
臼姫:別に私に謝る必要なんてこれっぽっちもないのよ^^^^
サン:あの………
臼姫:ふぅ………ま、よく頑張ったわね。お疲れ様^^
サン:………ありがとう
臼姫:あんたが私達に礼を言う必要はないってば♪ 私に礼金を払うのは、そのばか。そのばかに礼を言うのがあんた♪
サン:はあ……
臼姫:まったく、お腹から血を流してジュノに駆け込んできたかと思ったら、私達を引っ張ってくのよ^^^^
サン:……すみません
通風:でよwwww理由はなーーーーーーんにも言わねえでやんのwwwwwwwサンが困るって言ってwwwww
猫狩:ラブラブにゃ?
サン:事情………聞いてないんですか?
糞樽:聞いてないwwwwwまwww必要もないがwwwwwwwww教えてくれるのか?wwwww
サン:あ、いえ………すみません、やっぱり秘密で
糞樽:だろwwwwwじゃあいいよwwwwwwwwあとそだwww白樽ちゃんがよろしくってよwwwwwwww
サン:ああ……貴方の可愛い彼女の
糞樽:内藤!wwwwww
内藤:なにwwwwww
糞樽:お前wwwwいい奴だなwwwwwwww褒めてやるwwwwwwwwwww
サン:内藤の彼女候補の一人だとか………
糞樽:やっぱ殺すwwwwwwww
内藤:うはwwwwwww
戦死:いつまで話してんだよwwwwさっさと行けってwwwwwwwwww
臼姫:はいはい♪
飛子:それにしてもwwwwやっぱり内藤生きてるなwwwwwwwwww
戦死:だなあwwwwwやっぱバカだこいつwwwwwwwww
サン:?
戦死:いいってwwwwじゃあなwwwwwwwwww
臼姫:じゃ、飛ぶわよ♪
サン:あ、ありがとう皆さん、本当に―――
監視:ま、無事で良かった
通風:へwwww「貴様ら」よりは良い言い方になったじゃねえかwwwwwwwあばよwwww
猫狩:またにゃ〜〜
糞樽:元気でなwwwwwwwwwww
飛子:お疲れ様wwwwwwww
戦死:ジュノにいるからwww気が向いたら遊びに来いよwwwwwwww

159 :教会の幽霊 :07/02/10 04:25:45 ID:???


二人は臼姫のテレポでラテーヌ高原へ飛んだ
もう時間は夜に入っていて、辺りに人影は無し


臼姫:じゃ、私は戻るから。内藤、ちゃんと送ってあげなさいよ^^
内藤:おkkkwwwww任せてwwwwwwww俺様専用回るベッドに送り届けるwwwwwwwww
臼姫:このばかが本当にそんな事したら、殴っていいからね^^^^
サン:あ、はい。あの、さっきの飛子と戦死が言ってたのは………?
臼姫:ああ、このばかね、もうすぐ死ぬからって言ってたのよ。俺様はもうすぐ死ぬからサンを助けてって^^
サン:?
臼姫:呪いがどーとか言ってたけど、ほら結局死んでないでしょ? 何か勘違いしたのよ、ばかだから♪
サン:あ―――そうか、寝てたから………
臼姫:どうかした^^?
サン:あ、いえ、えーと………何でもないです
臼姫:そ。じゃあさよなら、また逢えたらご飯でも奢ってよね♪
サン:…………色々、ありがとう
臼姫:ふふ、どう致しまして。格好良かったわよ、じゃあね^^




サン:良い人達だったな……
内藤:でしょwwwwwwwwwwサンの仲間だよwww
サン:私…の?
内藤:そうだよwwwwもうそうなってるのwwwwwww手遅れwww
サン:そっか……それも、悪く………ない
内藤:サン?wwwwwwww
サン:眠い………糸が……切れたみたいに…………
内藤:おやすみwwwwwww
サン:お願い…………起きた時………
内藤:うんwwww大丈夫wwwwwwww安心して眠っていいよwwwwwwwwwww




160 :教会の幽霊 :07/02/10 04:27:11 ID:???
<余章>

目が覚めた。
夢も見なかった。だから、昨日の事が余計に夢のようだ。

「ここ、は」

ラテーヌ高原だったっけ。
テレポイント傍ではない。どうやら内藤は私を抱えて移動してくれたみたいで、ここは池のほとり、林の中。
内藤は木に寄り掛かるように眠っていて、私はその膝の上に乗って内藤に抱きついて寝てた。

恥ずかしいとか以前に、申し訳無い気分になった。
重かっただろうに、ずっとこうしていてくれたのか。
ずっと……ってどれくらいだろう。臼姫と別れたのが夜の始まりくらいだったけど、今は朝。夜明けすぐくらい。
随分と長く寝てしまった。

そっと起こさないように内藤から離れる。
寒そうに見えたのでコートを脱いでかけてやった。血だらけで穴だらけだけど、無いよりマシだろう。

池に出た。
気温が低いからか水面からはもやがあがってる。小さな池だけど水は澄んでいた。

「酷い顔……」

波のない水面に映った顔は、血と土で凄い化粧だった。
夜見たら子供は逃げ出すくらい。
顔を洗おうとして気付いた。左腕が再生してる。
そうだろうとは思っていたが、やっぱり私の身体はこれまでと変わりないようだ。

「………不死じゃなくなってたら……」
内藤と一緒に行けたかもしれないのに、とは口にはしなかたった。口にしたら帰れなくなりそうだったから。

顔を洗ったあと、ふと思いついて絹の服の袖口を濡らす。
さっきの場所に戻ってもまだ内藤は眠っていた。
濡らした袖をしばらく握って、少し温もってきたところで内藤の顔を拭いてやった。内藤も土埃で酷い顔してる。

「……死ぬってわかってて、助けを呼びに走ってくれたんだって」

呪い―――私から遠く離れたら死ぬ―――が解けたと知らずに、命懸けで。腹の傷も痛かっただろうに……
胸が熱くなった。
このまま連れ去ってしまいたいくらい、胸が痛い。
もし私がただの不死じゃなくて吸血鬼だったら、迷わず血を吸って仲間にしてたかも。

「花嫁……か」

パパに内藤を紹介してたら、喜んでくれたかな。
そんな光景を想像して少し悲しいけど、少し楽しくなった。


手にそっと触れてみた。
やっぱり痛くない。
やっとわかった事がある、内藤には悪意が無いんだ。

161 :教会の幽霊 :07/02/10 04:28:14 ID:???
悪意とは何か。
それは明確ではない。
欲望や嫉妬、競争心や闘争心が必ずしも悪意を含んでいるとは思わない。

だが人が人と居れば、何がしかが心の奥底に生まれるのだと思う。
ママは独りだった。生来の気質もあっただろうけど、独りだったから悪意を持つ事も無かったのかもしれない。

内藤は独りじゃない。
独りじゃないのに、悪意を持たない。悪意というものが心に発生しなかった。
きっと、そんな人間は周りからみれば愚者でしかないのだろう。

だけど、なんて強いんだろう。
それは岩のような強さじゃなく、きっと空のような強さ。
澄み渡る空のように、ふわふわしてるのに、汚される事のない……


「………………帰らなきゃ」
「お腹も空いたしねwwwwwwwwww」
「わ、うわ、わっ!!!」

お、驚いた。
顔が凄く近いのに、急にばっと目を開けるから本気で驚いた。

「お、起きてたのか」

なぜか髪が変じゃないかとか、顔に汚れが残ってないかとかが凄く気になる。

「今起きたとこwwwwwwうはwwwwごめんwwwww俺様良く寝たwwwww寝る子はガッツwwwwww」
「………そうだ、寝すぎだ。まったく」

昨日から心にも無い事を口にする癖がついてしまった気がする。
どうしてか、ずっと抱いててくれた事に対して、ありがとうとか言うのが恥ずかしい。

「じゃwwww行こうwwwwwwwwwwwwww」
「お、おい、手を引っ張るな、何処に行く気だ」
「楽しい事探しにwwwwwwwww約束したでしょwwwwwwww」
「あ………」
「どうしたの立ち止まってwwwwwwwww早く行こうwwwwwwwwwwwwwww」


掴まれた手を強く握り返して、私は立ち止まった。
一緒に行きたい、一緒に生きたい。けど、私は


「ごめん、私はやっぱり帰るよ」
「どうして?wwwwwww」


それは、貴方の帰る家が無くなってしまうから。
私と行くという事は、彷徨うと言う事だから。
そして、私には帰る家があったから。
そう、私には家がある。こんな私を置いてくれた家が、ファーストが迎え入れてくれた家が。

162 :教会の幽霊 :07/02/10 04:30:16 ID:???

「………お前は処理部の入隊資格無しだ、生涯誰にも処理部の事を話さないと誓えるか?」
「サンが喋っちゃダメって言うならwwwwwwwwwwww」
「そう。なら見逃してやろう、本当なら始末しないといけないのだが、特別だ」
「サン?wwwwwwwwwwwww」
「…………………今までありがとう内藤、たくさん助けてくれて」
「勇者は女の子の味方だからwwwwwwwwwwww当然wwwww」


本当に、ただそれだけの為に、命を懸けて―――


「……皆にもありがとうって伝えて。それだけしか言える事がない……本当に感謝してる」
「wwwwwwwwwwww本当に帰っちゃうの?wwwwwwwww俺様約束破るのイヤンwwwwwww」
「約束のためだけ?」
「一緒においでよwwwwwwwwサンのこと好きだからwwwwwwwwwwww」


なんて、まっすぐに私を見てくれるんだろう


「………一つだけ忠告。私や皆に対する好き、と、臼姫への好き、はちゃんと区別しないといけないぞ」
「wwwwwwwwwwwww」
「でないと、本当に幸せにしたい一人を幸せに出来なくなる………年寄りからのアドバイスだ」
「大丈夫だよwwwwww俺様は勇者だからwwwwwwwwwwwwww」
「―――そう、だね」


さあ、行こう
これ以上ここにいると、帰れなくなってしまう
ああ、その前に知っていて欲しいことがあった


「十二月二十五日。遠い遠い世界ではその日をノエル、と言うらしい」
「ノエルwwwwwwwwww」
「それが本当の私の名前。世界で他に誰も知らない、憶えていて欲しい」
「忘れないよwwww絶対にwwwwwwwwwwwwwww」
「ありがとう。じゃあ、行くよ。いつか教会を通じて礼を――――――」
「俺様も一緒に行くwwwwwwwwwwwwwノエルの仕事を手伝ってあげるwwwwwwww」


相変わらず、何も考えていないのはわかってる。
まったく、処理部に入るというのがどれほどの事かわかってない。
抜ける事は出来ない。死ぬまで裏に生きなければならない。いや、死んでも表には戻れない。
そういった事を何も考えずに無思慮に「手伝う」なんて口にする。なんて愚かなんだろう。


けど―――きっと内藤ならその苦労も痛みも、事も無げに、誰も恨むことなく乗り越えていけるのだろう。
だから、一緒に


―――来て欲しくない


貴方を必要としている人達は沢山いるのだから、私が独占してしまうわけにはいかない。
何より、これ以上一緒にいたら、私は貴方なしでは生きていけなくなる―――そうなりたいけど―――でも

163 :教会の幽霊 :07/02/10 04:32:01 ID:???


「―――臼姫もいるしね」
「え?wwwハニーがどうかしたの?wwwwwww」
「なんでもない、手伝いは要らないって言ったんだ。私は大丈夫だから、心配しないで」
「本当?wwwwwww」



嘘じゃない。
今の私なら、今までとは少し違った形で処理部に在り続ける事が出来ると思う。
少しだけ肩の力を抜いて皆と会える気がする。

そして、貴方と会えた事を忘れなければ、きっとずっと頑張っていける。
「負けない」っていう、ただそれだけの、そのひとひらの約束があれば、私は無敵になれる。



「本当。だから、ここでお別れだ…………」
「また会おうねwwwwwwその時はもっとデートしようwwwwwwwww」
「いや、もう会えない。私達は表の人間と関わっては―――」
「まwwwたwwwねwwwwwww」
「………………そうだな。また、いつか、どこ……か…………で」


――――逢えるものなら、逢いたい


「泣かないでwwwwwwすぐまた会えるよwwwwwww」



………やっぱりこいつはばかだ
隠そうとしてるんだから、涙とか見ないふりしてくれればいいのに。本当ばか!
それに、こっちが切実に願った事を、なんでもなさそうにあっさり言うな!



「泣いてない………ばか」
「うはwwwwwおkkkwwwwごめんwww見間違いっちんぐwwww」


なんか急に
少し腹が立った
少しおかしかった
少し嬉しかった


だから、私はやっぱり呪いをかけてやろうと思いついた
また会えるなんて幸せな事を言ってくれる貴方に、ならば会ってみせろと呪いをかけよう



164 :教会の幽霊 :07/02/10 04:33:06 ID:???
「内藤………」
「なに?wwwwえ、」


唇を合わせて呪いをかけてあげよう
また会えると願いを込めて、呪いをかけてあげよう


「―――もしまた会えたら、その時は続きをさせてあげるw」


言葉をもって呪は完成する
これで、また会いたいと願う筈
私の事を忘れられない筈
いい気味だ、無責任な言葉には相応の報いが必要なのだ


「さよ――――――またね!」


人を呪わば穴二つ
頬が凄く熱い。どうやらこの呪は術者である私にもかかってしまったらしい
これ以上、ここに留まってたら呪に喰われてしまう。帰れなくなってしまう。だから早く逃げ出そう


「―――デジョン」


本当は、彼は本気で私と会えると信じているのはわかってる
また会いたいと願ってくれてるのもわかってる
だからこんな、「おまじない」は意味が無い。そんな事はわかってる
それが欲しかったのはきっと私なんだ


「まってwwwwwノエルwwwww!!」


彼が消える、私が消える
彼の前から私が消える。私の前から彼が消える

とても苦しい事なのに、とても切ない事なのに、何故か凄く楽しかった
彼の慌てた様子がとてもおかしかった
次会う時を考えると幸せだった
ああ―――


「―――内藤、楽しい事が見つかったよ。約束は守られたんだ」

165 :教会の幽霊 :07/02/10 04:34:16 ID:???


そう、楽しい事をみつけた
この先、また貴方に会える事を楽しみにしていよう
もし貴方の寿命が尽きてしまっても大丈夫
私は貴方の魂が巡るのを待っていられるもの
どれだけ年月が経とうとも、私は貴方を忘れるものか

その時には貴方は私の名前も忘れているだろう
だから何度でも教えてあげる
貴方はきっと意味がわからなくて、今みたいに慌てるんだ

それを思うと凄くおかしかった
未来を思うととても楽しかった

ふわりと、金木犀の香りが鼻をくすぐる
自然と声が出た
込み上げてくるとはこのことだ
百年以上久しぶりに、声を立てて笑った


だから、消えゆく私への、消えゆく彼の別れの言葉は


「良かったwwwwwwwwやっと笑ってくれたwwwwwwwwwwwww」


これ以上ないくらい、彼らしいものだった。








〜教会の幽霊・完〜

166 :(・∀・):07/02/10 05:28:17 ID:???
俺が最初のレスになっていいのか??
って気にしてしまうくら良い話だった
作者さんに心から感謝したい

w無しでレスしてしまったがきにしないでくれ!


167 :(・∀・):07/02/10 05:29:46 ID:???
/salute

168 :(・∀・):07/02/10 05:46:00 ID:???
うおおおおおおおおおおおおおおお

GJwwwwwwwwwwwwww

169 :(・∀・):07/02/10 07:06:59 ID:???
何と言うGJな作品wwwwwwww
このクォリティはどっから生まれてくるんだwwwwwwwwwwwwww

170 :(・∀・):07/02/10 09:58:18 ID:???
すげ柄ええええええええええええええええええ

感動のハッピーエンド、おれさまちょーーかんげき!

171 :(・∀・):07/02/10 10:02:38 ID:???
すごいなwwwww
読ませるwwwwwww
キャラが良くたってるwwwww内藤もサンも最高だwwwwGJwww

172 :(・∀・):07/02/10 11:23:51 ID:???
さすが赤(ryさんwwwww最高だwwwwwww

173 :(・∀・):07/02/10 11:45:17 ID:???
神GJキタコレwwww
脇もすんごい立ってるねwwwwwww

サードとかナンバーシステムでふと例の作品を思い出した自分は汚れている・・・

174 :(・∀・):07/02/10 12:03:33 ID:???
涙でwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww

前がwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww

見えないZEwwwwwwwwwwww


GGGGGGwwwwwwwwwwwJJJJJJJJJJJJ

175 :(・∀・):07/02/10 12:06:11 ID:???
ちょwwwwww週末早々いいものをwwwwwwwwwwwwwww
まじGJwwwwwwほんとGJwwwwwwwwwwwwwwwwww
内藤やっぱ大好きだお前wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
・・・・・・・・・・
これの後で俺の長編落としていいのかよ・・・・・・・・・lllorz

176 :(・∀・):07/02/10 13:32:44 ID:???
Sugeeeeeeeeeeeee!!!
超GJGJGJGJGJGJ!!wwwwwwwww


177 :(・∀・):07/02/10 15:51:07 ID:???
やべええええええwwwwwwwwwwwwww
長すぎwwwwwwwほんと長すぎwwwwwwwwwwwwww
削るとかwwwwwwちゃんと考えろwwwwwwwwww





ごめんwwwwwwwwwwwwww良い話だったwwwwwwwwwwwww

178 :(・∀・):07/02/10 22:05:57 ID:???
ぐーーーーーーーーーーっwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
じょーーーーーーーーーーーwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
ぶーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww

内藤が内藤らしく内藤してるお話でしたwwwwwwwwwwwwwww

あと>>175、恐れずщ(゚Д゚щ)カモーン

179 :(・∀・):07/02/10 23:48:56 ID:???
すげぇ長いけど、一日かけて4回読んだwwwwww
でもまだ読み足りないくらいwwwww

GJ!

180 :(・∀・):07/02/11 02:28:16 ID:???
過去10年で1番の作品だなwwww


181 :(・∀・):07/02/11 07:26:22 ID:???
お疲れ様でした。凄く面白かった。ホントGJ。
セリフばかりで構成したものじゃなくて、こういう本当の小説のような
形式で書けるのはウラヤマシス。キャラもみんな良い感じでした。

読み手が書き手にできる唯一かつ最高の報酬を
最後にもう一度  大作GoodJob 良い作品をありがとう。

>>180

突っ込みたいけど ここは うはwwおkkkwwwですかねw

182 :(・∀・):07/02/11 09:49:01 ID:???
だああああああああああああああああ
面白すぎて何を言えばいいのかわからねえええええええええ
ただいえることはああああああああああああああ


GJwwwwwwwwwwww
また会えると良いなwwwwwwwwおkkwwwwwwwww

183 :(・∀・):07/02/11 17:16:32 ID:???
赤いさあああああああああああああああああああああああん
今回もすっごくよかったですよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!
赤いさんのお話はいつもハッピーエンドだから、私もすごくいい気分で読み終えられます!
GOOD JOB! GOD JOB! YOU ARE SHIT! YOU ARE BAD! OH, YES!!!! YEAH!!!!
感想文を書いて送りつけたい気分です・・・はぁ。あなたは偉大だ。

184 :(・∀・):07/02/11 20:49:50 ID:???
赤(ryさんは扱いにくいと言われる内藤をここまで使いこなしてsugeeeeeeeeeeeeeee!
そして超GJwwwwwwwww

185 :(・∀・):07/02/11 23:06:26 ID:???
言いたいことが多すぎるのでwwwww一言でまとめて言うwwwwwwwww


グッジョブъ(`ー゜)wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww

186 :(・∀・):07/02/12 04:06:48 ID:???
てめーこの野郎!!wwwwwwwwww
俺の睡眠時間2時間になっちまったじゃねぇか!!!wwwwwwwww
仕事中居眠りしてクビになったらお前のせいだ!!!wwwwwwwwwww
目から鼻水止まんねぇんだよwwwwwwwwwチクショウwwwwwwwww
GOD JOBだバーロウwwwwwwwwwwww
Boooooooooomerangの連中がすげーカッコイイwwwwwwwwwwwwww

187 :(・∀・):07/02/12 15:54:26 ID:???
鳴り止まぬGJコールwwwwwwwwwwww
気持ちはとてもとても分かるwwwwwwwwwwww
しかし、そろそろここで流れを切ったほうが良いかもwwwwwwwww
次の人が隔離に投下し難いと思うのでwwwwwwwwwwwwww

まだ思いの丈をぶつけたいとかwwwwwwwwwwwwwww
GJ&アンコール等は、感想スレでやってはいかがだろうか?wwwwwwwww


188 :(・∀・):07/02/12 15:59:44 ID:???
なるほどwwwwもっともだwwwww
感想スレが本来の意義を持てそうでもあるなwwwww

189 :AnotherFantasy:07/02/12 17:15:16 ID:???
それでは・・・・先立って、注意事項なんぞ。

・呆気にとられるほど長いです。とにかく長いです。容量とか70kいってます・・・。
 本当に申し訳ない。大目に見てやってくれると嬉しい限りです。
・完全ノベライズで、歴代のSS作品とはかけ離れた形態をとってます。どうかご辛抱下さい。
・これを読んで、出だしが気になってくださった方、本当に恐縮なんですが前スレ>>699辺りから遡ってご覧下さいますよう!

内容は任邪モノです。彼の過去のエピを書いてみました。
テーマソングに、平井堅で「哀歌」を流しながらご鑑賞下さい。自分の拙い文章力じゃ全てを表現しきれんかったとです・・・ orz

ではでは[ノ`∀´]ノ今ココニ最凶ノ投下! 

190 :AnotherFantasy 仮面 -かくて少女は誓う-:07/02/12 17:17:49 ID:???

赤に染まった空に、星が輝き始めていた。
部屋には、頼りなく揺れる灯台が一つ。

安らかな寝息を立て、彼女は寝ていた。それをじっと見下ろす殿その人は、部屋に来るや否や無言で布団の傍に座り込み、微動だにしない。
ひどく、居心地が悪かった。できる事なら、すぐにでもこの場を離れたい。
そうしている間も、クロの懐の中の冷たい感触は、決して途絶えることはなかった。

あの襲撃の後、俺は一体どれほどの間、放心していたのだろうか。
──エト・・・城に戻るぞ。
遠慮がちな硯の声にハッとしたとき、辺り一面は黄昏に染まり、遠くの山からは烏の声が木霊していた。
まとわりつくような死臭に目をしかめながら、クロはためらうかのように眼下を見下ろした。
一度肺に溜まった息を吐き出し、固く目を閉じる。腕の中の少女は未だ仰向けにされたまま、ピクリとも動かない。
未だ彼女を抱き起こす事気になれず葛藤しているその時、頭の中で暗い声が響いた。

(コノママ 刀ヲ突キ立テレバ・・・・・)

─・・・違う!彼女は・・・自分の主なのだ!彼女は護るべき人なのだ!断じて手にかけるべき存在ではない!
クロは何度も何度も首を振った。

(チガウ・・・?オモシロイ事ヲ言ウ・・・マルデ 貴様モマタ コノ娘ヲ斬ロウトシテイタカノヨウニ聞コエル)
また、声がした。

─違う・・・・そうでは無い!彼女は人だ・・・・巴様だ!魔物で・・・あるはずがない・・・・彼女は人だ!そんなはずはない・・・。認めるものか・・・認めるものか・・・!

(ナラバ・・・ ドウ説明スルトイウノダ?アノ時感ジタ コノ娘ガ放ツ気配ヲ・・・・アノ言葉ニシガタイ 嫌悪感ヲ)

─違う・・・・彼女は・・・・彼女は・・・・
不意に、その声がクックと哂った。

(オイ 貴様ノ手ニ握ラレテイル ソレ…一体 何ダ?)

背筋が凍るような心地がして、クロは火傷をしたかのように手を引っ込めた。
手は、腰の小刀の鞘を握り締めていた。手の平のじっとりとした汗を見つめ、クロは肩で息をしていた。

声は、もうしなかった。

何度も自分に言い聞かせ、もう一度、大きく息を吐く。精神を落ち着かせ、数秒間瞑想に耽る。
─大丈夫・・・・・
鼓動が、聞こえる。荒々しく猛っていた鼓動が、穏やかになっていくのが分かる。ゆっくり、ゆっくり・・・・そうだ、それでいい・・・・。
─良し・・・・。
カッと目を見開き、一気に抱き起こす。

肩から力が抜け落ちていくのを感じた。
お世辞にも安らかな寝顔、とは言えないが、それは間違いなく巴姫、その人だった。
そのままクロは、寝顔を眺めていた。見間違うはずがない。この少女は巴だ。決して、魔性の存在などではない…。そう自分に言い聞かせていても、疑問の声は
飽くことなく鳴り響いていた。

191 :AnotherFantasy 仮面 -かくて少女は誓う-:07/02/12 17:18:58 ID:???
では アレは一体 誰だったのだ?

しばらくそうしていた後、クロはまるで壊れ物でも扱うかのようにそっと彼女を抱き上げ、硯の上に乗せた。
やるべき事がまだ残っている。
すぐさまススキ畑の方に向き直る。穴が開いたかのように、橙に染まるススキ畑の中黒い影を作っている箇所が、5つ。
それらの内で最も近い穴に歩み寄る。苦しみに悶えたのだろう、中は男によって、平らにならされていた。
男は時折微かに痙攣するばかりで身じろぎもしない。クロはその傍で膝を付くと、顔を覆う手を容赦なくねじり上げた。
直視するには、あまりにも無惨な光景だった。
焼けたただれた肌からは蒸気が漂い、蝋のように溶けた瞼が目に覆いかぶさっている。かつて口があったと思われる場所には穴が一つ、
ポッカリと開くばかりで、そこからぜーぜーと喘ぐような吐息が漏れ出していた。
呼び酒(よびき)は男の顔を焼き尽くすだけでは飽き足らず、その魂までをも喰らおうと、未だ暴れ狂っている。
だが、その悲願が決して叶わないものである事を、クロはよく知っている。
これは、そういう薬なのだから。
未だ止む事のない苦痛。いつしか男は終焉を望みだしていた。
「一度しか言わぬ。」
答えれば楽にしてやる。
そう言わんばかりに、ゆっくりと、腰の小刀を引き抜いていく。
その音がこの男の耳に、心に、魂に、響き渡るように。死を、案じさせるように。
「誰に言われ、我らを襲った?」
男は縋る様にこちらを仰ぎ見た。
「・・・・ら・・・だ・・・。」
「・・・・何?」
「・・・・し、ら・・・・ねえ・・・・・んだ・・・・。」
「・・・・そうか。」
小さな音がした後、クロはゆっくりとススキ畑の中から姿を現した。
陽光が目に痛い・・・・。
黄昏に染まる風景。沈みゆく朱色。いつまでも眺めていたい光景だった。
──・・・・エト。
「・・・分かっている。」
話さねばならぬ、全てを・・・城の皆に、殿に。
だが、それが酷く罪深いことのように思えて、酷く残酷なことのように思えて・・・・。名残惜し気に夕日を一瞥し、クロは硯の元へ歩み寄った。

彼らが城に辿り着いてから数分後、城内はけたたましい喧騒に包まれていた。
すぐに医者を呼んでほしい。そう頼んだのが間違いだったのかもしれない。何を勘違いしたのか、彼は医者どころか、城中の家臣や女中達、
そして城主その人までをも引き連れて戻ってきたのだ。
最も、慌てるあまり道中、巴様が!巴様が!と大声で叫んでいたので、城中の人間が集まるのも無理はない。
年配の医師がその場で簡単に巴の容態を診察しようと膝を付いた時、突然そこに大きな手が割って入った。
「・・・・熱はないな。服を着たままでは分からぬが・・・・恐らく怪我もしていないだろう、ぐっすり眠っておるわ。」
殿はロク爺に部屋まで運んでやってくれと言うと、不安げな顔をしながらソワソワしている家臣や女中達に、心配はない、皆各々の仕事場に戻るように
と事もなく伝えた。
それを聞いてホッとしたのか、彼らはばらばらと城内へ足を向け互いに安堵の息を漏らしていた。ただ一人、年配の医師だけが面白くないとでも言うように
ズンズンと、重々しくも早い足取りで歩いていった。
彼らが去っていくのを眺めながら、殿はその場で静かに佇んでいた。誰もいなくなったのを確認すると彼は、説明してくれ、と素っ気無く言った。
伝えねばならない・・・・。
そのもやもやとした思いを抱いたまま、普段どおり散歩をしていたこと、その時突如襲撃を受けたことを、クロは説明した。
伝えねば。そう頭では分かっている。だが…本当に伝えるべきなのだろうか。

─マダ 息ガアル

あの時見た、あの目…闇に巣くう、魔性の眼…
しかし、葛藤に競り勝ったのは感情ではなく、義務感であった。
クロがいよいよ重い口調で語りだしたその時、
「事情は分かった、クロよ。・・・・・ご苦労であった。」
まるで拒むかのように、殿は手を上げそれを制止した。
意を削がれたような思いに駆られ、思わず唖然とする。しかも殿はそのまま去ろうとはせず、こちらに背を向けたまま押し黙ってしまった。
なんとなく決まりが悪かったが、何も言わずにいるということは、殿はまだ自分に用があるということだ。
そう思い、クロは身じろぎもせず、静かに言葉を待つ。

192 :AnotherFantasy 仮面 -かくて少女は誓う-:07/02/12 17:21:03 ID:???
「・・・・あの丘に、行ったのか。」
「は。巴様のお言いつけで・・・・」
「・・・・・そうか。」
再び、しばらくの沈黙があった。
「お主は?どこか怪我は無いか。」
「拙者は、どこも・・・。まことです!」
急に殿が振り返るり、自分の瞳をじっと見据えてくるのでクロは慌てて言葉を付け足した。
「そうか・・・・ならば、良い。」
目頭を押さえ深く嘆息すると、殿は再びこちらに背中を向け、黄昏を身に帯びながら黙した。
・・・・奇妙だ。
殿の行動は、娘を心配する父親としては、あまりにも不自然だ。
姫様の御身に変事が。その報せは間違いなく、城中の全ての者を震撼させただろう。
現に、屋敷から飛び出してきた時の人々の顔は、殿自身を含め、強い驚きと不安に覆われていた。
だが、殿自身が判断したように、短い道中の間で巴の表情はすっかり穏やかになり、城に着いたときなどは、ただ疲れて寝ているようにしか見えなかった。
安堵こそすれ、今のようにますます頭を抱えているのはどう考えても奇妙だ。
思うに、彼の異変は自分の説明を聞いてから兆しを見せ始めた。だんだんと陽光が雲に隠れるように。
そして、巴の様子が豹変した、とまで聞いたとき、たまらず彼は話を中断した。
あの時の巴の姿に、殿は心当たりがあるのだろうか?
そして更に不自然な点が、もう一つ。

─雇い主?そんなもの、妾はとうに知っておる・・・・・・・

あの時、巴は確かにこう言った。
つまり、巴姫はかねてより、自分の命を狙う者があったことを知っていたに違いない。
だからこそ、襲撃者に雇い主を聞きだなくては、というクロの言葉に彼女は必要ない、と答えたのだ。
それにも関わらず、彼女は自らの足で積極的に城外まで行こうとし、家で過ごすことを嫌った。そう、執拗なまでに。
殿にしても、歩き回るだけであるのなら城内でも十分な広さがある。何故彼女の外出を許可などしたのだ。
目に入れても痛くないであろう愛娘の護衛が、何故たった一人なのだ。
何故・・・・・・・。
「クロ、命を与える。」
「は・・・・。」
組んでいた腕を解く。
また背中か。
殿は、未だにこちらを振り向きたくないようだった。その光景を見た瞬間、ハッとした。
なんだ、この違和感。
見慣れた殿の背中。見慣れた殿の仕草。その一つ一つに、奇妙なぎこちなさがある。
いや、ぎこちなさではない。
色濃い黄昏に沈む今の彼には、普段纏っている、主たる者の覇気ともいえる生気が、全く感じられないのだ。
ひどく小さく、ひどく弱々しい。まるで・・・・ただの・・・・
「巴の傍に・・・・いてやってくれ。」
不意に懐で擦れる冷たい感触。全身に電気が走ったような戦慄。
何故、今になって・・・・・?
去り行く主に頭を下げながら、クロは自身の異変にただ困惑するばかりであった。

果たして、黄昏は山間に姿を消した。枯山水の白い椿の花弁がまた一つ、地面めがけ、真っ直ぐに落ちていく─。

「・・・・・ちちうえ・・・・?」
夜毎音色を奏でる虫がいなくなって久しく、月も空に上り詰めた頃。
巴の瞼はゆっくりと開いた。まだ微かに夢心地な瞳は、まるで蝋燭のように揺れている。
「おぉ・・・・巴!大丈夫か?どこか、どこか痛む処などないか?」
咳を切ったように詰め寄ってくる殿を目の前にしながら、巴の視線は緩やかに室内を右往左往するばかり。まるで何かを探しているようだった。
やがて黒装束の姿を捉え、ピタと止まる。
「・・・・・・クロ・・・クロか・・・・よかった・・・・よかった・・・・。」
うわ言のように何度も何度もそう呟くように言うと、彼女は殿の大きな手をゆっくりと握り、目を閉じた。
安らぐ親子に対し、黒装束は事の不可解さに眉を寄せていた。
彼女の言葉が何を指すのか。
その伏せた瞼から流れて落ちた大きな雫は、何なのか。
意味も、意図も理解できず、彼はただ静かに座っている。

193 :AnotherFantasy 仮面 -かくて少女は誓う-:07/02/12 17:22:52 ID:???
殿の世話焼きが一区切り付いた頃、部屋はまた水を打ったように静まり返る。
「父上・・・妾は、クロに大事な話があります・・・」
沈黙を破ったのは、未だ床に伏せる姫だった。
こちらからは殿の背中が見えるばかりで、表情までは読み取れない。だが、殿が口を開くまでには少なくとも十数秒の間があった。
「・・・・分かった。」
スクッと起き上がると、殿はわき目も触れず部屋から出て行った。

「クロ、世話をかけてしまったな。」
襖が閉められ、周囲に人気も無い事を確認すると、巴はゆっくりと切り出した。
「いえ・・・決して、そのようなことは。」
顔を伏したまま答える。何故か、視線を合わせたくない。彼女の瞳を見ることが、今はとても恐ろしい。
それを察してか、巴もまた顔を逸らす。
「・・・・幼い頃から、妾は兄上の後を尽いて回っておった・・・。」
「優しく・・・気高い人じゃった。父上のように心強く・・・しかし驕らず・・・国を愛し・・・人々を愛し・・・あのような人になりたいと、妾は常々憧れておった。」
「・・・・・・。」
いつもの明朗な口調は影も形も無い。物語るような沈んだ響き。
「だが・・・8年前のあの日・・・あの日・・・・。」
不意に、声が一層沈みこむ。今や闇の洞窟を吹き抜ける風鳴りを思わせるその響きは、止む事なく続いた。
「・・・・殺された。」
ジジッ。
灯火が一度強く煌き、以前よりも薄暗くなる部屋。照らし出された巴の長い影は部屋の隅にまで届き、闇夜と深く混ざり合っていた。


地上の全てを押し流さんばかりの豪雨。寒さに震える体。次第に冷たくなっていく体。
自分よりも一回り大きい兄を抱え、ひたすらに歩いた。
何度ぬかるみに足を取られたか。何度兄の体が滑り落ちたか。
繰り返し繰り返し、それでも諦めずに歩いた。
目を光が貫いた。眩い光。かがり火だ。
人がいる、やった、辿り着いたのだ。虫の息の兄に、そう話しかけた。彼は確かにうっすらと笑い、頷いた。


「闇の王が倒れた時、この国の戦もまた、終結を迎えた。東西に分かたれていた民達は再び一つになり、再会を喜んだのじゃ。」
明かりが再び揺らめき、その輝きを一層小さくした。
「だがの、」
背中を悪寒が走った。
「人の憎しみに、理由は要らないのじゃ。」
判る。
今彼女は、確実に俺を見ている。
何なのだこの感情は。とてつもなく大きい、濃密な想い。
ただひたすらに、拳をきつく握り締める。震えているのを悟られぬよう、想いに感づかれぬよう。
「家族を奪われた者、戦場(いくさば)で家族を手にかけてしまった者・・・・。
戦が終わり、争いを扇動していた獣人どもは姿を潜めてしまった・・・彼らの想いはどうなったと思う?行き場を失った憎しみは、どこにぶつけられたと思う?」
「・・・・。」
「かつて敵だった者・・・・かつて東西に別れ、敵として争った者。そうじゃ・・・形式の和平こそ結ばれはしても、争いは終わってなどいなかった。
いや、終わるはずはなかった。戦は余りにも突然に始まり、余りにも理不尽に多くのものを奪い、そして、余りにも突然に終わった。人々は翻弄され続け、
挙句捨てられた。」


大戸を叩く。あらん限りの力を振り絞って、叩き続けた。
小窓から人の顔が覗く。大戸の閂が外される。人々の切羽詰った声、支えられる体。医者を呼べと叫ぶ声が聞こえたとき、安堵した。助かった。助かった。
不意に人々の声が止んだ。足音が途切れた。雨の音だけが満ちた。
何だ。何が起きたのだ。
震える頭をなんとか上げる。人はいる。だが、動いていない。皆、大戸の方を見つめ、石のように固まっている。
一人の男が、こちらに歩み寄ってきた。


194 :AnotherFantasy 仮面 -かくて少女は誓う-:07/02/12 17:25:10 ID:???

憎しみ深く・・・その憎しみがまた、新たな憎しみを生む・・・。」
確かに耳に届いた。人々の息を呑む音。鞘走りの音。
何故。
何故、そんな音が今。
そして、銀の一閃が走った。
急に増す腕の重み。雨以外の水音がした。見下ろす。
赤。
何だこれは。兄の傷は塞いだはずなのに、何故また再び。
薄れゆく意識の中、男の顔を見た。見覚えのある顔。和平調停の場、父上と対をなし座っていた、あの男。
上城の城主。和平を持ちかけた張本人が、何故。
彼の手には一振りの刀が握られていた。雨に洗われながらも、未だ煌く赤。足元に広がる同じ赤。
嗚呼。分かってしまった。そんな。
男の手が伸びてくる。腕を掴まれる。抗おうとした。だがどうしようもなかった。引きずられるように。引きずられるように。
全ての色が雨に澱む景色の中。最後に省みた兄の姿。あの赤に沈む姿に、どれほど胸を引き裂かれたか。どれほど声を振り絞ったか。
だが、視界は遂に暗転し、意識は途絶えていた。


「3日」

肩が飛び跳ねた。巴の声が、先程よりも一層近くから聞こえた。だがそれだけではない。
今まで自分の膝しか映っていなかった視界の端、上の方に、突然現れたのだ。彼女の小さな足が。
何の前触れもなく、何の気配もなく。まるで、床から一瞬にして沸いて出たかのように。
たまらず、クロは顔を上げてしまった。彼女の姿を照らす灯火は、一層弱々しくなっていた。

「あの夜の後。3日。窓から射し込む日の入りと日の出だけが、妾の全てじゃった。」
見下ろす彼女の顔は、見えなかった。自分の膝に触れるほど近くに、彼女は立っている。なのに見えなかった。まるでそこにだけ、暗幕が垂れているように。
「あの男の、手、息遣い、声、生暖かさ。」
最早拳は白く変色している。だが、その震えは隠しようがなかった。
膝を崩し、少し後ずさる。
駄目だ。
もう少し後ずさる。
何故だ。
もっと後ずさる。
いくら下がっても、彼女との距離は一向に離れなかった。
震えが止まらない。たまらなく逃げ出したい、なのに、体が言う事を聞いてくれない。巨大な想いが、まるで押し潰そうとするかのようにのしかかっている。
覚えのあるこの感覚、この体の絶叫。
何だ、コレは何だ。

次の瞬間、クロは唐突に理解した。
怖い
今、俺はたまらなく怖いのだ。怖くて、恐ろしくて、震えが止まらないのだ。
巴の姿を恐れているのではない。この呑まれるような気配を恐れているのではない。
感じるんだ。俺の中で、心を食い破ろうとしているものを。
感じるんだ。俺の中で、暴れようともがいているものを。
自分が、怖い─。
「すべて妾にはいってきた。ぜんぶだ。飽くこともなく狂ったように、ひたすらひたすらひたすらひたすら・・・・」
ずっ、と音を立て、巴が一歩歩み寄る。また一歩。一歩。
ただ震えるだけの黒装束の前で、少女は立ち止まった。
「機は・・・熟した。」
両手をじっとりと眺め回し、感覚を確かめるかのように何度も握る。その度に少女のか細い手からは、パキパキ、と骨の鳴る乾いた音が響いた。
「妾は上城の主の心臓を、この手で喰らう。」
見上げた巴の目を、クロは見た。今度は、正面から。
そして、体の震えは止んだ。
アア・・・・・・認メタクナカッタ・・・・・
あの目。
滅すべき、魔性の者の目。世の理を曲げる不浄の存在。今まで両手で数えられるほどしか相対したことのない悪寒、だが、忘れようの無いこの高揚感。
アナタノ瞳ガ宿シテイルモノ・・・・・認メタクナカッタ・・・・・・

195 :AnotherFantasy 仮面 -かくて少女は誓う-:07/02/12 17:26:04 ID:???
心の底から沸き上がるような巨大な衝動が、体を襲う。
「ぐっ・・・・!!」
目を固く閉じ、意識を集中させる。勝手に動こうとする拳を必死の思いで握る。勝手に飛び跳ねようとする足を必死の思いで押さえつける。
抗うのだ。抗うのだ。
断じて許しはせん。
巴様をこの手にかけるなど・・・・!
永遠のように長い一瞬。衝動との決死の攻防の中、暗闇の奥からまた、あの声が響いてきた。

(分カッタダロウ?)

「違うッッ!!!」
けたたましい音と共に後ろへ飛び退き、巴と距離を置く。そしてそのまま腰から刀を抜き放ち、部屋の隅目がけて力任せに投げつけた。
「断じてっ・・・・違う・・・・・!」
部屋には、荒い息遣いだけが木霊している。バキッ、という乾いた音に全身が飛び跳ねた。彼女は未だに見据え、逸らそうとしなかった。
「この望み叶うなら・・・・妾はどこまででも堕ちてゆこう。例え、地獄であろうと、無明の闇であろうと、どこまででも。」
暗闇に縁取られた少女の瞳を見つめながら。天井にまで伸びるその影を見つめながら。かつてない感情の激流に、クロはただ震えた。

196 :AnotherFantasy 仮面 -ソノ手デ-:07/02/12 17:27:13 ID:???
またか。
(マダ迷ッテイルノカ)
・・・あれは巴様だ。俺の出る幕など無い。何度言えば分かるのだ。
(アレハ人デハナイ 貴様モ見タダロウ 聞イタダロウ)
断じて違う。
(デハ アレヲ何ト?)
知らぬ。だが・・・・彼女は人だ。少なくとも皆といる時、殿といる時・・・彼女は人だった。あの暖かい太陽のような笑顔は、魔物に真似できるようなものではない。
暗闇に高笑いが響き渡る。
(心ヲ凍テツカセテイタ男ガ 人ノ心ヲ語ルトハナ)
「黙れ!!!」
不意の朝焼けが目に沁みて、クロは手を翳した。
いつも通りの部屋。
いつも通りの臭い。
荒い息を整え、一度大きく深呼吸をした。
既に日は昇り、冬の気配を感じさせる朝が辺りに立ち込めている。
視線を上げる。壁に掛かった仮面は、何の変哲もなくそこに在る。自分を見下ろす、かつての魂。視線を落とし、ぼやくように呟く。
「いっそ・・・・感情など捨ててしまえたら。」
もしそうなれば、こんなにも悩むことはないだろう。彼女を護る意思に、迷いどないだろう─。
「・・・・・・。」
首筋を流れる汗を乱暴に拭い、布団を蹴り上げる。そろそろ時間だ─。

『AnotherFantasy 仮面 -ソノ手デ-』

あれから一月。
手近な着物を羽織り、クロは朝日が漏れる霧の中を一人で歩いていた。
あの夜以来、巴は変わった。
一度として、クロを散歩に連れようとはしなかった。こちらから散歩に行きましょうと持ちかけても、一人で行くと言ってつっぱねた。
──お前がそこまで言うのなら・・・・・。
硯に事の次第を話し、どうか自分の代わりに彼女の護衛の任を引き受けてくれと頼み込んだ。何かを察したのか、彼女は特に異を述べることもなく
すんなりと了承してくれた。
──エト、本当に大丈夫か?・・・・顔色が悪い。
彼女の気遣いが嬉しかった。大丈夫、やっと重責から開放されてな、むしろ清々している、そう強がって、彼女の曇った表情から目を逸らした。
立ち止まり、腕を組み直す。
何が大丈夫だというのか。
最早嘲笑しか浮かんでこなかった。
目を上げる。そう、今の俺の心はまさにこの場そのものだ。霧に覆われ、一寸先も見えない。僅かに射し込む陽光もすぐに消され、また四方から白の壁が迫ってくる。
いくら手で払っても晴れることは無い。走り出せば、何とぶつかるか分からない。足掻いても足掻いても、消耗するばかりで得られるものはない。
どうすることもできず、ただ道無き道を歩き続けるのみ。行く手に待つのは導きか、さもなくば破滅か。
どちらにせよ、そこに選択肢などない。俺の意思は力を持たない。

(己ヲ律スル事 感情ヲ凍ラセル事コソガ 真ナル強サ)

頭に響く声を振り払う。俺もまた、あの夜・・・・いや、あの日を境に、変わった。
まぁ、この現実の白い迷路の場合は目的地まで辿り着く道順が知れているので、幾らかマシだ。そう考えたら、多少は気が楽になった。
改めて腕をきつく体に巻きつけ、霧の中を進んで行く・・・・。


197 :AnotherFantasy 仮面 -ソノ手デ-:07/02/12 17:28:09 ID:???
「いよいよ・・・・明日だな。」
穏やかな目は、眼下の庭をぼんやりと見つめている。
季節は巡り、最早秋も終盤に差し掛かろうというのに、錦桜は未だに鮮やかな薄紅色に染まっていた。
「不思議だろう・・・・。今年でもう、8年。一度として全ての花を散らせたことはない。今までこのような事は無かったのだがな・・・・不思議だ・・・。」
怪訝な視線を察したのか、殿はゆっくりと話して聞かせた。
「8年も・・・・・・。」
「ああ、そうだ・・・・一体何を考えているのやら・・・・・。」
しばらく桜を眺めていると、さて、と膝を打ち、殿がこちらに向き直った。
「何度も言うが、クロよ。この婚礼の儀は長きに渡る東西のしがらみを断ち切る最大の好機だ。何としてでも成就させねばならん。」
「心得ております。仮住みの儀に際しましては、例えこの命に代えましても巴様の御身、守り抜く所存に。」
仮住み。
夫婦の契りを交わす為に行う7日間の儀。既に廃れつつある古い風習。だが、旧来より続くこの伝統はどちらの城にも脈々と息づいていた。
巴が上城で暮らす7日間。何に代えても彼女を見守るのが、己の最後の仕事。だが、それは建前だ。
「知っての通り・・・。」
殿はゆっくりと立ち上がり、縁側に向かって歩き出した。
「この国の東西に分かれた争いは形の終局こそしたものの、未だ両者の憎しみは深い。小競り合いが頻発し、政(まつりごと)における仕事にも
両陣の余計な思惑が絡み、国は未だ混沌としている・・・・。」
戦時流された根も葉もない敵軍の流布、どさくさに紛れての略奪・破壊・・・・・
元々帝を頂点に置いた国政も、獣人の介入によって各々の国が力を付け始め・・・・大戦を制し天下を掴み取ろうと息巻く連中も多いせいもあるだろう。
事実、戦後となった今でも兵器の輸入・開発は舞台裏で着々と進んでいた。昨今になって、多くの武器商人が護衛を依頼してきた事がその何よりの証だった。
「先日の襲撃。巴と縁殿の縁談を知った者の仕業だろう。二人の挙式を面白くないと思う有力な家柄は多い。」
近頃では、都の商人までもがこの小競り合いに一枚噛もうと探りを入れているようだ、と苦笑いする。
こんな田舎の一介の城主が何故そんな事まで知っているのか、と驚嘆するのをクロは隠せなかった。
だが、そこまで頭が回るのなら・・・・何故・・・・・。
「不満か?」
心を見透かされたような気がして、クロは肩を強張らせた。
「いえ・・・・そのような事は・・・。ただ、拙者は・・・・。」
「不可解な事が多すぎる、とでも言いたげだな。」
こうも的確に・・・・。彼の発言には憶測以上のものがある。そう確信したクロの胸中には、大きな不安が去来していた。
「気付いているとは思う・・・。お前を呼んだのは、娘の護衛のためではない事を。むしろ・・・・その逆。」
途端に心臓が暴れだす。
聞くな。聞けば戻れなくなる。真実を聞けば、決断しなければならなくなる。聞くな─
その叫びとは裏腹に、その先の言葉を心のどこかで期待していたのも、また事実だった。
「・・・・あの夜、巴は何を話した?」
「・・・!」
知っている。
問い質すのではない、疑うのではない。しかし冷たくもない。確認するような口調、見守るような眼。
薄々こうであることには感づいていた。知っている。彼もまた、知っているのだ─。
「少し・・・・昔話をしようか。」
そう言って振り返るぬばたまの瞳は、見た者を萎縮させる強い力があった。
それ以上その輝きを見ていることができなくて、彼が目の前に座り込んだときもクロは顔を下げたままだった。
「8年前・・・・・ワシの子供達が消えた。巴と日課の散歩をしていた時の出来事じゃった。和平調停を結んで僅か5日・・・・。せめて子供達だけには平穏を。
いや、親馬鹿と罵ってくれて構わんぞ。そう・・・民らは戦乱にあえいでいるのに、我が子だけ・・・・・家臣を割いてまで自由にさせていた・・・・それが仇になるとはな。」
そう言ってはにかんでみせる彼の目は、笑ってはいなかった。
「姿を消してから4日目の朝。上城から、使いが来た。・・・・息子の遺体を発見した、とな。盗賊に襲われたのかもしれない、奴等はそう言っていた。
まさか浪人風情に、ワシの自慢の臣下3人を倒すばかりか子供達までをも手にかけるほどの実力者がいたとは、迂闊だったわ。」
まるで、そう信じたいとでも言わんばかりの口調だった。
だが、それをクロは果たして気にしただろうか。いや、それはない。今はそんな事、どうでもよいのだ。彼の予測が正しければ、今から耳にする言葉は一つしかない。
「・・・そしてその時、巴の遺体も発見された。」

198 :AnotherFantasy 仮面 -ソノ手デ-:07/02/12 17:29:03 ID:???
世界が音を立てて崩れた。息をすることさえ忘れていた。
嘘だ!
そう叫ぶ事ができたなら。だが、その無意味さをクロは以前から知っていたような気がした。
覚悟していた。そう、予期さえしていた。なのに。恐怖が全て現実になってしまった、重み。否定の選択肢さえもが永久に奪われた、重み。
「そう・・・・・二人一緒に出かけ、二人一緒に亡骸だけが帰って来た。」
傑作だろう、そう笑ってみせる彼の顔を、クロは見ることができなかった。余りにも色を失った世界を前にして、呆然としていた。
「そうじゃ、亡骸・・・・抜け殻だけだ・・・・そう思っておった。だが、通夜の準備に取り掛かろうとしていた時─。」


「と・・・巴様・・・・なぜ・・・これは一体・・・?」
「・・・ロク爺・・・?妾は・・・ここは・・・下城なのか?・・・・妾は・・・・?」
「巴・・・!?」
「・・・父上・・?・・ちちうっ・・・・う・・・うあ・・あ・・・?・・・・あ”ぁ・・・・あ”っあ”っ・・!!」
「と、殿!これは一体どうしたことです!?なぜ、なぜ黄泉の御魂が・・・何故亡骸が・・・・あぁ!!な、なんという・・・」
「離れておれ、ロク爺・・・・・」
「殿!何を・・・!殿ぉ!」
「巴・・・・!」
「ア”ァア・・・・ア”ア”・・・・!!」
「巴・・・・ワシが分かるか・・・耳を貸すな・・・巴、誘惑に負けるな・・・!!」
「ア”ア”ッ!!ガアアッ・・・・!!」


「何の因果か・・・・巴の魂は召される事なく、再び肉体の元へと還ってきてしまった。しかし、蘇ったわけではない。既に一度肉体は死し、魂との絆も断たれた・・・・
今の巴は、魔性の力を用いて死体を復活させ、操り人形のように使役しておるだけにすぎぬ。」
「あの幼さであれ程に魔法を自在に操れるのも・・・・・それ故なのですか。」
必死の思いで頭を回転させ、言葉を紡ぎ出す。別の事に集中することで、クロは手放しそうになる意識をすんでのところで繋ぎとめていた。
「恐らくはな・・・・それに、西の大陸には自然界に存在する精霊を自在に使役する術があると聞く。」
「・・・それほどまでに魔の領域に踏み込みながら・・・・何故巴様は・・・・・・。」
「・・・・人として、心を保っていられるのか。」
助け舟を出した殿は優しく、哀しい笑みを浮かべていた。
「・・・・城に戻った、最初の年。新月の晩になると、巴は幾度と無く闇の誘惑に駆られた。何度も屈しかけ、その度ワシが何とか食い止めてきた・・・・
しかし数を重ねるごとに変化の兆候は強くなり、巴も次第に弱り、新月の晩でなくとも、その姿には魔性の影が色濃く滲みだしておった。
次の時には、果たして止められるのか・・・かくなる上は、と覚悟もしておった・・・。だがある日。それがはたと止んだのじゃ。そう、最後に変化しかけた夜を境に、
巴は突然人間らしさを取り戻したのだ。」
「・・・・。」
「ロク爺は安堵の息を漏らしたが・・・・ワシはそうは思えなかった。無論ワシとて、娘を信じてやりたい。だが・・・・ワシは時折・・・娘が今まで以上の深淵を、
闇を抱いているような気がするのじゃ。」
今にも消え入りそうな、何かに縋るようなその声。はぁと息を吐きながら、手を額に当てて彼は問いかけた。
「闇に己を委ねる、その代償として、力を行使している・・・・そんな不安はこの8年の間に、確信になりつつある・・・。教えてはくれまいか、クロ・・・・・。」
「・・・・。」
「巴は・・・・・娘は、何をしようとしているのじゃ?」
その答えに・・・・殿は感づいている。そこに至るまでに、時間は要らなかった。
殿の双肩には、余りにも多くの子らの命運が背負われている。
娘がいつしか闇に身をやつした時のために、それを阻止するための予防弁は、どうしても必要なものだった。
それは、彼をどれほどに苦しめた選択だったか。
だからこそ、彼は信じたかった。彼女が魔性と化さぬのは、彼女の意志、彼女の力によるものであって、決して偶然などではないと、そう信じようとした。
だがいつしか、彼は気付いてしまった。
彼女の意志は、別の方向を向いていることに。彼女の異変が止んだのは、闇を退けたためではなく、闇を受け入れたためであることに。
忍びとして、告げるべきか。彼女の家臣として、告げるべきか。
未だ顔を見せぬ殿を前に、クロは葛藤した。悩みに悩みぬき、そして・・・・・。
「・・・・分かりませぬ。」
その答えは、余りにも大きな意味を含んでいた。。
人命よりも巴の意思を尊重させてやりたいと思う、自身の人道を外れた気持ち。闇へと堕ちた彼女を、俺なら止められるという傲慢な気持ち。

199 :AnotherFantasy 仮面 -ソノ手デ-:07/02/12 17:29:34 ID:???
先の返答には、それら全てがないまぜになっている。言った後でそれに気付いたクロは、己を激しく恥じ、そして、それ以上の問題に気付いてしまった。
それらは全て、巴が既に人ならざるものと己で認めた証。彼女が敵であると認識してしまった証。彼女を自ら手にかけるという選択をした証。
そして、彼女を信じることをあっさり放棄した証。それら全ての証が、前提にある気持ちだという事に。
ぐらりと視界が揺れ、思わず片手をつく。その時不意に、頭を暗闇の言葉がよぎった。

(心ヲ凍テツカセタ男ガ 人ノ心ヲ語ルトハナ)

クロは愕然とした。
嗚呼・・・・何ということだ。
故郷の地だけが安息の地ではないと、知る事ができたと思っていたのに。心を凍てつかせなくとも、孤独を抑えずとも、俺は忍びとして在り続けられると信じたのに。
彼女の最良の家臣として、生涯仕え続ける事ができると信じていたのに。人の心からの温もりを、いつか分かち合えると信じていたのに。
ナノニ
俺は、彼女を信じることをヤメタ。魔性の片鱗を現した彼女を見ただけで。殿の話を聞いただけで。
たったそれだけの事で、俺は・・・・彼女を、護るべき人を、真の安息をもたらしてくれた人を─。
「・・・・そうか。」
肩を落とさせたのは、安堵か落胆か。その時のクロに、彼の心の内を読む余裕はなかった。
「・・・・手間を取らせたな、クロ。下がってよい。」
不意にそう言い放つと、殿は再び何事も無かったかのように机に向かい始めた。
しばらくその場に座っていた後、クロはゆったりと立ち上がった。今の彼の瞳は、底の無い井戸を思わせる黒を湛えていた。
その暗闇は、自己嫌悪の念なのか、不甲斐なさ故か、それとも・・・無関心なのか。クロは殿を一瞥するや否や、礼も欠き、足早に部屋を後にした。


あの声がする。何も存在し得ない暗闇の中で、幾重にも反響するあの哂い声。
それは、段々とこちらに近づいて来た。
(良キカナ 良キカナ)
離れた所から哂い声が聞こえる。
(憶測ハ事実ニ 拒否ハ不可避ニ 大義名分モデキタ)
・・・・・うる・・・さい・・・・。
少し離れた所から労う声が聞こえる。
(コレデ阻ムモノハナニモナイ 婚礼ガ終ワリ次第奴ヲ殺セバ任ハ終ワル 貴様モマタ里ニ帰レルデハナイカ)
・・・・・黙・・・・・れ・・・・・。
すぐ近くから嘆息する声が聞こえる。
(全テハ不運ナ巡リ合ワセダッタノダ 闇ニ魂ヲ売ッタ少女ハ偶然オ前ノ主トナリ ソノ父親ハ娘ヲ殺ス者トシテ偶然オ前ヲ選ンダ)
・・・・・・・・・・・・・・・・。
目の前から─。
(タッタ半年 余リニモ短イ絆ダ モウ忘レロ 不運ナ出会イダッタト割リ切ルノダ エトヨ)
・・・・・・・忘れろ・・・・だと・・・・。
耳元で─。
(認メロ エト)
俺の、中から─。

「・・・・・?」
・・・何か・・・・聞こえる・・・あの声じゃない・・・・・囀り・・・・鳥の・・・・
目を覚ましたとき、クロは天井を見つめていた。
まだ日は射してはいなかったが、部屋には朝の帳が降りていた。
「・・・・・・。」
静かだ。
首筋をなぞる。背中をさする。汗一つかいていない。
静かすぎる・・・・・。
血が激しく脈打つこともなく、息も穏やかなまま。こんなにも静かな朝を迎えるのは、久しぶりだった。
朦朧としたままゆっくりと起き上がり、装束を手にする。小鳥の囀りが、やけに騒々しい。
戸に手をかけようと歩み寄ったそのとき、クロはふと足を止めた。彼の目は、壁に掛かるかつての「覚悟」を捉えたまま、離そうとしなかった。
数秒の思案の後、彼は門を目指し、部屋を後にした。何もない茶色の壁には、格子に遮られた朝日が数本の縞を映し出していた─。


200 :AnotherFantasy 仮面 -ソノ手デ-:07/02/12 17:30:15 ID:???
「いってらっしゃいませ・・・。」
日が高く昇る前、十数人の従者が先導する中、馬車はゆっくりと滑り出した。
澄み渡る空気。吐く息は白く、陽光に眩しく光る黄の酉は質素ながらも荘厳な木造の車と相まって、一行は神秘的な雰囲気を湛えていた。
その中では正装した姫と、御簾を介して、その後ろにひっそりと座る黒装束の二人のみ。彼らは互いに一言も言葉を交わさず、静かに車に揺られていた。
案の定先に折れた彼女は、観念したかのように溜息をつく。
「・・・・また、面を着けているのか。」
「・・・・上城では、拙者の顔を知られる訳にはなりませぬ故。」
「・・・・最近のソチは下城でも面を着けていたではないか。」
何時からだろうか。あの夜からではない。それよりもっと後。つい最近からだ。彼は再び仮面を纏い、手放さなくなった。
・・・・笑うことも、困って苦笑いしてみせることも─。
「父上に・・・・なんと言われたのじゃ。」
「巴様の御身、くれぐれも頼む、と・・・。」
「・・・・・・・・それでソチは、そこでそうしておるのか?」
「・・・仰るとおりで。」
抑揚のない声が、背後から響いた。
「・・・・・・・・何故面を着けておるのじゃ。」
「・・・・拙者の覚悟、決意の表明を、示すためです。」
巴のシルエットがゆっくりと動く。
顔だけでこちらを振り向いている。全身に、彼女の視線を感じたからだ。
「何の覚悟じゃ。」
「・・・・お護りする覚悟では、ありません。」
そうだ・・・・決めたんだ・・・・。
拳を握り締め、一度息を吸うとクロは静かに、だが一息でまくし立てた。
「拙者の任は巴様を御守りすることです。無論、任は必ず全うします。ですが!この面が示すのは・・・・。」
だって、そうだろ?俺に選択する権利なんてなかったじゃないか。俺に彼女を護る権利など無い。資格も無い・・・・・だから決めたのに・・・・覚悟したのに・・・。
「護る決意ではっ・・・・・ありません・・・・。」
なのに・・・・何故だ。
「・・・・・そうか。」
どうして、こんなにも痛むんだ・・・・。
巴のシルエットが微かに揺れ、肩がゆっくりと下がる。簾の向こうからはぁ、と嘆息する声が聞こえた。
「・・・・・ならば、その覚悟の程を見せてもらおうか。」
「・・・・?」
黒いシルエットから突き出された左手が、ヒュンと空を切る。途端に簾がけたたましく丸まり、そのまま天井に収まった。
クロは目を瞠った。簾が取り除かれた後にも関わらず、彼女の姿は全身黒に覆われたままだ。
そして、一瞬だった。
視界がぼやけたと思った瞬間、クロの鼻の先にまで彼女の顔が寄せられていた。気付いたときには既に遅く反射的に距離を置こうと身をよじったが、
狭い車の中ではほんの数cmも後ずさらない内に、背中に壁の堅さが感じられた。
背後の壁に目をやった、その一瞬の隙。その間に巴の両腕が壁に当てられ、その間にクロの顔が挟まれるような形になっていた。
「さぁ。」
食い入るように覗き込んでくる瞳。そのあまりの暗さに、全身から汗が吹き出る。拳を握り締めている自分に気がついた。本能が告げているのだ。今すぐ刀を抜けと。
「どうする?」
生気を感じられない彼女の不気味な動き、何よりその体から湧き出る、染み込んでくるような瘴気。沸き上がる嫌悪感のままに、クロは瞬時に腰に手を伸ばしていた。
抜け。
今すぐ切り裂いてしまえ。
コレは世にあってはならない存在、不浄なる者。
斬レ。今スグ切リ捨テテシマエ─!!
「妾が斬れるのか?」
どす黒い衝動と共に、またあの声が響いた。ハッとして、クロは柄に手をかけようとした腕を押さえつける。
「・・・・・違う!」
間違っている
「この・・・・鎮まれ・・・!」
抜いていいはずがない 斬っていいはずがない 彼女は まだ
「何をしておる・・・・・抜かんかクロ!覚悟をしたのだろう?!決意を示したのだろう!?ならば・・・・ならば、それを今!ここで!妾に見せてみろ!!」

201 :AnotherFantasy 仮面 -ソノ手デ-:07/02/12 17:31:17 ID:???
車外の酉がどよめいたのが分かった。車が止まり、砂利を踏む足音が近づいてくる。
「巴様、いかがなされましたか?」
心配するような声が投げ込まれた。顔を背けたまま、遂に暴れなくなった腕を押さえているクロを見て、奥歯を噛み締めた。
「・・・・何でもない。気にせず、進んでくれ。」
姫の声を聞くと、家臣はあっさりと先頭の一行の下へ戻って行った。再び車は動き出す。

巴の荒い息遣いだけが響いていた。体の力が抜け、彼女の腕が壁からずり落ちていくのが感じられた。
「なぜじゃ。」
肩をわなわなと震わせながら、か細い声で彼女は問うた。
「なぜ・・・・これは、ソチの任なのじゃぞ?なのに・・・・ソチも、覚悟したと・・・・決意したと・・・・・。」
しきりにそんな支離滅裂なことを呟き、最後になぜじゃ、と再び問うと、彼女は黙ってしまった。
白い仮面が、ゆっくりと巴の方を向いた。
「・・・・拙者が、今はその時ではないと、判断したからでございます。」
巴ははっと笑い飛ばした。
「時?時じゃと?ソチも見たじゃろう、先刻の妾を。姿を!なのに、時?何を呆けておるのじゃ貴様。」
威圧するような小さい声が、とめどなく溢れ出た。今や肩だけでなく、体全体が震え出していた。
不意に肩を包まれる感触に、巴は飛び跳ねた。クロの手が小さな肩にそっと当てられ、面の白の仮面は消え失せていた。
「確かに、そうです。拙者は見ましたし、感じました。巴様の闇を。そして恐れ多くも、貴方様を手にかけようとさえも思いました。」
きゅっと肩を握る手に力を入れる。巴の顔がゆっくりと上がり、その危うげに揺れる瞳が見えた。
「ですが、違います。拙者がした覚悟と巴様のお考えになる覚悟は、違うのです。」
「・・・・何が、違うと言うのじゃ。」
その今にも崩れそうなほど沈んだ顔を見て、クロは一度小さく深呼吸し、決然とした声で言った。
「拙者が巴様に刃を立てるのは・・・・最後の手段です。巴様、拙者は巴様を斬りたくなどありません。ですから、巴様が・・・最早どうしようもなくなった時・・・。」
肩を握る手に一層力を込める。
「巴様が真に、拙者の手を必要としたとき・・・・拙者は刀を抜きます。その時までは、例え何があろうと御守りする。命に代えても。」
一息つき、巴の瞳を見据えながらクロは言った。
「それが・・・・・・・拙者の覚悟です。」
一瞬巴の瞳が大きく揺れたかと思うと、彼女は再び肩を震わせた。
「たわけ・・・・・・もし、もしも今こうしてるときにでも、妾が完全に堕ちたら・・・・どうするのじゃ、ソチは。助からんぞ・・・・。」
「それが、覚悟でございます。」
それを聞くと、彼女の瞳から大粒の雫がぽろぽろと零れ出した。ひっぐ、うっくと息を詰まらせながら、彼女の端整な表情がへにゃと崩れた。
「たわけ・・・・・たわけが・・・・・・・大馬鹿者じゃ、ソチは・・・・。」
「はい・・・・巴様。」
「ちと・・・・胸を貸せ・・・・。疲れた。」
そうぶっきらぼうに言うと、巴はクロの胸にもたれこみ、背中に回した手をぎゅっと握った。
不器用に、クロは巴様の頭に手を置いた。温かい。こんなにも暖かいではないか。こうして静かに体を重ねていると、なるほど、彼女の胸から生の鼓動は感じない。
だが、それでも彼女を抱きしめていたいと思えた。
愛しいという感情がこんなにも心地良いものであることを、クロは改めて感じた。そっと目を閉じてみる。微かだが、香のいい臭いが漂ってきた。
腕の中で涙をこらえる彼女を護ってやりたいと、心からそう思えた。俺しか護ってやれないのだ、と一種の傲慢にも似た気持ちが再び胸を満たした。
もう迷いはない。俺の覚悟はもう揺らがない。そう確信し、心の決意を一層強くした。
体を震わせながら涙を堪える巴。この小さく華奢な体のどこに、あんな闇を抱えているのか。
願わくば、俺の刀が抜かれることなく・・・・そうでなくとも、願わくば彼女が人として在り続けられるよう・・・・・・
そう叶うはずのない事を知りながら、クロは目に見えぬ何かに祈った。そして、優しく巴を抱きしめた。ただ、今はこの温もりを感じていたかった─。

床に転がる物言わぬ面は、大して射されることも無い陽光を異様なまでに照り返し、静かにその様を眺めていた。


202 :AnotherFantasy 仮面 -ソノ手デ-:07/02/12 17:33:33 ID:???
格子のついた窓から、クロはぼんやりと空を眺めていた。
上城についてから、3日。
ここに来るまでの道中、彼はこの場所とそこに住まう者をイメージしていた。巴の話から、漠然と憎悪の権化のようなものを想像したいた。
その夢想は、幸か不幸か、大きく外れていた。
城に住まう人々は巴を手厚く歓迎した。巴の婿である縁とやらも、礼儀作法を弁え、このような古い慣習を蔑ろにしがちな無体を働く素振りなど微塵も感じさせない。
それどころかこの短い日々の間、彼とその家臣が談笑する様に加え、まだ暁も射さぬ頃に1人弓を携え道場に入っていくのも盗み見た。
恨まれるどころか、むしろ非の打ち所のないような男であったと思えた。
城に仕える人々の様子からも、それが伺えた。皆最初は巴をもてなす動作にもどこか緊張が感じ取れたが、今や彼女の人懐こい気性にすっかり気をよくし、
護衛と称すこんな怪しいなりをした男にも朗らかに挨拶をしてくれるようになった。
下城を思い起こさせるような、平和な生活。暖かい人々。これが、彼女に世の理を曲げさせ、闇に身を窶すことさえ決意させた元凶の、舞台だというのだろうか。
「どうなっているのだ・・・・。」
そう独りごちる。今日もまた沈んでゆく太陽を眺め、何をするともなく夜を迎えるのか。
唯一気がかりなのは、仇・城主、つまりは縁の父親であった。入城の際縁から聞いた話では、2年ほど前から病床に臥せ、滅多に人前に姿を見せないという。
念のため城に仕える者(比較的城下に家を置く者)に話を聞きもしたが、やはり似たような回答だった。
戦が終わってからの殿の落胆ぶりは見てるこっちが哀しくなる程だったが、子供らが無事帰ってきたときは人目を憚らず、泣いて喜んでいた。
年の瀬や市の祭り事のときなどには顔を見せるのだが、やはり素人目に見ても具合が悪そうだ。あんな気さくな人がねえ。本当に嫌な世の中だねえ。
話を聞かせてくれた女中達が、法螺を吹いてるとは思えなかった。本当に重い病にかかっているのだろう。それはそれで良し、と思えた。
どうせ同じ結末ならば、そのまま巴の手にかかることなく息を引き取って欲しい。彼女の手を、汚させたくはなかった。
「何事もなければ・・・・・そろそろ戻ってくる頃か。」
燃えるような赤に染まる山間を見ながら、よっこらせと腰を上げた。案の定、共の女中のに、混じって彼女の話し声がゆっくりとこちらに近づいてくる。
「さて、布団をお引きせねばな・・・・・・。」
釈然としないまま、どこか安堵にも似た感情を覚え、クロは巴を出迎えに自室を後にする。

虫の音もない、静かな夜。頬杖をつきながら空に燦然と輝く満月を見つめるクロは、微かに緊張していた。
7日目。最後の夜。夕食も済ませ、独身最後の日々はせめて楽しく、と一週間巴の相手をし続けてくれた気のいい女中達のつてで、今宵、巴は遂に城主の
住まう部屋へと案内されることになった。
「妾1人でよい。どこで寝ておるのか、何人の家臣が側におるのか、分かりさえすればよいのじゃ。」
暗く、静かな口調で言う巴に、クロは逆らえなかった。
それから半刻ほど。巴はまだ戻らない。出会ったその場で事に及んだのならば、その気配に気付かぬはずがない。静かだが、今この付近に不浄なる者がいない
ことは手にとるように分かった。まだ、まだ・・・・・・・。
戦いの準備を済ませ、いつでも飛び出せる用意をしながら、クロはただ時を待っていた。
更に半刻。幕は開かれた。
「おやすみなさいませ─。」
遠く、廊下のつきあたりほどから聞こえる女中の声。それに次いで、こちらへゆっくりと進んでくる足音。巴が戻った。
更に夜が更けた時分なのか、いや、やはり決行は挙式を済ませて然る後に、ということだろうか・・・・・頭を巡らせながら、腰を上げる。
話を伺おうと襖に手をかけたとき、異変に気付いた。巴の足音は自室ではなく、まっすぐこちらに近づいてくるのだ。そして部屋の前まで来たとき、足音は止んだ。
「あ・・・・。」
慌てて襖を開けると、そこには襖に手をかけようとした彼女の姿があった。殿の御前というので、女中達に着飾られ、入城のときの美しい二重を纏い、顔ほどもある
金の煌びやかな簪や、朱の混じった髪留めをしている。だがそれ以上に、憂いを湛えた彼女の趣には思わず息を呑むものがあった。
「・・・・よく、分かったの。」
「いえ・・・・おみ足の音がお部屋ではなく、こちらに向かわれていたもので・・・・少々驚きました。」
なぜか、彼女の顔を見ていられず目を逸らした。奇妙な沈黙が流れる。顔を伏せたまま身じろぎもせず立ち尽くす彼女を前に、どう接すればよいのか分からず、クロは
気まずいまま何も言い出せなかった。

203 :AnotherFantasy 仮面 -ソノ手デ-:07/02/12 17:34:06 ID:???
「・・・・クロ。」
「はっ。」
「入っても、よいか?」
「え・・・・ええ、構いませんが。」
突然の入室の申し入れにも驚いたが、それ以上に彼女の様子に戸惑った。
彼女らしくないと思った。城に着いてからも、彼女の振る舞いに変わった所はなかった。明るく、無邪気で、女中らと遊び、城を散策し、いつものようにケラケラと
笑っていたし、またそれは、自分の前でも同じであった。こんなにも暗く沈んだ彼女を、クロは見た事がなかった。
するすると進み、部屋の真ん中で立ち止まる。燈篭に火は灯していないが、窓から射し込む月明かりだけでも部屋を十分明るくしていた。
後ろでに襖を閉まる音がするや否や、彼女は先程と変わらぬ口調で呟いた。
その言葉に耳を疑う。毎朝早くに起きて散歩に繰り出す彼女は、平素も身の回りでできる事は1人でやっていたし、誰かを呼びつけて手伝わせるなんてことは
滅多にない。そんな彼女だからこそ、思わず聞き返してしまったのだ。
「は?」
「じゃから・・・・服を脱がせてくれと、言うておる。」
幾分はっきりとした口調で、巴は繰り返した。
お召し物を着替える手伝い。考えてみれば側に仕える者として当然の奉仕だが、クロは今まで一度たりともそんなことを彼女に頼まれた事はない。
主従関係に男女の機微を持ち込むのは言語道断だが、なるほど、自分と巴の関係を思えば得心がいく。自分を信頼してくれているし、あの夜以来のわだかたまり
も消えた今、再び1人の男性というよりも兄に似た感情を抱いてくれているのかもしれない。
ならば、些細な事で断るなどもってのほかではないか。
「只今。」
しかし馴れない事に対する戸惑いは隠せぬまま、不器用にクロは巴の二重に手をかけた。
幾重にも重ねられた衣を慎重に1枚1枚ほどき、たたんでいく。髪の装飾も、外すのに随分と手間取った。半刻程格闘した後、巴は着替えの着物に上掛けを羽織り、
いつものような動きやすい格好に収まった。クロはいそいそと畳まれた二重を重ね、部屋の隅にある箱の前にしゃがみ込み、中に収めていく。
さてと─。
そんな緊張感を感じながら、クロそのままの体勢で巴に語りかけた。
「・・・・巴様、準備は万端整っております・・・・。いつでも、構いません。巴様の、お望みのときに─。」
だが、クロの言葉は遮られた。不意に背中にかかってきた微かな重みと温もりに、言葉を失った。突然の事態に困惑する。
「と、巴様・・・・?」
「・・・・・・もうよい。」
胸に回された手に力が籠もる。涙を堪えるでもなく、怒りに震えるでもない、暗く沈んだ、諦めの口調。普段の彼女とかけ離れた言動にただ混乱するばかりだった。
「・・・・・・もう・・・・よいのじゃ・・・・・。」
一体何があったというのか。口にしかけた疑問は、巴の唇によって阻まれた。あまりの出来事に体が硬直する。数秒そうした後、巴はゆっくりと顔を離し、見つめ、
「・・・・・・教えてくれ、クロ・・・・・・・妾はこれからどうしたらよい・・・・・。」
囁くように問いかけた。いつしか、その頬を大粒の雫が伝い、月明かりに照らされながら落ちていく。困惑しながらも、震える彼女の肩に手を乗せようと腕を伸ばす。
だが、それを押し戻すように、彼女はクロに抱きついた。
「8年間も・・・・・・8年も・・・・・兄上の、仇をと・・・・・兄上のっ、無念を晴らそうと・・・・・雪辱を晴らそうと・・・・・ずっと・・・・・なのに・・・・・なのに・・・・・・・・。」

204 :AnotherFantasy 仮面 -ソノ手デ-:07/02/12 17:35:02 ID:???
「一体・・・・どうなされたのです、巴様・・・・・。」
困惑するクロの問いに、彼女は肩を震わせるばかり。
「・・・・・・・契約を交わし・・・・・・魂までも、売り渡した・・・・ずっと・・・このために・・・・・留まり続けたのに・・・・・・・なのに・・・・・。」
「・・・・・・巴様・・・?」
クロの声に、巴はやっと顔を上げた。月光を背に見上げる彼女の大きな瞳は潤み、こうして見つめる間にも雫がいくつも零れ落ちた。美しいと、思った。
その小さな肩が、滑らかな黒髪が、全てが清楚な輝きを放ち、どうしようもなく綺麗だった。
だから、クロは気付かなかった。その大きな瞳に瞼が伏せられたことに。彼女の顔が迫ってくることに。
我にかえったクロは、だが跳ね除けるわにもいかず、一歩一歩後退るしかなかった。しかし、それでも巴は唇を離そうとせず、クロに詰め寄った。
堪えきれず、肩に手を置き、ゆっくりと巴を押し戻す。動悸が激しい。額を汗が伝う。顔が焼けるように熱い。全く、事態が飲み込めなかった。
「巴様っ・・・お戯れが・・・・過ぎます・・・・・・。」
やっとの思いで、その一言を絞り出した。肩で息をしながら、そのまま後ずさり、ゆっくりと彼女と距離を置く。
訳が分からない。どうしたというのか。聞きたいが、言葉が出てこない。混乱しながら、クロは必死に動悸を治めようとした。
だが、小さな衣擦れの音が再び鼓動を激しくさせた。顔を上げる事もできない、逃げる事も思いつかない。見えぬ何かに縛り付けられたように、体が動かなかった。
ぱさ、ぱさと着物が床に落ちる。そのまま、彼女はゆっくりと歩み寄りクロの前で膝を付いた。
両手を頬に添えられ、ゆっくりと持ち上げられる。なぞるように触れられた唇が熱い。憂いを湛えた表情、体全体をうっすらと月明かりが帯びたような体。
全てに、どうしようもなく引き込まれて、それでも、必死に否定した。否定したかった。夢だと思いたかった。これから起こる事を考え、逃げ出したいとさえ思った。
なのに、その揺れる瞳に魅了され、瞬きさえできない。ただ、見つめるしかなかった。彼女の細い腕がそっと首に回される。震える声で囁いた。
「ほんの一時・・・・・それだけでいいのじゃ、クロ・・・・・・。」
遂に、クロは拒めなかった。
嗚呼・・・・・何故だ。何故、こんなことに。誰よりもあなたを信じ、誰よりもあなたの側に居たいと願ったのに。生涯、あなたを見守り続けたかったのに。
偽りの温もりを肌で感じながら、それでも彼はひたすらに優しく彼女を抱きしめる。
任務のために、諜間のためにするようなこの行為を、あなたにだけは・・・・・・あなたにだけは、したくなかったのに・・・・・・・。
2つの体は幾度となく離れ、また重なり合い・・・・・・・そして夜は更けていく。
何故・・・・・・・こんなことに・・・・
今まで抱いたどの女よりも甘く、今まで受けたどんな責苦よりも辛いそのひとときを、彼はただ、ひたすらに耐えた・・・・・。

205 :AnotherFantasy 仮面 -ソノ手デ-:07/02/12 17:35:33 ID:???
通されたのは、天守閣だった。
幾重にも張られた襖の壁を抜け、そして遂に、その男はいた。簾の向こうに横になる男は、見紛うことなき仇だった。
正座し、手をつく。挨拶を述べながら、周囲を観察する。
敷居の前に二人、それを跨いで奥に二人、簾に囲まれた一角の側に、一人。
軽い。なんてことはない。例えどんな使い手が側近であろうと関係ない。奴等は一様に刀しか持っておらん。いける。造作なく、この男を殺せる。
そう、殺せる・・・・・!
口元に浮かぶ歪んだ笑みを、顔を伏せたまま隠した。
布団の擦れる音がして、ゆっくりと面を上げる。男から発せられた声に、心が躍った。
「皆、下がれ。縁、お前もだ・・・・・・。」
家臣達は一瞬困惑した顔を見せながらも、立ち上がり、その場を後にした。だが、簾の側にいる男は動かない。暗がりでよく見えないが、ああ、奴は婿ではないか。
縁と名を聞いて、初めてそのことに気付いた。
まぁいようといまいと、関係ない。今宵は事には及ばぬ。様子見。将来の嫁と義父が交わす、偽りの会話。奴は夢にも思わないだろう。
目の前に座る義理の娘が、よもや8年前己が辱め殺した姫君の成れの果てだとは。思い出させてやろう、そして日々を恐怖と後悔で彩ってやろう。
今更式の解消はできない。和平のこの最後の手段を蔑ろにすれば、貴様は民の憎しみの矛先となるのだ。己の罪を脳裏に焼き付けながら、来る断罪の日に
怯え、震える日々を過ごさせてやろう・・・・・・・!
嗚呼、なんという歓喜。想像するだけで心が躍る。魂が震える。
貴様ノ命ハ妾ノ手ノ上ニアルノダ・・・・!
浮かぶ笑みを必死で噛み殺し、口を開こうとしたその時、縁が突然立ち上がった。
思わず目を瞠る。彼は何か決心したかのように顔を上げると、まっすぐこちらに歩み寄ってきた。
縁!奴の発する制止の声を一顧だにせず、彼は膝を付き、頭を畳みに擦り付けた。烈火の如く、彼は話し出した・・・・。

『AnotherFantasy 仮面 -煉獄の中でアイを刻む-』

月明かりが眩しく照らす道を、クロは硯に跨り風のごとく駆けていく。
彼の脳裏に言葉が蘇る。笑顔が蘇る。憂いを湛えた顔が蘇る。
畜生、俺はなんて愚かなのだろう。なんて脆いのだろう。自分が不甲斐なくて、奥歯を噛み締める。
「間に合え・・・・・!」
ただ、彼は巴の安否だけを案じ、拳を握り締めた。

「復讐は果たさぬよ。」
空が白み始めた頃。彼女は静かに切り出した。未だ火照る肌には、冷える朝の帳とは別のうすら寒さを覚えた。
「ソチの役目も・・・・もう無い。下城に戻るのじゃ。」
有無を言わさぬ物言いだった。そのまま部屋を後にする彼女を、クロは呼び止めることもできなかった。
主の裏切りに、彼はただ、呆然とするばかりだった。

206 :AnotherFantasy 仮面 -ソノ手デ-:07/02/12 17:42:19 ID:???
3日後。何の滞りもなく、式は上城で挙げられた。式の最中、周囲を巡回しながら、クロは一度として城内に入ろうとはしなかった。
一度殿も直々に声をかけにきてくれたが、丁重に断った。
宴もたけなわとなった頃、外壁の屋根の上からクロは山を、その先を見つめていた。澄み切った、刺すような空気だ。
遠い遠いあの青の果て、あの雲達が流れる先には、どんな世界が広がっているのか。
思わず嘲笑が浮かぶ。
「まるで貴族だな。」
失恋のような心地にでも浸っているつもりなのか。異国に想いを馳せ感傷的になるとは、なんとも軟弱な。
ひとしきり罵った後、はぁと息を吐いた。白い白い息がゆったりと昇る。
結局彼女にとって、俺は家臣の1人に過ぎなかったということか。それ以上の存在になろうなどと驕った、その罰がこれなのだろうか。
そう思うと、胸が締め付けられるようだった。
「・・・・何を嘆いているのだ。」
何よりも彼女の人としての存在を願い、何よりも彼女の願いを尊重し、何よりも彼女の幸せを祈っていた。
手を汚すことなく、闇に堕ちることなく、それでも彼女は今人として在る。十分じゃないか。これ以上の結末などない。
何を嘆くのだ。これが本来の主従関係であり、あるべき自分の姿ではないか。仕える者と使役する者とが対等の立場にあるはずがない。
いやそもそも人並みの温もりを求めた事自体が愚かだったのだ。闇に生き、闇に散る。物心ついたときから、そうして生きてきたのではないのか。
「そうだ・・・・・・これで、よかったのだ。」
胸の内で暴れ狂う何かを、クロは必死に抑えつけていた。

翌日、まだ霧も晴れぬ薄暗い時分、クロは硯のいる舎にいた。
里からの帰還命令も寄越され、帰り支度をしていたときだった。砂利を踏む音がして、クロは顔を上げた。白い景色の中から殿が姿を現した。
「半年の間、ご苦労だったな・・・・・。」
何も言わず会釈する。できることならば挨拶もせず立ち去りたかった。あれ程までに心安らかだった下城も、今ではそうは思えない。普段のような無関心さでは
ない。何故か、一刻も早く立ち去りたいという焦燥感に駆られて仕方が無かった。
そんな様子を感じ取ったのか、殿は何も言わず更に歩み寄り、裾の中から何かを取り出した。折り畳んだ紙。どうやら手紙のようだった。
「式の前に、巴から預かったものだ。」
胸がズキンと痛んだ。彼女の名を聞くたびに、クロの内の何かが暴れる。曇った表情を気取られぬよう、俯いた。
「お前宛てだ、クロ。読んでやってくれ。」
殿は静かにそう言い、クロに差し出した。そして、それ以上何も言わなかった。しばしの沈黙の後、クロは苦々しげに手紙を受け取り会釈をすると、再び帰り支度
を始めた。

クロ─。
これを読んでいる頃には、妾はもう上城の姫君になっていると思う。
何を今更、と思うかもしれんがどうか聞いて欲しい。すまなかった。妾はソチに甘えていたのだ。

帰りの山道を、クロは硯に跨りながら進んでいた。立ち込める霧の中、規則的に砂利を踏む大きな足音に、紙の揺れる音、擦れる音が混ざる。
生気のない瞳で、クロは手紙をじっと見つめていた。

ソチが下城に来たあの日、妾はソチが何のために呼び寄せられたのか分かっておった。父上にも、ロク爺にも、妾の目的を話したことはなかった。
突発的な変化をすることはないと、父上やロク爺に話すわけにはいかなかった。それでも自分を殺すためにやって来た人間を、快くは思えなかった。
悲願のため、妾は歯を噛みながらソチを出迎えた。妙な態度を父上らに怪しまれて、これ以上行動を制限されるわけにはいかなかった。
適当な距離を置くつもりだった。ソチを懐柔した後は、それとなく遠ざけるつもりじゃった。だが、いつの間にか歩み寄ろうとする自分がいることに気がついた。
いつからだろうか、妾は、消えるのならソチの手にかかって消えたいと思った。孤独な闇の中、ソチは確かな光となって妾を照らしてくれた。
お前といるときだけ、妾の心はつかの間の安らぎを覚えることができた。

「硯─。」
足音が止まった。


207 :AnotherFantasy 仮面 -ソノ手デ-:07/02/12 17:42:51 ID:???
だから恐ろしかった。いつしか父上が、ソチに本当の任を告げるときが。そうなれば、いかにソチが真意を隠そうとしても無駄だと思った。
人ならざる者へとなった今、妾は人の心の移り変わりを敏感に察知できるようになっていた。
ソチが妾の光でなくなるのが、暗殺者として妾と壁を作るのが、何よりも怖かった。ソチに妾の正体を知らされる前に、自ら闇に堕ちようとも思った。
巴姫を喰らった魔性として、真実を知る事なく、ソチに消されたいと思った。
じゃが、妾の悲願を秤にかければそうするわけにもいかなかった。
ソチも知っておるじゃろう。西の果てで、闇の意志が再び目覚めたという噂を。その噂以上に、妾は確信があった。大気に、山に、森に、暗闇が染み出す気配を。
海の果てで、何かが湧き出しつつあるのを。闇は、確実に広がり出しておる。
国の獣人らも、それに呼応し再び動き出した。1年前下城を、父上を訪れた使者。あれは妾と同じ、この世に在らざる者であった。
時間はもう残されていないのじゃ。今、東西の主が手を取り合わねば、再びこの国を戦火が覆う。何としてもそれだけは避けねばならなかった。
それこそが、妾の悲願。妾が現し世に彷徨い出た、本当の理由。
そうじゃ、クロ。ソチに嘘をついた。
兄上が愛した民を、国を、妾は何としても護りたかった。兄上の成せぬ事を、妾は何としてでも成し遂げたかった。
仇だ、復讐だと名目を打ちながら、妾は結局兄上の影を追い求めていたかっただけなのじゃ。死して尚、未練がましく・・・・・。

一陣の風が走り、ススキが歌う。
クロは、あの丘の上に来ていた。既に沈みかけた夕日に彩られ、丘からの景色はまた黄昏に染まっていた。
石碑の前に座り、彼は繰り返し手紙を読んでいた。何度も、何度も。

そして、今やその名文も失ってしもうた。仮住みの、最後の夜─。

「無理は承知の上でお頼み申し上げます・・・・どうか、父を・・・・父を殺さないで下さい・・・!」
予想だにしなかった言葉に、巴は驚きを隠せなかった。
今、こいつは何と・・・・・・。
「全て、知っております。父の犯した過ちも、貴方が誰なのかも、全て。」
戦慄が走った。まさか。知られていた?どうして。
瞬時、身を翻し後ろに飛ぶ。罠か。妾は、まんまとはめられたというのか?
いつでも動けるよう身構えたが、そんな妾の様子には目もくれず、縁は話し続けた。
「どうかそのまま、お聞き下さい。父は・・・・父は、全て知っておられました。婚儀の話がきたとき、誰が嫁にくるのかも。そして、その目的も全て。」
状況が飲み込めなかった。その場に立ち尽くしたまま、巴は彼の話に聞き入った。
「かつての戦の折・・・・・砦に父と共に赴いていた私達は、東軍の思わぬ反撃に会い、敗走しました。父はそのとき、私が死んだと思い込んでおりました。
父はその責任が自分にあるとし、日々後悔の念にさいなまれていました。当の私は妹と共に身分を偽り、戦場から離れた山間の集落に隠れ、戻る機を
伺っておりました。あの混沌の最中、日々の糧にありつくのもままならず、幼い私達の力だけで上城に戻ることは、不可能だったのです・・・・。
父の自責の念は、いつしか東軍の、敵への憎しみに変貌しました。自ら望んで狂人へと成り果てた父の憎しみは、戦が終わった後も晴れませんでした。
そして・・・・・狂気に奔りました。東軍の長、憎むべき下城の者に一矢報いる。父は自らを貶めることで、自責の念から逃れようとしました・・・・・。」
「縁・・・・!もうよいっ、下がれ・・・・!!」
息苦しそうに咳をしながら、奴が怒鳴る。だが、縁は動こうとしなかった。妾もまた、力を振るおうとはしなかった。
「本当に申し訳が立ちません。私達兄妹が上城に帰りつけたのは、父が貴方がたの亡骸を下城の主様へと送りつけた、翌日のことだったのです。
余りにも、遅すぎました。父は私達の帰還を誰よりも喜び、そして、己の犯した罪を悔いました。早計と言うのもはばかられる、あまりにも残酷なすれ違いで、父は
罪無き貴方達兄妹に、あまりにも惨い仕打ちをしてしまった。そのことを8年間、父は悔い続けてまいりました。多くの腹心を戦で亡くし、まだ十を数えぬ私と、物心
もついていない妹、そして苦しみあえぐ民達を、父は見捨てることができませんでした。自ら命を絶つことも、懺悔することも許されませんでした。
この8年、父は己をどこまでも酷使し、領土の再建に勤め、私達の成長を見守ってきました。そして私が元服を迎えた時、重い病に冒されたのです。」

208 :AnotherFantasy 仮面 -ソノ手デ-:07/02/12 17:43:42 ID:???
嘘だと、言って欲しかった。命乞いの演技だと。全てが嘘だと、誰かに言って欲しかった。
憎き仇は、どこまでも黒く染まった憎悪の権化でなければならない。存在する価値もない人間でなければならない。なのに。
妾の心は、確実に揺らぎだしていた。
「赦せなどとは申せません。父は、余りにも惨い仕打ちをしてしまいました。だから父は、貴方が望むのならば自分は甘んじて受け入れねばならぬ、
と貴方と私との婚姻を承諾しました。まだ国は荒れ、父のやるべき事は数多くあります。ですが、貴方にはその権利がある。望むのならば、拒むことのできない
行使の権利が。ですから、お頼み申し上げるのです。どうか・・・・・どうか、父を殺さないで下さい。まだ未熟な私では、傷跡深い民達全てを救えませぬ。
まだ未熟な私では、妹を守れませぬ。父は、民にとっても、妹にとっても、まだ必要な人なのです・・・・・ですから、どうか、どうか私の命で・・・・・。」
「何を言い出す・・・!!下がれ!!下がるのだ、縁っ!」
「譲りませぬ・・・・!決して、引きませぬ・・・・・!」
「縁・・・・・言う事を聞け!えにっ・・・・ぐ・・・っ。」
だが、奴の言葉は再び咳に飲まれ、続かなかった。
「嘘じゃ・・・・・・・・。」
いっそ二人まとめて食い殺してやろうとした、その時。小さな影が奥の襖を開け放ち、暗がりから現れた。幼い少女。彼女は俯いたまま、床に伏せる縁にすがりつく。
「鈴!」
奴が叫んだ。驚いた縁は、慌てて妹を奥の部屋へ戻そうとする。だが、彼女は頑なだった。ぼろぼろと涙を零しながら、妾を睨んだ。
「父様を・・・・兄様をっ・・・・・・・殺さないで・・・・!」

情けない話じゃ。結局、妾の手は動かなかった。大事な人を失う苦しみ、復讐に生きる苦しみは、妾が誰よりも知っておる。あの娘に、妾と同じ苦しみを
味合わせたくはなかった。そしてその時、二人を見ながら気付いたのじゃ。
妾は憎しみ以上に、兄上の影を追い求めていた。ただ何より、兄上を失った悲しみを紛らわすために、憎しみと国を救うという大儀を抱えていただけなのじゃ。
そんな自分に愕然とした。もう、妾には殆ど力が残されておらん。
契約の破棄が何をもたらすのか、妾にも分からん。だが、魔性になるにしろ、妾は間違いなく消えるじゃろう。もう、筆を持つ力すらも薄れていっておる。
魔を操る術も失った。遅かれ早かれ・・・・・妾は力尽きる。
じゃが、妾は満足じゃ。国は救われ、戦も起こる事は無い。兄上の遺志は、全うできた。結果的に、妾は役目を果たせた・・・・。
唯一心残りは、ソチじゃ。
ソチの覚悟を、忠誠を、好意を知りながら、妾はソチを慰み者にした。赦しを請うても、例えソチが赦してくれても、妾は取り返しのつかない事をした。
挙句、誰よりも救いとなってくれたソチを、妾は裏切った。悔やんでも悔やみきれぬ。
どうか、笑ってやってくれ。なんと哀れな女だと。亡者の影にすがり、偽りの復讐と使命だけで己を支えながら、結局は弄ばれただけの道化だと。
そうしてくれることが、妾の最後の願いであり、何よりの救いじゃ。
本当にすまぬ、クロ─。

震える文字を、クロは何度も反復し読み続けた。
最初胸にこみ上げてきたものは、今はもう無い。ただ、巴が恨めしく、そして自分が不甲斐なかった。
結局、信じてやれてなかったのか。結局、偽りの覚悟だったのか。結局、偽りの忠誠だったのか・・・・・・・。
「・・・・弱いな、俺は・・・・。」
また、信じてやれなかった。忠誠を、覚悟を、容易く崩された。沈み行く夕陽を見ながら、クロは独りごちていた。その時。
風が、止んだ。
──エト!見ろ!
燃えるような黄昏の中、山間から昇る一筋の黒煙。肌に感じる、おびただしいまでの邪気。あの方角は・・・・・・。目を凝らし煙の出所を探る。そして、気付いた。
「・・・・・巴様・・・・・!」
上城が血の様な赤に染まり、轟々と炎上していた。

林を抜け、丘を駆け。巨大な黒煙は次第に迫り、その根元は毒々しい赤に染まっている。
月明かりは既にその赤に呑まれ、近づくにつれて、周りの景色がすべて燃えるような赤に照らされていた。
時折聞こえてくるのは、木が焼け落ちる音、断末魔の悲鳴、そして・・・・・魔物の雄叫び。不吉な予感を胸に、クロは必死に硯を急かした。

209 :AnotherFantasy 仮面 -ソノ手デ-:07/02/12 17:46:06 ID:???
遂に上城に辿り着いたとき、そこには凄惨たる光景が広がっていた。
あちこちにある、どす黒い水溜り。炎に集まる巨大な蜻蛉、城壁にへばり着いた水飴のような生き物。橋の上には魔物の屍骸と共に、
城の兵士だったものが転がっている。門の奥では、異様に大きい昆虫に数人の兵士が立ち向かっているのが見える。辺りは悲鳴と雄叫びが渦巻き、
阿鼻叫喚の様を呈している。
「くそ・・・・・!」
恐らくは、獣人の放った下僕達。婚儀を食い止められぬならば、いっそ婚儀そのものを無きものに。この「不幸な事故」のどさくさに、また戦を始めようというのか。
炎上する城を前に、拳を握り締める。
果たして間に合うか・・・・。
「硯、隠れていろ。」
──言われずとも。
互いに逆方向へ駆け出す、二つの黒い影。炎はいよいよ城全体を飲み込みつつあった。

城内に飛び込んだクロの目に飛び込んできたのは、一面の火の海だった。多くの部屋は跡形もなく崩れ落ち、外からは未だ戦いの音が聞こえる。
通路は火に阻まれ、吸い込む息で喉が焼ける。
どこかの天井が焼け落ちる音がした。時間がない。
「畜生・・・・!」

城の中央部、広い木目張りの部屋。壁にかかった掛け軸や、美しい装飾の施された屏風は無惨に焼け、襖もあちこちに飛び火している。
その部屋に、巴はいた。
連れ出してくれた兵士らも既に魔物の手に落ち、次第に動かなくなってきた体を引きずりながら、ここまでやってきた。
「おの・・・れ・・・・・血に飢えた・・・・・獣どもめ・・・!」
そんなに戦がしたいというのか。それほどに血を流したいのか。先の戦でどれほどの人間の人生が狂わされたか知っているのか。
姿もない敵に向かって吐き出された呪いの文句には、血が混ざっていた。
「これはこれは・・・・姫殿、探しましたぞ。」
背後の声に身を翻す。狐の面をつけた、黒装束。執拗に追い回すこの忍び・・・・・衛兵も、縁殿も・・・・・・!
「そう睨みなさるな。人ならざるお方よ・・・・。綺麗な顔が台無しではありますまいか。」
腰の二刀に手が添えられ、ゆっくりと鞘走る。現れた冷酷は、炎のゆらめきを受けまるで生きているかのように光り輝いた。
「鬼事もそろそろ幕引き・・・・・さあ、お覚悟召されよ。せめて苦しむことなく、葬って差し上げよう。」
にじり寄る黒装束。最早どこにも逃げ場は無い。振りかぶられた刀身に、思わず目をつぶる。一陣の風が頬を打ち、そして─鋭い金属音が鳴り響いた。
「え・・・?」
恐る恐る目を開ける。狐の黒装束の刃は、果たして別の黒装束の刀によって止められていた。懐かしい、後姿。二度と聞けないと思っていた、その声。
「・・・・お怪我はございませんか、巴様。」
今、彼は舞い戻った。
刀身を舐めるように走らせると同時に身をかがめ、狐の腹めがけて突き刺す。狐は後ろに飛び退き、それをかわす。刀をぶらんと下げ、しかし油断なく、クロを
眺め回す。
「・・・・・・・獲兎。」
「・・・・・・・久方ぶりですな、頭。」
しばしそうしていた後、狐は頭の後ろに手をやり、面を外した。中から覗くは、歴戦の猛者であり忍び頭でもある懐かしきあの顔。老木に小刀で二度切りつけたような
鋭く、猛禽を思わせる瞳は今や炎の輝きを映し、ゆらゆらと冴え渡っていた。
「・・・・・・任終了の通達はしたはずだ。」
「確かに、報せは受けましたが、了承はしかねます。」
「・・・・・・なに?」
「巴様の御身が今こうして危険に晒されておりますので、拙者の任はまだ継続する必要があるということです。」
空気が音を立てるほどの緊張が、両者に走った。炎に燻られた空気までもが凍りつきそうなほどの威圧感が周囲に満ちる。
「・・・・・・情にほだされたか、未熟者めが。心を凍てつかせる術を軽んじたな?」
「生憎と・・・・・脆い心を鍛えなおすべく、今一度修行に励んでおりましてな。それ故、口もよーう滑ります。」
茶化すようなクロの表情に、鋭い瞳がさらに細められる。二刀を構え、ゆっくりと腰を落とした。
「・・・・最後に一つ聞こう、獲兎よ・・・・・・・・・面はどうした。」
クロの手が懐に消え、再び現れた。そこには白い仮面が握られている。頭に見せつけるように突き出した後、それを宙に放り投げた。
落ちてくる仮面がクロの眼前にまで来たとき、一閃が走る。面は真っ二つに裂かれ、乾いた音をたてて転がった。
「獲兎ではない。拙者の名はクロ。下城、上城の姫君巴様に仕える忍びだ。」
そう言い放つと、クロもまた頭にならい、ゆっくりと腰を落とし、身構える。最早、問答は要らなかった。

210 :AnotherFantasy 仮面 -ソノ手デ-:07/02/12 17:50:02 ID:???
「一族の恥晒しめが。この俺自らが貴様の介錯を務めてくれる・・・・・ありがたく死ね。」
「黙れ乱波者が。返り討ちにしてくれる。」
刹那、頭の手が腰に伸び、そのまま何かを天井めがけ放った。コツコツと、2回乾いた音がした直後。
爆発。
体全体を打つ爆音が轟き、天井の一部が崩れ落ちてくる。背後の巴を抱きかかえ、一足飛びでそれを避ける。
轟音と共に床が大きく揺れる。だが息つく間もなく、背後から老虎の攻撃が飛んできた。
一撃はじけば、もう一刀が腕を掠める。一撃受け流せば、もう一刀が喉元を襲う。
首、胸、額、ありとあらゆる急所めがけ放たれる目にもとまらぬ一閃。巴を抱えたまま応戦するクロの劣勢は明らかだった。
「ちぃっ!」
堪らず距離を置こうと跳躍し、駆け出す。だが、老虎は張り付くように迫り、離れない。
また一撃、一撃。部屋には甲高い金属音だけが繰り返し鳴り響き、黒い影だけが目に映った。
「はあっ!」
老虎が吠え、二刀を同時に繰り出す。かろうじて上段で構え、それを受け止めた。
「くっは・・・!」
すかさず空いた腹に老虎の回し蹴りが入る。飛びそうになる意識、手離しそうになる腕の重み。
「なんのっ・・・・。」
すんでのことで繋ぎとめ、後ろに飛び距離を取る。老虎が猛進してくる一瞬の間、クロは腰に手を伸ばし印を結んだ。
「っぐ・・・・。」
膝をつき、体勢が崩れる。その隙を逃さず老虎はクロの胸に刀を突き立ててきた。仰向けに倒れゆくクロが一瞬で紙兵へと変わった、その刹那。
背後から、老虎の脳天めがけ振り下ろされた一撃は、しかしもう一方の刀によって阻まれた。
「空蝉は・・・・・貴様の最も得意とする術だったな。」
表情を曇らせるクロに向けて、老虎はにやりと余裕の笑みを浮かべ、目だけで振り返る。すかさず飛び退き、もう一刀の追撃をかわす。
距離を置き、睨み合う両者。
床を蹴り走り出そうとしたその時、先に空けた天井の穴の周りが嫌な音を立てて軋み、両者の間に割り込むように再び崩れ落ちてきた。
燃え盛る柱を間に対峙する両者。思うように身動きのとれぬクロの息は荒い。肌の焼けるような暑さの中、目に入る汗を振り払う。
その一瞬の隙をつかれた。炎の向こうで老虎が印を結んでいることに気付いたときには、最早手遅れだった。
轟ッ!と目も眩む閃光と共に放たれた火遁は間の柱の炎を巻き込み、燃え盛る大蛇となってクロの眼前に躍り出た。
「っ!」
すかさず印を結び、手をかざす。だが薄い風の壁では、炎の激流の流れを変えるのが関の山であった。大蛇は手を焼き、腕を焼き、そしてクロの顔に襲い掛かった。
「っぐあ・・・!!」
たまらず顔を覆う。目まで焼かれなかったのは幸いだが、顔の半分を削り取られたような激痛が襲った。
そして、鈍い衝撃が走る。
背後を取った老虎の凶刃は、まっすぐにクロの胸を貫いていた。そのまま刃を捻り、呟く。
「心を開かねば、生き永らえられたものをっ。」
言い切ったのと、老虎の口から緋色が溢れ出たのは、同時であった。その喉を貫き光る刃。老虎の二刀は、紙の人型に突き立てられていた。
肩で息をしながら、クロは崩れゆく男を最後まで見据えていた。


211 :AnotherFantasy 仮面 -ソノ手デ-:07/02/12 17:52:03 ID:???
刀を腰に収め、巴をそっと床に寝かせる。
抱きかかえたときから感づいていた。体から温もりが抜け出ていく。こうしている間にも、体から生気が流れていくのが見て取れた。
「巴様・・・・巴様・・・・。」
クロの呼びかけに、伏せられた瞼がゆっくりと開く。
「・・・戻って・・・来てくれたのか・・・・・。」
震える手が、クロの頬に当てられる。何度も何度も、クロは頷いた。
「しっかりして下さい・・・・・急ぎ城を出ましょう。下城に行けばあるいは・・・・・・。」
巴の指が、そっと唇をなぞった。再び視線を巴に向ける。彼女は優しく微笑んでいた。
「なんて顔を、しておるのじゃ・・・・ソチが来てくれた、だけで・・・・妾はもう・・・・想い残すことなど、ない・・・・じゃから・・・・そんな顔をするな・・・・。」
クロは必死に首を振る。それでも、巴は微笑み続けていた。
「─。」
ゆっくりと唇が動く。木のはぜる音が、先程よりも確実に大きくなっていた。
ただただ、今にも崩れ落ちそうな彼女の体を支えていた。もうできる事などない。そうであっても、信じたくなかった。クロは首を振り続けていた。
いつかの車の中で、あの時とは違う震えない声で、あの時とは違う弱々しい声で、彼女は言い、微笑んだ。
「有難う、クロ。」

温もりが、ずり落ちていく。それは頬を離れ、空に滑らかな弧を描き、ゆっくりとゆっくりと床に落ちていった。
待ってくれ
声が出ない。受け止めようと伸ばした手さえもひどく緩慢で、それがひどくもどかしくて。その間にもゆっくりと、だが確実に。
まだ何も…何も
受け止めなければ。
おちれば、全てが終わってしまいそうで。おちれば、何もかもが壊れてしまいそうで。それが、今は何より恐ろしくて。
終わらせてなるものか、壊してなるものか、俺はまだ何もしてやれていない。
俺はまだ彼女に、何一つ。
掴め
掴め 掴め!
掴むんだ!まだだ、まだ間に合う!
まだ!
まだ!!

コトッ。
静寂の中、小さな音が部屋に響き渡った。
巴の目は、既に閉ざされていた。そして、二度と開くこともなかった。
黒装束に覆われた腕は、宙に虚しく伸び、その先には何もない空間が広がるだけ。

どこか遠い所で、木が焼け落ちていく音がする。
床に寝るその小さな手に、クロは手を重ねた。
巴の頭をそっと床に寝かせ、頬を撫ぜる。
なんて綺麗なんだろう。なんて美しいんだろう。
炎にゆらゆらと照らされる彼女の寝顔は、安らかで、穏やかで、だが、雪のように白くて。

212 :AnotherFantasy 仮面 -ソノ手デ-:07/02/12 17:52:31 ID:???
ガラガラと轟音を立てながら、背後の部屋が紅蓮の中に崩れ落ちる。
彼女の閉ざされた瞼の上に大きな雫が落ちていることに気付いたのは、いつのことだったか。
天井を見上げる。
堅い木の天井があるばかりで、どこからも水の気はない。
そっと目に手を当てる。
・・・・あぁ、これか。

「俺は・・・・泣いているのか。」

巴の瞼から、雫が流れ落ちた。それがまるで、彼女が流したもののようで。
頭では分かっている。
なのに、何故だ。その雫は、あまりにも清らかに輝いて。ゆっくりと頬を伝うその暖かさが、まるで彼女の手のようで。
嗚咽が漏れ出る。
止まる事はなかった。止める事はできなかった。

「これが・・・涙なのか。」

巴を強く抱きしめながら、クロは肩を震わせて泣いた。


復活を果たしし魔王、再び闇に没す。
その報せが届いたのは、翌日のことであった。東西の将らの後ろ盾たる獣人らも再び四散し、二度目の戦は始まりを待たずして、終結を迎えた。

不思議と、憤りを感じる事はなかった。

町外れの小高い丘。既に立っていた石碑に寄り添うように建てられた、もう一本の小さい石碑。
「・・・・行って参ります、巴様。」
8年もの長き間、この世に在り続けた彼女の御魂は今度こそ天に昇っただろう。他ならぬ兄の導きによって。それが、ただ嬉しい。

心は、穏やかだった。

──行くのか?
「あぁ・・・ずっと西の方へな。」
風が流れ、ススキが静かに揺れた。大きく広く澄み渡った空には、羊雲が東西を横切り、延々と続いている。西の果ての一部は、既に赤味を帯び始めていた。
「すまないな、硯。無理を言ってしまって。」
──いや・・・
硯の同行を、クロは拒んだ。
孤高の旅こそが彼の望みであり、歩むべき道、そして背負うべき些細な責だと信じていた。

もう一度、背後の石碑に目をやる。クロの瞳が、眩しそうに細められた。

死人である彼女を突き動かしていたのは、深すぎる憎しみと、深すぎる愛。
結局、俺は最後まで彼女の苦しみを理解できなかった。凍てつかせた心の持ち主に、彼女を護れるはずがなかった。
彼女は最後まで自分一人の力で巨大な魔の誘惑と戦い続け、そして、彼女が本当に助けを求めたとき、俺は傍にいることさえできなかった─。

──その面・・・・。
硯の視線がクロの手に握られたものに留まった。以前のものとは少し違うようだ。
「いや、なんだ、その・・・・。さすがに、この火傷では人目を引くしな。」
それに、と照れくさそうに目を伏せる。
「言われたのだ。」
──言われた?
「あぁ・・・・自分はお前の笑顔に惚れたのだぞ、とな。」
心を凍てつかせる事は、強さなどではない。弱さを隠すために、全てを隠してしまう仮面は、覚悟などではない。
真に強い心。俺はそれを教わることができた。
邪な願いを抱きながら、穢れ無き想いで人として在り続けた、彼女から。
「気付かされたのさ。」
ぶっきらぼうに、面の紐を結い、顔に付けながら彼は言った、

213 :AnotherFantasy 仮面 -ソノ手デ-:07/02/12 17:55:12 ID:???
「凍てつかせても、消えない事に。それは変わらずそこに在り続けて、俺を見つめ続けることに。ならば俺は、解き放とうと思う。そうしていれば、次は護れる。
そんな気がするのだ・・・・。」
すまんな、訳の分からぬことを言って、と照れくさそうに笑う彼の額の上には、愛らしい笑顔の面が結い付けられていた。
「だが、どうも俺は、笑うのが下手なようでな。しばらくは、こいつに代わりに笑ってもらうさ。」
つられて、硯も微笑む。どこか哀しく、寂しそうに。
過去を清算できるとは思えない。
この胸を締め付ける苦しみが消えるとも思えない。
だが、それでも構わないと思う。
いつか過去の俺を、過去のものにできるように。いつか、俺が俺として在る事のできる場所を、見出すために。

──・・・達者でな。エト。
伏せていた目を上げた硯は、ただ一言そう言った。
気付いたが、言おうとは思わなかった。その瞳が、陽光にゆらゆらと揺れている事を。
「ああ・・・・お前もな、硯。」
眩しいまでの陽光に照らされながら、顔の火傷が、優しく歪んだ。
──あ・・・・。
声を出さずに、硯は叫んだ。
──・・・・エト。
頭の上にあった仮面を顔の前まで滑らすと、彼は颯爽と歩き出した。
──大丈夫。きっと、すぐだ。お前がその仮面を必要としなくなるのは。お前がまた護るべき人を見つけるのは。きっと、すぐ・・・・。
小さな囁きは、果たして彼に届いただろうか。風に巻かれ、ススキが歌う。次第に遠ざかっていく大きな背中を見つめながら、黒い嘴からはぁ、と嘆息が漏れた。
──全く・・・・・本当に惚れそうな顔で笑うのだから、お前は。
一度として振り返ることなく、彼は風景の果てに消えて行った。

「あっ。」
錦桜の最後の花弁が、ゆっくりと宙に舞う。
「散りましたな・・・・。」
巴が蘇ってからの8年、散れども散れども咲き続けていた、錦桜。
「散ったな・・・・。」
それを見ながら、ロク爺と殿は静かに微笑んでいた。
ごろんと仰向けになり、上を見上げる。空一面を横切って走る羊雲の一部は、鮮やかな赤に染まり始めていた。

風がヒュウと吹く。不意に、殿は頬に何かが貼り付いたのを感じた。
掬い取った指の腹に付いていたのは、薄桃色の、一枚の花びら。舞い落ちた花びらが風に運ばれ、頬を伝う雫に丁度覆いかぶさったようだった。
まるで涙を拭うように。

(逝ったな)

そう聞こえた気がして、無意識の内に、殿は庭の隅に目を向けていた。
裸になった桜は、しかし未だ雄大にその場に在った。
思えば、この桜の時もまた、8年前から止まっていたのだ。
絶えることなく花開き、季節を問わず、8年間咲き続けた錦桜。

・・・・桜自身の意思、だったのかもしれんな。

そう思えてならなかった。
「春になれば・・・。」
肩を震わせながら、ロク爺が囁くように言った。
「春になれば・・・また・・・咲きましょうなぁ・・・。」
「あぁ・・・桜も眠ったのだ。やがてまた巡り来る、春のために・・・。」
指を高く掲げる。花びらは風に乗りフワリと舞うと、そのまま天高く昇って行った。どこまでも、高く、高く。やがてそれは空の青に吸い込まれ、見えなくなった。

大きく澄み渡った空。長い長い羊雲は、ゆっくりと東へ流れ始めていた。

fin

214 :(・∀・):07/02/12 21:36:40 ID:???
終わり…だな? よし、長く続いた沈黙を俺が破るぜ
まず、なんだ、確かにこの作品は万人にうけるものではないと思うが、俺は好きだ
分割して投下してるところとか、設定ちがうじゃねーかとか、作者の自己主張激しすぎwww 等など思う人もいるかもわからんが、
俺はそういう所はあまり気にならなかった。作者の数だけ世界があるって考えだもんでな
それになにより表現も上手だったし、内藤スレじゃなくても普通に一つのお話としてだせるんじゃね?wwww ってくらいの出来だったと思う

っと、気付いたらこんな長文にwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
まぁなんだ、短くまとめりゃ…
GJwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww

215 :(・∀・):07/02/12 22:50:05 ID:???
ぐっじょぶwwwwww
こんな話もいいねwwwww

216 :(・∀・):07/02/13 00:25:31 ID:???
斬新だな、おい・・・・・・・名前だけ変えれば普通に一個の小説だよなwwww
割と楽しめたwwwwGJwwwwwwwww

217 :(・∀・):07/02/13 01:34:33 ID:???
俺は楽しめたぞ?最初の方から眺めてたし、ラストもちょっとジンときたしな。
まぁ作者さん乙wwwwwww気向いたらまたなんか書いてくれwwwwww

218 :(・∀・):07/02/13 09:45:39 ID:???
これに出てくる"巴姫"は内藤達とつるんでる"巴姫"じゃないのか
最初はそう思って読んでてちと混乱したぜwwwwwwwwww
しかし任邪かっこよすwwwwwwwwあと作者GJwwwwwwwwww

219 :(・∀・):07/02/13 15:57:58 ID:???
>>218
一瞬俺もそう思ったが・・・・なるほど、輪廻の名ってそういう意味なー
長編GJwwwwwwwwwwww

220 :(・∀・):07/02/14 00:08:49 ID:???
日付が変わりましたね。バレンタインですね。
ということで超久しぶりに長編行きます!(・∀・)
以下、貼る前のたわ言↓

『餡刻vs臼姫』『巴姫vs臼姫』と『whiteday〜内藤X臼姫ver〜』(R指定)の続編です。
なので、各キャラには↑のSSで作った特殊な過去などが設定されています。俺様的内藤パラレルワールドです。
あと、途中で少しR指定スレに飛びます(内藤×臼姫)。でもそんなにエロくはない……と思います。

前提とさせてもらった時代の流れは↓な感じです(☆は自分で書いたもの)。

 『リメイク(+完全版)』 (隔離1-778)(隔離4-28)
       |
 『whiteday〜内藤X臼姫ver〜(回想)』 (R指定1-744) ☆
 『獣様と闇と光』 (十二-567)
 『餡刻vs臼姫』 (野放-770) ☆
 『巴姫vs臼姫』 (隔離10-26) ☆
 『whiteday〜内藤X臼姫ver〜(本編)』 (R指定2-24) ☆
 『教会の幽霊』 (隔離24-68)


この話を書き上げる意欲を掻き立ててくれた職人さん、
特に隔離23の532-573で臼姫を描いた作者さん、『教会の幽霊』の赤(ryさん、
そして全てのwwwwww住人の皆に感謝しつつ。

作りの荒さは相変わらずですが御勘弁!




  −糞樽vs臼姫−



221 :糞樽vs臼姫:07/02/14 00:09:19 ID:???

第一章


  −1月3日−

通風:今なんつった?wwwwwwwww
戦死:だからwwwww糞樽が臼姫にケンカ売ったwwwwwww
通風:それはお前の初夢か?wwwwそれとも娼館子の予言か何かか?wwwwww
通風:悪ぃけど俺は忙しいんだwwwwそんな夢物語は飛子にでも話してろwwwwww
戦死:いや待てwwwwマジ話なんだってwwwwwwww
 戦死はたまらず、その場によろめいてしまった。
通風:よろめきたいのはこっちの方だwwwwしゃあねえなwwwとりあえず話してみろwwwwww
戦死:事の発端はだなwwwwいつも通りの日常から始まったwwwwww

     糞樽:ミスwwwwwwwwwwww
     臼姫:もう一度言ってみなさい^^^^^^^^^
      臼姫のヘキサストライク→糞樽に23015のダメージ!
      糞樽は臼姫に倒された…。

通風:ホントにいつも通りだなwwwwwww
戦死:ここからがいつもと違ったwwwww傍に白樽がいたんだがwwwwwww

     白樽:糞樽くん! 糞樽くん!?
     糞樽:白樽ちゃん・・・俺はもうだめだ・・・どうか君だけは幸せに・・・ガクッ
     白樽:く、糞樽くん!!
     白樽:・・・
      白樽は臼姫をキッと睨んだ。
     白樽:臼姫さん!
     臼姫:え?♪

通風:たまーにあるよなwwww糞樽がやられて白樽が臼姫を叱るのwwwwwww
戦死:それがwwwwこの時はそんなもんじゃ済まなかったwwwwwww

222 :糞樽vs臼姫:07/02/14 00:09:44 ID:???

     白樽:いい加減にしてください! いつも糞樽くんばっかり!
     臼姫:いやwwwだってこいつがいつも・・・
     白樽:だからってここまでしなくてもいいのに!

通風:待ってくれwwwなんかもう寒気がしてきたwwwwww
戦死:逃げずに聞けよwwwwそんで言い争いがヒートアップしてきてだなwwwwww

     白樽:私や猫狩さんには何もしないじゃないですか!
     臼姫:それはwwwあなた達は私を怒らせるような事をしないから♪wwwwww
     白樽:うそばっかり! 糞樽くんは優しくて抵抗しないから・・・それを利用して憂さ晴らししてるんでしょ!
     臼姫:もういい加減にしてよwwwこれ以上変な言いがかりつけるなら・・・ってちょっ
      白樽のホーリーが発動→臼姫はかろうじてかわした。
     白樽:私にも・・・私にもやれるもんならやってみなさいよ!!

通風:白樽にしてはかなり珍しい展開だなwwwwwwwww
戦死:まぁこの件では今まで相当我慢してたのかもしれんwwwwwwwww
戦死:俺に分かるのはwwwww最初のホーリー撃った時点であいつはもう泣いてたwwwwww
通風:お前な・・・見てたんだろ?wwwwwリーダーならなんとかしてやれよwwwwwww
戦死:じゃあ聞くがwwwwお前ならなんとかできたのかwwwwwww
 戦死はポロポロと涙を流して泣き出した。
通風:聞かないでくれwwwwwwwwww
 通風はポロポロと涙を流して泣き出した。

223 :糞樽vs臼姫:07/02/14 00:10:06 ID:???

通風:それで?wwwww
戦死:白樽がなwwww思ったより強かったんだwwwwwww
通風:あの子が相当強ぇってのはなんとなく聞いたことがあるwwwwwww
戦死:俺が思っていたよりwwww臼姫が思っていたより遥かに強かったwwwwwwww
戦死:だからだと思うwwwwwwwww
通風:何がだよwwwwwww
戦死:臼姫はwwwwうまく手加減してやれなかったwwwwwww

通風:・・・白樽は?wwwww
戦死:モグハウスで寝てるwwww糞樽がずっとついてるよwwwwwww
通風:とりあえず無事なんだなwwwwwwww
戦死:ああwww命に別状はないしwwww何か後遺症が残るとかいう話でもないwwwwwww
通風:そうかwwwwwそりゃ何よりwwwwww
通風:なるほど大体わかったwwwもう後は聞くまでもないなwwwwwwww
戦死:そういうこったwwwwただ白樽が回復するまで糞樽は動けないからwwwwww
通風:回復したら決闘ってわけかwwwwwwwww
戦死:そういうことwwwwwwww

 通風はため息をついた。
 戦死はため息をついた。

通風:なんでいつも正月になるとwwww誰かが臼姫と喧嘩するんだ?wwwwww
戦死:さあwww回りが平和すぎると暴れたくなるのかもなwwwwwwww

224 :糞樽vs臼姫:07/02/14 00:10:30 ID:???

  −白樽モグハウス−

糞樽:はい、あーん^^wwwww
白樽:糞樽くん、もう自分で食べられるから・・・
糞樽:あーん^^wwwww
白樽:あー・・・ん、もぐもぐ
糞樽:・えちょ とてつもなく可愛いwwwwwwww
糞樽:ミスじゃないしwwwwwwww
白樽:もう・・・(*ノノ)
糞樽:ちょっとその辺片付けるねwwwwwwwww
白樽:ごめんね、お正月から迷惑かけちゃって
糞樽:全然迷惑じゃないよwwwwずっと一緒にいられるしwwwwww
糞樽:マジ気にしないでwwwwせっかくの正月だしのんびりしようwwwwww
白樽:・・・うん

白樽:ね、糞樽くん
糞樽:ん?wwwww
白樽:臼姫さんのことなんだけど
糞樽:・・・うんwwwwwww
白樽:この事で臼姫さんとケンカとか、しないでね?
糞樽:・・・
白樽:先に手を出したの、私だし・・・どうかしてたよ
糞樽:白樽ちゃんは全然悪くないよ
白樽:でも・・・
糞樽:大丈夫wwwwあいつも反省してるみたいだしwwww別に何もしないよwwwwwww
白樽:それならいいんだけど・・・

 ドアをノックする音が聞こえた。

225 :糞樽vs臼姫:07/02/14 00:10:48 ID:???

 糞樽はドアを少し開けて来客を見上げた。

臼姫:あ・・・えっとwww白樽は居る?wwwww
糞樽:何の用?
臼姫:いやwwwそのwwwwwちょっとお見舞いとか♪wwwwww
糞樽:・・・
臼姫:・・・
糞樽:あっそwwwwじゃ俺は出てるからwwwwwww
臼姫:え? あ、うん
 糞樽はモグハウスを出て行った。

白樽:あ、臼姫さん
臼姫:こんにちわ♪
臼姫:えっとwww糞樽はちょっと出てくるって♪wwww
白樽:あ、はい
臼姫:これお花wwwwここに差しといてもいい?wwwwww
白樽:カモミール・・・ありがとうございます、いい香りですね^^

臼姫:あのさwwwこないだはごめんね♪wwwwww
白樽:いえ、私の方こそごめんなさい
臼姫:・・・怪我は大丈夫?
白樽:はい、ほんとに全然大したことないんです
白樽:糞樽くんが心配してくれて・・・甘えてゆっくりしてるだけです^^
臼姫:本当にごめんね・・・

226 :糞樽vs臼姫:07/02/14 00:11:08 ID:???

 ガチャリ

糞樽:ただいま^^wwwww
白樽:おかえり^^
糞樽:臼姫はもう帰った?wwwwwww
白樽:うん、見てこのお花。臼姫さんが持ってきてくれたんだ、綺麗でしょ?
糞樽:そうだねwwwwww

白樽:臼姫さん、何度も謝ってくれたよ
糞樽:そっかwwwww
白樽:糞樽くんに対しても、できるだけ気をつけるって
糞樽:へーwwwwww
白樽:今年もみんなで楽しく遊ぼうね^^
糞樽:そうだねwwwwwww
白樽:・・・
白樽:糞樽くん?
糞樽:んwwwどうしたの?wwwww
白樽:本当に臼姫さんとケンカしたりしないよね?
糞樽:白樽ちゃんは心配性だねwww大丈夫だよwwwwww
白樽:こっち向いて、私の目を見てもう一度言って?
糞樽:・・・
糞樽:あっwwwそうだwwww
白樽:?
糞樽:ただいま&おかえりのチューがまだだった!wwwww
白樽:えっ・・・と、そうじゃなくて
糞樽:してもいい?wwwww
白樽:いやその・・・もう、そんなの聞かないでよ・・・

227 :糞樽vs臼姫:07/02/14 00:11:29 ID:???

  −1月17日 クロウラーの巣−

餡刻:本当にやんのか?wwwwww
糞樽:ああwwwwwwww
獣様:ケンカはよくないでしゅよ(´・ω・`)
 赤魔子はうなずいた。
餡刻:臼姫はちゃんと反省してるしwww白樽とも仲直りしたんだろ?wwwwww
糞樽:ああwwwww
獣様:糞樽しゃんのわからずやでしゅ(´・ω・`)
 赤魔子は獣様を見てビックリした。
 餡刻は獣様を見てビックリした。
 糞樽は獣様の前でしくしくと泣き出した。
餡刻:・・・俺が言えた分際じゃないけどよwwwwもう許してやれよwwwwwww
糞樽:ほんとにお前には言われたくないwwwwあと声が聞き取りにくいwwwwついでに姿も見えにくいwwwwww
餡刻:○| ̄|_
 赤魔子は餡刻を慰めた。
糞樽:俺だってガキじゃねえwwww臼姫に悪意が無かったのは分かってるwwwwww
糞樽:白樽ちゃん自身も納得済みだしなwwwww逆に俺が白樽ちゃんに止められてるくらいだwwwwww
餡刻:じゃあ何でだよwwww単に引っ込みつかなくなったのか?wwwwwww
 赤魔子は糞樽の事が理解できなかった。
糞樽:・・・臼姫の強さは異常だよなwwwwww
餡刻:まあなwwwwwww
糞樽:しかもそれは年々エスカレートしてるwwwwwwww
 赤魔子はうなずいた。
糞樽:いつの頃からか俺はwwwwwあいつの強さに目を背けるようになったwwwwww
獣様:一番間近で見てるような気もしましゅが・・・(´・ω・`)
糞樽:気付かされたんだよwwww俺はこのままじゃダメだってなwwwwww
餡刻:何を今更wwwww
糞樽:もしあの時、俺が気を失ってなかったらどうなったwwww俺は白樽ちゃんを守れたか?wwwwww
餡刻:・・・
糞樽:誰も悪くないのかもしれないwwwwwでも俺は自分を許せないwwwwwwwwwww
獣様:糞樽しゃん・・・(´・ω・`)
糞樽:俺はあいつに挑んでwwwwwそして勝つwwwwwwwwww

228 :糞樽vs臼姫:07/02/14 00:13:05 ID:???

第二章(R指定)(内藤×臼姫)
http://yy10.kakiko.com/test/read.cgi/ff11ch/1165027256/250-

229 :糞樽vs臼姫:07/02/14 00:15:46 ID:???

第三章 


  −1月21日 バタリア−

猫狩:姫ちん来ないにゃね〜
通風:お前そわそわしすぎなんだよwwwwwそもそもまだ時間前じゃねーかwwwwwwwww
戦死:まあ王者は後からくるもんだwwwwwな、獣様wwwwwwww
獣様:オーキッシュチャンピオンでしゅね!(`・ω・´)
樽ナ:殺されるよ獣様・・・
死人:まったく、私のいないトップ争いとは何と意味の無い事なんでしょうか。そもそも場所がいけません。なぜにバタリアという
糞樽:オイwwwお前らwwwwwww
戦死:どうした?
 戦死は糞樽に手を振った。
糞樽:何でここにいるwwwwwww
通風:いや、面白そうだから見に来たんだよwwwwwただのギャラリーだから気にすんなwwwwwwww
糞樽:気にするってのwwwwつか普通は隠れて見るとかしねーか?wwwwwww
猫狩:コソコソはよくないにゃ
糞猫:あ、いたいたwwwwwwみなさーんwwwwwww
暗樽:どうもwwwwwこんにちはwwwwwwww
戦死:おうwwwwお前らも来たかwwww安心しろ、まだ始まってねえぞwwwwwwwww
糞樽:俺の気合が・・・萎えてゆく・・・wwwwwww
獣様:そういえば餡刻しゃんがいましぇんね(´・ω・`)
 赤魔子はキョロキョロしている。
糞樽:ああwwwwあいつは勝手に来そうだったから違う日付教えといたwwwwwwwww
通風:鬼だなお前wwwwwwwwww
樽ナ:そういえば・・・当事者の相方2人は・・・?
糞樽:白樽ちゃんには内緒にしてあるwwwwww内藤は知らねwwwwwwwww
通風:あいつが遅れてくる時っていつも何かあるんだよなwwwwwwww
猫狩:あ! 姫ちんにゃ!
糞樽:来たかwwwwお前らちゃんと避難してろよwww今日は巻き添えとか考えてる余裕ねえからなwwwwwww
通風:へいへいwwwwww
糞猫:あはwwwwマジだね兄貴wwwwwww
 赤魔子は臼姫に手を振った。

230 :糞樽vs臼姫:07/02/14 00:16:51 ID:???

臼姫:あら♪wwww皆いるのねwwwwwwwww
糞樽:ただのギャラリーだwwwww気にすんなwwwwwwww

     通風:あの野郎wwww俺のセリフwwwwwwww
     猫狩:シーっ!にゃ

臼姫:・・・さてと♪wwww
臼姫:一応聞いておくわねwwwww私に何の用?wwwwwww
糞樽:へっwwwww安心したぜwwwwwww
臼姫:何がよwwwww
糞樽:この前みたいにしょぼくれたお前が出てきたらwwwwどうしようかと思ってたんだwwwwwwww
糞樽:用件なんか言う必要もないと思うがwwwwオーク並みに理解の遅いお前だから親切で言ってやるwwwww
臼姫:それはどうも♪wwwww

     戦死:ミスもなしでいきなり挑発かよwwww本気だなwwwwww
      戦死は怯えている。

糞樽:俺と戦え、オーク
臼姫:・・・人をオークって呼ぶのが気にいったの?
糞樽:お前と、頭も使わず馬鹿力だけを頼りに戦う獣人、何が違う?
臼姫:さっきから誰にものを言ってるの? しばらく見ない間に自分の立ってる場所を忘れたみたいね
糞樽:感謝しろオーク、今から俺が教えてやる。人の持つ「知能」を。人間の戦闘を、な
臼姫:上等

     通風:オイオイオイ・・・ww
     暗樽:なんかとんでもない・・・
      赤魔子は神に祈っている。
     死人:下がりますよ、この距離にいると我々まで危な・・・くっ!
     樽ナ:うわっ!
     獣様:樽ナしゃん!

臼姫:完全な「力」の前に思い知りなさい。あなたの言う「知能」がどれほど無力かをね♪
糞樽:お前の時代はここで終わりだ。時の流れに埋もれて逝け!

231 :糞樽vs臼姫:07/02/14 00:17:11 ID:???

 糞樽のファイアが発動!→臼姫に1ダメージ
 糞樽のブリザドが発動!→臼姫に1ダメージ
 糞樽のサンダーが発動!→臼姫に1ダメージ

     通風:早ぇ!!wwwww
     戦死:なんだありゃ?wwww詠唱はどうなってんだ?wwwwww
     樽ナ:してない・・・?
      赤魔子は頷いた。
     死人:無詠唱の魔法ですか。なかなか強力な武器だ

 臼姫のホーリーが発動!→幻影が糞樽の身代わりとなって消えた。

臼姫:・・・赤魔道士にでもなったのかしら?♪wwwww
糞樽:へっwwwwwww

 糞樽のフレアが発動!→臼姫に4ダメージ
 糞樽のフリーズが発動!→臼姫に2ダメージ
 糞樽のバーストが発動!→臼姫に2ダメージ

臼姫:そうでもないみたいね♪wwwwそれがあなたの自信?wwwwww
糞樽:さあなwwwwwwww
臼姫:拍子抜けねwwww終わらせてもらうわ♪wwwwwww
 臼姫はホーリーガを唱えた。

     糞猫:来た!www超強力範囲魔法!wwwwwwww
     暗樽:やっぱりいくら糞樽さんでも臼姫さんには・・・wwwww

 臼姫の詠唱は中断された。
臼姫:!?

232 :糞樽vs臼姫:07/02/14 00:17:25 ID:???

臼姫:な・・・

     通風:なんだ?wwwwwww
     獣様:糞樽しゃんが消えたでしゅ!(`・ω・´)
     猫狩:・・・あそこにゃ!

 糞樽のフレアが発動!→臼姫に20ダメージ
臼姫:痛っ!
 臼姫は背後を振り返った。
糞樽:どこ見てんだ?wwwwオークは視力も弱いのか?wwwwww
臼姫:この・・・!

     戦死:今のwwwwどこかで見たようなwwwwww
     通風:同感だwwwwwなんだっけか?wwwwwww

臼姫:/echo 次で見極める♪

 臼姫はホーリーガを唱えた。
 臼姫の詠唱は中断された。

臼姫:・・・

 糞樽のフリーズが発動!→臼姫に3ダメージ

臼姫:・・・
糞樽:どうかしたか?wwwwww
臼姫:成る程・・・デジョンね♪

233 :糞樽vs臼姫:07/02/14 00:17:39 ID:???

糞樽:ご名答wwwww視力が悪いと言ったのは取り消しとくぜwwwwwww
臼姫:それはどうも♪wwwwww

     糞猫:あ〜なんか見たことあると思ったwwwwデジョンか〜wwwwww
     通風:あいつだwwwwwこないだの軍人wwwwww
     戦死:あれかwwwwウィンで暴れてた女wwwwwwww

臼姫:無詠唱にデジョンの応用で瞬間移動wwwww短い間に色々と覚えたものね♪wwwwww
臼姫:こないだの件で覚えたの?wwwwサンとか言ったっけwwwww
糞樽:そうじゃねえwwwww確かにきっかけの1つにはなったがなwwwwwwwww
糞樽:何故だか昔から、自分なら出来るんじゃねえかとは思ってたwwww詠唱の破棄も、瞬間移動もなwwwwww

     「自身の内側に魔法の概念を形成する。そして、それを効率的に使う手段もまた重要だ」
     「――ピンポイントでの短距離空間跳躍。やってみれば意外と出来るもんだな」

糞樽:まwwwwおそらく俺は前世でも偉大な魔道士だったんだろうなwwwwwwwww
臼姫:ふーんwwww大した才能ね♪wwww褒めてあげるwwwww
糞樽:・えちょ 正確には俺の場合、無詠唱じゃなくて超速い詠唱なんだがwwwwそれは言うまいwwwwwwww
糞樽:ミスwwwwwwwwww(つД`)
臼姫:おkkwwww♪

     糞猫:でもスゴイね兄貴wwww臼姫さんと互角以上にやりあってるwwwww
     暗樽:ホントだねwwwwwこのままだと勝っちゃいそうwwwww
     通風:・・・お前ら本当にそう思うのか?wwwwwwwww

糞樽:話はここまでだwwwww行くぞ!wwwwwwww
臼姫:来なさい♪wwwwww

234 :糞樽vs臼姫:07/02/14 00:17:53 ID:???

     糞猫:だってwwww瞬間移動できるなら臼姫さんの攻撃は全然当たらないでしょ?wwwwww
     死人:愚かですね貴女は。本当に彼の妹ですか?
     糞猫:ムカっwwwwww
     戦死:いいか糞猫www糞樽が臼姫の攻撃を避けるためにはデジョンの詠唱が必要だwwwwwwww
     糞猫:そんなのわかってるもんwwwwww
     死人:では、その詠唱はいつ始めればいいですか?
     糞猫:臼姫さんが技構えたらに決まってるじゃんwwwwww
     戦死:そうwwwつまり糞樽はその瞬間を絶対に見逃せないwwwwww
     死人:それは彼にとってかなりのプレッシャーとなります。臼姫の姿を見失ってしまえば闇雲にデジョンを連発するしかない
     糞猫:そんなの適当に唱えればいいじゃんwwwwwww
     死人:貴女は魔法を唱えると疲れませんか?
     糞猫:疲れるに決まってんじゃんwwwwデジョンなんか5,6回唱えればもう・・・あっ
     死人:そういう事です。貴女も兄を見習って少しは勉強しなさい
     糞猫:む〜〜〜!
      糞猫は暗樽の頭を叩いた。
     暗樽:いたっ!何するのwwwwwww
     糞猫:知らない!

 糞樽のフレアが発動!→臼姫に4ダメージ
 臼姫はホーリーガを唱えた。
 臼姫の詠唱は中断された。
 糞樽のフリーズが発動!→臼姫に2ダメージ
 臼姫はバニシュガを唱えた。

     猫狩:通風ちん・・・
     通風:仕方ねえだろwww「当たらない者」と「倒れない者」の戦闘ってのは昔から勝敗の行方が見えてんだよwwwww
     通風:糞樽の攻撃はほとんど臼姫に効いてねえwwwwあいつには「決め手」がねえんだwwwwww
     戦死:あのよwwwwwあいつさwwwwwwww
     通風:ん?wwwww
     戦死:昔wwww2つ同時に魔法撃ってなかったっけ?wwwwwww

235 :糞樽vs臼姫:07/02/14 00:18:07 ID:???

 糞樽のストーンが発動!→臼姫に1ダメージ
 臼姫はケアルを唱えた→臼姫のHPが回復
 臼姫はホーリーガを唱えた。
 臼姫の詠唱は中断された。
 糞樽のウォータが発動!→臼姫に1ダメージ

     獣様:唱えてたでしゅ。餡刻しゃんと闘ってた時でしゅ(´・ω・`)
     通風:そういやあ・・・wwwwww
     戦死:あれが出来るなら魔法の組み合わせによれば・・・wwwwwww
     白樽:出来ないんです
     通風:お?www
     猫狩:し、白樽ちん!?
      赤魔子はビックリした。

糞樽:ハァ・・・ハァ・・・wwwww
臼姫:どうしたの?www顔色が悪いけど♪wwwwwww

     戦死:内藤じゃねーかwwwww今来たのか?wwwwwwwww
      戦死は樽ナのそばで大笑いを始めた!
     樽ナ:なんで僕なんだよ・・・
     内藤:ごめwwww白樽ちゃんを探してて遅くなったwwwwwwwwww
     通風:お前が連れてきたのかよwwwwまあ今は戦闘中だから気づかないだろーがwwwww
     死人:それより、先程の「出来ない」とは?

臼姫:逃げ回る事があなたの「知能」?wwwwまさかこれで終わりなのかしら♪wwwwwww
糞樽:うるせぇな・・・お前の「力」だってまだ一発すら俺に当たってねえよ・・・

236 :糞樽vs臼姫:07/02/14 00:18:30 ID:???

     白樽:糞樽くん、時々練習してたんです。私にも隠してるみたいなんですけど

          ええとwwwwwその辺の雑魚に古代撃って遊んでたwwwwwwww

     白樽:でも餡刻さんと戦った時以来、一度も成功していないみたいで
     白樽:だから私はまだ一度も見たことがないんです
     通風:確かにwwww俺もあの時以来見たことねえwwwwww
     戦死:まwww反則みたいなもんだったしなアレはwwwwwwww
     死人:なるほど・・・残念ですね。結局は敗色濃厚と言う事ですか
     白樽:・・・


臼姫:糞樽
糞樽:・・・何だよ
臼姫:降参しなさい
糞樽:・・・
臼姫:もうあなたには魔力が残っていない。つまり、私の攻撃を避ける術はない。そうでしょ?
臼姫:私の攻撃を受けて耐えれるだけの力があなたには無い。だからあなたは逃げ回った
糞樽:・・・
臼姫:それで終わりなのは残念だけど、結果の分かった勝負を続ける気はないわ
臼姫:それとも、どうしてもその身で私の「力」を味わってみたい?
糞樽:・・・ククク
臼姫:?
糞樽:ふふ・・・ははははははは!
臼姫:な、どうしたのよ

 ボンッ

臼姫:!!!?

 臼姫は咄嗟にその場を飛び退いた。目の前の小さなタルタルから「危険」を感じ取って。
 糞樽は両手を広げ、静かに笑い続けている。
 右手に燃え盛る炎。左手に凍てつく冷気。そして、帽子の影に隠れた顔には三日月の笑み。

237 :糞樽vs臼姫:07/02/14 00:18:49 ID:???

     戦死:あれは・・・!
     白樽:な・・・ど、どうして今になって突然・・・
     通風:ちっ・・・結構な事思い出させてくれやがる
     獣様:糞樽しゃん・・・餡刻しゃん・・・(´;ω;`)
      赤魔子は獣様の手を握り締めた。

糞樽:これだけは賭けだった。ショック療法ってやつだな
臼姫:その技・・・見てないけど話は聞いたわ。あの時の力ね
糞樽:異常な状態だったとは言え、一度出来た事だ。きっかけさえあれば必ず出来るとは思ってた。
糞樽:本気でお前と対峙すればきっと思い出す・・・そう信じてた。
 糞樽は両手に集めた魔力を一旦解除した。
臼姫:・・・
糞樽:闇雲に使ってたあの時とは違うぜ
 バチッ

     通風:水と・・・雷か
     死人:組み合わせるならそうでしょうね。数倍どころの威力では済まない筈

臼姫:甘いわ、糞樽。あなたのその残り少ない魔力で・・・
糞樽:黒魔道士には、命を燃やす魔力がある
臼姫:/echo 魔力の泉・・・!
糞樽:臼姫
臼姫:なによ
糞樽:お前の土俵に上がってやる
臼姫:?
糞樽:俺がこれから放つ魔法、どれだけの「力」を持つかお前に想像できるか?
臼姫:・・・!
糞樽:さっきお前が言った台詞をそのまま返してやる。降参しろ
臼姫:何を・・・!
糞樽:死ぬぜ

238 :糞樽vs臼姫:07/02/14 00:19:23 ID:???

     通風:待てよ猫、何してる
     猫狩:だって止めにゃいと!
     通風:真剣勝負に横槍入れんじゃねえよ
     猫狩:それどころじゃないにゃ! 姫ちんが殺されるにゃ!
     死人:落ち着きなさい、臼姫は殺されません。
     猫狩:何言ってるにゃ!

臼姫:・・・偉くなったものね
糞樽:最初に言ったろ? お前の時代は終わりだ
糞樽:俺は、お前を「力」で超えていく
臼姫:・・・ふふ
臼姫:・・・
白姫:・・・舐めんじゃないわよ!
 ゴゥッ!

     戦死:っ!
     糞猫:きゃっ!
     暗樽:糞猫さん!

臼姫:来なさい、糞樽。あと2手で終わりよ。あなたはよく頑張ったわ
糞樽:違うな、もうチェックメイトなんだよ。後悔すんじゃねえぞ!

     猫狩:やっぱり受ける気にゃ!
     死人:だから落ち着きなさい
     猫狩:でも!
     通風:直撃しても死にゃしねえよ。糞樽はそれが分かってて言ってんだ
     猫狩:・・・どういう事にゃ!
     通風:臼姫と闘い、同時に2発の魔法を撃てる力を覚醒させ、その力を臼姫に「確実に食らわせる」
     通風:そこまでが全部、糞樽の策だったって事だ


 糞樽はあろう事か、戦闘中の相手である臼姫の前で目を閉じた。
 ――もう臼姫からは攻撃してこない。俺が次に仕掛けるまで。

239 :糞樽vs臼姫:07/02/14 00:19:39 ID:???

     樽ナ:全部って・・・
     死人:いつ覚醒するか分からない最後の能力。その攻撃は一撃で確実に相手を仕留められる様に準備しておく必要があります
     死人:避けられたら終わり。しかし、瞬間移動を使って戦わざるを得ない糞樽は
     死人:臼姫に「攻撃は当たらなければ意味がない」という事を明確にイメージさせてしまう
     死人:そのハンデを負った上で、「避ければ良い」という思考を臼姫から奪ってしまう事を、糞樽は予め考えていたのでしょう
     通風:糞樽は最初から全開で臼姫を挑発してただろうwwwww
     通風:あれはwwww臼姫の「力」と糞樽の「知能」との対決っていう構図を作る為だwwwwww
     通風:臼姫は見事なまでにその挑発に乗ったwwww自分で口にしたくらいだからなwwwwww

           完全な「力」の前に思い知りなさい。あなたの言う「知能」がどれほど無力かをね♪

     死人:臼姫の頭の中で、「これは、自分の圧倒的な力で糞樽の小賢しい知能を叩き潰す戦い」とインプットされたわけです
     樽ナ:わかった・・・その糞樽がわざわざ臼姫の得意な「力」で勝負を挑んできた・・・
     暗樽:プライドの高い臼姫さんがこの展開で逃げを打つ筈ないって事ですね!wwww
     死人:その通りです。見なさい、無防備の糞樽に対して臼姫は何もせずただ待つのみ
     死人:戦闘において魔道士に集中する時間を与えるなど愚の骨頂。しかしそれでも彼女は動けないのです
     糞猫:じゃあさっきの「死ぬぜ」っていうのはただの挑発で、本当はそこまでの威力はないってこと?wwwwwww
     猫狩:でも・・・だからって姫ちんが大丈夫っていう保障は・・・!
     通風:心配性だなお前はwwww大丈夫じゃねえならそこのバカが動くだろwwwwww
     猫狩:! 内藤ちん、行かないのにゃ? 通風ちん達と同じ考えにゃ!?
     内藤:・・・俺様はそこまで考えたわけじゃないけどwwwwww
     内藤:糞樽は臼姫を殺したりしないwwwwそれは信じてるwwwwwww
     戦死:お前・・・汗だくじゃねえかwwwwwあんまし無理すんなよwwwwwww
      戦死は内藤を賞賛した。
     内藤:白樽ちゃんも頑張ってるwwwww俺様も頑張って信じるwwwwwww
     白樽:きっと・・・大丈夫です

     通風:とにかく、次で終わりだ


 糞樽の魔力の泉!

240 :糞樽vs臼姫:07/02/14 00:19:57 ID:???

私は馬鹿なんだろうか?
今すぐ糞樽に向かって走り、この片手棍を振り下ろせばそれで全てが終わるのに。
なのに体は動かない。目の前で、恐ろしい程の魔力が膨らんでいるというのに。
その魔力は数秒後、間違いなく私に向けて放たれるのに。
糞樽の挑発に乗って、思うがままに操られて。
気づいた時にはもう引き返せないところまで来ていた。

私はこの世界のどんな男にも負けない。頑なに持ち続けてきたこの思想。
思想に見合う実力は身についた。時と共に実績も積み重ねてきた。
けれど、この意地が今の私に必要なのだろうか?

矢継ぎ早に防御の魔法を唱える。でもこんなもの気休めに過ぎない。
糞樽が放ってくるのは強烈な電流を帯びた大洪水。
そんなもの見た事もない。もちろんこの身に受けた事もない。
私のホーリーでどこまで相殺できるか。
とにかく、やれるだけの事はやらないと。

糞樽が目を開き、私を見た。
その目が言ってる。
『俺の勝ちだ』
ふざけないでよ。

次の瞬間、私は目の前に突然現れた海に飲み込まれ、
それとほぼ同時に、世界を切り裂く様な轟音で全身を貫かれた。

241 :糞樽vs臼姫:07/02/14 00:20:14 ID:???

水を打った様に静かだった。
仰向けに倒れている臼姫はぴくりとも動かない。
糞樽はゆっくりと、彼女に歩み寄った。
ひゅっと風が吹きぬけ、糞樽の視界に内藤が映る。
臼姫の前に立った内藤は、少し悲しげな顔で糞樽を見つめた。
「心配すんな、もう何もしねえよ」
糞樽は微かに笑い、続ける。
「目を覚ましたらそいつに言ってやってくれよ」
彼が指差した先には、臼姫が横たわっている。
「おれ、が」
言葉の途中で糞樽は意識を失った。
倒れこむ糞樽を内藤が慌てて抱え、ゆっくりと横たえる。
「糞樽くん!」
白樽達が駆け寄ってくる。
内藤はその姿を見ると後ろに振り返り、臼姫の元へ歩み寄った。
跪いて手を取ると、臼姫の瞼が僅かに揺れた。

242 :糞樽vs臼姫:07/02/14 00:20:29 ID:???

あ 内藤だ
なんか よく見えない けどわかる
私の事を 守ってくれてる
まただ 迷惑かけてばかり

私 負けたんだ
もう最強じゃ ないんだ
そうか おかしいもんね
守ってくれる人が いるのに
一番強い なんて

ああ
じゃあ私は 何が出来るんだろう

貴方に何を 
してあげられるのだろう

243 :糞樽vs臼姫:07/02/14 00:20:50 ID:???

最終章 バレンティオン・デー


  −2月4日 ジュノ下層−

猫狩:あっ!
通風:ん?wwwwってうおっwwwwww
 猫狩は突然、通風の手を取って走り出した。視界の先に臼姫を捉えたからだ。

猫狩:姫ちん!
通風:よォwwwwww
臼姫:あら♪www久しぶりねwwwww
猫狩:怪我はもういいのにゃ?
臼姫:うん、もう大丈夫よwwwww
通風:さすがに大した回復力だなwwwwwww
臼姫:まあね♪wwwwwww
 臼姫はにっこり微笑んだ。
通風:っ・・・お、おうwwwww
臼姫:うん?wwww
通風:いやwwwwなんでもwwww
猫狩:姫ちん何してるのにゃ?
臼姫:ちょっとリハビリがてらジュノまで来たんだけどwwwwせっかくだから競売見てたのよ♪wwwww
通風:ほーwwwwww内藤なら今日はジュノに来てねえぞ?wwwww
臼姫:うんwwww昨日からアトルガンの方に行ったからwwwwww
猫狩:にゅふふ〜さすが姫ちん、内藤ちんの事は何でもお見通しにゃね!
通風:お熱いこったなwwwwwwww

 臼姫は否定も肯定もせず、ただ少し困ったように、少し照れたように微笑んだ。
 私も近いうちにまたあっちへ行くわ、そう言って臼姫は2人と別れた。

通風:なんかwwwwあいつ感じ変わったなwwwwwwwww
猫狩:そうにゃね〜。ってどんな感じにゃ?
通風:簡単に言うとwwwww可愛くなったっつーかwwwwwwww
 スチャ
通風:待て待て待てwwwwwwwwww
猫狩:確かに姫ちんは可愛いにゃね(^-^)
通風:いいから銃を下ろせwwwwwwww
猫狩:姫ちんに手を出しちゃだめにゃよ?
通風:わかったからwwwwww

244 :糞樽vs臼姫:07/02/14 00:21:21 ID:???

  −2月10日 ウィンダスの病院−

白樽:はい、あーん^^
糞樽:あーん^^wwwwww
白樽:ちょっと空気入れ替えよっか^^
糞樽:あのさ、白樽ちゃんwwwwww
白樽:うん?
糞樽:俺もう元気だからそろそろ退・・・
白樽:^^
糞樽:ゴメンナサイ・・・
白樽:先生の言う事は聞かなきゃダメだよ。退院は14日の朝までガマンしてね^^
糞樽:でもさーwwwww

 白樽は窓を開けながら小さく溜息をついた。
 振り返ってベッドに歩み寄り、真剣な眼を糞樽に向ける。

白樽:倒れてから1週間も意識戻らなかったんだから! ちゃんと安静にしてなさい!
糞樽:・・・ごめん
白樽:もう・・・
 白樽は、ベッドに寝転んでいる糞樽の頬に顔を近づけ、自分の頬を重ねた。
白樽:どれだけ心配したか・・・私・・・
糞樽:ごめん、白樽ちゃん・・・

 白樽ちゃんが泣いているのがわかる。
 気丈な子で、いつもは人前で泣くことなど決してないのに。
 俺がこの病院で目を覚ました時、朦朧とする意識の中で、
 彼女がぼろぼろ涙をこぼしている顔がやけに鮮明に映った。
 俺が彼女を、涙脆くさせてしまったのかもしれない。

 眠ったままで丸1週間が経っていた事には驚いた。
 餡刻との時でもそんな事はなかったのに。
 無理な力を使い過ぎた為だろうか。こうなってしまっては本末転倒だ。
 
 内緒にしたまま臼姫との決闘に臨んだ事については、白樽ちゃんは俺を責めなかった。
 彼女は俺の気持ちをわかっていたのだろう。
 そして、自分の気持ちを彼女に知られているという事を、俺自身もまたわかっていた。
 ごめんね、白樽ちゃん。こんな馬鹿な俺で。

245 :糞樽vs臼姫:07/02/14 00:21:36 ID:???

  −2月14日 ダボイ−

糞樽:/sh ファイガーーーーーーーーーーーーヽ(`Д´)ノwwwwwwwwwwwwww
糞樽:ヒャッホーーーーーーー!wwwwやっぱ精霊は炎に限るな!wwwwwwww
白樽:糞樽くん、退院したばかりだからあまり無理は・・・
糞樽:/sh ファイガーーーーーーーーーーーーヽ(`Д´)ノwwwwwwwwwwwwww
獣様:糞樽しゃんノリノリでしゅ(`・ω・´)
白樽:もう・・・
 赤魔子はやれやれの構え。
戦死:まあ今日は多めに見てやれwwwwずっと寝てたから色々溜まってんだろよwwwwwww
 戦死は糞樽におじぎした。
糞猫:じゃああたしもwwwwファイガーーーーーーーwwwwwwwww
糞猫:さあ暗樽くんも行けwwwwwwwwwww
暗樽:いや僕は暗黒騎士だからwwwwwwwww
通風:ったくよwwwww俺の金貨まで燃やすんじゃねえぞ?wwwwww
 通風の盗む→獣人金貨を盗んだ!
臼姫:♪
 臼姫の盗む→獣人黄金貨を盗んだ!
通風:今の何?wwwwwww
猫狩:突っ込んじゃダメにゃ!
内藤:/sh 伝説のwww突き技!!wwwwパワーーースラーーーーーーッシュ!!!!wwwwwwww
 内藤のパワースラッシュ→ミス
 オークの攻撃→内藤にダメージ
内藤:/sh 痛てwwww痛てててwwwwちょwwwwww
死人:妙ですね。いつもの事とはいえ、彼の攻撃は何故当たらないのでしょうか?
樽ナ:真面目に考えても仕方ないと思うよ・・・

 いつもの様に皆で獣人相手に好き放題。いつの間にか定着した、仲直りの儀式。
 今日がバレンティオンである事は、特に関係ない。
 ただ糞樽の退院の日が今日だったから。誰が言うともなく、皆がここに集まっていた。
 日が暮れれば、今日は皆それぞれの甘い夜を過ごす予定なのだろう。
 勿論、私と内藤もそうなのだけれど。

246 :糞樽vs臼姫:07/02/14 00:21:49 ID:???

戦死:ふうwwww若い連中は元気だよなwwwwwwwww
 戦死は腰を下ろした。隣には通風と猫狩が並んで座っている。
通風:お前と一緒にするなwwwww俺はまだ若えwwwwwww
猫狩:うちだってピチピチにゃ!
戦死:んだよwwwww俺だけオッサンみたいな言い方しやがってwwwwwww
通風:だってお前オッサン臭えもんwwwwwwwww
戦死:ハハハwwwwwひでえなお前wwwwwwwww
 戦死はポロポロと涙を流して泣き出した。

糞樽:行ったぞ臼姫wwwwwwwwww
臼姫:おk♪wwwwww

 糞樽の魔法から何とか逃れたオークを、私が片っ端から殴り倒していく。
 更に私から逃れたオークが内藤を追い掛け回す。

戦死:・・・
通風:どうしたオッサンwwwww遠い目してwwwwwww
戦死:オッサン言うなwwww次言ったら泣くぞwwwwwww
 戦死は通風の前でしくしくと泣き出した。
通風:突っ込まねえぞwwwwwwwwww
戦死:・・・いやなwwwww
戦死:引き分けって事で良かったのかと思ってよwwwwwww
通風:ああ・・・wwwww
死人:それで良いのではないですか?
戦死:おうwwww死人wwwwwww
猫狩:樽ナちんも休憩かにゃ?
樽ナ:うん・・・

247 :糞樽vs臼姫:07/02/14 00:22:07 ID:???

死人:両者とも戦闘不能。僅かに糞樽の方が長く立っていましたが、ダメージは彼のほうが大きかったわけですからね
通風:精神へのダメージってのは相当なモンらしいからなwwwwwwww
樽ナ:結局さ・・・
死人:どうしました?
樽ナ:何の為の勝負だったんだろう・・・
通風:本人達のみぞ知るってとこじゃね?wwwwwwww
死人:理解できませんね。仮にあの時、糞樽が圧勝していたところで
死人:どうせ今の様に皆で騒いで、そして元に戻るのでしょう?
 樽ナは隣にいる死人の顔を見上げた。口調とは裏腹に、口元には涼しげな笑みが浮かんでいる。
戦死:まあよwwwww俺らは元々、敵同士なわけじゃねえんだwwwwwwwwww
戦死:仲間なんだよwwwwwたまには喧嘩もするしwwww元にも戻るさwwwwwwww
通風:クサッwwwwwwwwwwww
戦死:お前に言われたくねえwwwwwwwwwww
猫狩:でも
通風:ん?wwwwww
猫狩:姫ちんは・・・姫ちんは変わるかもしれないにゃ

内藤:/sh 二度あることは二度とない!wwwwパワーーースラーーーーーーッシュ!!!!wwwwwwww
 内藤のパワースラッシュ→オークの横の岩石に1532のダメージ。岩石は砕け散った。
内藤:/sh うはwwwww岩をも砕く俺様の突き技wwww最強すぎるwwwwwwww
 オークの攻撃→内藤にダメージ
 オークの攻撃→内藤にダメージ
内藤:/sh 痛てwwwwちょwwww待ってwwwwwww

 いつもの様に、楽しそうに突き抜けた馬鹿をする内藤。
 ふと糞樽と目が合った。同じように笑いかけていたお互いの顔が可笑しくて、2人で更に笑い合った。

248 :糞樽vs臼姫:07/02/14 00:22:21 ID:???

陽が傾き、空が紅く染まり始めた。
最後に残っていたオークを通風が仕留める。
誰も言葉を発する事なく、皆一様に空を見上げていた。

大抵は戦死が終わりと再会の言葉を告げる。
でも今日は、その前にどうしてもしておきたい事があった。
「内藤」
私に名前を呼ばれて彼がこちらを振り返り、微笑んだ。

この笑顔は、私と2人でいる時の彼の笑顔とはやはり違うものなのだろう。
私の彼に対する態度は、2人きりの時と皆がいる時で天と地ほどに違う。
内藤は、そんな私の勝手にいつも合わせてくれてきた。
皆の前では、私に一途だが報われない、そんな憐れな道化を演じてくれてきた。

だから私の本当の気持ちを皆は知らない。

249 :糞樽vs臼姫:07/02/14 00:22:32 ID:???

彼に何がしてあげられるだろう。
その答えは未だに見つからない。
私はずっと、自分だけを守って生きてきた。
人の為に出来る事など何もないのだ。

けれど、私のくだらないプライドに彼を付き合わせるのだけはもう止めよう。
そんな当たり前の事にさえ、今になってようやく気づいた。

もう意地になって自分を守る必要は無い。だって内藤が守ってくれるから。
もうむきになって強く在る必要も無い。糞樽に負けた私は最強の臼姫じゃなくなった。
もう顔を真っ赤にして全てを隠す必要は無い。内藤が全て受け止めてくれるから。
この場で裸になって、皆の前で彼に抱かれたって構わない。もし貴方がそう望むなら。

「……これ」

自分で丁寧に包んだ箱を両手で持って、内藤の前に差し出した。
中に入っているチョコレートも勿論、手作り。
豆の栽培までは出来なかったけれど、一生懸命作った。味も悪くないと思う。

「えっ……」

内藤が驚いている。周りの皆も驚いている。
それほどまでに有り得ない光景だったから。今まではそうだったから。

250 :糞樽vs臼姫:07/02/14 00:22:47 ID:???

「バレン、ティオン……」
竜姐並みの小さな声で、なんとかそう言った。
おそらく耳まで真っ赤になっているだろう。夕日に照らされていて良かった。
私は恐る恐る、内藤の顔を見上げた。
彼の顔から戸惑いが徐々に消え、明るい表情に変わっていく。
「ありがとう」
内藤は微笑んで、チョコレートを受け取ってくれた。
私は言葉が出ず、なんとか頷いた。
用意していた言葉がまだあるのに、とてもこの口からは言えそうに無い。

人とのコミュニケーションにおいて、
言語の占める割合はわずか2割程度と聞いたことがある。
残りは非言語、つまり身振りや表情などが8割を占めていると。

この際、それだけでいいかな。
行動で示す方が性に合う。私は不器用で照れ屋なのだから。

私は心の中で頷き、内藤を見上げ、
彼の首に両手を回して目を閉じながら、
皆の前で彼にキスをした。

251 :糞樽vs臼姫:07/02/14 00:22:58 ID:???

冗談じゃなく頭から湯気が出そうに熱い。
恥ずかしすぎて目も開けられないし、唇も離せない。
見えないけど、皆の様子が次々と頭に浮かぶ。

内藤は目を瞑る事もできずに驚いている。

戦死は我が子を見守るような微笑を浮かべながら、飛子と小声で話している。

通風は面白そうにニヤニヤしながら私達を眺め、
その横では猫狩が目を輝かせている。

糞樽は口をあんぐり開けて固まり、
それを見て横にいる白樽が笑っている。

死人は私達から目を逸らし、
私達に見入っている樽ナの頭を横に向けようとしている。

糞猫は楽しそうに笑いながら私達を見ていて、
横では暗樽がメモ帳にペンを走らせている。

赤魔子は顔を真っ赤にして俯き、
横にいる獣様の眉毛は上がっている。

252 :糞樽vs臼姫:07/02/14 00:24:16 ID:???

内藤の手が背中に触れた。
びくんと反応した私を、彼の両手が優しく包み込む。

ああ。良かった。

正直、不安だった。
いきなりこんな事をして、内藤はどんな反応をするだろう?
迷惑がられないだろうか。驚いて私を突き飛ばしたりしないだろうか。
そんな私の色んな不安は、彼に抱き締められて吹き飛んだ。
私は唇を離し、ゆっくりと内藤の顔を見上げた。

内藤の目から、
涙が流れていた。

赤くなった目で私を見つめ、内藤は鼻をすする。
「……っごめ……」
そこまで言いかけると、彼の目から堰を切ったように涙が溢れ出した。
内藤は膝をついた。私も膝をつき、彼をぎゅっと抱き締める。
「内藤? どうしたの?」
返事はなかった。
内藤は私に抱きついたまま、子供の様に泣きじゃくった。
私はずっと彼の頭を撫でていた。
自分の腕の中で泣く彼を、この上なく愛しく感じながら。

そうか。
内藤だって愛されたかったんだ。
誰かに泣きつきたかったんだ。

私で良ければ。
私なんかで良ければ、
いつでも側にいるから。
いつまでも貴方と一緒にいるから。


人とのコミュニケーションにおいて、
言語の占める割合はわずか2割程度と聞いたことがある。
本当にそうだろうか?

私が今から口にする言葉は、神に誓って貴方だけに向けたもの。
けれどその声は、周りにいる皆に、そして世界中に響いて欲しい。

大きく息を吸った。はっきりと言葉にして伝えよう。
今の震えるこの口で、どこまで響くか分からないけど。


内藤、内藤。


「愛してる」


永遠に。





 完

253 :(・∀・):07/02/14 03:51:48 ID:Kj9V906D
夜更かししてたら超絶良作が!!!!
臼姫の凶悪なキャラに食傷気味だったから最近の萌え臼姫の流れはめっちゃ好き!

作者さんグッッッジョーーーーブ!!!!!!!!!!



254 :(・∀・):07/02/14 06:39:49 ID:???
うはwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwこんな臼姫もイイwwwwwwwwwwwwwwwww
GJwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww


野暮な突っ込みだけど、よい子はコミュニケーションにおいて言語の占める割合が低いって主張を鵜呑みにしないようにね。
自分の頭でよーく考えて、どの位の割合なのか判断しよう。

ttp://www.janjan.jp/culture/0611/0611054147/1.php


255 :(・∀・):07/02/14 07:32:24 ID:???
ゲーム脳のバカ教授と同じくらいトンデモ理論だよなwwwwww


256 :(・∀・):07/02/14 10:08:49 ID:???
GJ!!

なんていうか、臼姫が素直になる過程がちゃんとかかれてていい感じwww
カドがとれた臼姫ってすごい可愛いwwwwwwwwww

あとwwwwww内藤も全てを許容するだけじゃなくて人間くさくてよかったなwwwwwww

最後にもういちどGJwwwwwwwwwwww

257 :(・∀・):07/02/14 11:24:40 ID:???
なんだこの良作ラッシュはwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
こりゃ隔離24永久保存版にするしかねぇんじゃねぇの!?wwwwwwwwwwwwwwwww

wwwwwwwwwwGJwwwwwwwwww

258 :(・∀・):07/02/14 11:31:43 ID:???
????: 臼姫退散 http://www.nicovideo.jp/watch/utPumFnlu9EIY


259 :(・∀・):07/02/14 12:12:01 ID:???
最近名作が多いなwwwwwww

どの作者もGJ!!!!!!!!!!wwwwwwwwww

これからも作品期待してますwwwwwwwwww

260 :(・∀・):07/02/14 16:03:54 ID:???
>>258
http://www.nicovideo.jp/watch/utAoAmCD42osc
猫狩はこんな感じだとおもうんだぜブラザー

261 :(・∀・):07/02/14 16:08:59 ID:???
うっはwwwww最後すごくよかったwwwwwwwwwwwww
こんな内藤いい、すごくいい、たまにはこんなの凄く見たいwwwwwwwwww
ぐっっっっっじょsどうげbりうおthgjdthkp’dgfhdsがsfs ぐっじょおおおおおぶ!!!!!!

262 :(・∀・):07/02/15 00:56:00 ID:???
すげぇwwwwwGJwwwwwwwwww
内藤らくがき帳にも絵師がすげぇのをぅpしてるしwwwwwwww
おkkkwwwww


263 :509:07/02/15 04:36:39 ID:???
路上のギリアン

  ( 'A`)
 ┳U━m━━   ←竹馬
  (ヘヘ
                                               ○
                                             /∧)


  ( 'A`)
 ┳U━m━━   ←竹馬
  (ヘヘ
                                               ○
                                             /∧)
♪ギィ〜ギョッギョッギィ〜ギョッギョッ


264 :(・∀・):07/02/15 04:37:47 ID:???

  ( 'A`)
 ┳U━m━━ 
  (ヘヘ
                                               ○
                                             /∧)
♪ギリギリギリギリアンアン ギリギリギリアンアンアン


  ( 'A`)
 ┳U━m━━ 
  (ヘヘ
                                               ○
                                             /∧)
♪何でもギリギリで 解決するぜ ギリギリアンアンアン


265 :(・∀・):07/02/15 04:38:18 ID:???

  ( 'A`)
 ┳U━m━━ 
  (ヘヘ
                                               ○
                                             /∧)
♪納品がギリギリだ アニキに今日中に

266 :(・∀・):07/02/15 04:38:55 ID:???
  ( 'A`)
 ┳U━m━━ 
  (ヘヘ
                                               ○
                                             /∧)
♪暗樽等身ぬいぐるみ 作れと脅された


  ( 'A`)
 ┳U━m━━ 
  (ヘヘ
                                               ○
                                             /∧)
♪素材集めに10時間 残りが14時間


267 :(・∀・):07/02/15 04:39:37 ID:???
  ( 'A`)
 ┳U━m━━ 
  (ヘヘ
                                               ○
                                             /∧)
♪合成するのに4時間 残りが10時間


  ( 'A`)
 ┳U━m━━ 
  (ヘヘ
                                               ○
                                             /∧)
♪ぬいぐるみ作成に 16時間かかります



268 :(・∀・):07/02/15 04:40:18 ID:???
  ( 'A`)
 ┳U━m━━ 
  (ヘヘ
                                               ○
                                             /∧)
♪ギリギリどころか足りてない ギブミー6時間 アーッ!!


  ( 'A`)
 ┳U━m━━ 
  (ヘヘ
                                               ○
                                             /∧)
・・・・・・・・


269 :(・∀・):07/02/15 04:41:28 ID:???

  ( 'A`)
 ┳U━m━━ 
  (ヘヘ
                                               ○
                                             /∧)
手伝ってくんね?



  ( 'A`)
 ┳U━m━━ 
  (ヘヘ
                                               ○
                                             /∧)

                                            だが断る


270 :(・∀・):07/02/15 04:43:34 ID:???
  ( 'A`)
 ┳U━m━━ 
  (ヘヘ                                              (n )
                                               ○   △
                                             /∧)    ||

                                                  ヒジョウニイタイタシイ

271 :(・∀・):07/02/15 04:45:01 ID:???
  ( 'A`)
 ┳U━m━━ 
  (ヘヘ                                              (n )
                                               ○   △
                                             /∧)    ||
・・・・・・・


272 :(・∀・):07/02/15 04:47:32 ID:???
  ( 'A`)
 ┳U━m━━ 
  (ヘヘ                                              (n )
                                               ○   △
                                             /∧)    ||
今年はチョコももらえずアニキにボコられ三唄にアッー!され
おまいらにも見捨てられちょっとかわいそうとか思わないワケ?


273 :(・∀・):07/02/15 04:48:16 ID:???
  ( 'A`)
 ┳U━m━━ 
  (ヘヘ                                              (n )
                                               ○   △
                                             /∧)    ||

                                             全く   コレッポッチモ

274 :(・∀・):07/02/15 04:49:43 ID:???
  ( ;A;)
 ┳U━m━━ 
  (ヘヘ                                              (n )
                                               ○   △
                                             /∧)    ||
♪ギリギリギリギリアンアン ギリギリギリアンアンアン

275 :wwwww :07/02/15 07:50:21 ID:???
ハゲワロタwwwwwww


276 :(・∀・):07/02/15 07:51:17 ID:???
待ってろwwwwwwwww今お前にチョコくれてやるwwwwwwwwww
あ、GJwwwwwwwwwwwwww

277 :(・∀・):07/02/15 09:14:12 ID:???
ナゴミングwwwwwwwwwwwwww

278 :(・∀・):07/02/15 11:49:31 ID:???
この報われなさがイイ!wwwwwww
餡唐の人、毎回楽しませてもらってマスwwwww

279 :(・∀・):07/02/16 09:44:36 ID:???
糞樽:今日は健康と交流をかねてwwwwwwwww皆さん一緒に体操をしようと思いまーすwwwwwwwwwwwwww
通風:思いまーすwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
糞樽:ある方の援助によりwwwwwwwwwww完全暖房のダンスフロアをお借りすることができましたーwwwwwwwwww
通風:さぁ皆さんwwwwwwwwこちらに用意されたブルマと体操服の中からwwwwwwwお好きなサイズをお選びくださーいwwwwwwwwwwwwww

糞樽:まずはちょうやーくwwwwwwwwwwwwwww
通風:いちにーさんしーwwwwwwwwwwwwwwww
餡子:あぁぁんwwwwwやっぱりちょっと辛いわねぇんwwwwwwww
巴姫:ぬ、む・・・・もう少しきつく巻いておくべきだったかのう・・・・
竜姐:・・・・・・・・・・・・・///


糞樽:はい、ぜんこーくつーwwwwwwwwwwwwww
通風:いっちにーさーんしいーwwwwwwwwww
赤魔子は顔を赤らめた。
臼姫:ちょっと^^;どこ見てんのよ^^^^^^^^;;;♪♪
戦子:よっwwwwwwwwwwwwほっwwwwwwwww


通風:胸の前で腕を組んでーwwwwwwww肩周りのストレッチーwwwwww
糞樽:いーちにぃさーんしぃーwwwwwwwwwwwwww
影唄:は、恥ずかしい・・・・・・・///
猫忍:なんだかwwwwwwwwwww物凄い視線を感じちゃいますねぇwwwwww
モ姫:ごぉーろっく・・・・・ぅう・・・・・またこんな格好で・・・・・;;


通風:はいwwwwww皆さんお疲れ様でしたーwwwwwwwwwwwwwww
糞樽:では引き続きwwwwwwwwwwwwwww室内プールにて水中エクササイズをwwwwwwwww

白樽:^^
猫狩:(^−^)

糞樽:行いまっ
通風:



糞樽:業ってのは・・・・・つくづく恐ろしいもんだなぁ、おい・・・・・・
通風:全くだ・・・・・・・俺らの手には余るシロモノだぜ、こいつぁ・・・・・・・

餡刻:やめてくんない?都合のいい時だけ暗黒騎士にジョブチェンジするのやめてくんない?('A`)
暗樽:糞樽さん・・・・・・・・・・ lllon

Zeid:おのれ・・・・・・せっかくのテープが台無しではないか!あの白魔道士め・・・・・
Zeid:まぁいい、次は・・・・・「健康と美容と運動!今注目・東洋の和太鼓エクササイズ!」参加者全員、スパッツに羽織り着用。これだな。よし、早速プランを・・・・・・
餡刻:兄貴・・・・・・・・・ lllorz
暗樽:lllon lllon lllon


反省は、してないヽ[´―`]ノ

280 :(・∀・):07/02/16 13:03:08 ID:???
通風www選ぶのはサイズだけなのかよwwwwwww

281 :(・∀・):07/02/16 14:30:31 ID:???
内容は面白いwwwww
…けど、Zeidの女性の趣味が違うように思えるwwwww
どちらかと言えば、垢爺の趣味d(ry







はっ!? ここはモルディオン監獄wwwwwwww


282 :(・∀・):07/02/16 15:39:47 ID:???
フィギア購入のための資金集めなんだよきっとwwwwwww




はっ?! カオスブリンガーが装備解除できねえwwwwwwwwwww
(クエスト終了まで装備が固定されました。)


283 :  :07/02/16 16:12:29 ID:???
兄貴、俺に作らせるだけじゃなくて、買ってもいたのか……(´A`)

俺が作ったフィギュアの製作費はさ、兄貴から貰った事なんて、一度も無いんだけど……orz


284 :(・∀・):07/02/17 08:09:49 ID:qSdQX6v5
兄貴から見れば販売用なんだけどなぁ…
【興味があります。】【幾らですか?】

285 :(・∀・):07/02/17 13:17:26 ID:???
暗樽:あwwwいたいたwwww内藤さんwwwwww
糞猫:こんにちわwwwwwwwwwww
内藤:うはwwwwwこんにちわwwwww何か用?wwwwww
臼姫:二人ともこんにちわ^^
暗樽:お二人に聞きたい事があるんですよwwwwwwww
臼姫:聞きたい事?
糞猫:はいwwwwwお二人にとって幸せってなんですか?wwwww
内藤:うはwwwwwどうしたの?wwwww急に?wwwww
暗樽:はいwwwww新ジャンルの開拓の為に資料を集めてましてwwwww
糞猫:よかったら協力してくれませんか?wwwwwwww
臼姫:いいわよ^^♪
内藤:おkwwwwwww俺様の幸せはwwwww決まってるwwwwwww

内藤:/sh マイハニーwwwww愛して……
臼姫:内藤を愛しているって素直に言える事ね^^
臼姫は穏やかに微笑んだ。
内藤:う、うんwwwwそうだねwwwwwwww
暗樽:あつあつですねwwwwwww
糞猫:うはwwwwwww
臼姫:ふふw
内藤:えとwwじゃあwwwww気を取り直してwwwwww

内藤:/sh いつまでもwwwwww傍に……
臼姫:きっとこれからもずっと傍にいれたら幸せよ^^
臼姫は穏やかに微笑んだ。
内藤:う、うんwwそうだねww
暗樽:wwwwwwwwwwwww
糞猫:wwwwwwwwwwwww
臼姫:うふふw
内藤:えとwwじゃあwwwww気を取り直してwwwwww

内藤:/sh 俺様wwwwww家族に憧れて……
臼姫:内藤さえよかったら子供でも作ってみたいわね^^
臼姫は穏やかに微笑んだ。
→内藤に石化の効果!
暗樽:/echo 内藤さん固まったwwwwwwwwwwwwwwww
糞猫:/echo うはwwwクリティカルwwwwwwwwwwww
臼姫:くすくすw
暗樽:それじゃwwwwww僕達いきますねwwwwwwww
糞猫:御協力、ありがとうございましたwwwwwwwww
臼姫:ええ、またね^^♪

暗樽:うはwwwwwwなんていうかwwwwwwwwww
糞猫:臼姫さん変わりすぎwwwwwwwwwwww
暗樽:あwwwwwあの人達に聞いてみましょうwwwwwww
糞猫:おっけwwwwwwwwwwwwwwwww


286 :(・∀・):07/02/17 13:17:53 ID:???
暗樽:すいませーんwwwwwwwwwwwwww
糞猫:お聞きしたい事がwwwwwwwwww
痛風:あん?wwwwwww
猫狩:暗樽ちん、糞猫ちん、聞きたいことって何にゃ?
暗樽:はいwwwwwお二人にとって幸せってなんですか?wwwww
糞猫:新ジャンルの開拓の為に資料を集めてましてwwwww
猫狩:決まってるにゃ。うちは…その…痛風ちんと一緒にいられればしあわせにゃ(*^―^*)
痛風:ネカマkimooooooooooooooooooooooooooooooooooooo!!

カチャッ

痛風:おけおけwwwまずは落ち着けwwwwwwww
猫狩:(*^―^*)
暗樽:痛風さんの幸せはなんですか?wwwwwwwwwwww
痛風:決まってるだろwwwwwwwwwwwww
糞猫:はいはいwwwwwwwwwwwwwwww
痛風:愛しのアスリンに囲まれている瞬間だなwwwwwwwwwwwwwwww
猫狩:うちと一緒にいる事じゃないのかにゃ!(♯°皿)
痛風:ネカマuzeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeee!!
糞猫:猫狩さん落ち着いてwwwwwwwwwwwwww
暗樽:まったくwwwwwwwwwwwwwwww
痛風のとんずら!!
暗樽:wwwwwwwwwwwwwwwww
痛風:…こいつが傍にいてオズでおっさん達と茶でも飲めりゃ俺は幸せだw
暗樽:え?
猫狩:逃がさないにゃ!!(♯°皿)
痛風:あばよwwwwwwとっつぁ〜んwwwwwwwwwwwwww

糞猫:あ〜あwwwwwww行っちゃったwwwwwwwww
暗樽:そうですねwwwwwwwwwwww
糞猫:痛風さんもしょうがないんだからwwwwwwwwww
暗樽:まったくですwwwwwwwwwwww
糞猫:あw兄貴だwwwwwwwwwww
暗樽:さっそく聞きに行きましょうwwwwwwwwwwww
糞猫:やめとこwwwww
暗樽:え?wwwwwwwwwwww
糞猫:どうせ答えは分かりきってるしwwwwwwwwww
暗樽:それもそうですねwwwwww
糞猫:カップルじゃ答えは決まりきってるしねwwwwwwwww
暗樽:じゃあwwwwwwwwカップル以外でwwwwwwww
糞猫:おっけwwwwww
暗樽:次行ってみましょうwwwwwww
糞猫:それなんだけどさwwww手分けしない?wwwwその方がwwwww
暗樽:早く終わりますねwwwwwwwwwwwwww
糞猫:おけwwwwwwwwwwwwwwww

287 :(・∀・):07/02/17 13:18:14 ID:???
垢爺:幸せ?決まっておろうwwwww
暗樽:一体なんですか?wwwwwwwwwww
垢爺:ネジとナットじゃwwwwwwwwww
暗樽:いやあのwwwwwww
垢爺:男に生まれたからにはのぅwwwwwwワシが若い頃にはそれはのうwwwwwwww
暗樽:ありがとうございましたwwwwwではwwww
垢爺:もちろん今でもってwwwww年寄りの話は最後まで聞いていくもんじゃぞwwwww

戦死:幸せだぁ?wwwwwwwwwwwww
糞猫:はいwwwwwww
飛子:私はこいつと居られれば他には何も望まないよwwwwwww
戦死:おうwwwwww俺もだwwwwwww
糞猫:予想通りwwwwwww他には?wwwwww
飛子:そうだなあ……やっぱりwwwwwwwww
戦死:ブーメランの素晴らしさを多くの人が分かってくれるって事だなwwwwwwww
糞猫:前から思ってたんですけど何でそんなにこだわるんですか?wwwwww
戦死:だって戻ってくるだろ?wwwwwww
飛子:私らは絶対に主人から離れたりしないからなwwwwwwww
糞猫:なるほどwwwwwwwwwww
飛子:武器だろうが人だろうがちゃんと役割が果たせれば幸せなんだと思うよwwwww
糞猫:はいwwwwwwwwwwww

餡刻:幸せかぁ?wwwwwwwwww
赤魔子は首を傾げた。
獣様:でしゅ?(―ω―)
暗樽:何か有りませんか?wwwwwwwwww
餡刻:いいえて難しい質問だなwwwwwwwwww
赤魔子は頷いた。
暗樽:そうなんですよねぇwwwwwwww
獣様:僕、幸せでしゅよ?(´・ω・`)
餡刻:え?
赤魔子は獣様をじっと見つめた。
獣様:餡刻しゃんがいて赤魔子しゃんがいて騎芋しゃんがいてくれましゅ(`・ω・´)
暗樽:うんうんwwwwwww
獣様:樽子しゃんや詩人しゃんや樽ナしゃんがあそびにきてくれましゅ(`・ω・´)
餡刻:そうだなwwwwwww
獣様:Zeidしゃんや糞樽しゃんや内藤しゃんが友達でいてくれましゅ(`・ω・´)
赤魔子は頷いた。
獣様:僕はそれだけでとても幸せなんでしゅ(*´▽`*)
餡刻:獣様……
暗樽:なんか……目から鱗ですねwwww
赤魔子は獣様ににっこり微笑んだ。
暗樽:ありがとう、獣様wwwwwww
獣様:はいでしゅ(*´▽`*)

288 :(・∀・):07/02/17 13:18:39 ID:???
任邪:追い詰めたぞ!!さあ大人しく仮面を返してもらおうか!
猫忍:く、私とした事が逃走経路を間違えるとは、不覚ですよぅ!
糞猫:はいは〜い、ストップ!
任邪:む!?
猫忍:糞猫ちゃん?
糞猫:実はかくかくしかじかで……
任邪:ふむ、自分の場合は任務を達成した時の充実感、であろうなぁ?
糞猫:ふむふむwwwwwwwwwww
任邪:あの心地よい達成感こそ幸せというのであろう。
糞猫:なるほどwwwwwwwwwww
猫忍:ふふふ、まだまだ任邪は子供ですねぇw
任邪:なに!?ならお主の幸せは一体なんだというのだ?
猫忍:秘密ですよぅwですが……
糞猫:うんwwwwwwwww
猫忍:糞猫ちゃんには特別にお教えしちゃいますねぇ。耳を貸してくださいなw
糞猫:おっけwwwwwwwwww
猫忍:私の幸せはですねぇ…ぼそ…

猫忍:任邪の不幸は 蜜 の 味♪

糞猫:うはwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
猫忍:内緒ですよぅw
任邪:なんなのだ、いったい?
糞猫:いえwwwwwwwじゃあ続けてくださいwwwwwwwww
猫忍:わかりましたぁ、隙だらけですよう!
猫忍のとんずら!
任邪:く!不覚!逃がすか!!!
猫忍:鬼さんこちらwですよぅ!
糞猫:いっちゃったかwwwwwあの二人なんだかんだいって仲いいなwwwwwwwwww

餡子:幸せねぇん…
暗樽:はいwwwwwwwww
餡子:ねえ、暗樽ちゃんはいま幸せ?
暗樽:え?wwwwwwww
餡子:糞猫ちゃんと一緒に入れて幸せかしらぁ?
暗樽:幸せ、ですねwwwwwwwww
餡子:そう、これはある女の話だけどねぇんw
暗樽:はいwwwwwww
餡子:その女はまだ若くてでも素敵な恋人がいたのよぉんw
暗樽:餡子さん…
餡子:女はまだ実力も金銭面でも心とも無かったけれどそれでも…
暗樽:はい。
餡子:一緒に歩く恋人が傍にいてくれれば明日は今日より良い日になるって…
暗樽:…。
餡子:なんの疑いも無く信じていられたその日がとても幸せだったのよぉんw
暗樽:はい。
餡子:暗い顔しちゃってどうしちゃったのぉん?
暗樽:あ、いえw餡子さん、その…
餡子:なにかしらぁん?
暗樽:いましあわ…なんでもないですw
餡子:へんな暗樽ちゃんねぇw
暗樽:えへへw
餡子:でもね、こうやって心配してくれる後輩もいるし、あの人も最近は…
暗樽:…
餡子:ふふ、もう帰るわねぇ、これ以上いたら暗樽ちゃんをお持ち帰りしたくなっちゃいそうだしねぇんw
暗樽:いやwwwwwwwまあwwwwwww
餡子:じゃあねぇん、気をつけないさいね。女は吊り上げてからが勝負なのよぉw
暗樽:うはwwwwwwwwwwwww

289 :(・∀・):07/02/17 13:19:06 ID:???
隆起:Mikanた〜ん!ハァハァ(*´Д`)
Mikan:隆起uzeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeee

Mikanの強制送還
→Mikanは送還されます。

隆起:ああ、Mikanた〜んorz

糞猫:wwwwwwwwwwwwwwwwwwww
隆起:なんだよwwwwwww
糞猫:いえ別にwwwwwwww
隆起:ならじろじろ見てんじゃねえwwwwwwww
糞猫:ごめんなさいwwwwwでも聞きたい事があってwwwwwww
隆起:聞きたい事?www
糞猫:隆起さんにとって幸せってなんなのかなってwwwwwwww
隆起:変な宗教にでもはまったのか?w
糞猫:酷っwwwwwwwってそうじゃなくてwwwwwwwww
隆起:ん?w
糞猫:じつはかくかくしかじかでw
隆起:なるほどなw
糞猫:やっぱり小竜と一緒にいる時ですか?wwwwwwwwww
隆起:まあ、それもだが。お前、後悔とか遣り残した事って何かあるか?www
糞猫:ありませんwwwwwwwwwwwwwwww
隆起:即答だなwwwww本当に無いのか?www
糞猫:いえwwwwwwww実はいくつかwwwwでもそれを考えても仕方ない事ですよwwwww
隆起:どうしてだ?w
糞猫:過去は変えられないんですwwwwwwならこれからの事を考えなきゃwwwwww
隆起:そうかwwwwwお前は幸せなんだなwwwwwwwww
糞猫:え?
隆起:あの頃はよかったとか、あの時こうして置けばよかったとか誰でも思う事だなwwwwwww
糞猫:はい。
隆起:でも、それに囚われずに前だけを向いて進めるってのは幸せな事だと思うぜ?
糞猫:なんか深いですねwwwwwww
隆起:そうか?wwwwwwwwwwwwwww
糞猫:隆起さんはあるんですか?wwwwwwwww
隆起:あるよwwww数え切れないほどなwwwwwその一つには今でも囚われているwwwwwwww
糞猫:そうですかwwwwwじゃあwwwww解決しなくちゃいけませんねwwwwwww
隆起:そうだなwwwwwww解決しなくちゃなwwwwww
糞猫:それではwwwwwwありがとうございましたwwwwwww
隆起:おうwwwwwwwwwwwwwww

隆起:簡単に言ってくれるぜwwwwwwwwwでもいずれは、な…

暗樽:糞猫さ〜ん!
糞猫:暗樽君wwwどう?wwwこっちはばっちりwwwwww
暗樽:こっちもですwwwwwねえwwwww糞猫さん?wwwww
糞猫:なによwwwwwww
暗樽:今、幸せですか?wwwwwwww
糞猫:急にどうしたのよwwwwwwww
暗樽:あ、いえwwwwwwww
糞猫:幸せよwwwwww君が傍にいてくれるならねwwwwwwwww
暗樽:僕もですwwwwwwwwwwww
糞猫:ふふwwこれからどうする?wwwwwwwwww
暗樽:釣りにでも行きましょうかwwwwww
糞猫:おっけwwwwwwいこうwwwwww
暗樽:はいwwwwwwwww
                                       おわりww

290 :(・∀・):07/02/17 14:30:16 ID:???
AMAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIII!!!!!!!
[*ノ´`]ノ

291 :(・∀・):07/02/17 14:40:25 ID:???
イイ(*´ω`)

292 :(・∀・):07/02/17 15:02:41 ID:???
ぐっじょおおおおおぶ!!!wwwwwww
でもwwwwwこんにち"わ"だけは許しちゃいけないってばっちゃが言ってたwwwwwwww

293 :(・∀・):07/02/17 20:53:34 ID:???
>>292
奥義!wwwwwwww

脳・内・変・換!!!!!wwwwwwwwwwwww

294 :(・∀・):07/02/17 21:06:35 ID:???
ぐっじょーぶ!!!wwwww

なんか最近隆起がナイスガイになりつつない?
主役交代も近い!?wwww

295 :(・∀・):07/02/18 09:09:01 ID:???
宣伝wwwwwwwww

wwwwww第3回作品人気投票
http://vote2.ziyu.net/html/wwwwwss3.html

wwwwww第2回キャラクター人気投票
http://vote2.ziyu.net/html/wwwwwch2.html

296 :(・∀・):07/02/18 10:07:24 ID:???
投票してきたぜぇ!!wwwwwww

297 :(・∀・):07/02/19 20:56:17 ID:GHmV+J/M
Rikuouか・・・
こういうタイプの雑魚PC増えたな

裏でRMTとかやってそう。

298 :(・∀・):07/02/19 21:45:40 ID:???
?

299 :(・∀・):07/02/20 03:16:07 ID:???
Rikuou
陸王(りくおう)とは、
かつて日本で製造販売されていたオートバイのブランドである。
生産された車両はアメリカのハーレーダビッドソンを源流としていた。
(Wikipedia)

そういや、リアル内藤らの誰かがバイク乗りって話あったな。誰だっけ?

300 :(・∀・):07/02/20 16:47:39 ID:YvbZyf1s
           i;!..:;;;;;:::|
           |;!.::;;;;;:::|       暗黒騎士の剣は萌えを背負う兄の剣
.              .i;!..:;;;;::..|
            l;!.::;;;;::.'i                        決してその先に孤独はない
            l;!.:;;;;;:...|
            l;!..::;;;;:...i              妹の悲しみ、憎しみを背負うことを
            l;!.::::;;;;;::.゙i
           l;!.:::;;;;:::./                              義務付けられた存在
            l;!..::;;;;::..i             ヾ゙´ ゙̄`'ヽ、 
             l;!..:::;;;::.i'         ____,,,,....r''i    ヾ゙`''‐'´`i
           |;!..::::;;;::|       ,,、r'''、 /´i´!, i     ゙i  /  |  もし自分の進む道に疑問を抱くことがあれば
           l;!..:::;;;:..|     / ヾ ヽi | ヽ,      i /   |
          |;;!..::;;;;:.|       ゙ ̄ ゙゙̄予‐,-:、 i、         , !      傍らの妹に目を向けて問え
          !;!..::::;;;:.|          ,i;;_,ノ l   `ヾ>,  __  /./`、
           /;;!..::;;;;::.|          li'__,.ノ l゙゙`''''i ン‐-i'゙-゙` ./,,_ ,.i
         ヾ;!..:::;;;;:..|       _,.r'/´!/,r’.!、 .,,´_ ゙ ' i,.ヘ,‐/     「お前のお兄ちゃんは黒く輝いているか?」
              !!..::;;;;;..| _,..r-‐‐'''゙゙´i { '´ー、  >'i., ,,´゙''‐./ノi,| ___
            __,.|..:::;;;;;..i'゙ ヾ、 /`i,、い`'‐ .,__`゙>´/ i: ゙゙`'イi''´ /|/ヽ、―‐`ヽ、        と……
     _,,r‐i゙´  |::;;;;;;;;..|``'ヽ、/__゙i'iゝ、.,_   '-'´^`''〈 トッ''゙´   \,__ `ヽ、
 -‐‐''゙゙´__i,ヽ、,!_;;;;::::...ト-‐;'゙´ヽ, ./`> ヽ,   ,.r‐‐'゙´ .〉i'´  _,..r-‐'゙´ \ . ̄ ̄`ヽ.、 
 ‐--‐'゙´ヽ、ヽ、/,, ヾ、v‐''゙゙´ ,-,ヽ,/   V''´   o /      !、__ ゚    / ̄`"''''ー`-;;ュ、
   _ ./ ,.へ/ ,||、//   ,へ~/´ヽ-ゥ、..__,,,,,,,,,,,......,,/  ,O`゙'i    ゙̄'‐-i,/o  \     ´ヽ、
 /\`./ _,,r\V//   /、,/  `゙''‐/o o./ _,,,...人,  ヒ:::ン゙ ___/  ゙ヽ、  ×´`゙ヽ、  ヽ.
    ./ ,,/´|  |`''´``'メ、/゙`゙',:、   `ヽ/´"´ i  | `゙''-''i´ ̄    ヽ、   ヽ、/  \  `゙''‐i、`、
  ,/'Y´i  .|  .|.      ヽ,/´ ヽ   ,-,     i  |    |     ,,..r'´ヽ,,..r''~´ヽ, o    ヽ,へ、 `゙'ヽ
. ´/〉 } __.!.  'i;__    i    /o |     .i .|    |  ,,..r‐'´ .ノ  .\   .\  /ヽ  .\  ゙i、
. / i  .|   ゙i  ゙i.   ̄`゙゙` ゙i_,,,,,......,,_     _,,..!... |   .| ./    i゙,ヽ、  ゙'i,  /`';´o   ヽ.  \ !,
.  |  i    ゙i  ゙i      ゙|  ,.♀、`゙゙''-''"´  i  |    !/  ,,.r''"´^ヽ.,,_____ヾ´   ヽ.,,_  ヽ   `´i
  |   i ^`'''‐ヽ ..,゙|,.     ゙| .i   .i          i |゙`'Y'゙´! ,r''”   |      ゙\     `ヽ、ヽ     i
.  |  .|     |  {`""'''、-、,,..} {   ,!        i.. ト 、,/i/ iコ   |    i     ゙'ッ、_     `'iヽ、 _,,..゙!、
   |  |   .〉 |  .|    `'i `‐´⌒'、,..r-‐''"””´~`"''‐}  ゙i _,..r''ン”ヾ、   i     i.   ~`"'‐-.,、 ゙i  ヽ ゙i,
  /  }  /、 .|  .|__,,. i゙--‐'"^'、           ゙i  }   .}/ 〉'’   `'ヽ,!_    i      ./ `ヽ!.,.r-‐‐,i
 /   '、./ , >'`i"´ 'i-ゥ-’ン^`ヽ、 `'ー-、_      i  |  /"´''")/        ̄`゙"ヽ、     .!
   > `i゙/ノ`"´`'ー !´,-‐‐‐‐‐‐`‐,、,.---ゞニニ>i'"i”´~~´`i`i~`           `ヽ、,.._,イ
    / /゙     /    / ̄ /        | |     ヾ .、   |”"''ヽ、           |
私の幸せ?ふふふ、わかってるであろうがwww

301 :(・∀・):07/02/20 20:42:40 ID:???
俺・・・・・・・チョコ貰えなかったら暗黒騎士になるって決めてたんだ・・・・

302 :(・∀・):07/02/20 21:03:28 ID:???
Zeid:よく来たな >>301 !さあこの剣でモンスターを倒し100の命を狩るのだ!

303 :(・∀・):07/02/20 21:21:29 ID:???
アニキ・・・・ ('A`)

304 :(・∀・):07/02/21 17:50:03 ID:???
アニキィィ…職場のギリだけだった俺も身を投じるよ… ('A`)

305 :(・∀・):07/02/21 18:07:30 ID:???
俺なんか職場のギリでしかも開けてビックリ!チロルチョコだ!

これはギリなのか?それとも新手の嫌がらせ?

306 :(・∀・):07/02/21 19:08:28 ID:???
>>305
お前は俺かwwwwwwww
チロルチョコきなこ味もらったwwwwwwww

307 :(・∀・):07/02/21 23:26:51 ID:???
何も無かった漏れはどうしろと?

兄貴、シスプリンガーを渡してくれ。真っ黒に染め上げて来るぜ。




orz

308 :(・∀・):07/02/22 22:37:27 ID:???
兄貴……剣をくれ……
義理でも貰った奴等の命を100狩ってくる……


309 :猫狩先生新刊予告 :07/02/23 01:45:54 ID:???
糞樽:さて・・・今日も上納品のためにHNM狩りに行くかァwwwwwlllon
糞樽:つーか、あの街中でWSブッ放してんのは誰だwwwwww

猫狩:痛風ちんフランシスカって誰のことにゃぁあああああッ!
通風:そりゃお前、新しい女(アスリン)に決まってんだろwwwwwww
猫狩:FUUUSSYYYYAAAAAAAAAAAAA!!
通風:うはwww石仮面かぶりやがったwwwww
猫狩:KAHHHHHHHHHHH!!
猫狩は通風にサイドワインダーの構え
通風:おっとwwwこういう時の策は一つwwww
通風は、とんずらを実行。
通風:逃げるんだよォスモーーーーキーーーーー!どけーーーーッ!ヤジ馬どもーーーーーーッ!
痛風は遠くにいるため、コマンドが実行できない。
猫狩:スモーキーって誰のことNYAAAAAAAAAAAAAAA!
猫狩はとんずらを実行

・・・・・・・・・
糞樽:何時もどおりだなあの二人はwwwwww
糞樽:ん・・・?何だ?あのチラシみたいなものは
糞樽は猫狩先生新刊サンプルと書かれた紙を手に入れた。
ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド
 ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド
通風:オレは冒険者をやっている一般的なシーフ
通風:強いて違うところをあげるとすればアスリンが好きだってことかナ―――名前は通風
通風:そんなわけでアスリンを探しにオズにやってきたのだ
通風:中に入ると金髪のナイトが箱を開けていた
                ウホッ!いいナイト!
通風:そう思っていると突然その男はオレの見ている目の前でセンチネルをし始めたのだ…!
通風:そしてその男はオレを見つめながら
内藤:「組 ま な い か」
―画像サンプル―
ttp://bbs4.oebit.jp/okwww/data/IMG_000579_3.jpg

310 :猫狩先生新刊予告 :07/02/23 01:56:17 ID:???
糞樽:www
糞樽:wwwwww
糞樽:wwwwwwwww
糞樽:ブフゥーーーーーーーーッwwwwwwちょwwwwおまwwwwこりゃスゲーもん拾ったなwwww
糞樽:HNM狩り終わったらこれ使ってあいつらからかうとするかwwwww
と糞樽が新刊サンプルの下の方に目をやると
ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド
 ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド
(鏡文字で読みにくい為解説)
「猫狩先生2007年新刊予告
 〜うはwwwいい男たち〜
 ・不意だまテクニック(攻:内藤x通風:受)
 ・兄貴にドキドキ(攻:糞樽x暗樽:受)
 ・ソロがいちばんセクシー(餡刻)
                  他多数収録」
ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド
・兄貴にドキドキ(攻:糞樽x暗樽:受)
ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ
(攻:糞樽x暗樽:受)
ttp://bbs4.oebit.jp/okwww/data/IMG_000609.jpg


糞樽・えちょ 落ち着け・・・平静を保つんだ・・・こんな時どうするか・・・
糞樽・えちょ Cerberus、 King Arthro、Behemoth、Nidhogg、Orcish Neckma・・・
糞樽・えちょ HNMだ・・・HNMを数えて落ち着くんだ・・・HNMはPopして5秒で釣られる孤独な敵・・・俺に勇気を与えてくれる・・・・

Orcish Neckma(臼姫):今、何か言ったかしらね^^^^^^♪♪♪♪♪
糞樽:なんだってェーーーーーーーーーーーーッ!
糞樽:/echo 落ち着け・・・乗り切るんだ・・・この糞樽君ならかならず乗り切れると思い込むんだ・・・・
糞樽:/echo 今この俺がすべき事は一つ!

311 :猫狩先生新刊予告 :07/02/23 02:01:49 ID:???
糞樽:ミスwwwwwトラルアクスwwwwwww
ttp://bbs4.oebit.jp/okwww/data/IMG_000545_2.jpg

糞樽―臼姫様のヘキサ<ヘッドハンギングツリー<連携:ドグシャアを食らった上夏の新刊に恐怖する事になり再起不能(リタイヤ)
猫狩先生―(多分)夏のデスマーチで死にかけることになる



うん、またなんだ済まない、仏の顔も三度までっていうしね(ry
あれ・・・おかしいな夜なのに外が白くなってきt・・・・・・・


312 :(・∀・):07/02/23 02:30:53 ID:???
転載乙wwwwwwww

313 :(・∀・):07/02/23 20:08:36 ID:???
天災乙wwwwwwww

314 :(・∀・):07/02/24 00:18:08 ID:???
転妻乙wwwwwwwwwwwwwww

315 :(・∀・):07/02/26 01:18:25 ID:???
天さん乙wwwwwwww

316 :(・∀・):07/02/26 10:35:19 ID:???
餃子ー!!wwwwwww

317 :(・∀・):07/02/26 15:17:23 ID:???
>>315
ナッパの背中で自爆した時のセリフがそれかよ・・・・・

318 :(・∀・):07/02/27 19:23:43 ID:???
思えば、あれが餃子の最後の見せ場だったな…w

319 :(・∀・):07/03/01 23:23:28 ID:???
糖化する前にジャブをwww

320 :(・∀・):07/03/02 00:07:14 ID:???
〜〜餡刻がとにかく必死〜〜
餡刻:そうか、こっちを見ると「こっちみんな」と言われるわけかwwww
餡刻:ならばたくさん見て認知してもらおうwwwwww

( ゚д゚)
 _(__つ/ ̄ ̄ ̄/_ 
   \/    /

   ( ゚д゚ )
 _(__つ/ ̄ ̄ ̄/_ 
   \/    /

  ( ゚д゚)
 _(__つ/ ̄ ̄ ̄/_ 
   \/    /

  ( ゚д゚ )
 _(__つ/ ̄ ̄ ̄/_ 
   \/    /

    ( ゚д゚ )
 _(__つ/ ̄ ̄ ̄/_ 
   \/    /

 ( ゚д゚ )
 _(__つ/ ̄ ̄ ̄/_ 
   \/    /




321 :(・∀・):07/03/02 00:50:56 ID:???

wwwwwwwwwクロ素wwwwwwwwwwww

餡刻は手をふった
餡刻:おーいwwww来たぜーwwwwwww

獣様:あ!餡刻しゃん!こんにちは〜でしゅ(*・ω・)ノ
赤魔子は手をふった
青眞子:ぉー来た来たww

餡刻:あれ?
青眞子:初めましてー餡刻さーん、私青眞子ってもんですーw
青眞子:どーぞよしなにww
赤魔子は餡刻ににっこり微笑んだ
餡刻:
獣様:餡刻しゃん、青眞子しゃんは赤魔子しゃんの昔のお友達なんでしゅよ!(・ω・*)
獣様:最近冒険者を始めて、赤魔子しゃんの噂聞きつけてここまで来てくれたんでしゅ(*´▽`*)
赤魔子は餡刻にうなずいた
餡刻:
赤魔子は餡刻に、にっこり微笑んだ
餡刻:
餡刻:
獣様:餡刻しゃん?(・ω・)?
赤魔子は どーしたの?の構え



322 :(・∀・):07/03/02 00:51:47 ID:???
餡刻:あ・・・・・・あああ
青眞子:お?
餡刻:あんたっ!まじか?!まじなのか?!
青眞子:おわっ!?ちょ、ちょっと!なんやの突然ー?!
餡刻:あんた!あんた俺のことが!みみみ見える?!聞こえてる?!!もしかして!!もしかして認知してるのk
青眞子のヘッドバット!
餡刻:うぉぉぉぉぉぉぅ・・・・!!と、突然何を・・・
赤魔子はあたふたと慌て始めた
青眞子:そりゃこっちの台詞ーw もーいくら私が美人だからって、そーがっつきなさんなwビックリするやんw
餡刻:い、いやっ!別に俺はそんな!ただ、久々に認知してくれた人に会えて嬉しくて・・・・
青眞子:ハハハハハ!ww赤魔子の話した通りの人やなー!www
青眞子は 唇を突き出して渋い顔をしてみせた
青眞子:「俺はただ、認知してくれた人に会えて嬉しくて・・・・嬉しくて・・・・嬉しくて」(エコー
餡刻:orz
赤魔子は 顔を赤らめた
青眞子:ぶっ!
青眞子:ハハハハハ!!!wwこんな風に口説かれたん私初めてやわー!ww何やのん認知ってー!wwアホかジブンー!www
餡刻:ソ、ソンア・・・・俺決シテソンナツモリハ・・・・orz
青眞子:へ、凹んどるー!この人めっちゃ凹んどるやんー!wwハハハハハ!wwwwお、お腹っお腹痛いーっ!wwwハハハハ!!www
餡刻:orz
赤魔子は怒りをあらわにした
赤魔子は青眞子を問い詰めた
青眞子:ご、ごめんごめんwwぷっくくwwwwんな怒らんでよーwwちょっとからかっただけやーんww
青眞子:誰もあんたのコレにツバ付けるつもりないてーwwなー?ww
青眞子は ピッと小指を立ててみせた
赤魔子はたまらず、その場によろめいてしまった
赤魔子は青眞子をバシッとたたいた
赤魔子は青眞子をバシッとたたいた
青眞子:ちょッ痛い痛いてー!wwごめんって赤魔ー!ww
赤魔子は青眞子ににうんざりした表情を見せた
赤魔子はすねた表情をして青眞子から視線をそらした
青眞子:ほんまからかっただけやてーwwwwんな怒らんでよ〜www
赤魔子は すねた表情をしている
青眞子:あーもーwwwこの子はー照れちゃってーwww
青眞子:機嫌直してよーwwなー?www
赤魔子は すねた表情をしている
赤魔子は すねた表情をしている
青眞子:赤魔の好きなグリル焼いたげるからさーwwなー?ww
赤魔子は
赤魔子は すねた表情のまま青眞子のほうをチラッと見た
青眞子:おっけおっけーwwアップルドリンクのがええのねwwwちょっと待っとってーww

青眞子:おーい!芋!芋ー!おるー!?ww
騎芋:ハッ!私めでしたらここに!
青眞子:ひとっ走りいって、妖精のリンゴと水クリ何個か取ってきてほしーんやけどーww
騎芋:ハッ!承知いたしました!
青眞子:偉いね〜騎芋は〜ww 
騎芋:そんなことは!青眞子殿の頼みとあらばいつでも!
青眞子:うむ、よきにはからえwwほな、これ代金ww
青眞子:うまくできたら、また私のポイズンブレス見せたげるからなーww
騎芋:おおおおお!青眞子様のブレスをもう一度拝めるなど!なんと身に余る光栄!
騎芋:騎芋、行って参ります!!
青眞子:いってらーwww

323 :(・∀・):07/03/02 00:52:42 ID:???
働芋:あぁ・・・・なんと嘆かわしいことか、騎芋殿・・・・
蘭芋:若以外の人間にあそこまで尽くすとはwwwwwおっさんも堕ちたなwwwプww
蘭芋はコクーンの構え

青眞子:そこの芋共もーwwwww騎芋手伝ってきなーwww
青眞子:うまくできたら私のコクーンも見せたげるよーwww
蘭芋:あッwwwww俺おっさんに用事あるの思い出したわwwwwじゃーなwwwゲラwww
働芋:お、お待ちなさい!私も参りま・・・・蘭芋殿ーっ!・・・・・・・・

青眞子:これでよしw
青眞子:ちょっと待っててよー赤魔
青眞子:すぐできるからさー ねー?w
赤魔子は 青眞子のほうをチラッと見た
青眞子:分かってる分かってるてーwwwもーしないからーw
赤魔子は ちょっと悩んだ
赤魔子は青眞子に、にっこり微笑んだ
青眞子:よかったわぁーw赤魔優しー♪w
青眞子:じゃあーw芋達帰ってくるまでお喋りでもしよっかーww
赤魔子はうなずいた
青眞子:あっちで凹んでる彼の話とかwwwwwwwwwww
赤魔子はビックリした!
赤魔子は怒りをあらわにした
赤魔子は青眞子をバシッと叩いた
赤魔子は青眞子をバシッと叩いた
赤魔子は青眞子をバシッと叩いた
青眞子:冗談冗談wwwwじょーだーんやーって!ww
赤魔子は青眞子をバシッと叩いた
赤魔子は青眞子をバシッと叩いた
青眞子:ったくーwww赤魔はほーんと分かり易いんやからーwwwもーww
赤魔子は
赤魔子は
赤魔子は 顔を赤らめた
赤魔子はすねた表情をして青眞子から視線をそらした
青眞子:ハハハハ!wwごめんごめんてーwwほら、ヨーシヨーシww
赤魔子は
赤魔子は すねた表情をしている
青眞子:ハハハハーwwヨーシヨシーww
赤魔子は すねた表情をしている
赤魔子は すねた表情をしている

獣様:またお家が賑やかになって、僕嬉しいでしゅ!(*´▽`*)
餡刻:チガウノヨ・・・・タダウレシカッタダケナノヨ・・・orz


悪いwwwww勝手に設定しちまったwwwwwご愛嬌で許してwwww

つか、おっとり天然系にしようとしたらwwwwなんか関西弁の姉ちゃんになちまったwwwwwwwwwぬるぽーwwwww

324 :(・∀・):07/03/02 00:55:10 ID:???
やべえ被ったwww
>>320さんスマンwwwwww

ってあれ?www>>320が空白にしか見えないwwwwww
あれ、そういや俺wwwww誰にスマンなんて言ったんだっけwwwww

325 :(・∀・):07/03/02 02:29:11 ID:???
青眞子イイ(・∀・)!!



考えてるSSにこのキャラで出してもいいですか(・∀・)!?

326 :(・∀・):07/03/02 09:10:58 ID:???
>>325
書き手として最高の褒め言葉ですwww [*゚∀゚]人[゚∀゚*]-☆ 
ガンガン出してやって下さいなジョニー!

327 :(・∀・):07/03/02 09:21:55 ID:???
ヘッドバットで思い出した。
プロレス雑誌の週刊ゴングが廃刊になるんだよなぁ。
愛読者として【残念です。】

328 :(・∀・):07/03/02 10:12:33 ID:???
>>327
赤魔子 はそれは誤報であることを主張している
赤魔子 は>>327にスピアの狙いを定めている
赤魔子 ホーーー!の構え!

マジで誤報のようですYO

329 :(・∀・):07/03/02 10:57:35 ID:???
>>328
なに、マジディスカwwwwwww
【やったー!】【ありがとう】wwwww

330 :(・∀・):07/03/02 11:19:15 ID:???
赤魔子 は327にスピア!
赤魔子 はそこからヘラクレスカッターの構え!

http://mimi.sub.jp/maikai/


331 :(・∀・):07/03/02 13:19:43 ID:???
赤魔子には、越中史郎の技がよく似合うwwwww

332 :(・∀・):07/03/02 14:11:05 ID:???
尻かwwwwww

333 :(・∀・):07/03/03 19:47:17 ID:???
続・糖化wwwwwwwwwwww
下書き無しだけどキニシナイwwwwwwwおkwwwwww[ ゚д゚]人[゚д゚ ]-☆

wwwwwwwwハコニワwwwwwwwwwww
青眞子は倒れた・・・・・・
wait 1min
青眞子は倒れた・・・・・・
wait 1min
青眞子は倒れた・・・・・・
wait 1min

青眞子:あっかーーーーーーーーーーーん!!!!!
赤魔子はあたふたと慌て始めた
青眞子:なんでぇ?!なんでなぁーん?!なんでできひんのぉーーー!!?
赤魔子は青眞子を慰めた
赤魔子は青眞子を慰めた
青眞子:あぁぁぁぁああああ!!!!腹立ってきたわぁーーー!芋ーーーーーっ!!!!
騎芋:はぃぃぃーーーーーっ!!!;;
青眞子:歯ぁ食いしばれやぁーー!!!
騎芋:し、承知いたしましたぁぁぁぁーーーっ;;;;;;
騎芋はコクーンの
青眞子:うぉりゃああああああああ!!!!!
青眞子のパーチカルグリーブ!!!!
騎芋:ま、まだ食いしばってまsくぁw背drftgyふじこlp;@
赤魔子はあたふたと慌て始めた
獣様:騎芋しゃーーーん!Σ(´ロ`;)
赤魔子は青眞子を慰めた
赤魔子は青眞子を慰めた
青眞子:はぁースッキリしたわー!w
青眞子:っよぉーし!赤魔ー!wwもーっかいもーっかい!ww
赤魔子は青眞子を応援した!

騎芋:わ、若ぁ・・・・綺麗な・・・・綺麗なキノコ畑が見えまする・・・・
獣様:だ、ダメでしゅ!それ以上進んじゃダメでしゅよ騎芋しゃーん!;;


334 :(・∀・):07/03/03 19:48:15 ID:???
青眞子は倒れた・・・・・・・・・・・・・・・・

青眞子:ふぐぅー・・・・・
餡刻:何やってんですかアンタらwwww
赤魔子は手を振った
餡刻は手を振った
青眞子:餡刻さんーwwどもーんww

餡刻:わざわざ箱庭使ってるから何事かと思えばw
餡刻:さっきから青眞子さん死にまくりじゃないww2人して一体何してんだ?ww
青眞子:いやー・・・・ね、実はーw
赤魔子は気合を入れた!
赤魔子は気合を入れた!
青眞子:まぁ説明するよりも見たほうが早いかな?wwよーしドントコーイ赤魔ーww
赤魔子は 頷いた!
赤魔子は 炎のクリスタルを取り出した!
餡刻:ちょwwwwwwwwおい待て、まさかこれtt

                          __,,:::========:::,,__
                        ...‐''゙ .  ` ´ ´、 ゝ   ''‐...
                      ..‐´      ゙          `‐..
                    /                    \
        .................;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;::´                       ヽ.:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;.................
   .......;;;;;;;;;;゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙       .'                             ヽ      ゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙;;;;;;;;;;......
  ;;;;;;゙゙゙゙゙            /                           ゙:                ゙゙゙゙゙;;;;;;
  ゙゙゙゙゙;;;;;;;;............        ;゙                              ゙;       .............;;;;;;;;゙゙゙゙゙
      ゙゙゙゙゙゙゙゙゙;;;;;;;;;;;;;;;;;.......;.............................              ................................;.......;;;;;;;;;;;;;;;;;゙゙゙゙゙゙゙゙゙
                ゙゙゙゙i;゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙;l゙゙゙゙゙
              ノi|lli; i . .;, 、    .,,            ` ; 、  .; ´ ;,il||iγ
                 /゙||lii|li||,;,.il|i;, ; . ., ,li   ' ;   .` .;    il,.;;.:||i .i| :;il|l||;(゙
                `;;i|l|li||lll|||il;i:ii,..,.i||l´i,,.;,.. .il `,  ,i|;.,l;;:`ii||iil||il||il||l||i|lii゙ゝ
                 ゙゙´`´゙-;il||||il|||li||i||iiii;ilii;lili;||i;;;,,|i;,:,i|liil||ill|||ilill|||ii||lli゙/`゙
                    ´゙`゙⌒ゞ;iill|||lli|llii:;゙|lii|||||l||ilil||i|llii;|;_゙ι´゚゙´`゙
                         ´゙゙´`゙``´゙`゙´``´゙`゙゙´´



335 :(・∀・):07/03/03 19:58:41 ID:???
餡刻:wwwwwwwwwwwwwウェッホwwww
青眞子:wwwwwwwッゲホwwwwwwゴホwwwwwwww
赤魔子はひどく落ち込んだ

青眞子:この後、赤魔倒せばええーんやけどww
青眞子:どーしてもww一撃必殺なんよこれがwww
赤魔子は 青眞子にゴメンー!の構え
餡刻:そもそもwwwこれってラーニングできんのかよwwww
青眞子:いーやwww私はラーニングしてみせるよーww
青眞子:この青魔法を修めれば、私の右に出るものはヴァナに1人もいなくなるに違いないわけやしねーwww
餡刻:/echo 臼姫のことは・・・・・・・黙っておくかwwww新参らしいしなwwww
青眞子:うぉーーっし!!!赤魔ーー!!wwもっかーい!もっかーいやろー!ww
赤魔子はひどく落ち込んでいる
青眞子:ん?調理スキルが全然上がらないってー?w
青眞子:そりゃあれ!いつまでもミリオンコーンなんかでやってるからやてーw
青眞子:ここはちょーっと背伸びしよか・・・・・・・・ほな、これ材料ww
赤魔子はビックリした!
赤魔子は 青眞子を見つめた!
青眞子:へへーw赤魔が好きなもんやったらスキル上がるかもしれへんやろー?w
青眞子:それにホラ!これならさ、なんや威力も落ちそうやん!wコーンはパーンと弾けるしー、きっと次はいけるてー!w
赤魔子は 青眞子を賞賛した!
赤魔子は 青眞子を賞賛した!
赤魔子は 気合を入れた!
餡刻:ちょwwwwwww待てwwwwwwww焼きリンゴっておまwwwwwww赤魔子のスキルいくつだt



                ,,-'  _,,-''"      "''- ,,_   ̄"''-,,__  ''--,,__
                ,,-''"  ,, --''"ニ_―- _  ''-,,_    ゞ    "-
               て   / ,,-",-''i|           ̄|i''-、  ヾ   {
              ("  ./   i {;;;;;;;i|            .|i;;;;;;) ,ノ    ii
          ,,       (    l, `'-i|            |i;;-'     ,,-'"   _,,-"
          "'-,,     `-,,,,-'--''::: ̄:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::''ニ;;-==,_____ '"  _,,--''"
              ̄"''-- _-'':::::" ̄::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;;;;----;;;;;;;;::::`::"''::---,,_  __,,-''"
             ._,,-'ニ-''ニ--''" ̄.i| ̄           |i-----,, ̄`"''-;;::''-`-,,
           ,,-''::::二-''"     .--i|             .|i          "- ;;:::`、
         ._,-"::::/    ̄"''---  i|             |i            ヽ::::i
         .(:::::{:(i(____         i|             .|i          _,,-':/:::}
          `''-,_ヽ:::::''- ,,__,,,, _______i|              .|i--__,,----..--'''":::::ノ,,-'
            "--;;;;;;;;;;;;;;;;;""''--;;i|              .|i二;;;;;::---;;;;;;;::--''"~
                    ̄ ̄"..i|               .|i
              .;.;"..;.;" .i|                |i/ ".;.;".;":
     ,,,,,     .;".;": . \( ⌒.i|                |i )⌒)/".;.;".;":
      ;;;::,,,...;": ."; ".;. ;( ⌒( .i|                 .|i⌒) )⌒".;.;".;":.
      .";".";": ..;;( (⌒(  .i|                  .|i⌒) ) )⌒".;
      .;.;"..;.;"..;.;".   ;.;"..;..;.;".   ;.;"..;..;.;".   ;.;.;"..;.;".

コーナルノカヨーwww   ヤッパイチゲキヤーンwww   アカマコハゴメンナサーイ!ノカマエー

爆破オチwwwwwwwこ、後悔なんてしてないんだからっwwwwwww

336 :(・∀・):07/03/03 23:34:53 ID:???
青眞子イイ(・∀・)!!


しかしあれだな



歌樽:関西弁キャラが増えたやてーーー(;;´∀`)!!
    
    あかん、最近影薄いのにますますうすなってまうわ

    いっちょ気合入れて文句はんやらとベヒ狩でも行って目立ったるか(#´∀`)



・・・最近歌樽の影が薄いのは縄張りから出手てこないからと見た    

337 :(・∀・):07/03/04 15:06:40 ID:???
歌樽は大阪で、青眞子は京な感じがするww
東京を田舎と思ってそうなw

338 :(・∀・):07/03/04 17:11:13 ID:???
それ関西人に言ったら怒られるぞwwww

339 :(・∀・):07/03/05 07:24:32 ID:???
垢爺:みんな、分かっていると思うがゆっくりとこの世界に異変が起きている
内藤:うはwwwww解らないwwwwwwwwwwww
通風:なんだよwwwwwwww突然wwwwwwww
糞樽:登場人物総Dere化のことか?wwwwwwwwww
垢爺:そうじゃ
垢爺:このまま進行するとやばいのじゃ
垢爺:例えば、以前デュナミスの試験として作った闇キャラが現在どうなっているか見せてやろう

闇内藤:おらおらwwww通風wwwww尻かせやwwwwwwwwww
闇通風:ノオオオオオオオオwww猫狩助けて;;;;;;;;;;;
闇猫狩:内♀×通♀ハァハァハァハァ

内藤:wwwwwwwwwwwwwwww
通風:wwwwwwwwwwwwww
糞樽:wwwwwwwwwwwwwww
戦死:何がかわったんだよwwwwwwwwwwww
戦死は、勝どきをあげた。
  :あれ?闇内藤はノーグにいるんじゃ?wwwwwwwwwww
垢爺:こんなにも変わってしまい、このままじゃ維持することができなくなってしまう!
通風:よく【わかりません。】wwwwwwwwwwwwww
垢爺:そこでワシはつくったのじゃ!このリセットボタンを!
  :o z
垢爺:これを使えば全ての設定は初期にもどる。世界も平和になる
通風:【わかりません。】wwwwwwwwwwwwwwwww
戦死:ついにボケたかwwwwwwww
戦死は、つんつんつついた。
垢爺:そこでじゃ、おぬしらにこのスイッチをやろう
糞樽:('д')
内藤:蟻が十wwwwwwww
垢爺:さあ!押すのじゃ!
  :なんか垢爺変じゃないか?wwwwww
内藤:うはwwwwチョッとキンチョウリキッドwwwwwwwww
垢爺:さあ!!さあ!!!
通風:なんか垢爺変だなwwwwwwww
  :それさっき俺がorz
戦死:まったくだwwwwwwwww
戦死は、首を横にふった。
糞樽:おいwww内藤wwwwそんな変なスイッチ押すなよwwww
内藤:そうだったwwwwww協会でセーブしてからじゃないとwwwwwwwwwww

垢爺:くっ、このリセットボタンで全てを初期のwwwwwwwwしか存在しない世界にする計画が
内藤:うはwwwww尾まえは赤字意じゃないなwwww小たいをあらわ背wwwwwwww
垢爺改め裏闇王:ばれてしまったからにはしょうがない。私の力で全てを無にしてやろう
糞樽:どう考えても電波以下ですwwwwwwww
通風:ほんとうにありがとうございましたwwwwwwwwwwwww
戦死:さてとwwwwwww帰るかwwwwwwww
  :えっ!やばいんじゃないの?
戦死は喜んだ。
糞樽:そうだなwwww白樽ちゃんとのデートもあるしなwwwwwwww
糞樽はデジョンを唱えた。
通風:だなwwwwwwwwww
通風>>猫狩:オズ行くぞwwwwwwwwww
猫狩>>通風:はいにゃ><

340 :(・∀・):07/03/05 07:25:56 ID:???
裏闇王:いでよ!闇内藤!闇通風!闇臼姫!闇糞樽!
裏闇王:本物の垢爺にボタンを押させるまで、こいつの相手をしてろ
内藤:なんだとwwwww垢ジイを帰せwwwwwwwwwwwww
裏闇王:はーーーーーーーはっはっはっはっ
  :くっwww俺がこいつらの相手をするからwwwww内藤は追いかけるんだwwwwwwww
内藤:うはwwwww多勢に無礼wwwwwwボスケテwwwwwwww
闇通風:こいwwwww内藤wwwwwwww
闇通風:実はwww絶対回避はwwwww魔法と射撃攻撃は回避できないぞwwwwwwww
内藤:くらえwwwwwwwww九曲魔法wwwwwほおおおおwwwwwwwwwりいいいwwww
闇通風:ぐわああああああwwwwザ・フイダマワプス事wwww闇通風がああああwwwww
  :俺も帰っていいかな?wwww
闇臼姫:闇通風がやられちゃったみたい;;;;;;;;;;;;;;
闇糞樽:ふっwwwwwww奴は闇メンバーの中でも下の下wwwwwww
闇内藤:広域スキャンでコッファーの位置が分かると思ってるシーフの面汚しさwwwwwww
内藤:くらえwwwwwwww電設のwww月技wwwwぱわあああああああすらーーーしゅwwww
闇糞樽:ぐえーーーーーーーwwwwwww
闇臼姫:ぐおおおおおおおおおん;;;;;;;
闇内藤:ぐはっwwwwwwww

内藤:はぁはぁwwwww後はww赤地意の居場所を突きと目るだけだwwwwwwww
裏闇王:くっくっく、良く来たな内藤
内藤:ぼすwwwwww発券しましたwwwwwwwww
裏闇王:まず言っておくが、垢爺はGMの仕事があるといっていたので開放しておいた
裏闇王:そしてリセットボタンを押しても回線切断扱いになるだけだ
内藤:折れも行って置くことがあるwwwwwwwwww
内藤:いつもwwwwwwサポシだがwwwwwww実はサポ船もできるwwwwwwwww
裏闇王:そうか、さあ!こい!
内藤:うおおおおおおおおおおwwwwwwwwwwwww

END                        339の次回作にご期待ください

341 :(・∀・):07/03/05 08:11:00 ID:???
吹いたwwwwwwwwwwwwwwwwww

342 :(・∀・):07/03/05 08:28:02 ID:???
これなんてギャグマンガ日和wwwwwww

343 :(・∀・):07/03/05 22:26:16 ID:???
いつも月ジャン読む時、ギャグマンガ日和はスルーしてるんだが、
この話だけは秀逸だったなーw

344 :(・∀・):07/03/06 04:56:23 ID:???
ちょっと置いて行きますよ(・ω・)

文句:パワーーーーwwwwwww

文句は、通風をつんつんつついた。

通風:どうした?wwwwwww

文句:や ら な い か ? wwwwww

通風:うほっ!wwwwwwww

ズキュゥゥゥン!
バターン!

文句のや ら な い か ?が発動。
→通風に854238789647の精神的トラウマダメージ。
通風は、文句に倒された。


内藤>>通風:どうした!wwwwwwww

状況を報告しろ!wwwwwwwww

通風!つうふーーーーーーう!!wwwwwwwwww


糞樽:ダメだ!wwwwww通風!!wwwwwww

未来が変わってしまった!!wwww


タイムパラドックスだ!!!wwwwwwwwwwww



悪気は、無い。
カッとなって書いた。今は反省している。

345 :(・∀・):07/03/06 04:59:58 ID:???
メタルギアライデンwwwwwww

346 :(・∀・):07/03/07 03:15:43 ID:???
猫忍:闇内藤さん、なにを警戒しているんですかぁ〜?
闇内藤:いや・・・何だか、出てはいけない気がして・・・
猫忍:闇内藤さん自体がスレ的にも黒歴史ですしねぇ〜♪
闇内藤:・・・そういうことははっきり言うな
猫忍:くふふ♪
闇内藤:それにしても・・・桃の節句、か
猫忍:ひな祭りとも言いますねぇ〜♪もともとは、上巳の節句と言って、厄除けのお祓いをする日だったんですよぅ〜♪
闇内藤:へぇ・・・
闇内藤:・・・あそこでヒシモチの食わせ合いをしているのがそうなのか?

通風(♀):てめぇwwwwwひとりだけ逃げんなwwwww
内藤:無理wwwwwwwwwwwwwwwサポシwwwwwwwwwwwwwww
糞樽(♀):くそwwwwwwwwwwバインド入れる隙もねぇwwwwwwwwwww

猫忍:内藤さん、女体化すると萌え属性がつきますからねぇ〜♪子猫ちゃん萌え〜(*´Д`*)って♪
闇内藤:・・・・・・・・・・・・。

戦死(♀):大体何なんだこれはwwwwww普通のヒシモチとは違うのかwwwwww
死人(♀):食べると少女に変身するのではなく、女体化するヒシモチとは・・・赤魔子食品、恐るべしですね
樽ナ:/echo ・・・女体化してたんだ・・・見た目じゃ分からなかった・・・
エルモ(♀):う、胸が出ちゃうな・・・これ、効果時間はどれくらいなんだろう?
暗樽:効果も時間も分からないのが赤魔子食品ですからwww
エル白(♀):ログアウトもできないでしゅ(´・ω・`)
樽ナ:どんだけアレな効果なんだ・・・

闇内藤:とりあえず・・・どうするんだこれ
猫忍:・・・さあ♪
闇内藤:さあって・・・

通風(♀):猫wwwwwやっちまえwwwww
猫狩:内藤ちん、往生するにゃ!(*≧▽≦*)
内藤:うはwwwwwwwwwwwwwww猫狩使うなんてヒドスwwwwwwwwwwwwwww
通風(♀):へっ、やったもん勝ちだぜwwwww
内藤:ノォォォォォwwwwwwwwwwwwwww

猫忍:勝負あり!ですねぇ〜♪
闇内藤:・・・絶対何か違うだろ




内藤(♀):闇内藤〜・・・みんながいじめるの・・・;
闇内藤:・・・分かった。分かったから俺と同じ顔で泣くな・・・
内藤(♀):・・・ふぇ;;
闇内藤:だから泣くなって・・・ったく、どうすればいいんだ
猫忍:この際、闇内藤さんも女体化してみるとかぁ〜♪
闇内藤:・・・やめてくれ・・・

347 :(・∀・):07/03/07 03:16:33 ID:???
眠れなくて、ついやってしまった。
今はかなり後悔している。

348 :(・∀・):07/03/07 09:27:35 ID:???
そういやもうひな祭りかー
倍返しに追われてすっかり忘れとった

349 :(・∀・):07/03/07 09:39:20 ID:???
闇内藤:./ ̄ ̄ ̄\
     |  <◎>  | <@やみ
     \     /
     /___ \
      ̄ノ/ /ヽ ̄
      ノ ̄ ゝ


350 :(・∀・):07/03/07 11:36:28 ID:???
黒歴史と言うか、無理に出す必要を感じないキャラだわw


351 :(・∀・):07/03/07 13:17:54 ID:???
誰かと被ってるわけでもない・・・・と思ったら、釣り人と雰囲気似てんなw
ポジションは随分違うがw

352 :(・∀・):07/03/07 15:39:46 ID:???
?:…………最近出番少ないってレベルじゃないな… (;´_ゝ`)
?2:出番気にしてないで仕事してよ兄さん( ´Д`)

353 :(・∀・):07/03/07 17:16:04 ID:???
のんびりの人が引退してから、一気に消えたねwww

354 :(・∀・):07/03/08 08:38:26 ID:jcKDaCW+
竜さんバージョンアップ
キタ━━━━━━≡゚∀゚)≡゚∀゚)≡゚∀゚)≡゚∀゚)≡゚∀゚)━━━━━━!!!!!


355 :(・∀・):07/03/08 16:20:29 ID:???
獣様:それじゃ 始めるデシュよ〜(`・ω・´)
  エルドは引きつった笑顔を浮かべている
獣様:お内裏さまと お雛さま〜♪デシュ
  樽ナは笑顔に見えるが目が少し怖い
獣様:ふ〜たり並んで すましがお〜♪デシュ
  暗樽は落ち込んでいるようだ
獣様:お嫁にいらしたねい様に〜♪デシュ
  赤魔子は笑顔が怖い
獣様:よく似た官女の白い顔〜♪デシュ
  餡刻は泣き顔にも笑顔にも見える

ごめwwww何か会話入れようと思ったけど思いつかねwwwwwwwwwww
ってことで書き逃げwwwwwwwwww

 歌  :ttp://www.koboku.co.jp/hina/3-uta.htm
男雛  :Eald'narche
女雛  :樽ナ
笑い上戸:赤魔子
怒り上戸:餡刻

356 :(・∀・):07/03/08 17:32:58 ID:???
ワロタwwwwwwwww
でも最後、暗樽の説明が抜けてね?wwwww


357 :(・∀・):07/03/08 18:17:04 ID:???
はっwwwwwwwww
登場させなかったキャラ消したときに一緒に消しちまったwwwwwwwwwwwww

ついでに全員公開しちゃえ(いや、貧乏性なんかじゃないでつぉ?wwww

 男雛 :Eald'narche
 女雛 :樽ナ
三人官女:早耳のシュテフィ
  〃  :運び屋のキャリー
  〃  :子守唄のメロディア
五人囃子:茸のしもべ
  〃  :剣のシルヴァード
  〃  :騎芋
  〃  :重装甲のガラハッド
  〃  :冷血のコモ
左大臣 :植木鉢育ちのビル
右大臣 :植木鉢育ちのベン
泣き上戸:暗樽
笑い上戸:赤魔子
怒り上戸:餡刻

358 :(・∀・):07/03/08 19:39:45 ID:???
エルド……久々の出番なのに……wwwwww

359 :(・∀・):07/03/09 05:13:05 ID:???
空気読まないで投下
すでに原案書いて2ヶ月たってるので空気とかもうどうでもいいんだ
内藤Love

360 :ドルアーガの内塔 :07/03/09 05:13:44 ID:???
ドルアーガの内塔


内藤:ちゃっちゃちゃーんちゃーんちゃらららちゃっちゃちゃーんwwwwwwwwww
内藤:ちゃっちゃちゃーんちゃーんちゃちゃちゃちゃーんwwwwwwww
通風:おwwwwドルアーガかwwww懐かしいなwwwwwwww
戦死:今頃ドルアーガかよwwwwwww古すぎwwwwwwwwww
戦死は勝ち鬨をあげた
糞樽:よろこんでるじゃねーかwwwwww俺もリメイク版ならやったことあるwwwwwwww
臼姫:ドルアーガ塔ねぇ・・・・・あれクリアするの難しいわよね^^^^♪
糞樽:wwwwwwwwwwwwwwwwwww
臼姫:何かいいたいことでもあるの?^^卍♪
糞樽:何でやったことあるのかな?wwwwwwwwwwwwwwwwwww
臼姫:そ・・・・それは・・・・・^^;♪
糞樽:それは?wwwwwwwwwwww
臼姫:プ・・・プレイステーション・・・・・・そう!プレイステーションよ!^^♪♪
糞樽:ドルアーガには特別版があるがwwwwwwその特別版の名前を言ってみろwwwwwwwww


361 :ドルアーガの内塔 :07/03/09 05:14:20 ID:???

臼姫:そんなの誰でも知ってるわ^^♪ アナザー・ドルアーガの塔でしょ?^^♪

糞樽:・えちょ やっちまったよコイツwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
通風:wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
戦死:wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
戦死は臼姫を理解できなかった
内藤:うはwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww?


臼姫:な・・・・なによその反応は・・・・・・^^;♪
糞樽:あのなwwwwwwwwwwアナザー・ドルアーガの塔はwwwwwwwwwwww
通風:FC版なんだよwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
戦死:PS版は闇ドルアーガだwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
臼姫:!!
内藤:おkwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww?

糞樽:さぁwwwwwwwwいつ生まれか正確に答えてもらおうかwwwwwwwwwwwww
通風:残念だがwwwwwwww言い逃れはできんwwwwwwwwwww
臼姫:あ・・・・・ぁ・・・・・・・
内藤:日本語でおkwwwwwwwwwwwwwwwww?


臼姫:覚えてなさいよーーーー!!^^卍♪
臼姫のホーリーが発動
→あたり一面に壊滅的なダメージ

糞樽:このネカm・・・・・・・・ピgy
通風:ちょwwwwシャレになんn
戦死:し・・・・白い光がおちてくr
戦死はホーリーを歓迎した

糞樽は倒れた・・・・・
通風は倒れた・・・・・
戦死は倒れた・・・・・


臼姫はログアウトしました



内藤:/sh マ・・・・・マイハニィィィィィィィィ!!!!wwwwwwwwwwwwww
内藤は倒れた・・・・・










362 :ドルアーガの内塔 :07/03/09 05:14:49 ID:???





通風:泣くなwwwww内藤wwwwww
内藤:うは・・・・・・・おk・・・・・・・wwww
糞樽:そーいやなんで今更ドルアーガなんだよwwwwwwwwww
内藤:知らないおっさんがwwwwwww今はやりのゲームだっ手wwwwwww教えてくれたwwwwwww
内藤:「君はかっこいいから安く譲ってあげよう」って言われ手wwwwwwww3000円で買ったwwwwwwwwwwwwwww
糞樽:・えちょ ツボ買わされる馬鹿ハケーンwwwwwwwwwwww
通風:ねーよwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
戦死:どうみても詐欺師ですwwwwwwwwww本当に有難うございましたwwwwwwww
戦死は内藤に手を振った
内藤:ドルアーガ難し意wwwwwwwwwwwwww修正されるねwwwwwwwwwwwwwwwww
通風:まぁ今のガキから見たらwwwwwww難しいかもわからんねwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
内藤:そろそろ折れ様練るwwwwwwwwwwwwwwwwまた明日wwwwwwwww

糞樽:おつwwwwwww
通風:・てll 猫狩 内藤がやっと寝たからこれからオズ行くぞwwwwww
通風:ミスwwwwwwwってこれは糞樽のお家芸じゃねーかwwwwwwwwwww
糞樽:人の特技とんなバカwwwwwwww
戦死:とりあえずじゃあなwwwwwwwwwwwww
戦死は通風をみて落ち込んだ






内藤:明日もうはwwwwwwおkwwwwwww・・・・・・・Zzz・・・・・・・






363 :ドルアーガの内塔 :07/03/09 05:15:30 ID:???



wwwwwwwww夢の中wwwwwwwwwwwwww




チャッチャチャーンチャーンチャラララチャッチャチャーン♪
チャッチャチャーンチャーンチャチャチャチャチャーン♪




内藤:うはwwwwwwwwwwwwwこの音はwwwwwwwwwwwwww
内藤:うはwwwwwキンピカの鎧wwwwwwwwwwwということはwwwwwwwwwwww

内藤:/sh ヴぁな西京折れ様wwwwもといギルがwwwwwマイハニーwwwwwもといカイを助けに行くぜーwwwwwwwwwwwwww
糞樽:/sh 糞シャウトUzeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeee!!

内藤:うはwwwww糞樽なんでここにwwwwwwwwww
糞樽:俺がききてえよwwwwwwwなんで俺を召喚するんだwwwwwwwwwwww
内藤:その滑降wwwwwwwwwwマジシャンwwwwwwwwwwwwwww?
糞樽:滑り落ちるのかypwwwwwww俺は敵キャラのウィザードらしいなwwwwwwwww
内藤:うはwwwww折れ様の敵wwwwwwwwwwww

内藤:/sh 伝説の突き技パワースラッシュTP10000%wwwwwwwwwwwwwwww
糞樽:ばwwwww剣しまえwwwwwww争う気はねーよwwwwwwwwwwwwwwww
内藤:うはwwwwっをkwwwwwwww
糞樽:ところで内藤wwwwwお前盾どうしたwwwwwwwwwwwwwwwww
内藤:捨てたwwwwwwwww芯のナイトに立てはいらないwwwwwwwwwwwwwww
糞樽:お前はwwwwwwwお前ってやつはwwwwwwwwwwwwww
内藤:うはwwwwwwwwほめことば?wwwwwwwwwwwwwwww
糞樽:ちげーよバカwwwwwwwwwwいっぺん市ねwwwwwwwwwwwwwww
内藤:うはwwwwwwwwwおkwwwwwwwwwwwwww




内藤:<t>ハケーンwwwwwつるねwwwwwwwwww
糞樽:グリーンスライムだなwwwwwww
スライム:(´・ω・)プルプル
糞樽:なんだこのどこかで見たことある顔はwwwwwwwwwwwwwwww
内藤:スライムかわいいwwwwwwwwww抱きしめちゃうwwwwwwwwwwwww
糞樽:ちょwwwおまwwwwwwやm









内藤×02

364 :ドルアーガの内塔 :07/03/09 05:16:00 ID:???




糞樽:お前ってやつはwwwwwwwお前ってやつはwwwwwwwwwwwwwwww
内藤:お花畑が見えたwwwwwwwwwwネーチャンがいたwwwwwwwwwwwww
糞樽:いいか内藤wwwwwwwたとえかわいくてもwwwww敵は敵だwwwwww倒せwwwwwwww
内藤:おkkwwwwwwww
糞樽:お・・・・・向こうからナイトがきたな・・・・・今度こそたおせy・・・・んん?



闇内藤:出番無い・・・・キャラかぶる・・・・・・・出番が・・・・・・・餡刻視ね・・・・ブツブツ
糞樽:wwwwwwwwwwwwwww
内藤:wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
糞樽:いけ内藤wwwwwwwwwwww主人公の強さを見せてやれwwwwwwwwwwwwwww
内藤:無理wwwwwwwwwwwサポシwwwwwwwwwなんかドス黒いオーラでてるwwwwwwwwwww
闇内藤:キャラ改革・・・・・・改革・・・・・・・・・かい・・・・・・・・
糞樽:早く内藤いけってwwwwwwwwwww
内藤:糞樽ごめwwwwwwwwwwwwww

内藤のだまし討ち!
→糞樽にタゲ固定の効果

闇内藤:糞樽・・・・・・・・・キャラ被る・・・・・・抹殺しないと・・・・・・・
糞樽:ちょwwwwwwwwwやめwwwwwwwwwwキャアアアアアアアアアアアアアアアアアァァァ・・・・・・・









糞樽×02

365 :ドルアーガの内塔 :07/03/09 05:16:43 ID:???



糞樽:恐ろしい目にあったwwwwwwwwww
内藤:ごめwwwwwww俺も見て手怖かっ太wwwwwwwwwwwwww
糞樽:ナイトはなるべく避けて攻略しようwwwwwwwwwwww
内藤:うはwwwwwwwwおkwwwwwwwwww




こうして二人は


糞樽:内藤ジェットブーツを取れ!!!!
内藤:この靴かっこいいねwwwwwwwwwwwヘロメスかなwwwwwwwww
糞樽:エルメスだろwwwwwwwwぜんぜん違うけどwwwwwwwwww


何度も何度も


糞樽:シルバーマトック・・・これで壁を壊せるようになったな・・・・・
内藤:なんか壁を掘ったら一発で壊れたんだけどwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
糞樽:Noooooooooooooooooooooo!!!!!!


倒れながら


餡子:私がカイよぉぉぉぉぉん♪
内藤:伝説の突き技パワースラッシュTP1000000000000000000000%wwwwwwwwwwwwいまいくねwwwwwwwwwwwww
糞樽:それはサッカバスだぁぁぁぁぁwwwwwwwwwwwwwwおまwwwwwwwwwアッーwwwww



少しずつ



クオックス:僕の炎を耐えられるかなwwwwwwwwwwwwwww
内藤:流体時こそwwwwwwゆうしゃのあかしwwwwwwwwwwwww伝説の突き技パワースラァァァァァッシュwwwwwww
ミラー隆起:てめぇ内藤!!!!!クオたんに手を出したらただじゃおかねえええええええええええ!!!!!
内藤:うはwwwwおkwwwwwwwwww



前進したのでした




366 :ドルアーガの内塔 :07/03/09 05:17:47 ID:???


糞樽:なんか色々と紆余曲折あったがwwwwwwwww最後までたどり着いたなwwwwwwwww
内藤:折れ様もうクタクタwwwwwwwwwww早くハニー似合いたいwwwwwwwwwwwwww
糞樽:もう残機もないから死ぬなよwwwwwwwwwwwwそろそろドルアーガが出るころだwwwwwww





wwwwwwwドルアーガ登場wwwwwwwwwwww


ドルアーガ:^^^^^^^^^^^^^^^♪♪♪♪
糞樽:ゾクッ
内藤:うはwwwwwwwwwwwww?
糞樽:なんだwwwwwwこの感じ覚えのある恐怖感はwwwwwwwwwwwwwwww
ドルアーガ:^^^^^^^^^^^^^^卍卍卍♪♪♪♪♪
内藤:うはwwwwwwwwマイハニィィィィィィィ!!!!wwwwwwwwwww
糞樽:ちょwwwwオーキッシュネカマwwwwwwwwwドルアーガ似合いすぎwwwwwww
糞樽:ミs・・・・・・って言葉わからないよなwwwwwwwwwwwww
内藤:どうしようwwwwwwwwカイには会痛いけどマイハニーに暴力は振るいたく内wwwwwwww
糞樽:オーキッシュネッカマーwwwwwwwwやーいこの年増wwwwwwww
ドルアーガ:^^^^^^^^^^^^^^^^^♪♪♪♪♪♪
糞樽:ちょwwwwwwなんか俺のほうだけに向かってきたwwwwwww内藤助けろwwwwwwwwwwwwww
内藤:糞樽wwwwwwww後は任せたwwwwwwwwwwwwwwwwwww
糞樽:薄情者!人でなし!wwwwwwwww
ドルアーガ:^^♪
糞樽:ドルアーガさんwwwww話し合いましょうwwwwwwww暴力からは何も解決しn












糞樽×00

367 :ドルアーガの内塔 :07/03/09 05:18:33 ID:???





内藤:ついに来たぜ〜!wwwwwwwww待ってて意図しのカイwwwwwwwwwwwwww
カイ:・・・・・・・・・・・・・・
内藤:カイ見つけたwwwwwwwwwその美しい顔を見せてwwwwwwwwwwww






ガ姫:・・・・・・・・・
内藤:・・・・・・・・・




ガ姫:ウホッいい告白!や ら な い か ?wwwwwwwwwwwwwww
内藤:うはwwwwwwwwwおkwwwwwwwwwwアッー






368 :ドルアーガの内塔 :07/03/09 05:19:07 ID:???











番外編

通風:俺たちの出番はいつあるんだ?バララントとかいうやつの格好になったわけだが・・・・・・
戦死:俺なんかラマンとかいう変なのになっちまったんだけどな・・・・・・
戦死はポロポロと涙を流して泣き出した。
猫狩:まぁまぁ二人とも落ち着くにゃ〜^^;
飛子:とりあえず突っ込むべきところはwwwwwwwwwwww

飛子:それってブルークリスタルロッドだろwwwwwwwww出るかバカwwwwwwww

通風:
戦死:

369 :(・∀・):07/03/09 05:20:10 ID:???
投下終了

臼姫はもっとDQNでもいいと思うんだ。うん。臼姫大好き

370 :(・∀・):07/03/09 08:12:57 ID:???
>臼姫大好き

ダウト

371 :(・∀・):07/03/09 15:12:30 ID:???
>>361

臼姫、
PS・ナムコミュージアム版アナザードルアーガの塔 ドルアーガ
これやったんじゃないの(*'-')?
と、臼姫スキーが擁護してみる

372 :(・∀・):07/03/09 18:20:16 ID:???
とりあえずつっこみを入れている糞樽も、リメイク版は知ってるって言ってる割りには詳しいな。
実は同世代じゃないのか?

そして内藤はさっぱり知らないことから鑑みて、臼姫と内藤、ずいぶん年の差がありそうだw

373 :(・∀・):07/03/09 19:57:33 ID:???
内藤小学生説か!

374 :(・∀・):07/03/10 09:29:56 ID:???
なんか臼姫の中の人が光栄の女帝と呼ばれている人に思えて北

375 :我が弟子1:07/03/10 15:50:36 ID:???
wwww えりあ:ベドー wwww

餡刻:今日も今日とてフィギュア作り・・・・
餡刻:はぁ・・・虚しい

Zeid:こ、これは・・・・・なんたることだ
餡刻:ん、どうしたんだよ兄貴?www
Zeid:餡刻よ、これを見てくれ
餡刻:これは、俺達、暗黒一家の表じゃないかwwこれがどうしたんだ?
Zeid:まず、暗黒騎士の頂点としてこの『お兄ちゃん』がいるだろ?
餡刻:もうなんかその時点でキモイけどなww
Zeid:つべこべ言わずに聞け!
Zeid:そして、我が弟子として加入した順は、
Zeid:餡刻→餡子→暗樽となる
餡刻:ん、そうだなww
Zeid:芸人システムで言えば、餡刻、貴様は暗樽の兄さん
Zeid:餡子は暗樽の姉さんとなる訳だ
餡刻:なぜ芸人に例えるかは分からんけど、その通りだなwww
Zeid:しかしだ!このオレは暗黒の道を教える者として、
Zeid:全暗黒騎士から『師匠』としか見られてないだろ!?
餡刻:そりゃそうだろww実際に師匠なんだからwwww
Zeid:バカもの!!それではオレは何のために暗黒教の布教活動を行っているのだ!
餡刻:えっwこれって宗教なの?wwww
Zeid:会費なぞ取っておらんのだから善良なものだろ?
餡刻:オレから毟り取ってるじゃんwww
Zeid:お前は特別だからよいのだ
餡刻:複雑な気分だ・・orz

餡刻:まぁでも、確かに『兄貴』なんて呼んでるのはオレと餡子くらいかww
Zeid:うむ・・・そこでだ
Zeid:このオレと貴様の立場を入れ替える
餡刻:は?ww
Zeid:貴様は全暗黒騎士の師匠となり、オレはその一番弟子となるだろ?
餡刻:お、おぅ
Zeid:貴様は暗黒騎士になるための存在として認知度が一気にあがり
餡刻:(´Д`) !?
Zeid:このオレは暗樽から兄さん、いやお兄ちゃんと呼ばれるに違いない!
餡刻:ほ、ホントかよっ!?
餡刻:でも、それだと兄貴が今度はオレのことを『お兄ちゃん』って
餡刻:呼ばなくちゃならないんだが?www
Zeid:そんなものは貴様は呼ぶことが無ければいいだけの話だ
餡刻:オレの存在意義っていったいwwww

376 :我が弟子2:07/03/10 15:52:09 ID:???
Zeid:そういえば、貴様は最近、暗樽から『せんぱい・・・』とも呼ばれていたな!?
餡刻:んwwあぁwwいや、そんなこともあったwwような?www
Zeid:あの業もオレが貰うぞ?
餡刻:アレは別に業じゃねぇよ!www
Zeid:本当か・・・?
餡刻:顔近づけて凄まないでくださいwwww

餡刻:そ、そりゃ、別に、悪い気はしねぇけどよ?www
Zeid:言え!隣で寝ている暗樽の可愛い寝顔を見てたら
Zeid:寝言で『んぁ・・・せんぱい・・・』と言われた時の気持ちを言えーーー!!!
餡刻:なんでそこまで知ってんスか:(;´A`)

餡刻:ま、まぁ、あいつは確かに童顔でカワイイし、
餡刻:いい後輩を持ったな、って思うけどさ・・・・
餡刻:でもオレは兄貴とは違う!wwww

Zeid:・・・・餡刻よ
Zeid:自分の心に嘘は付くな
Zeid:暗黒騎士の剣は業を背負う者の剣
Zeid:決してその先に希望はない

Zeid:・・・ないが、その覚悟を背負った自分の心まで信じられぬのか?
Zeid:己の業を糧として今まで戦い抜いてきたのではないのか!?
Zeid:暗黒騎士の強さとは業のみにあらず
Zeid:その業を受け止め、支えるだけの精神力も然り!
Zeid:あとは貴様が、自らの刃に問うがいい・・・・


餡刻:なんかもっともらしいこと言ってるが
餡刻:そんなのに騙されるかよwwww

Zeid:むぅ、わからん奴だな
Zeid:しかし、餡刻よ。貴様は我が一番弟子・・・・
Zeid:貴様にはオレの全てを授けてある・・・・貴様が気付かなくとも
Zeid:例えば寝ている隙に・・・・とかな
Zeid は餡刻にニヤリとしてみせた。

餡刻:・・・・・・イヤャャャャーーー!!!!!!

とうー びー こんてぃにゅーど?

377 :(・∀・):07/03/12 06:15:08 ID:???
Zaidはもしかしたらウホッかもしれないと思った月曜日の早朝wwwwwwwwwww
Zaidは実は妹萌えではなく餡刻萌えなんではないか?wwwwwwwww

378 :Zeid:07/03/13 09:39:40 ID:???
馬鹿者が!
俺は断じてそのような趣味は……







俺はいつでも誰でも男を受け入れる準備が整っているぞ!

379 :(・∀・):07/03/13 16:55:22 ID:???
まー、ガルカは男だけの種族だからなぁ…wwwww

380 :たまには白魔 :07/03/13 23:16:01 ID:???
他戦:白さん、ケアルよろ;;
他樽はバブリザラを唱えた。
→他戦にバブリザラの効果。
他戦:……ケアルよろ;;;;
他樽はバエアロラを唱えた。
→他戦にバエアロラの効果。
他戦:………;;;;
糞樽:・えちょ 俺様としたことがwww妙なPTに入っちまったぜwwwww
糞樽:ミスwwwwリル銃士隊wwwwwwwww
他樽:……
他モ:@闇;;
他樽はバブライラを唱えた。
→他モにバブライラの効果。
他モ:いや、えーっと……
他樽はバブライラを唱えた。
→他モにバブライラの効果。
他モ:orz
糞樽:・r臼って言うのも失礼なくらいの臼だなwwwwww
糞樽:デスwwwwクトップwwwの壁紙は当然白樽ちゃんwwwwwww
他樽:…………
他赤:白さん、イレース〜
他樽はバウィルラを唱えた。
→他赤にバウィルラの効果。
他赤:だからイレースください、っていうかなんでさっきからバ系ばっかなんですかぁ
他樽はバブレクラを唱えた。
→他赤にバブレクラの効果。
糞樽:・lwwwもはや臼ですらねぇwwwwwこいつはBuront級だぜwwwwwwwww
糞樽:ディスwwwwイズアペンwwwwwww

ぷち

他樽:………私
他樽: ぶ ち き れ ま し た わ よ ?

糞樽:ΣΣ(゚Д゚;)!!!!!!???!?!?!?!?
他忍:ま、まさk
他樽はバニシュガVIIIを唱えた。
糞樽:超越キタ─wwヘ√レvv~【゚∀゚】─wwヘ√レvv~─ !!!!!
他赤:ちょwVIIIって実装されてないとかいう問題じゃないんですけどww
他戦:……;;;;;;;;;
他樽のバニシュガVIIIが発動!



wwwwArea:ウィンダスwwww

Shantotto:やめやめですわ。白魔導士なんて、性に合いませんもの。
Ajido-Marujido:そりゃまあwww姫なんてのとはヴァナ・ディールで一番縁遠いからなwwwww
ShantottoのブリザガVが発動
Ajido-Marujidoはとてもとても頑張ってレジスト!
→Ajido-Marujidoに135420のダメージ
Ajido-Marujidoは倒れた…
Shantotto:やっぱり黒魔導士が一番ですわ!オーッホッホッホッホ!!!!





NPCにジョブチェンジの概念はないけどwwwwまあいいやwwwww
|ミサッ

381 :(・∀・):07/03/19 20:03:24 ID:???
>380
余計なこと書くと、メテオがdできそうだな…w

382 :(・∀・):07/03/20 08:21:16 ID:???
さすが博士のブリザガだぜwwwww
スレも一週間近く凍り付いてた;;wwwww

383 :(・∀・):07/03/20 23:57:51 ID:???
ブリザガっていうか、システム超越して範囲フリーz…



先立つ不幸をお許しください orz

384 :(・∀・):07/03/21 18:33:12 ID:???
――――――Area:ウィンダス――――――
青眞子:いや〜いい天気やwまさに散歩日和やなw
青眞子:ん?なんか見知った顔があるなあ…

餡刻:…w
影唄:…♪

青眞子:ずいぶんな美人さんと一緒やな…
青眞子:それにしてもあいつは赤魔のカレやなかったんかい?

餡刻:…?
影唄:…///

青眞子:あかんわ、これは浮気や…
青眞子:赤魔、知ったらショック受けるやろなぁ…
青眞子:親友としてはほっておけんね…

餡刻:……///
影唄:…///

青眞子:ウチが一肌ぬぐか…躾けはちゃんとせんとな…
暗樽:あのう?
青眞子:ん、なんや?
暗樽:苦しそうでしたけど大丈夫ですか?
青眞子:ん、大丈夫や、と、あれ見てみや
暗樽:はい
青眞子:あれ、親友のカレなんやけど浮気しとるみたいなんや
暗樽:先輩と影唄さん?
青眞子:ん、知り合いなん?
暗樽:はぁ、実はですね…
青眞子:まさか!
暗樽:な、なんですか!?
青眞子:嬢ちゃん、手ぇだされておらへんやろな!?
暗樽:あ、へ?
青眞子:まさかいろんな女に手を出しとる訳やないやろなー
暗樽:あのー
青眞子:純粋な赤魔の事騙し取るんやないやろうなー
暗樽:だから…

385 :(・∀・):07/03/21 18:33:35 ID:???
青眞子:ウチ優柔不断な奴キライやねん、そう言う奴見るとな…

青眞子:ガチ ぶち殺した なるねん!

青眞子:早速おしおきや!ツケは回ってくる事教えなあかん!
暗樽:待って!っていうか僕、男ですよorz
青眞子:……え?
暗樽:最近男らしくなれたと思ったのにまた間違えられたorz
青眞子:ふ〜む!
青眞子は暗樽をじっと見つめた!
青眞子:ヒョイッ!
暗樽:うわ!?なんですか!
青眞子:さわさわ…
暗樽:ひゃぁ!どこ触って……
青眞子:ちゃんと付いてるんやなぁ…
暗樽:なにNM見つけたみたいな顔してるんですか、放し…あ…
青眞子:どないしたん?

糞猫:あはwwwwwwwwwwなにそれwwwwww
糞猫:浮気?wwwwwwwマジで?wwwwwwww
暗樽:ち、ちが…
糞猫:暗樽君もてるもんねwwwwwwいつも女の子に話かけられてるもんねwwwwww
青眞子:あちゃぁ…
暗樽:違うんです、これは…
糞猫:ウラギリモノ!!!!!
糞猫の地を抉るようなアッパーカット!→暗樽は宙を舞います!
暗樽:ぐはぁ…
糞猫:馬鹿!うわぁ〜ん!!
青眞子:うわ、あれラーニングできへんかな…てかなんてお決まりな去り方や…
暗樽は地面に激突します!
暗樽:ぐふ…きゅう…
青眞子:とと、大丈夫か?
青眞子の花粉→暗樽は回復した!
暗樽:ありがとう、では彼女を追わなくてはならないので!
青眞子:一緒に行ったろうか?ウチのせいでもあるしな
暗樽:気持ちはありがたいですがきっと余計こじれますからw
青眞子:大丈夫なん?カノジョ随分思い込み激しそうやったけど?
暗樽:そういう所も含めて全部好きになったんですよ、問題ありませんw
青眞子:さよかw
暗樽:はい、では!

386 :(・∀・):07/03/21 18:34:06 ID:???
青眞子:ナリはちっさいけど大人やなw
青眞子:さて、こっちはお仕置きタイムや、浮気なんぞもう出来へんようにしたる!
赤魔子はびっくりした!
青眞子:まずは不意デスシザで掘ってから…
赤魔子は首を振った!
青眞子:スクリュードライバーで貫通や!
赤魔子は顔を赤らめて照れた。
青眞子:ほな行くで!
赤魔子は青眞子にストップ!の構え!
青眞子:止めるな!これは赤魔の未来の為に…
青眞子:って、アカン!あっち見たらアカンよ!
青眞子は赤魔子に贖罪の光の構え!
赤魔子のスタン→青眞子はスタンの効果!
赤魔子は首を振った。
青眞子:え、知ってるんかい。ならなんで見過ごすんや?
赤魔子は溜息をついた。
青眞子:なんや〜正式に付きあっとるわけやないんか…
赤魔子は首を傾げた。
青眞子:アカンで、ああいうのは早めに唾つけんと…
獣様:赤魔子しゃん、青眞子しゃん、こんにちわでしゅ(*´▽`*)
樽子:…こんにちわ
青眞子:こんちわ、隣に連れとるのはカノジョか?w
樽子:な!?
青眞子:可愛いカノジョやなwお似合いやでw
獣様:でしゅ?(・ω・)
樽子:カノジョ…
青眞子:うち等に構わんでもええよwデートを楽しんできいやw
獣様:よくわかりましぇんけどありがとうでしゅ(*´▽`*)
青眞子:またなw
獣様:またでしゅ(*´▽`*)
樽子:で、でわ///
赤魔子はじっと考え込んでいる。
青眞子:ん、どないしたん?
赤魔子は用事が出来た!の構え!
青眞子:お、おお、そうか。またなw
赤魔子はサヨナラの挨拶をした。
赤魔子はインビジを唱えた→インビジの効果!
青眞子:なんや、姿なんか消してどうするん?
青眞子:あれで尾行してるつもりかい、なら音も消さんとあかんのちゃう?
青眞子:まあ、付きあっとるわけや無いのは赤魔にも原因があるわけやなw

餡刻:あれ、青眞子さん?
青眞子:ん、カノジョとの話は終わったん?
餡刻:見てたのかw影唄は彼女じゃなくてさ…
青眞子:でも、好意は抱かれててんやろ?
青眞子:赤魔かその影唄さんか、二人に良い顔してると両方逃がす事になるで?w
餡刻:あ〜よく言われる。
青眞子:まあ、アンタ良い男やしモテルのも分かるわ
餡刻:そんなことないよ
青眞子:うちな、アンタの事……
餡刻:え、ちょ…
青眞子:ぜんぜんタイプや無いねんけどなwwwwwww
餡刻:
青眞子:本人いい人のつもりでもウチから見たらただの優柔不断やwwwwwwwww
餡刻:
青眞子:そう言う所直した方がええでwwwwwwほなwwwwwwwww
餡刻:

387 :(・∀・):07/03/21 18:34:27 ID:???
糞猫:まてまて!wwwwwwwwwwwwwwww
暗樽:ちょwwwwwなんで僕追われてるんですか?wwwwwwwww
糞猫:うるさいwwwwwwwwwww
暗樽:誤解だって説明したでしょwwwwwwww
糞猫:紛らわしい事するほうが悪いwwwwwwwwwお仕置きだwwwwwwwww
暗樽:いやですwwwwwwってなんですかその縄はwwwwwwwwww
糞猫:一回やってみたかった事あるんだよねwwwwwwwwwwwww

餡刻:なあ、ふたりとも…('A`)

糞猫:ええいwwwwこうなったら力ずくでwwwwwwwwって?wwwwwww
暗樽:なんですか?
餡刻:俺は優柔不断なのかな…('A`)
糞猫:ん〜そうですねwwwwwww
暗樽:どちらかというとwwwwww

暗樽&糞猫:すっごい優柔不断で〜すwwwwwwwww

餡刻:そうか('A`)

暗樽:ではまたwwwwwwwwwwwwww
糞猫:逃がすかwwwwwwwwwww

餡刻:('A`)

餡刻:('A`)

餡刻:('A`)

餡刻:('A`)

餡刻:ヴぁー('A`)

餡刻:('A`)

餡刻:かえって寝よう…('A`)

餡刻:くすん…

388 :(・∀・):07/03/21 20:41:01 ID:???
花粉は他人にかけられないよな?

389 :(・∀・):07/03/21 21:01:10 ID:???
サンドr じゃなくてマジックカロtt でもなくて マジックフルーツに脳内変換だwwwwww

最近の餡刻は認知されてるのに反応が普通ですなwwwww唐栗とか青眞子とかwwwwwwww

390 :(・∀・):07/03/21 21:38:11 ID:???
>>384-387
つまらんから二度と書くな

391 :(・∀・):07/03/21 22:37:28 ID:???
>>390
そういうお前が二度と書くな^^^^^^^^^^^^^♪♪♪

392 :(・∀・):07/03/21 23:35:40 ID:???
>>390
おれは久々に餡刻の打たれ弱さが見れて満足だwwwwwwwwwww

393 :(・∀・):07/03/21 23:40:29 ID:???
>>391-392
釣れた釣れたwwwwwww

394 :(・∀・):07/03/22 01:34:48 ID:???
>>393
餡刻:え?俺釣られちゃった?いやぁ人気者だから困っちゃうな(*´Д`*)

395 :(・∀・):07/03/22 03:07:02 ID:???
l-`]oO(青眞子・・・・トーチャンお前の行く末見守ってるゾ・・

終電なんかとっくにねぇよチクショ・・・・・

396 :(・∀・):07/03/22 08:39:57 ID:???
餡刻バッシングまだやってるのか、この人

397 :(・∀・):07/03/22 10:15:37 ID:???
報われない餡刻は嫌いじゃないが、餡オナは俺も嫌いだがねw



398 :(・∀・):07/03/22 11:27:22 ID:???
>>396
最近来た人かい?
  バッシングしてる奴なんて、一人二人じゃ済まないだろw


399 :(・∀・):07/03/22 11:42:33 ID:???
いや、台詞とか行間特徴的だからな・・・・多分同一人物だとは思うが、まぁそうじゃなくても関係無し
餡絡みネタに噛み付くように作品投下してたから、感じ悪いなーとは思ってたが・・・これ、青眞子書いた作者さんの投下から書いたやつか?
あの程度の赤魔子の絡みとも言えないような絡みの後で、こんな作品投下されるとかなり居心地悪ーわ ラブコメが微かに香る程度でも、餡刻登場してたら即餡オナになっちまうのか?

400 :(・∀・):07/03/22 13:48:13 ID:???
流れぶったぎって投下

なにぶん、初投下なんで読みにくいとかあると思う
アドバイスとか貰えるとうれしい

401 :クラシカル レッド:07/03/22 13:49:34 ID:???

 ある騎士の日記より抜粋 ♯1
 
 天晶暦832年 2月13日
 タブナジアからサンドリア王国へ移ってから三ヶ月
 父上はこっちへ来てから騎士団の引継ぎだそうで、いつも忙しいようだ。
 明日から、私も王国騎士の一人となる。なんでも我が一族は13歳で騎士となるのが伝統らしい。
 初めての任務は8歳になられるデスティン王子の遊び相手だ・・・。
 つい不平を漏らした私は、父上に三時間正座での説教を喰らった。
 
 

 「クラシカル レッド」

402 :クラシカル レッド:07/03/22 13:50:15 ID:???
〜龍王ランペールの墓〜

洞窟から出てくる人影が二つ。
一つはタルタルだ、黒のローブを羽織っている、ちょっと見ただけでは分からないが
少し目利きのきく者なら彼が身につけている装備がおいそれと手にはいるような一品でないものばかりだと分かる。

もう一つはエルヴァーンのようだ。頭にかぶった独特の羽付き帽子はワーロックシャポー
そして赤魔道士のアーティファクトに身をつつんでいる、腰には青い刀身の長物
しかしそれを装備している人物といえば人生の余生を楽しんでいる、好々爺といった風情だ。
冒険者だといわれるより故郷で隠居生活をしているといったほうが信じられるだろう。


糞樽:ったくwwwじいさんに呼ばれて何だと思えばテレポタクシー代わりかよwwwww
垢爺:ほっほっほwwwwまぁそう言うなwwww祖父の相手をするのも孫の役目じゃろ?wwwwwww
糞樽:孫じゃNEEEEEEEEEEEEEEEーーーーーー!!wwwwwwwwww

二人は草地を古びた石造りの壁に沿って歩く。
やりとりから長年のつきあいのようだ。
空に雲はなく。太陽は真上からほんの僅か西に寄っている。風がそよぎ、草をなびかせる。
平穏無事。世はこともなしといった昼下がり。

403 :クラシカル レッド:07/03/22 13:50:58 ID:???
糞樽:だいたいテレポホラぐらいサポ白で唱えられるだろwwwwww
垢爺:無理wwwwwサポ戦じゃwwwwwwww
糞樽:この垢がwwwwたまには後衛っぽくしてみろってんだwwwwww
糞樽:おまけに出張チョコボはジェニット種出払っててwwwwwラウンシー種に乗らされるしようwwwwwww
垢爺:かなり振り回されとったのwwwwwwよく落ちなんだと感心したわいwwwwwww
糞樽:おかげでケツが痛えよwwwwwww
垢爺:まぁまぁwwwwwwどっかの空白のやつよりはいいじゃろうがwwwwww
糞樽:あぁwww最近のあいつはちょっとかわいそうなぐらい掘らr・・・って、んなことじゃねぇよwwwww
垢爺:ほっほっほwwwwwwwwwww
糞樽:しっかし、こんなとこなんの用事で来てるんだよ?wwwww
垢爺:ふむwww久し振りにばあさんの墓参りでもと思ってな、ついでにちーぃとお前さんに頼みがあってのwwwwww
糞樽:墓参り?ここなのか?wwwwwww
垢爺:ここは王族の墓じゃwwwこの先のジャグナー森林じゃよwwwwww
糞樽:ふ〜んwwwwwwずいぶん辺鄙なとこなんだなwwwwwで頼みってのは?wwwwww
垢爺:それは、ばあさんの墓に着いてからのお楽しみとしとこうかのwwwwwww
糞樽:えらくもったいつけるなwwwwww
糞樽:/えちょ それまで話したくないってか?wwwwww
糞樽:ミスwwwwwランシミターってレベルいくつからだっけ?wwwww
垢爺:おkwwwwwまぁそういうことじゃwwwww
垢爺:そんなことよりお主wwwwww最近、白樽ちゃんとはどうなのじゃ?wwwwww
糞樽:あ?wwwwwあぁ、まぁそこそこうまくいってるよwwwww

太陽が少しずつ、西へと傾いてゆく。
二人の会話は途切れることがなかった。

404 :クラシカル レッド:07/03/22 13:51:35 ID:???
ある騎士の日記より抜粋 ♯2

 天晶暦835年 5月2日
 今日も任務はデスティン様の遊び相手。いや遊び相手というよりいたずらの標的だろう。
 3年前の誕生日の翌日からほとんど毎日この任務だが、よくいたずらの種が尽きないものだと思う。
 先日など靴の中にフロッグルアーを仕込まれ、私が慌てているのを見て大笑いなさっていた・・・
 二日前もいきなり蜂の巣を投げられて・・・(ここから先はいたずらに対すること書かれていない。

405 :クラシカル レッド:07/03/22 13:52:26 ID:???
糞樽:おい、じいさんwwww急げよ、トロトロしすぎたwwww早くしないと日が暮れちまおうぞwwwwww
垢爺:そう急かすなwwww老体はいたわるもんじゃぞwwwwww
糞樽:/えちょ よく言うぜ、なにが老体だよwwwこないだ赤魔子と巴姫にセクハラした時の逃げ足なんて・・・wwwww
糞樽:ミスwwwwwラでもさすがに大型魚は無理らしいwwwwww
垢爺:あのあと、捕まって明鏡止水からの一人光連携、連続魔MBでのぅwwwwちとこたえたわい・・・wwwwwww
糞樽:普通のじじいならwwww魂だけトゥー・リア行ってるぞwwwwwww
垢爺:ほっほっほwwwwそう褒めるなwwwwww
 垢爺は高笑いしている。
糞樽:褒めてNEEEEEEEEEEEEEEEーーーーーー!!!!wwwwwwwwww

笑ったひょうしでポケットから本が一冊落ちた。垢爺たちはそれに気がついていないようだ。
その本に手が伸びる。
真っ白なナイトのアーティファクトに身を包んだ若者。
エルヴァーンにしては少し小柄な体。
意思の強そうな目が好々爺を射抜いていた。

????:ご老人、落し物ですよ。
垢爺:ん?・・・ああ、これはすまんのぅwwwww
糞樽:ったくwwwwもうろくじじいがバカ笑いしてはしゃいでるからだwwwwww
????:ずいぶん口の悪いお孫さんをお持ちのようですねw
 ????は苦笑しながら一冊の本を垢爺に手渡した。
垢爺:いやはや、まったくwwwww祖父としてはずかしい限りじゃよwwwwww
糞樽:悪かったな口が悪くてwwwwwついでに祖父じゃNEEEEEEEEEEEーーー!!wwwwww
????:おや、違いましたか、これは失礼しました。
糞樽:まったく、失礼な話だwwwwwww
垢爺:つれないやつじゃのぅ、老人の戯言には付き合うもんじゃwwww
 垢爺はタメ息をついた。
垢爺:ところでお主、名は?wwww礼をせんとなwwwwww
????:落と物を教えただけです、礼には及びませんよご老人
垢爺:ふむ・・・では、せめて名だけでも教えてくれんか?wwwww
????:では、名だけなら・・・私の名はナ騎、しがない近衛騎士です
垢爺:!・・・
糞樽:近衛騎士?にしちゃ、若いな。サンドリア軍部のエリートがこんなとこで何してんだよ?wwwww
ナ騎:ある高名な人物のお迎え・・・でしてね、これ以上は軍規により申し上げられませんが。
糞樽:ふ〜ん、まぁいいや関係ないしwwwwどうした?じいさんwwwww難しい顔してwwwwwww


406 :クラシカル レッド:07/03/22 13:53:05 ID:???
 ある騎士の日記より抜粋 ♯3
 
 天晶暦836年 4月25日
 出立は明朝、明け方。私の初陣は父上の弔い合戦となった。
 盗賊団討伐の命を受け手勢を率いて向かった父上は道中、討伐の情報を聞いた盗賊団に待ち伏せされていた。
 なんとか帰還した副官の話によると最後まで父は戦い、そして死んだという。
 私は自らこの任務の引継ぎに名乗りを上げた。


 ある騎士の日記より抜粋 ♯4
 
 天晶暦842年 1月10日
 この私が近衛騎士になれるとは夢にも思わなかった。
 確かに父上が亡くなってから6年間、私は我が一族の騎士団を引き継ぎ。他の若い騎士達より戦果を上げ、
 武術大会でも若い世代の中では優秀な成績を収めている。
 しかし、熟練した大騎士や武を誇る辺境騎士を押しのけ王国騎士、最高の誉れである近衛騎士になれるとは。
 うわさによるとデスティン様が私のことを覚えていてくださり、推してくださったというが・・・
 本当ならば、一介の遊び相手を覚えていてくださるとは、なんとも恐縮である。

407 :クラシカル レッド:07/03/22 13:54:22 ID:???
垢爺:糞樽よ、先に行っててくれんか?わしはこの者と、ちと話すことがあるようじゃ。
糞樽:は?wwwwwwなんでだよ?wwwwwwww
ナ騎:・・・・
垢爺:説明は後でな、頼み事を話すときに触れなければならんことじゃしのう・・・。
糞樽:/えちょ なんなんだ?wwwwじいさんマジモード入ってるしwwwww
糞樽:ミスwwwwwリルって現実にないの、最近知ったwwwwwwww
垢爺:理由は後で話すと言っておるじゃろうが、珍しくシリアスなんじゃビシッと決めさせてくれwwwww
糞樽:・・・分かったwwww先行って待ってるから、早くしてくれよwwwwwww
糞樽:/えちょ よく分かんないが・・・無茶するなよ、じいさん・・・。 
糞樽:ミスwwwwwラインクロス、エロすぎじゃね?wwwwwwww
垢爺:うはwwwwwwwwwおkじゃwwwwwwww 
 糞樽はその場を立ち去った。

垢爺:まったくwwww人がたまに真面目にやろうとしておるのにwwww萎えてしもうたわいwwwww
ナ騎:よろしいのですか?彼一人を行かせてしまって。
垢爺:ここにいるよりは安全wwwwwそうじゃろ?wwwwwww
ナ騎:貴殿がおとなしく国に帰っていただけるなら、彼を巻き込むこともありませんよ。 
垢爺:国のぅwwwwwwわしの帰るべき国はとうの昔に無くなったつもりじゃがwwwwwwwww
ナ騎:詭弁ですね。貴方には帰るべき国があり、やるべき仕事がある。そうでしょう「上級近衛騎士」垢爺殿。
垢爺:その大層な肩書きもwwwwとうの昔に捨てたものじゃwwwwww 
ナ騎:クリスタル大戦終結以来、20年間王国は貴殿を探し続けていた・・・というのにですか。
垢爺:しつこい男は女にだけでなく、男にも嫌われるもんでのぅwwww王国に未練なぞ、わしにはないんじゃよwwwwwww
ナ騎:捜索隊の連中が聞いたら泣きますよ・・・どうやら、義理や情に訴えても無意味のようですね。


日が暮れだした、あたりは夕焼け色に染められてゆく。
訪れる者も少なく雑草は生い茂り、強固だった石壁は雨風にさらされほころびている
黄昏の騎士王国・・・老いたる、眠れる獅子「サンドリア王国」
そう影で揶揄するものたちがいるのも、この光景をみれば納得せざるを得ない
ただ王の墓石だけが、異を唱えるよう静かに立っている。

408 :クラシカル レッド:07/03/22 13:55:04 ID:???
ナ騎:デスティン国王直々の「帰還命令」です。勅命によりあなたには王国に帰っていただきます。
垢爺:こりんのぅ、これで三回目かの?wwww手垢のついた台詞じゃがwwww「嫌じゃ」と言ったら?wwwwwwww
ナ騎:貴殿のアーティファクトがさらなる緋色に染まるまでです。その上で王国へお連れいたします。
垢爺:緋色かwwwわしは血のような緋色が好きなんじゃが、お主に出来るかの?wwwww
ナ騎:私は前回や前々回の者とは違います。緋色に染まりし覚悟、お出来ですかな?
垢爺:「覚悟」のぅ?wwほっほっほっほ・・・www

刹那にして、翁は見るものすべてを畏怖させる修羅へと姿を変える。


垢爺:わしを見くびるなよ。小僧。

409 :クラシカル レッド:07/03/22 13:55:35 ID:???
 ある騎士の日記より抜粋 ♯5
 
 天晶暦845年 10月19日
 タブナジア侯女ローテ様、王都視察のため来訪されるのをジャグナー森林にてお迎え、道中護衛の特命を受ける。
 ジャグナー森林にて御一行と合流するも、運悪くオークに目を付けられたようで襲撃をうけ護衛部隊は半壊していた。
 サンドリアから率いた手勢をつかってなんとか撃退するも、金品は奪われ、私も手傷をおった。
 不幸中の幸いかローテ様は無事であらせられた。
 どうやら護衛兼お目付け役である赤魔道士が奮闘したようである。
 応急措置として白魔法で傷をいやしてもらったが、なるほどなかなかいい腕のようだ。

410 :クラシカル レッド:07/03/22 13:56:06 ID:???
ナ騎:やはりすんなりと事は運びませんか・・・仕方ありませんね。
 ナ騎は右手を軽く上げた。
ナ騎:やれ。

ナ騎の合図と共に、背後の曲がり角から二つの人影が垢爺に襲い掛かる。
ノクトダブレットを纏い、首にはバード族を模した刺青。
騎士道を重んじる獅子の国にて最も蔑まれ、最も恐れられた暗部「屍鳥隊」
彼らが狙うは死角から必殺の一撃「不意打ち」
それは急所を外して、なお垢爺を戦闘不能にするに十分・・・のはずだった。

垢爺:甘いのう、ひよっこども・・・

不敵な笑みがこぼれる。

二人の刺客の攻撃は垢爺の作り出した幻影を切り裂く、刺客たちの瞳に驚愕の色が浮かぶ。
ブリンク。赤魔道師、十八番の強化魔法によって不発に終わった必殺の一撃の代わりに
垢爺の愛刀ジュワユースが振るわれる。

垢爺:ふんっっ!!

気合一閃。青い刀身とエンサンダーの電撃の残像を残し、振り向きざまに袈裟斬り。
傷口から血飛沫が周りに散る。
そのまま低い姿勢からかえす刃で追撃の切り払い。
膝から崩れ、前のめりに倒れる。一人目。

反撃を繰り出す余地は与えない。
切り払った勢いでもう一人の顔を鷲づかみ、そのまま後ろの石壁にたたき付ける。
ガツンッという鈍い音が響き、衝撃とともに石の欠片が吹き飛ぶ。
白目を向いたまずるずると壁にそって崩れ落ちる。二人目。

剣先を振り払い、血のりを落とす。
周りに赤い染みをつくりながら、垢爺はゆっくりとナ騎のほうへ向き直る。
ナ騎は悠然と垢爺の鋭い視線を受け止めた。

411 :クラシカル レッド:07/03/22 13:56:32 ID:???
ナ騎:・・・やはり、強化魔法は詠唱済みですか。用心深いことですね。
垢爺:そろそろ来る頃じゃと思っていたのでの。
ナ騎:お見通しですか、さすがは古狸といったとこですかね?
垢爺:ふん・・・首の刺青からしてこやつらは「屍鳥隊」か、老人相手にこのザマではサンドリア特務機関の名が泣くのう
ナ騎:もとより多くは期待していません。魔法加護を剥がしただけで十分働きましたよ、彼らは。
垢爺:あとは一人で十分とな?・・・小生意気な。
ナ騎:偏屈ジジイに言われたくはありませんね。
垢爺:挑発のつもりかのぅ?まぁ、よい。その減らず口、いますぐ閉ざしてやろう
ナ騎:はたして貴殿にできますかな?
垢爺:ふん、赤子の手をひねるより造作ないわ。
ナ騎:では・・・最後に問います。どうしても王国、最後の光明に手を貸す気はないのですね?
垢爺:光明などではない、破滅じゃ・・・わしに「戦争」の引き金を引くことは出来ん。


黄昏は深みをまし、すべてを紅に染めることでその最後を主張していた。 


412 :クラシカル レッド:07/03/22 13:56:54 ID:???
 ある騎士の日記より抜粋 ♯6
 
 天晶暦846年 6月24日
 いつもの赤魔道士とランペール王の王墓へ散歩へ行く。
 お目付け役という役割のためか普段は物静かで感情を表にすることはないが
 二人の時、かの者はよく喋り、よく笑う。
 同僚の近衛騎士には「堅物同士いいじゃないか?」とからかわれたが
 私はともかく、かの者は本当は堅物なでどはない。
 だが、私といるときだけその鉄仮面を外してくれていると思うと、嬉しいものだ。
 この者となら、私も・・・ 


413 :クラシカル レッド:07/03/22 13:57:22 ID:???
緊迫。空気が重苦しい。
二人の距離は四歩半。剣先は相手をしっかりと捕らえている。

先に動いたのはナ騎だった。東方の侍でさえ驚愕する踏み込みで間合いを詰め横一文字に切り込む。
垢爺は薄い笑みを浮かべ、それを捌く気配すら見せない。
斬撃がその肉を断とうと肉薄した瞬間、地中から岩石が沸きその一撃を受け止めた。
右手をナ騎にかざし、素早く詠唱をはじめる。
「彼方、万物生まれし炎。我が道阻む者、その焔に身を焦がせ。我が名は・・・」
炎の魔呪ファイアIII。その詠唱の最後の一文、詠唱完了間際。勝利の確信、この至近距離で直撃なら屈強なナイトでも一撃。

しかし、予期せぬ衝撃が垢爺を襲う。

ナ騎は剣先を岩にとられつつも、盾で垢爺を強打したのだ。詠唱は中断され、垢爺はたまらず後ろへ間合いを拡げる。

垢爺:くっ・・・やってくれるのぅ・・・ストンスキンが一発で剥がされるとは。

スタンが解け、強打の衝撃によって吹き飛ばされたワーロックシャポーを拾いながら垢爺がつぶやく。
強打を受けた額は赤く滲み、一筋、血が流れる。
二、三度力を込め。ナ騎は岩に食い込んだ剣を引き抜く、引き抜かれると岩石の壁ストンスキンはがらがらと崩れた。

ナ騎:最初の精霊魔法で勝負が決まるとお思いだったようですね。
垢爺:シールドバッシュか。まだ頭がぐらぐらするわ、いまいましい。
ナ騎:そこらでのびている連中なら倒せたでしょうが、私は違います。

ファイアに込められた魔力は並の赤魔道士では作り出せない高密度であったのを肌で感じていた。
涼しい顔で言い放つが、ナ騎の首に汗が一筋流れる。
もっとも、垢爺も眼前の孫程にも歳の離れた若者が想像以上の手練であることを感じていた。

垢爺:自信に見合った腕はあるか。認識を改めてやるかのぅ、小僧。
ナ騎:強がりは見苦しいですよ、御老体。
垢爺:強がりかどうか、貴様の身をもって試してみるがよいじゃろう!

剣を構え、地を蹴った。

414 :クラシカル レッド:07/03/22 13:58:04 ID:???
 ある騎士の日記より抜粋 ♯7
 
 天晶暦862年 12月5日
 タブナジア侯国軍に客将として参加して、4ヶ月目。
 状況は日々、悪化の一途をたどっている。
 期待していた王国からの支援部隊もなかなか来ない。
 いずれ何かしら援軍が来るとは思うのだが、王国も手いっぱいということなのだろう。
 
 アルタナ連合軍によるジュノ攻防戦は勝利したらしいが、
 王国から派兵された騎士の多くが命を散らしたと聞く。
 かの者は無事だろうか?

415 :クラシカル レッド:07/03/22 13:58:30 ID:???
垢爺:はぁっ!

間合いを一気に詰めた垢爺渾身の突き。

ナ騎:剣技で、魔道士に遅れをとるわけにはっ!

ナイト特有の幅広の剣がそれを受け流す。
しかし、それは折込済み。本命はその後の精霊魔法。
受け流した後の大きく上がった右手に向かって氷の魔法、ブリザドの詠唱を開始する。

垢爺:「蒼の決壊、祖は零下の一滴。示せ、現世に冷厳の
ナ騎:二度も同じ手にっ!
垢爺:!

目標としていた、右手が切っ先ごと迫る。やむなく詠唱を中断。
キンッと甲高い金属音を上げて、ジュワユースのナックルガードとナ騎の凪剣の剣先が激しく衝突する。
そのまま剣先を弾くと、姿勢を低くして懐に潜り込み剣の柄でナ騎の鳩尾を突く。

ナ騎:ぐっ!

アーティファクトの楔帷子の上からでもその鋭い一撃は息が吸えなくなる感覚と、嘔吐感を伴う。
懐に潜り込んだまま剣を持った右手を大きく下げ刺突の構えをとり、突き。
だが、それもナ騎の地面に対して垂直に向かった刃で左にさばかれる。
先程のお返しとばかりに、垢爺の剣をさばくのに左に払った剣を今度は右に払う。
ジュワユースはナ騎にさばかれて守りに使うのには間に合わない。
ナ騎からの反撃がせまる、ナイトが盾役とはいえ、その重さは赤魔道士と比べるまでもない。
斬撃がまともに入れば、そこで終わりだろう。

ナ騎:ここまでです!
垢爺:ぬるいわっ!

太刀筋は完璧。
とっさに盾を構え直撃は防ぐが勢いを完全に削ぐはできなかった、盾をそれた切っ先が肩を浅く薙ぐ。

垢爺:ぬぅ・・・まだまだ!

痛みをこらえ、左手をひらき勢いよくナ騎の胸にぶつける。
一撃必殺を捨て、詠唱の短く、威力を落とした魔法を詠唱。雷の魔術、サンダーII。
雷撃がナ騎の体を走る。
苦痛に顔を歪め、脳が意識のブレーカーを落とそうとする。
追い打ちをかけようと剣を振るった矢先、垢爺の視界が眩い閃光に包まれた。
ナ騎はぎりぎりの意識でフラッシュの詠唱を唱えていた。

垢爺:ちぃ、小癪な!
ナ騎:くっ・・・でぇいっ!

電撃のせいだろう。朦朧とした意識で振り下ろされた剣先に先程までの勢いはない。
真っ白に視界を奪われた中で刃を垣間見た垢爺は長年の直感で紙一重、これなら避けれると確信した。
だが、同時に長期戦になれば体力の差で不利になる自分にとってチャンスはここしかないとも感じていた。


垢爺は敢えてその身で刃をうけた。

416 :クラシカル レッド:07/03/22 13:58:52 ID:???
 ある騎士の日記より抜粋 ♯8
 
 天晶暦863年 2月27日
 ついに侯都を包囲された。
 おそらく数日中に侯都は陥落するだろう。
 この状況では退くことも出来ない、覚悟は出来ている。最後まで戦い、死ぬつもりだ。
 心残りはない。
 だが・・・ただ我が王国の行く末と、かの者の安否だけが気がかりだ・・・
 
 女神アルタナよ、
 我が王国に繁栄と護国を。
 我が伴侶、垢爺に永劫の加護を。

417 :クラシカル レッド:07/03/22 13:59:16 ID:???
垢爺の左肩に痛みと衝撃が走る。
「女王を守りたまえ」と名づけられた剣、セイブザクイーンは垢爺の肉を断ち、鎖骨を砕き、止まった。

ナ騎:なっ!?その手をはなし


垢爺:ぐっ・・・さらばじゃ、若き獅子。


左手で己に食い込んだ刃を掴み、右手で最後の一太刀を振るった。
楔帷子ごと肉を切り裂き、ナイトの象徴、白いサーコートはみるみると鮮血に染まる。

どさっ・・・

ナ騎:こん・・・な・・・ところ・・・で・・・王国の・・・


倒れたのは、一人ではなかった。

垢爺:これで・・・終わりか・・・ばぁさん・・・待たせた・・・のぅ


倒れた垢爺の肩口を中心に血溜まりが広がってゆく


一人のタルタルが走ってくるのが霞んで、見えた。


418 :クラシカル レッド:07/03/22 13:59:54 ID:???
 ある赤魔道士の日記より抜粋 ♯1

 天晶暦864年 1月29日
 終戦のごたごたも一段落し、今日やっと葬儀をすることが出来た。
 遺体のない棺だったが、わしとやつが出会ったジャグナーの泉に沈め、花を手向けた。 

 貴族院の連中には反吐が出る。
 明日、この石造りの都を離れよう。
 
 誇り高き女騎士よ、わしを守ってくれ。

419 :クラシカル レッド:07/03/22 14:00:29 ID:???
〜ジャグナー森林〜

黄昏時は終わり、眉のような細い三日月が顔を出す。
そばにある池に月光が映り、ゆらゆらと揺れ、風がふいている。
二人は焚き火を起こし、そばにあった石に腰掛て向かいあっていた。

糞樽:無茶するなつったのによ、じいさん。
垢爺:すまんのぅwwwww命拾いしたわいwwwwww
糞樽:ケアルじゃ応急処置程度だ、後でモンブローんとこ行かなきゃならねぇよ
糞樽:んなことより・・・あいつらは何者なんだ、デジョンで送っといたがあの傷じゃ今頃死んだかもしれねぇぞ
垢爺:あやつらは貴族院の連中が送り込んだ刺客じゃよwwwwwwww
糞樽:貴族院・・・サンドリアの腐敗した赤き血か。じいさん貴族の娘にでも手ぇ出したのか?
垢爺:ばかもんwwwwwんなわけあるまいにwwwwww
糞樽:じゃぁ、なんでだよ・・・貴族院とじじい、接点がないだろうが。
垢爺:・・・ちょいと昔話をしようかのぅwwwwww
糞樽:おい、じじい俺が聞きたいのは

糞樽の抗議を無視して垢爺は話を進める。
その顔はいつもの笑い顔だったが、憂いを帯びているような気がした。
糞樽は開いた口を閉じた。

垢爺:昔wwww今は無きナブナジア侯国に一人の赤魔道士がおったwwwwww
糞樽:・・・
垢爺:そやつは若いが優秀で侯家の親衛隊に任命されたwwwwww
垢爺:ある日、ローテ王妃・・・その時はまだ王妃ではなかったがのwwwwサンドリアまで護衛する任務についたwwww
垢爺:じゃが・・・仲間のミスで一行はオークに襲われてしまったwwwwww
垢爺:ま、サンドリアからの援軍で事なきを得たがのwwwwそこで、そやつはある女騎士と出会うwwwww
垢爺:二人は恋に落ち、婚礼を結ぶこになるのじゃがそこまでの過程はまた別の話じゃwwwwwww
糞樽:それが・・・ばあさんなんだろ?
垢爺:わしはある赤魔道士としか言っとらんwwwwwww
糞樽:・・・まぁ、いい。話を続けてくれ。
垢爺:さて、二人の幸せはそう長く続かなんだwwwwwww大戦が始まったのじゃよwwwwww
糞樽:20年前のか。
垢爺:そうじゃwwwwww女騎士は死に、赤魔道士は生き残ったwwwwwありがちな話じゃがのwwwww
糞樽:気の毒だな・・・
垢爺:生まれた故郷と伴侶を失い失意の赤魔道士を王国は上級近衛騎士に任命したwwwwwww
垢爺:そやつは大戦でもそこそこ武勲を挙げておったwwwwww
垢爺:そして王国は、いや貴族院はある任務をそやつに与えたのじゃwwwwww

憂いは消え、変わりにちらちらと燃える怒りの炎が瞳に映る

420 :クラシカル レッド:07/03/22 14:01:07 ID:???
垢爺:任務の内容は、150年前の屈辱を削ぎ王国の陰りを晴らすことじゃった・・・
糞樽:・・・150年前の屈辱?第二次コンシュタット会戦のことか?
垢爺:そう、その通りじゃ。
糞樽:・・・!まさか、バストゥークが疲弊した間に戦争を仕掛けようとしたのか!?
垢爺:愚かしい事じゃ。これは貴族院のトップ、最も力があり最も愚かな男の独断じゃった・・・
垢爺:国を失うこと、大切な人を失う悲しみ知った、赤魔道士は失望した。
垢爺:自国の戦力を測り損ねている者達やその任務の戦術、戦略の稚拙といったたぐいにではない。
垢爺:力の時代は去り、それでもなお他者から奪うことでしか繁栄を知らぬ、国にじゃ。
垢爺:そして赤魔道士は国を去った。
糞樽:・・・話はそれで終わりか?興味深かったが、今日のことと話がつながらねぇぞ。

炎は勢いをなくし、また陰りのある笑顔へとなる。

垢爺:本題はこれからじゃwwwwさっきの計画は白紙となったwwwwww
垢爺:貴族院の企みを知った国王は怒り、トップの男はボストーニュ監獄へ収監されたからじゃwwwww
糞樽:もし戦争が起こってたらサンドリアかバストゥーク、あるいは両方か。今頃地図にないな。
垢爺:じゃが昨今、収監されたトップを継ぐ者が現れたwwwwww
糞樽:・・・つくづく無能な連中だな、貴族院ってのは。
垢爺:そやつは陰の国王と言われる程の権力と高貴な血筋を持っておるwwwwww
垢爺:王も折れたのじゃwwwww歳をめされ昔程の力も気迫も持っておらぬからのぅwwwww
糞樽:!・・・だが、それじゃ!
垢爺:王も戦争を起こしたいわけではないwwwww望みをかけ、一つ条件をつけられたwwwwww

垢爺:・・・先程の国を捨てた赤魔道士を連れ戻す、もしくはそやつの死亡を確認することwwwwwww
垢爺:そして、生きていれば総指揮官にその者をつけることじゃwwwwwww

糞樽:じゃぁ、さっきの話やっぱりじいさん・・・
垢爺:・・・まったく、迷惑な人違いじゃwwwwwwのぅ、そう思わんか?wwwwwwww
糞樽:・・・ああ、そうだな迷惑な人違いだ。


421 :クラシカル レッド:07/03/22 14:01:36 ID:???
三日月はいつの間にか高く登った。
その月に雲がかかる。

垢爺:さてwwwwこの話を踏まえて糞樽、おぬしに頼みがあるwwwwwwww
糞樽:言ってたやつか、何なんだ頼みって。

おもむろに立ち上がり、ポケットから本を取り出す垢爺。
池に向かって歩を進める。

糞樽:その本はさっきの・・・・あ!

池に投げる、ぽちゃんと音がして波紋が広がる。
雲が晴れた。
三日月がまたその光を水面に映した。

糞樽に背を向けたまま垢爺が口を開く。
その表情はもう、笑顔が消えていた。

垢爺:唯一の形見での・・・捨てれんかった。
糞樽:じゃあ、どうして・・・大切なもんじゃなかったのか?
垢爺:わしと共に灰燼に帰すのはしのびなくての。

振り返り、つぶやく。

垢爺:糞樽、わしを殺してくれ。

422 :クラシカル レッド:07/03/22 14:01:58 ID:???
 ある赤魔道士の日記より抜粋 ♯2

 天晶暦884年5月10日
 己の信義と正義の下にのみ行動する、新しい若者達。冒険者とはよく言ったものだ。
 今日出会った連中はまさにそんな奴らだった。
 挑発すらまともにできないナイト、馬鹿力の白魔道士、ヤグードと仲の良いシーフと狩人
 見えない暗黒騎士、クローラーの巣の主。喋らない赤魔道士。
 皆、腕はいいようだがその力を権力や金に縛られることなく生きている。
  
 そんな時代がに来たのだ。
 わしにできるのはこんな連中に時代の舵取りを交代することだけなのだろう。


423 :クラシカル レッド:07/03/22 14:02:40 ID:???
糞樽:なっ・・・できるわけねぇだろうがっ!
垢爺:わしが人知れず灰になれば、戦は起こらん。
糞樽:だからって・・・逃げるとか隠れるとかあるだろうがっ!
垢爺:その選択肢も確かにある、じゃがやがてわしと親しいおぬしらへと刺客が来るじゃろう。
糞樽:そんな・・・
垢爺:ただでさえ目立つおぬしらじゃ、ここでわしが人知れず死ぬのが最良なのじゃよ。

そよいでいた風が、止まった。

垢爺:頼む、遺体が残れば結局はやつらの勝ちなのじゃ
垢爺:魔力に抵抗のある赤魔道士を全て灰にできる程の魔力のもつ黒魔道士はお主しかおらん。

一瞬の空白。

煉獄のような炎が身を焦がすまでのあいだ、しばし自らの人生を回顧する。
いい人生とは言い難かったと思う。
両親は幼い頃、獣人に襲われ死んだ。
戦や任務を通じてきて生きてきた、その一生は仲間や他人の血で書かれている。
唯一、本気で愛した女もその死に目にすら立ち会えなかった。

苦笑が漏れる。
自分は奪うことしかしらない国に愛想を尽かして、捨てた。
だが、そんな自分はどうなのだ?
捨てたものとたいして変わらなかったではないか・・・奪い、奪われる人生。
だからこそ、最後は自分を犠牲にすることに決めた。
しかし、それすら一人ではままらない。

最後に得た、親しき若い友人にもその身に人殺しという咎人の烙印を焼き付けなければならない。


仲間の命と戦争。天秤にかけるには二つとも大きすぎた。
普段は愛らしい大きな瞳を持つタルタルの顔はクシャクシャに歪んでいた。

苦渋の選択のすえ。
詠唱が始まった。


糞樽:「彼方に・・・十三の夜と十四の昼を超えし焔・・・世を囲う大蛇の尾を焦がす・・・
糞樽:「招致する・・・我が血に応じよ・・・我が名は・・・

詠唱の最後の一言。
喉まで出た言葉を押し込めた。

424 :クラシカル レッド:07/03/22 14:03:02 ID:???
糞樽:・・・・・・ふざけんなよ。

つぶやく・・・そして、咆哮へとかわる。
目がうるんでいるのは気のせいだろうか。

糞樽:できるわけねぇじゃねぇかっ!!!

・・・

糞樽:俺の魔法は!仲間を殺すような!!外法じゃねぇんだよっ!!!

・・・忘れていた、こやつは・・・冒険者・・・行動の第一原理は己の信義と正義・・・

糞樽:刺客だぁ?んなもん一人残らず返り討ちにしてやるよっ!

それを突き通すために、生の価値を見出す連中・・・

糞樽:ついでに言えば、戦争なんてくだらねぇもんも起こさせねぇ!!

だからこそ・・・わしも冒険者になったのではないか・・・

糞樽:じじい!この俺様が守ってやる!だから・・・死ぬなんて逃げてんじゃねぇよっ!!

逃げるか・・・ふぅ・・・わしも歳をとったもんじゃのぅ・・・

糞樽:生きて・・・最後まで戦えよっ!!

・・・生きる・・・か・・・ばぁさん・・・あと少し・・・待っててくれるかの?


もう涙を流すことに抵抗はなかった。
ぼろぼろと泣きながら、そのままうつむく糞樽。

垢爺が言葉を投げかける。
その言葉は自分に言い聞かせるようでもあった。


垢爺:老いたる獅子に最後を下すのは若き獅子の役目じゃ・・・じゃが・・・


糞樽のほうへと歩み寄る。
憂いはない、心を決めた。
いつもの笑顔。

垢爺:もう少しだけwwwwww生きてみるかのwwwwwwwww


ぽんっと糞樽の頭に手をかける。

風が一陣駆け抜けた。
止まっていた風は、またそよぎだした。
垢爺の最後は、まだ見えない。

425 :(・∀・):07/03/22 20:47:38 ID:???
渋いwwwwwww

このクォリティで初投稿って凄いなwwwwwww
自分より上手い人にアドバイスは出来ないけど、これだけは言えるwwwww


GJwwwwwwwwww 

426 :(・∀・):07/03/22 20:48:38 ID:gG9PiHwe
楽しく読ませて頂きました
次回作も期待して待ってます

427 :(・∀・):07/03/22 21:18:32 ID:???
赤爺かっこいいwwwww激しくGJですwwwww
糞樽がなぜか可愛くwwwwwwウホッwwwww

428 :(・∀・):07/03/22 21:20:22 ID:???
G J


429 :(・∀・):07/03/22 22:42:39 ID:EQSAV+Af
一気に読み込んじゃったっす〜^^
この世界を書ける作者さん一言、言わせてくれ〜〜〜






GJ(≧∇≦)b


430 :(・∀・):07/03/23 12:23:28 ID:???
止まっていたスレに新しい風wwwwwwww


GJwwwwwww

431 :(・∀・):07/03/23 21:52:05 ID:???
ぱっと見でオナ臭思えば・・・
超GJ!!!

連休だしちょっと書こうかとうきうき
土日仕事orz

432 :(・∀・):07/03/23 23:39:12 ID:???
じ、GJだなんて言わないんだからっ!

433 :(・∀・):07/03/24 09:27:23 ID:???
最初の言葉が…じ?w

434 :終わりは来ない :07/03/24 11:36:29 ID:2CuN8KB5
月のような人、初めて会った時にそう思った。
全身を包む漆黒の鎧と兜から覗いている透けるような金色(こんじき)の髪。
夜空に当たり前のように浮かんでいるお月さまみたいで、あたしよりもずっと背の高いあの人に見惚れてしまった。
運命の人。あたしだけの王子さま。そうであってほしいと、強く、強く、祈る。

       『終わりは来ない』

ピンと耳を尖らせ、尻尾を忙しなく動かしながら走る。
ジュノ上層の街道を人目なんて気にせずにローブの裾をはためかせながら全力疾。
だってだって、すっごい遠くに大好きなあの人の後ろ姿を発見したんだもん!
今日こそは誰よりも早くあの人に話しかけるんだから!

いつも赤い服を着たエルヴァーンの女の子といたり、ショートヘアーのヒュームの女の子といたり、あたしは一歩出遅れ気味。
あの人はいつも女の子にモテモテ。わかっている、あの人がどんなに魅力的な男性かという事を。
へこみやすくて人に認知されにくいけれど、優しそうなダークブルーの瞳。とっても優しいけれど照れ屋さん。照れ屋なとこがもうすっごい可愛くて…。親しみやすい性格だ。
なによりも…あの笑顔が大好き。全てを包み込んでくれそうなくらいに温かくて、安心できる笑顔。
思い出して、うっとりしてしまう。

そんな事を考えているうちに、あの人の背中まであと10メートルもない。
早く行かなきゃ、それでぎゅ〜って抱きついてあの人の名前を呼ぶの。
そうするとあの人は照れたように「く、糞猫っ!?」て大きな声をだすの。

目に飛び込んだ光景に胸がどくんとはねる。あたしは足を止めた。
短い髪を二つに結ったエルヴァーンの女の子。そして特徴的な赤い服。いつもの、無口だけど可愛い赤魔子さんだった…。
赤魔子さんがあの人に手を振ると、それに気がついたあの人があたしの大好きな笑顔で振り返る。
そして「よう、赤魔子!」て大好きな声でそう言う。あたしじゃない名前を。
いつものあたしならそんな事すらかまわずに、あの人の大きな背中に抱きついただろう。
でも、何故か、何故か、足が動かなかった。
やっと動いたと思ったらあの人がいる方向とは間逆に進んでいた。
目の奥が熱くて、鼻のそこがツンとする。
あたしは早歩きでその場を去った。

435 :終わりは来ない :07/03/24 11:41:04 ID:2CuN8KB5
さっきまで昇ったばかりだった太陽が真上まできていた。
ジュノの飲食店で一人昼飯をすませ、ぶらぶらと街をぶらつく。
何もしようとは思えなかったし、する気にもならなかったから。

「あ、もしかして糞猫か?」

ぴくりと耳を動かす。
すごく聞き覚えのある声に振り返ると、あの人が立っていた。
胸がチクリと痛んだけれど、あたしはいつもの笑顔を浮かべてあの人に抱きつく。

「餡刻さま〜! お会いしたかったですぅー」
「お、おい街中で抱きつくなよ!」

あの人…餡刻さまの恥ずかしそうな声を聞いて、今顔真っ赤なんだろうな〜と思い自己満足。
いつもの鎧とは違うフィッシャ装備を着込んでいるので、抱きついても痛くはなかった。
温かい体温が伝わってきてほう〜とそのぬくもりによいしれる。
さっきまで憂鬱だったのが嘘みたいに、あたしは機嫌をよくして尻尾をぶんぶんと振る。

「あっ! そうだ」

ばっといきなり離れると餡刻さまは驚いたように肩を震わせた。

「餡刻さま、明日予定あります!? ないですよね! 明日はあたしとデートしましょう♪」
「で、デート!? ………それよりもなんで予定ないって言い切れるかな…図星だけど…」

あう、とちょっとへこんだ餡刻さまの顔が可愛くて悪戯心が芽生える。
が、さすがに可哀想なのでからかうのはぐっと堪えた。
この反応はデートOKということなんだろうな! そう思い胸をはずませる。
明日は何を着ていこうかとか、どんなお化粧しようかとか考えた。

「ぜーったいですからね! 約束ですよ! それでは明日、10時にジュノ港のレンタルハウス入り口で待ってます」
「あ、ああ、俺なんかでよければ! 誰かと出かけるなんて久しぶりだな〜。あ! お弁当は俺が作ってくよ」
「きゃ! 餡刻さまの手作りお弁当楽しみにしてます」

嬉しそうに、そしてちょっとだけ照れくさそうな笑顔。あたしの大大だ〜い好きな笑った顔!
それから数分立ち話をして、あたしは餡刻さまとわかれた。
これから釣りをしに行くらしい。あたしもついていきたかったけど、今日は明日のデートに来ていく服を買いに行こうと思ったからやめた。

ジュノ下層にある洋服店に行く途中、見知ったタルタルを見かけた。
そいつはあたしに気がつくと、とてとて歩み寄ってきた。

「やあやあ。暗樽くんじゃないか」

おどけた口調で話しかけると暗樽はにぱ〜と女の子みたいに笑った。
野太い「萌え〜」という声と共に、あたしの後方でカメラのフラッシュの音が聞こえた気がしたがきっと空耳。
それと同時に一瞬暗樽の顔が引きつったのも気のせいなんだろうな! うん!

「こ、こんにちは! 糞猫さん。あのう」
「見かけたから声かけただけ。それじゃあたし買い物行くから!」

暗樽が何か言いたそうだったのに気がつかず、あたしは洋服店に急いだ。

「あ…。デートにでも誘おうと思ったのにな」
「それならお兄ちゃんと行こうか〜?」
「あのそのいあだれかたすけ」
暗樽は謎の暗黒騎士にさらわれ、ジュノの街へと消えていった。

436 :終わりは来ない :07/03/24 11:42:35 ID:2CuN8KB5
シアーチュニックでオシャレして、ジュノ港のレンタルハウス入り口に行くと種族装備を着た餡刻さまがいた。
お弁当が入っているらしいバスケットをわきにおいて、ベンチに腰掛けている。
あのね、餡刻さま。今日はあたしが最初に声かけるんですよ!
エルヴァーンの女の子でもない、ヒュームの女の子でもないあたしが声をかけるんです!
「餡刻さま〜」て言ってぎゅうっと抱きしめて「大好きです!」といつもみたいに言うのです!
そうすると餡刻さまは驚いてあたしを見つめて、顔を真っ赤にするんですよね。
調子の外れた声で「くくく糞猫」そう、あたしの名前を呼ぶんです。
いろんな女の子と仲のいい餡刻さま、ちょっとだけ嫉妬しちゃうときもあるけれど。
それでもそれでもっ! あたしは餡刻さまが大好きです。
いつかきっとあなたの一番になってみせます。
いつか結婚式をあげてラブラブな夫婦になってみせます。
それでね! いつも一番最初に…お月さまよりもキレイで優しい笑顔を見るんです。

「餡刻さーまっ。大好きです!」
「くくく糞猫〜! 驚くし、恥ずかしいから急に抱きつくなって言ってるだろ」

後ろから抱きつけばすぐに振り返ってほら、顔真っ赤。台詞もあってる。
彼の金色の髪が揺れてあたしの頬を撫でる。
今日はまだ始まったばかり。緩やかな春風がジュノの街を駆け巡っていた。

437 :終わりは来ない 反省文 :07/03/24 11:45:23 ID:2CuN8KB5
見直ししないで 直球勝負で投稿しましたw
えっと…なんか少女チックで【ごめんなさい】
個人的謎の暗黒騎士Z氏を出せたので満足しています(´_ゝ`)

438 :(・∀・):07/03/24 17:42:41 ID:???
うはwww最近名のない人認知されまくりwwwwwwww修正キボンヌwwwwwwww

糞猫と暗樽がくっ付いた設定もあるけど、そんなことはキニシナイ(°Д°)
これもまたいい感じなのでwwwww

439 :(・∀・):07/03/24 18:23:10 ID:???
この調子で影唄と赤魔子と餡子の分もよろしくwwwwwww

440 :(・∀・):07/03/24 19:42:46 ID:???
な、なんてこった・・・・この・・・・この・・・!!


























G J

441 :(・∀・):07/03/24 19:50:49 ID:???
GJ!!!!!!!

やっぱスレの基本は暗樽>糞猫>餡刻だよねwwwwwwwww
やっと元に戻ったよwwwwwwwww
無かった事になる暗樽カワイソスwwwwwwwwwwwwwwwww

442 :(・∀・):07/03/25 00:13:44 ID:???
暗樽と糞猫くっついても何の意味も無かったもんなwwwwwwww


443 :(・∀・):07/03/25 00:13:51 ID:???
暗樽と糞猫くっついても何の意味も無かったもんなwwwwwwww


444 :(・∀・):07/03/25 01:09:07 ID:???
また442-443は確執を深めるようなレスをww


445 :(・∀・):07/03/25 03:30:50 ID:???
今まで餡オナと不当に咎められて来たんだからこの位はしゃがせてくれよwwwwwww

446 :(・∀・):07/03/25 05:58:11 ID:???
不当も何も、餡オナじゃんwwwwwwwwwwww


447 :(・∀・):07/03/25 06:12:49 ID:L20jgvkp
ごめんなさぃいいいいい(゜Д゜;;)
最近ここに来てなかったもので糞猫と暗樽がくっついたことすら
餡オチ(Z氏オチにしようと思いましたが雰囲気台無しなので)が不当ということすら
気がつきませんでしたwwwwww
この場をかりてお詫びしますソォオオオリィイイイ!
でも
GJゆってくれた人センキュウゥウウウウ(*´д`*)
また小説を書く気になれました(ノ∀`)

448 :(・∀・):07/03/25 06:15:48 ID:L20jgvkp
餡オチ不当・・・・・・・・・・?
餡オチNGに脳内変換よろしくwwwwwww

449 :終わりは来ない Zオチ編 :07/03/25 06:44:34 ID:L20jgvkp
空はなんて青いんだろう。
空気は風となり僕の短い髪を撫でる。嗚呼なんて心地いいんだろう。
草原は遙か遠くまで続いていて、まるで緑の絨毯のようだ。
そこに座れば服越しに感じる草のざわざわした感触と、地面から香る草木の匂い。
僕はまどろみに囚われ目をそっと閉じ………
「ハァハァ。暗樽たん、おにいちゃ〜んって言ってごらんなちゃい〜」
なかった。
目の前には変態がいた。大きなガルカの変態だ。鼻がぶつかりそうなほど近くに。
絶叫をあげる暇もなく僕は冷や汗を滝のように流す。
「さて、今日のデェトはどこに行こうか〜〜?」
僕にとって地獄のような、この草原のように果てが見えない長い一日はまだ、始まったばかり…。



ボツったZ氏オチ

450 :(・∀・):07/03/25 09:52:08 ID:???
すまんwwww
SSより餡厨の浮かれ様に爆笑したwwwwwwwwwwwww


451 :(・∀・):07/03/25 10:20:50 ID:???
もういいww
終了近い今になってもピーチク騒ぐ気ねーよw好きなだけ餡刻wに走って楽しめオマイラw

452 :(・∀・):07/03/25 11:16:10 ID:???
餡刻=荒れるだなwwwwwwwwwwwwww
さっさと荒れて終わりになっちまえよwwwwwwwww
こんな餡オナスレなんかよwwwwwwwwwwwwwwwwww

453 :(・∀・):07/03/25 12:33:49 ID:???
餡オナが何故ここまで嫌われるか? の徹底検証

1・自分の気に入ってるキャラが、女はべらせてるような餡刻とくっつくのがムカつく
2・餡刻がソノ気なし&受身で決まった相手がいるというフラグが定着しづらいご都合主義がムカつく
3・とりあえず波に乗って餡オナかwと言ってみたかった反省はしてない
4・ひとまずモテる餡刻の全てがムカつく

あなたはドレカナ?

454 :(・∀・):07/03/25 12:36:07 ID:8a7oGAwR
5・餡刻?え、誰だそいつ?

455 :(・∀・):07/03/25 13:13:13 ID:???
>>451-452
なぜ隔離スレができたのか知らないおこちゃまは過去スレ読んできてねwwwwwww


456 :(・∀・):07/03/25 13:22:22 ID:???
そう、ここは不法地帯wwww偉そうにアレ作るなコレ作るなと指図される謂れなどNEEEEEEEE!!

457 :(・∀・):07/03/25 13:28:07 ID:???
>>453
6.餡廚が気色悪い



正直言って、キャラが可哀想だ。


458 :御伽噺 花 :07/03/25 16:34:05 ID:???
歌樽:いやや
巴姫:そう言わずに
歌樽:なんでウチがそないな事をせなあかんねん
巴姫:本来であれば近くの巫女が奉納していたのですが、先日駆け落ちして不在なのです
歌樽:駆け落ちてw
巴姫:お陰で神主一家は方々を駆け巡っておりまして囃子を奏でる者もいないのです
歌樽:死人はんにでも頼みや。うちは神楽なんてよー知らん
巴姫:男子禁制の奉納なれば死人殿は無理です。となると他に信頼できる方は歌樽殿しか思い浮かばないのです
歌樽:ま、まあ、そう言ってくれるのは嬉しいんやけど、でもやっぱ神楽なんて知らん
巴姫:ここに譜面があります
歌樽:……こういうのて口伝っちゅうか、覚えるもんちゃうの?
巴姫:そうとは限りませんよ。ですがまあ、この譜面は以前、死人殿に書き起して頂いたものです
歌樽:せやろな……ふむ、笛か……調子は……えらいゆったりしとるなあ…………
巴姫:どうでしょう?
歌樽:まあ、特別難しいわけでもなさそうやし何とかなるとは思うけど……
巴姫:ではお願いできますでしょうか
歌樽:これを徹夜で演るんかい
巴姫:はい
歌樽:しかも目隠し?
巴姫:厳しいですか?
歌樽:ウチもプロや、やれ言われたらきっちりやってみせるわ。けどな、プロなんやからタダではあかんで
巴姫:当然です、お礼はさせて頂きます
歌樽:うーん、お金貰うての正式な依頼やったら断る理由もないなあ
巴姫:ではお受け頂けるのですね? 良かった、ありがとうございます
歌樽:しっかし、お金払ってまでせなあかんもんなん、この花迎えっちゅう儀式は
巴姫:季節の行事みたいなものですよ、やっても何もないけど、やらないとしっくりこない。そういうものです
歌樽:その為にウチに大金払うんやから、物好きやなあ
巴姫:大金!?




【御伽噺 花】





459 :御伽噺 花 :07/03/25 16:34:59 ID:???
巴姫:お天道様のご機嫌もよし、今夜は暖かくなりそうじゃ
猫忍:そうですねぇ〜
巴姫:鼓の準備は宜しいかえ、ネコや
猫忍:ばっちりですよぉ
巴姫:注意事項はわかっておろうな?
猫忍:目隠しするんですよねぇ
巴姫:左様、決して外してはならんぞ
猫忍:でもどうして見たらいけないんですかぁ?
巴姫:花に魅せられてしまうからじゃ
猫忍:はぁ
巴姫:そう言えばネコは、花迎えは初めてじゃったな
歌樽:ん、由来とかあるんやったらウチも聞いておきたいわ
巴姫:ではお昼でも頂いた後にお茶請け代わりにお話しましょう。と言っても、たいした話ではないのですが
歌樽:ええよ、お団子でもつまみながら話そうや
猫忍:今日は豆大福ですよぉ
歌樽:和菓子っちゅうのも結構いけるもんやな、今度ガ白を寄越すさかい作り方教えたってや
猫忍:歌樽さんは作らないんですかぁ?
歌樽:ウチはもっぱら食べるほうや。ええか、料理っちゅうのは作る、食べるの二つが揃って成り立つんや
   せやから、ガ白が作ったものをウチが食べて初めて料理っちゅうものに成れるんや
巴姫:初めて耳にしました
歌樽:勉強になるやろ? 何事もそうやで、作ると食べるはセットやし、買うと値切るもセットや
巴姫:ははあ
歌樽:歌う・演じると、聞く・観る、も本当はセットなんや。せやから観るもんもおらん今回のはちょっと渋ったっちゅうわけや
巴姫:なるほど。ですが爾来、神楽とは神に奉じるもの。神が観覧あそばすとお思い下さい
歌樽:巫女舞いは神おろしちゃうん?
巴姫:良くご存知なんですね
歌樽:出来る出来ないは別にして、知識くらい多少はあるよ。こう見えても勉強熱心やさかい
猫忍:髪下ろしってなんですかぁ?
巴姫:結い髪を解くのではないぞ、神を我が身に宿す事じゃ。神がかりとも言う
猫忍:姫様が神様になるんですねぇ、は〜ありがたや
巴姫:手を合わせるな。とは言っても花迎えはやはり迎えであって、神おろしではないのです
歌樽:花が岩戸に閉じ込められてるわけでもないやろ? 迎えるってどういう事やねん
巴姫:翁をお誘いするのですよ、はなさかの翁を
歌樽:ああ、なるほど。爺やんを神様に見立てるんか
巴姫:その通り。ですので発祥は、さほど旧いものでは無いのでしょうね、翁話の後ですから
歌樽:春やのうて花やから立春の行事とは別物なんやな
巴姫:本当に吟遊詩人というご職業の方は知識が豊富ですね。立春なんてこちらの大陸近辺ではそうそう知られていませんよ
歌樽:辺境にお呼ばれして演目しくじった際には命にかかわる事もあるからな、そら情報収集に懸命にもなるよ
猫忍:じゃあその苦労話も聞かせてくださいねぇ
歌樽:まあ大福の数次第やな、タダではあかんでw
巴姫:ふふ、物々交換といきましょう。妾の話のお返しにお話を一つ。後はネコがどれだけ大福を用意するかですな
猫忍:餡を少なめにして数を増やして差し上げますよぉ
歌樽:ズルの大福やと話もホラにしてまうで

460 :御伽噺 花 :07/03/25 16:35:52 ID:???



イ寺:キシシシ
歌樽:……
イ寺:キシシシ
歌樽:……
イ寺:キシシシ
歌樽:……あーもう! 変な目でウチを見なや!
イ寺:キシシシ、タルタルといえど今はまだ客じゃ、安心せい
歌樽:今はってどういう事かいな。まったく、箸も進まんわ
巴姫:申し訳ござらん。しかし箸と言えば随分と上手に箸を使われますね
歌樽:ふふん、古今東西の食事時のマナーは習得済みやで
巴姫:それも身の安全の為ですか
歌樽:んにゃ、何処でもお腹いっぱい食べる為や
イ寺:キシシシ、斬り応えがありそうじゃ
歌樽:物騒な事言いおって――おかわり
猫忍:はぁい
歌樽:おかずはもう無いん?
猫忍:今日はお汁とお野菜だけですよぉ
巴姫:お豆腐がまだあったじゃろう、田楽にでも差し上げよ
歌樽:ええ、ええ。簡単でええねん、かつおぶし――はあかんのやな。ほなら生姜とねぎでもふって醤油をたらしておくれ
猫忍:はいはい、ちょっと行ってきますよぉ
巴姫:歌樽殿、簡素で申し訳ない
歌樽:ええよ、儀式前に肉類を断つのは良くある事や。野の物だけでも美味しければなーんも問題ない
   五穀断ちとか言われんかっただけまだマシや
イ寺:キシシシ、般若湯も呑んでおくか?
歌樽:ウチは坊さんやないんやから普通にお酒て言いや。それにこの場合はお神酒やろ。けど仕事前やし、お酒は止しておくわ
イ寺:良い心がけじゃ、キシシシ。して、楽曲は問題なしか?
歌樽:ウチよりもむしろ猫忍はんのほうを心配しておやり
イ寺:鼓打ちか、しくじったら刀の錆にするまでじゃ
歌樽:冗談に聞こえんところが怖いなあ。まあウチが心配なことと言ったら一つや
巴姫:と言いますと?
歌樽:テンポはスローやし、目隠しされるし、退屈すぎて寝てまうかもしれん
巴姫:ふふ、ならば渋いお茶でも準備しておきましょう
歌樽:あー、ウチは甘いもんが喉を通ると目が冴える性質やねん
巴姫:ならば葛湯でも
歌樽:ほなら抹茶を混ぜておくれ、生姜はいらへんで
巴姫:承知しました。ふふ
歌樽:なんやの、なんかついとる?
巴姫:あいや、失礼。歌樽殿がおかしくてつい
歌樽:変な事言うたかな?
巴姫:いえ、あまりに普通に馴染んでらっしゃるから。まるで近所の子が遊びにきたような気になって
歌樽:子供っちゅうのがちとひっかかるなあ
猫忍:お豆腐の到着ですよぉ
歌樽:お、きたきた。さてやこちらの白い子は木綿か絹か、箸を通してのお楽しみっと

461 :御伽噺 花 :07/03/25 16:36:30 ID:???


巴姫:では着替えましょう、歌樽殿とネコのは用意していますのでこちらでお着替え下さい
歌樽:あんさんは?
巴姫:妾は水で身体を清めてからですので、お先に済ませておいてください
歌樽:水て、三月の夜中に水垢離かいな
巴姫:禊ですから
歌樽:まったく、風邪ひかんように今のうちにしっかり暖をとっときや
巴姫:気を保てば湯も水も同じです、ご心配なく
歌樽:あらら、行ってもうた。まったくこの冷え込むのにご苦労なことや
猫忍:ほんとですよねぇ
歌樽:まさかウチらも水浴びせなあかんっちゅう事はないやろな
猫忍:大丈夫ですよぉ、舞いを舞う姫様だけですからぁ
歌樽:しっかしこれ、どないやって着るん? さすがにこんなん着た事はないで
猫忍:巫女装束はそんなに難しくないですよぉ、とりあえず上下脱いでくださいなぁ
歌樽:変な気おこしたらあかんで
猫忍:それもいいんですけどねぇ、さすがにふざけると姫様に悪いですからぁ。あ、上から先に袖を通してくださぃ
歌樽:ほいっと
猫忍:で、ああそうそう、緋袴をそう、で、千早はありませんからそれで終わりですぅ。髪はぁ……そのままでいいですよぉ
歌樽:すかすかするなぁ……
猫忍:よくお似合いですよぉ、お人形みたいですぅ
歌樽:褒め言葉やろなそれ。でも可愛ええな確かに
猫忍:そのスジの人が見たら泣いて喜ぶでしょうねぇ
歌樽:一着もろうて帰ろうかしらん
猫忍:残念ですけどぉ、これも借り物でぇ、うちには一着もありませんよぉ
歌樽:借り物って何処から?
猫忍:娘さんが駆け落ちした神主さんの家からですぅ
歌樽:この時期に水浴びせなあかんなら、そら駆け落ちもしたくなるわ。しかし貰えへんのは残念やな
猫忍:作ってみたらどうですかぁ?
歌樽:こういうのは本物やから価値があるねん。まあええわ、後で交渉でもしにこよ
猫忍:あはぁ〜
歌樽:そいで、猫忍はんは鼓は大丈夫なんやろな? 練習はしたけど本番とは違うもんやで
猫忍:大丈夫ですよぉ、こう見えても本番に強い子なんですぅ
歌樽:目隠ししてても?
猫忍:目隠ししててもぉ
歌樽:自信たっぷりやなあ、ほなら拍子は任せるえ
猫忍:はぁい、歌樽さんこそ眠っちゃ駄目ですよぉ
歌樽:あれは冗談や、ウチかてプロやからな、必要やったら一日でも二日でも演奏続けてみせるわ
猫忍:笛はきつくないですかぁ?
歌樽:きついのはきついよ。でも、それが出来る腕前と覚悟をもつのがプロっちゅうやつや
猫忍:惚れちゃいそうですぅ
歌樽:デートくらいやったらお金次第で相談に乗るで
猫忍:一晩お付き合いして貰おうと思ったらぁ
歌樽:国が一個買えるくらいはお足を貰わんとあかんな
猫忍:出世払いでぇ
歌樽:残念やったな、ウチは掛けはせん主義や
猫忍:あららぁ
歌樽:さて、ぼちぼちかいな。表に出とこか
猫忍:はぁい

462 :御伽噺 花 :07/03/25 16:37:20 ID:???

巴姫:お待たせ致しました
猫忍:あは〜、姫様よくお似合いですよぉ
巴姫:寸法が合って良かった、ネコも歌樽殿も良くお似合いで
猫忍:巫女さんの格好とか見たら餡子お姉さまが見たら泣いて喜ぶでしょうねぇ
巴姫:後が怖いわえ。さて
歌樽:ちゃちゃっと行こか
巴姫:承知。ネコや提灯をお持ち
猫忍:はぁい、火を点けますねぇ
歌樽:それ、ウチが持とうか?
巴姫:結構ですよ、三方を持つのは妾の役目ですから
歌樽:それ、食べ物を載せるんとちゃうん?
巴姫:普通はそうですね、けど
歌樽:花迎えでは灰というわけや
巴姫:松の灰ですね、風があると困るので今夜は凪いでいて助かりました
猫忍:それで姫様ぁ、場所は何処なんですかぁ?
歌樽:なんや、あんた知らんのかいな
猫忍:ですから私も初めてなんですってぇ
巴姫:案内するから心配せずともよい。さて、一歩門を出ればその時から儀は始まります
   別に無言で歩く必要はありませんが、それでも列を乱さぬように願います
歌樽:了解や、猫忍はんが一番でウチが二番
巴姫:最後が妾になります。あと、後ろを向いてはいけません。引き返してもいけません
   道を間違えたり落とし物をしたら、遠回りして元の場所に戻る必要があるのでご注意を
歌樽:どういう意味があるのん、それ?
巴姫:道切りが忌まれるように、戻りもまた忌まれるのです。道々歩むのは季節の巡り。妾達が戻っては寒が戻る事になります
歌樽:ふーん、うちらは冬っ子なんね
巴姫:と言うよりは、道理ですね。巡るという道理を模すのです
イ寺:む、そろそろ出立か?
巴姫:はい、行って参ります
イ寺:ふむ…………これを持っていけ
巴姫:木刀……ですか?
イ寺:この程度ならば神事に差し障りはあるまい
巴姫:――はあ
イ寺:キシシシ、では気をつけてな
歌樽:なんや気をつける必要があるんかいな
イ寺:狐狸の類が化けてでるやもしれぬぞ、眉に唾でも塗っておくがよい
歌樽:それこそ眉唾やっちゅうオチがつくで
巴姫:本当にまあ、良く知ってますね東の伝えなど
歌樽:ウチらは伝承者やからな、この神事を知るのもまたウチらの糧になるんや。ほな、行こか
巴姫:はい。ではネコよ、先導を任せた。二町目まで真っ直ぐじゃ

463 :御伽噺 花 :07/03/25 16:37:57 ID:???

巴姫:後は真っ直ぐじゃ、この先に桜がある
歌樽:神社があるんちゃうの?
巴姫:桜があるだけで鳥居もありません
歌樽:ほなら、どこで神楽するのん、地べたの上かいな
巴姫:ふふふ、ご心配には及びません。見ればわかりますよ
猫忍:あー、私わかっちゃいましたぁ
巴姫:これネコ、振り返るなよ
猫忍:わ、はぁい
巴姫:さて、着きました。後はこの石段を登れば到着です
歌樽:げ
猫忍:結構――ありますねぇ。ここで何かを落としちゃったらどうするんですかぁ、戻れないですよぉ?
巴姫:その際は横道にそれて林の中を廻るしかないのう
猫忍:あはぁ、激しいですねぇ
巴姫:落とさねば、そのような心配も無用じゃ
猫忍:それはそうですけどぉ。じゃ行きますねぇ
巴姫:っとっとっと、歌樽殿どうされた。立ち止まっては妾も進めませぬ
歌樽:……これ登るのん?
巴姫:ええ
歌樽:他に道は無いの?
巴姫:それこそ山道――というより林を突っ切るより他にありませぬ
歌樽:はぁぁぁぁ……しゃあないなあ…………
巴姫:?
歌樽:この石段見てみい、一段一段がウチの腰より上やないか
巴姫:ああ……これは……申し訳ありません、考えが至りませんでした
歌樽:でも行かなあかんのやろ?
巴姫:すみません
歌樽:はぁ〜〜、料金割り増しやでまったく
猫忍:お二人ともついてきてますかぁ?
歌樽:すぐいったるわい!

464 :御伽噺 花 :07/03/25 16:38:49 ID:???

巴姫:着きましてございます、もう振り返っても構いませんよ
歌樽:こらまた……
猫忍:立派な木ですねぇ
巴姫:翁桜、樹齢にして二千年を超えると言われている彼岸桜です
歌樽:彼岸?
巴姫:春彼岸の頃に咲くからそう呼ばれるようになったと聞いています。普通の桜よりやや早めですね
歌樽:まだ咲くのんこれ
巴姫:ええ、それはもう見事ですよ。吸いこまれそうに美しい
猫忍:舞台が用意してありますねぇ、これを作らせたんですねぇ
巴姫:社など無いからな、任邪達に用意してもろうたのじゃ
歌樽:ああ、どーりで男どもの姿が見えなかったんやな
巴姫:では位置について下さい、これより花迎えを行います
歌樽:あいよ
猫忍:はぁい
巴姫:さてこの木刀はどうしたものか……腰に差しておくか……ではこれで目隠しを
歌樽:由来は聞いたけど、やっぱけったいやなあ
猫忍:巫女服に目隠しとかぁ、もう最高ですねぇ
歌樽:なんのこっちゃw
巴姫:邪気を持ちこむと斬り伏せるぞ
猫忍:冗談ですよぉ。笑顔で木刀構えないでくださいなぁ
巴姫:まったく。さて、準備は宜しいですね。では妾も目を隠します、大丈夫とは思いますが目を隠しての舞い故に
   万が一、粗相があればお許し下さい
歌樽:かまへんよ。ほなら用意が出来たら合図したってや
巴姫:――――――――では










   きませいきませい翁よきませい
   春は女夷が告げ広げ
   花は翁が咲かせませ






465 :御伽噺 花 :07/03/25 16:39:39 ID:???

イ寺:ご苦労じゃったな
人侍:疲れたっスwww
イ寺:キシシシ、これも修行と思うが良い
人侍:今頃、目隠しして巴ちゃんが踊ってるっスね。見てみたいなあwww
任邪:+覗き見  見たい  厳禁+
イ寺:キシシシ、冥土の土産にするならば見ても良いぞ
人侍:我慢しとくっスwwwそれにしても、なんで目隠しなんすか?
イ寺:花に魅せられるのを防ぐためじゃ
人侍:魅せられるって言うとwwwwww
イ寺:良いじゃろう、教えてやろう。ヒトは花咲か爺さんというのは知っておるか
人侍:まあそれくらいなら、知ってるっスよ。枯れ木に花を咲かせましょうって奴でしょ
イ寺:あらすじはどのようなものだったかな
人侍:えっと、おじいさんとおばあさんが拾った犬がここ掘れわんわんって言うから掘ると宝が出るんスよね
イ寺:それから
人侍:隣の家の奴に頼まれて犬を貸したら、そこでは宝が出ずに怒った隣の家の奴に犬は殺されてしまう
イ寺:そして、その犬を埋めたところに木を植える
人侍:で――犬の幽霊が出てきて、木を切って臼にしろって言うんス
イ寺:鳥という説もあるが、まあそうじゃな
人侍:臼で米をつくと、これまた宝がざくざく。それをまた隣の家の者が借りると宝が出ないんで、怒って燃やしてしまう
イ寺:左様
人侍:で、その灰をおじいさんがまくと、枯れ木に花が咲く。これを通りかかった殿様に見せて褒美を貰うと
イ寺:隣の者はまねして灰をまくが、それが殿様の目に入って罰を受けると
人侍:だいたいこんな感じっすよね
イ寺:大筋はそうじゃな
人侍:でもこれがどうかしたんスか?
イ寺:花咲か爺とは花神の事でな、花迎えとは花咲かの翁を呼んでおる
人侍:ああ、そうなんスね
イ寺:さてしかし、この寓話はちとおかしいとは思わんか?

466 :御伽噺 花 :07/03/25 16:40:30 ID:???

   さくら さくら
   やよいの空は
   見わたす限り
   かすみか雲か
   匂いぞ出ずる
   いざや いざや
   見にゆかん








猫忍:(んふふー、見ちゃダメって言われては見たくなるものですねぇ)
猫忍:(ぽんぽんと太鼓を叩いてるだけじゃ眠くなるってもんですよぉ)
猫忍:(ちょいちょいっと、ずらして――――)
猫忍:(わ………姫様すごいですぅ、全然動きに迷いがないですねぇ)
猫忍:(歌樽さんも、さすがプロって言うだけありますねぇ。全然間違えませんよぉ)
猫忍:(うーん、私の前には目隠しした巫女さんが二人。カツオブシが手招きしてるみたいなものですよぉ。あ、私も巫女さんですけどぉ)
猫忍:(おあずけは辛いですぅ。ごろにゃーしたいなぁ)
猫忍:(って、こんな事考えてて鼓を違えたらお館様に斬られちゃいますからぁ、集中集中)
猫忍:(あ、いま姫様の舞は、枯木に登ってるところなんですねぇ。これから灰を撒いてお花を咲かすところですかぁ)
猫忍:(置いた三方の上の灰を一つまみしてぇ――――枯れ木に花を咲かせましょう♪ ………………………………………え?)
猫忍:(翁桜から――おじいさんが――)
猫忍:(幽霊ですかぁ、幻ですかねぇ。あらあらぁ、にこにこして怖い感じはしませんけどぉ)
猫忍:(姫様の舞に呼ばれてきたんですかねぇ、これじゃまるで天の岩戸のお話ですよぉ)
猫忍:(おじいさんが灰を撒いて〜〜〜枯れ木に花を〜〜〜あらぁ、本当に花びらが――)

467 :御伽噺 花 :07/03/25 16:41:12 ID:???


人侍:おかしいっスか?www
イ寺:この話、人を外して事象を眺めてみれば、このようになる
   拾われた犬は宝を掘り当て
   そして犬は殺され、木が育ち
   そして木は殺されて臼となり宝を生み
   そして臼はまた殺されて灰となり、そして花を咲かせる
人侍:ま、まあw
イ寺:まるで殺される為に宝を生んでいたようには思えぬか?
人侍:さあ――どうっスかねえ
イ寺:さて、巡り巡った死の末期の灰を、枯れ木に撒いて花が咲くわけじゃが
   しかし、枯れ木とは死んだ木じゃ
   死に木に、死の末期の灰を撒いて咲いた花とは、果たして生きていたのか死んでいたのか
   そして咲いた花は死に木より、何を吸っておったのか
人侍:な、なにって
イ寺:キシシシ、死を重ね、死した身に咲いた花は、さぞ美しかったろう。見てみたいとは思わぬか?
人侍:――――
イ寺:それにしても、散った花は何処へ飛んでいったのじゃろうな
   死に咲いた花は、果たして死ぬ事があるじゃろうか?
   花を咲かせた翁はその後、何処へ行ったのじゃろうか?
人侍:し、幸せに暮らしたんじゃないっスか
イ寺:そうかもしれん、そうではないかもしれん
   どうじゃ、ぬしも花を咲かせてみるか?
   枯木に花を咲かせてみるか?
   枯気に華を咲かせてみるか?
人侍:お、お館様?


468 :御伽噺 花 :07/03/25 16:41:58 ID:???


   さくらさくら
   舞い咲く花は
   見わたす限り
   現か夢か
   くるくる回る
   いざや いざや
   舞いゆかん





猫忍:(あはぁ〜、花咲か爺さんって本当のお話だったんですねぇ)
猫忍:(凄いですぅ、翁桜が満開ですよぉ。あ〜桜の花が踊ってるみたいでぇ、本当に綺麗ですねぇ)
猫忍:(お爺さんってば身が軽い方なんですねぇ、木のてっぺんへひょいひょい飛んでいきますよぉ)
猫忍:(そうですよぉ、高い処から撒いたほうが効率いいですもんねぇ)
猫忍:(あらあらぁ、姫様も歌樽さんも桜の花びらに包まれてしまって、まるで小さな桜の木みたいですぅ)
猫忍:(枯れ木どころか、人にも太鼓にも花が咲いてますぅ)
猫忍:(あはぁ、私の体も色んなところから花が芽吹いてきましたよぉ)
猫忍:(このまま私もお花になっちゃうんですねぇ)
猫忍:(生身に花が咲いちゃいましたぁ、私も一枚の花びらになってぇ、ずっとずっと飛んでくんですねぇ)
猫忍:(だったら、お爺さんについていかなきゃいけないですねぇ)
猫忍:(花を咲かせてくれるのはぁ、お爺さんですからぁ)
猫忍:(それぇ、枯れ木にも生き気にも花を咲かせてくださいなぁ)

469 :御伽噺 花 :07/03/25 16:42:51 ID:???


イ寺:花は桜木、人は武士。美しく咲いたら、後は散るのみよ
人侍:――
イ寺:こらヒトよ。騙り話じゃ、あてられるでない
人侍:か、かたりっスか
イ寺:騙りに決まっておろう、これは心安き者こそが幸福を得るというお伽話じゃ
   灰が花になるのは不死鳥などと同じく火が命を生むのをかけておるのじゃろうよ
人侍:な、なんだ。驚かせないでくださいよwwwww
イ寺:まったく、この程度の事で揺らぐとは修行が足りん。素振りでもしてくるが良い
人侍:了解っス、ちょっとすっきりしてきますwwwwww
イ寺:世話の焼ける奴よ
任邪:+お館さま 意地悪 人が悪い+
イ寺:忍びめが、言いたい事があるならはっきり言え
任邪:では。あの若二才にあらぬ話を吹き込んで、魂消させましたな
イ寺:くくっ
任邪:剣のみならず言も使うとは思いませんでしたぞ
イ寺:なに、気晴らしよ。あ奴ら若僧は物事を白と黒にわけたがるからな、物事には色んな見方があるというのを教えただけじゃ
任邪:何も翁話を怪異にしたてずとも良いでしょうに
イ寺:何を言うておる任邪
任邪:は?
イ寺:怪異は怪異じゃろうが、枯れ木に灰を撒くと花が咲くなど怪異以外の何である
任邪:しかし、これは元々が作り話でしょう?
イ寺:伝わるからには根元があったのさ、花に魅せられた翁の話がな
   咲く花よりも散る花に。生よりも死に魅せられていずこかへ消えていった
任邪:では花迎えとは……?
イ寺:さてや翁は生死の境で花と舞い、花神となったか、怪となったか…………くっく、忍びよわしの言葉に騙されるでないぞ
任邪:は、はあ
イ寺:下手に考えるでない、怪異は怪異としてその姿を認めて共に暮らすのが我らよ。暴こうなどと無粋はするまいよ
   さて、わしはひと眠りするゆえ、後は勝手にするがよい
任邪:はっ、お休みなさいませ――…………いかん、俺も少し………………ヒトと一緒に汗でも流すとするか

470 :御伽噺 花 :07/03/25 16:43:49 ID:???


   さくらさくら
   去りゆく花は
   見わたす限り
   誘うか呼ぶか
   後ろを隠す
   いざや いざや
   添いゆかん






歌樽:(…………)
歌樽:(……妙やな、猫忍の鼓が玄妙すぎる。いやいや、玄妙を通り越して幽玄の域や)
歌樽:(たかが鼓でここまで? ウチが羨ましいと思うくらいの打ち手やったか?)
歌樽:(――事実は事実や。二度出来るかはしらんが、今の猫忍の鼓は寒気するくらい妖しい)
歌樽:(しかしこれ……ええのか巴姫はん、この音色は演じ手の命を吸うで)

巴姫:(ん、笛の調子が変わった?)
巴姫:(歌樽殿? ――――む、なんじゃこれは、殺気? 闘気?)
巴姫:(違う、そのようなものではない。まさかこれが妖気というものか)
巴姫:(そうか、歌樽殿はこれを妾に知らせようと)

歌樽:(気付いてくれたかいな、足の運びが少し変わったな)
歌樽:(とはいえこれはどうしたもんかいな、単なる気のせいかもしれんし)
歌樽:(目隠しとったろかいな……………………あかんな、取ったらどうなるかわからん)

巴姫:(取られるなよ、これは――――何かが来ている)
巴姫:(ここは心乱さずに神楽を進めるより仕方ない)
巴姫:(歌樽殿、ネコ、気をしっかりもって――)

歌樽:(ああ、やっぱり通じてへんかったかいな。ちゃうねん、猫忍がおかしいねんて)
歌樽:(ああもう、こらあかん。直接わかって貰うより他ないな)


  タン


巴姫:(歌樽殿が立たれた? 何を――?)
歌樽:(あーもう、厄介やなあ。えっとまずは片手で弾けるように長調を変えて……)
歌樽:(でもって次は……足音で場所を探る―――――右前方――ニ、いや、三メートル――ここや)
巴姫:(手? 手をとって何をしようと言うのです――書いてる? ネコ……キエル…………ネコが消える?)
歌樽:(もーーーーこれでわからんかったら、目隠し取るでいい加減!)
巴姫:(――――――――――――相わかった、なれば)
歌樽:(ん…………足踏みがはよなってきた……倍……三倍……剣豪の……了解や)
巴姫:(さすが歌樽殿)
巴姫:(父上はまさかこれを見越して……? いやまさか……いくら父上でも……)
巴姫:(いや、そのような事を考えている場合ではない。とにかく感謝致しますぞ父上)
巴姫:(神楽は仕舞い。これよりは剣舞をご奉納致そう)
巴姫:(照覧あれ、これが侍の花奉り)

471 :御伽噺 花 :07/03/25 16:44:57 ID:???

   まわるまわる
   くるまはまわる
   花よとどけと飾りて積みて
   まわるまわる
   くるまはまわる
   まわりて来る年また咲けよと
   まわるまわる
   くるまはまわる




猫忍:(あはぁ、花が私で私が花でぇ、咲くのが私で散るのが私、風に泳いで何処までもぉ)
猫忍:(くるくるぅ、くるくるぅ)
猫忍:(おやおや姫様ぁ、どうされたんですかぁ)

巴姫:(たわけネコめ、いいつけも守れぬとは躾が甘かったか)
巴姫:(後で仕置きしてやるわい。――さて、翁よこの者はまだ俗世に未練がありすぎます)
巴姫:(この者、未熟なれば花と逝くには早すぎます、どうかこちらへお残しあれ)

猫忍:(姫さまぁ、お花の前でそんな物騒なものを持ち出しちゃ駄目ですよぉ)
猫忍:(さぁ、一緒に舞いましょうよぉ)
猫忍:(ここは白桜、紅桜、乱れ舞い踊る花の園ですよぉ)

巴姫:(ネコが、火車にでもなったつもりか、まったく)
巴姫:(――――散らせ巡らせ花積みて――


   お去よお去よ翁よお去よ
   花が咲いたら翁よお去よ
   散りては落ちるが花なれば
   舞いにかまけてはなりませぬ


   ――花車





猫忍:(あぁ、お花がぁ…………)

472 :御伽噺 花 :07/03/25 16:54:58 ID:???
歌樽:………………これにてお仕舞い。朝や。目隠し、取るで?
巴姫:はい、妾も
歌樽:――猫忍? ちょ、まさか
巴姫:ご心配には及びません、これ起きよネコ
猫忍:んん〜………………朝ですかぁ
巴姫:朝ですか、ではないわ。まったく眠りこけおって
猫忍:あれぇ? お花と一緒に踊ってたんですけどぉ
巴姫:たわけ、花はこれからじゃ。夢でも見たのであろう
猫忍:え……そんなはず無いですよぉ、私たしかにお爺さんとぉ
巴姫:夢じゃ。さて、さっさと帰るぞ
猫忍:はぁ……………………って姫様! その腰のは!?
巴姫:ん
猫忍:ぼ、木刀がぁ
歌樽:桜の枝になっとるな
巴姫:ふむ。まあそういう事もありましょうよ
歌樽:――――――さよか。ほな帰ろうか
猫忍:ま、待って下さいよぉ、そんな、おかしいじゃないですかぁ
巴姫:ネコ
猫忍:は、はい
巴姫:この桜木はお前にやろう、部屋にでも飾るがいい
猫忍:え、ええ、はぁ
巴姫:それを見る度に、己の未熟を思い出すがよい。まったく、鼓一つ満足に打てんとは
猫忍:はぁ、すみません〜
歌樽:お腹空いたで、はよ帰ろうや
巴姫:そうですな、風呂にでも入って眠るとしましょう
歌樽:よし、かけっこや
巴姫:はい。ほれネコ、何を呆けておる、置いていくぞ
猫忍:あ、は、はぁい……って待って下さいよぉ!

歌樽:いっちばーん
巴姫:これ、忍びがビリとは情けないぞ
猫忍:そ、そうは言ってもぉ、なんだか身体がしっくりこなくてぇ
巴姫:鍛錬が足りぬのじゃ。ま、一晩も寝れば涅槃より気も戻ってくるじゃろ、精をつけて温まって眠るが良い
猫忍:涅槃?
巴姫:眠りこけておったから風邪でも引きかけたのじゃろう、仕置きは明日に延ばしてやるから――
歌樽:ご飯やご飯、ごっはっん
猫忍:あ、私がよそいますからぁ。おーい任邪ぁ、お味噌汁はちゃんと出来てるぅ〜?
巴姫:ふう。さて妾は着替えてから参りますから、先に召し上がっていて下さい
イ寺:戻ったか
巴姫:父上――ただいま戻りましてございます
イ寺:うむ、ご苦労じゃった。大事なかったか
巴姫:お陰様を持ちまして
イ寺:うむ、そうか
歌樽:うむ、そうか。やあらへんがな、まったくもう大変やったんやで
イ寺:何か見たか?
歌樽:目隠ししとって見えるかいな
イ寺:キシシシ、では何も無かったのだろうよ
歌樽:何もて、あんなあ………………ふん。まあ確かに、見ても無いなら何があったとも言えんわな
イ寺:季節の変わり目には面白い事はよくあるものじゃ。面白いといえば――――ほれ、主の肩に
歌樽:ん――これは
巴姫:桜の花びら、ですね
歌樽:やれやれ、気の早い桜もあったもんや。ほれ飛んでおいき、そんでもってあんたのお仲間を起こしてきいや
巴姫:春――ですね
歌樽:そうや、ウチら吟遊詩人も宴やなんやと引っ張りだこの稼ぎ時やwwwどれ、一丁景気よく花を咲かせて商売繁盛たのんまっせ

風に乗ったか、塀の向こうへふあふあと飛んで行った薄紅の花びらへ向けて
少女は妙に景気良く拍手を打ったのだった

503 KB [ 2ちゃんねるが使っている 完全帯域保証 レンタルサーバー ]

新着レスの表示

掲示板に戻る 全部 前100 次100 最新50
名前: E-mail (省略可) :
inserted by FC2 system